JPS6211147B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、断熱効果の優れた天井下地板に関す
る。

従来の天井断熱は、第１図に示すように、天井
仕上げ材１上にグラスウール、ロツクウール等の
断熱材２を敷設していた。３は野縁、４は防水シ
ート、５は釘である。しかし乍らこの従来例で
は、断熱材２と野縁３との間に隙間ができて断熱
効果が上がらなかつたり、断熱材の敷設作業に時
間がかかると共に作業性がわるかつたり、グラス
ウールやロツクウールが吸湿して断熱効果が低下
し、むしろ湿気の溜り場となる等の多くの欠点が
あつた。また、輻射熱に対しての対策は全く施さ
れていなかつた。

そこで本発明は、これらの欠点を解消し、吸湿
等の問題を起こすことなく優れた断熱効果を発揮
すると共に、天井を断熱構造とする作業が容易で
あり、しかも輻射熱対策の講じられた新規有用な
天井下地板を提供することを目的とする。

以下、本発明に係る天井下地板を図面に示す実
施例に基づいて説明する。第２図イ，ロ，ハは天
井下地板を構成する天井断熱パネルを示し、Ａ，
Ｂは一端若しくは他端用の天井断熱パネル、Ｃは
中間用の天井断熱パネルで、いずれのパネルも発
泡ウレタン、発泡スチロール、フエノール樹脂発
泡体等の弾力性を有する発泡樹脂断熱板を主体と
している。

前記一端用天井断熱パネルＡの構成は、弾力性
を有する発泡樹脂断熱板６の一端部に段部８が形
成され、この発泡樹脂断熱板６の他端部、および
他端部と段部８との間に桟７，７が一体的に段部
８と平行に固着されるとともