JPH019722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用天井の内張り構造に関する。

従来の自動車用天井の構造は第１図に示すよう
に、ルーフパネル１の内面にインシユレータ２を
貼り、ヘツドライニング３に適宜間隔をおいて縫
着した吊架袋４に前記ヘツドライニング３を適度
の張力をもつて、吊り上げるルーフパネル１の彎
曲形状に合わせて弓状に曲成した線状材であるリ
ステングワイヤ５を挿通し、このワイヤ５の端末
折り曲げ部５ａをルーフサイドレール６の孔７に
嵌挿係止している。尚１２はウルトを示す。

しかしながらかかる構造にあつては、第２図に
示す如くリステングワイヤ５が弓状に彎曲し、し
かも端末に折り曲げ部５ａを有するので、吊架袋
４はワイヤ５を円滑に挿通させるためにはこれに
応じて所要な余裕をもつた適度な大きさａ（第３
図参照）が必要となり、結局ヘツドライニング３
は吊架袋４の大きさ分だけ垂れ下り車室内の居住
空間を狭くする難点があつた。

そこで、上記欠点を解決するために実公昭45−
12881号に示すように、ボデー側壁の孔にほぼＬ
字形に曲折した脚片の一方を嵌着係止し他方の脚
片に構成した合成樹脂の筒体には端末を折曲しな
い線状材の両自由端を着脱自在に嵌挿し、線状材
を以つて吊架袋を介して内張材料をルーフパネル
内面に吊上げるようにしたものもある。

しかし、この構造にあつてはボデー側壁の孔に
係止した脚片が回転してしまう恐れがあり作業性
が良いとはいえずしかも筒体内でリステイングワ
イヤのころびの恐れがあつた。

本考案は上記点に鑑み、吊架袋を小さくし車室
内の居住空間を広くし、しかも作業性が良く、リ
ステングワイヤのころびの現象のない自動車用吊
り天井の内張り構造を提供する。

以下第４図以降を参照して本考案の一実施例を
説明する。

なお、第１図で示す従来の部品と同一の部品に
は同一符号を付してその説明を省略する。

本考案においては、第５図に示すように、吊架
袋４に挿通されるリステングワイヤ５をその一端
は短かく切断してルーフサイドレール６に到達し
ない長さとし、しかも傾斜の急な折り曲げ部を形
成せず緩かに傾斜した直線状として、他端は折り
曲げ部を除いては略直線状とする。リステングワ
イヤ５の他端の折り曲げ部には従来と同様のルー
フサイドレール６の孔７に挿入したときのストツ
パーとなる突起１３が形成されている。第４図，
第５図に示すように、本考案の特徴である前記リ
ステングワイヤ５の一端側自由端部には樹脂材料
で成形されたジヨイント１４（第７図参照）の前
記リステングワイヤ５の端部の緩やかな傾斜に合
わせて傾斜した直線状の円筒１５の端面に穿設し
た係合孔１６が嵌合されているこのジヨイントの
うち少くとも円筒１５は弾性を有する。このジヨ
イント１４は第８図に示すように、前記円筒１５
の側面には前記係合孔１６に連通する貫通孔１７
とスリツト１７ａが形成されている。この貫通孔
１７とスリツト１７ａは前記係合孔１６に挿入し
たリステングワイヤ５の一端自由端部側部に形成
された係止突起１８を弾性力に抗して押し拡げ係
止するように形成されている。そしてリステング
ワイヤ５がジヨイント１４に対して回転不能とな
つている。前記ジヨイント１４の円筒１５の基部
にはルーフサイドレール６の面と略直角に延びる
係合軸１９が連設され、これらの連結部にはルー
フサイドレール６に設けた単一の係合孔２０（第
９図参照）に係合する回転止め片２１が前記円筒
１５と同軸に形成されている。これら係合孔２０
と回転止め片２１は該ジヨイント１４の回転を拘
束する形状例えばトンネル形となつている。さら
に前記回転止め片２１に隣接して前記ルーフサイ
ドレール６面に当接するストツパ片２２が形成さ
れている。

かかる構成においてリステングワイヤ５を取り
付ける場合には、先ず短かく切断されたリステン
グワイヤの一端を吊架袋４に挿入し、次にそのリ
ステングワイヤの突出端をジヨイント１４の係合
孔１６に嵌合する。この状態でリステングワイヤ
５は第５図に示すように両端が同形状となる。し
かる後ジヨイント１４の係合軸１９を係合孔２０
に挿入し、次いで回転止め片２１を係合孔２０に
係合し、さらにストツパ片２２をルーフサイドレ
ール６面に当接する。かくしてジヨイント１４と
一体のリステングワイヤ５はこれ以上奥に突入す
ることはなく、しかも回転することがない。続い
てリステングワイヤ５の折れ曲つた他端を他のル
ーフサイドレール６の円孔７にそのまま挿入すれ
ば突起１３が孔７の周縁に係止され、リステング
ワイヤ５の取付けが完了する。

以下上記の工程により順次リステングワイヤ５
を取り付けることによりルーフパネル１の内面に
ヘツドライニング３を貼ることができる。

なお、リステングワイヤ５の取り付け方として
は上記手段の他に、従来の一般的作業法によつて
も可能である。すなわち第１０図に示すように、
リステングワイヤ５を鎖線で示すように下向きに
した状態で夫々その各端部（一方はジヨイント１
４）を係合孔２０および円孔７に挿入する。この
状態で係合孔２０にはジヨイント１４の係合軸１
９のみが挿入されている。その後、実線に示すよ
うに180゜回転させルーフパネル１の形状に合わせ
れば、セツトと同時にリステングワイヤ５の張り
剛性によるスプリング効果によつて、ジヨイント
１４の回転止め片２１が係合孔２０に挿入係合さ
れ、次いでストツパ片２２がルーフサイドレール
６面に当接して張り剛性が保持される。

なお、上記説明ではジヨイント１４はリステン
グワイヤ５の一端のみに取り付けたが、両端に取
り付けても良いことは勿論である。この場合リス
テングワイヤ５は折り曲げ部を有しない両端を短
かく切断するものとする。

以上のように本考案によれば、リステングワイ
ヤ５の端部が略直線状となつたので、吊架袋４は
リステングワイヤ５が容易に挿通できる大きさで
良く、したがつて吊架袋４は従来のものに比し大
幅に小さくすることができ、車室内の居住空間を
広くとることができ近時流行となつているルーフ
の扁平化に即応できるとともに、ジヨイント１４
は回転止め片２１および係合孔２０により回転が
拘束されているので、これと一体のリステングワ
イヤ５は回転することがなく非常に作業性が良く
なり、かつ取り付け後のころび現象もなくなり、
さらにジヨイント１４にはストツパ片２２が形成
されているので、リステングワイヤ５は常時充分
な張り剛性を有するよう保持され、天井面の見栄
えが良くなり、しかも構造が単純で安価となる等
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用吊天井の構造を示す概
略説明図、第２図はその要部断面図、第３図は第
２図−断面図、第４図は本考案の構造を示す
要部断面図、第５図はジヨイントを端部に嵌合し
たリステングワイヤの正面図、第６図は同じくリ
ステングワイヤの端部形状を示す斜視図、第７図
はジヨイントの斜視図、第８図は同じくその側面
図、第９図はジヨイントが取り付けられるルーフ
サイドレールパネルの斜視図、第１０図はリステ
ングワイヤの他の取付手段を示す説明図である。 １……ルーフパネル、３……ヘツドライニン
グ、４……吊架袋、５……リステングワイヤ、６
……ルーフサイドレール、７……円孔、１３……
突起、１４……ジヨイント、１５……円筒、１６
……係合孔、１７……貫通孔、１７ａ……スリツ
ト、１８……係止突起、１９……係合軸、２０…
…係合孔、２１……回転止め片、２２……ストツ
パ片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 線状材により吊架袋を介してヘツドライニング
   をルーフパネル内面に吊り上げる構造において、
   前記線状材の少なくとも一端を短く切断してルー
   フサイドレールに到達しない長さとし、しかも緩
   やかに傾斜した直線状とするとともに、該端部を
   前記ルーフサイドレールに係合するジヨイント
   を、前記線状材の傾斜に合わせて傾斜し該線状材
   に回転不能に嵌合すべく該線状材の一端自由端部
   側部に形成された係止突起が係止される貫通孔お
   よびスリツトを有しかつ弾性をもつ直線状の円筒
   と、この円筒の基部に連設した係合軸と、これら
   円筒と係合軸の連結部に該係合軸と同軸に設けら
   れかつ前記ルーフサイドレールに設けた単一の係
   合孔に係合する回転止め片と、この回転止め片に
   隣接し前記ルーフサイドレール面に当接するスト
   ツパ片とで形成したことを特徴とする自動車用天
   井の内張り構造。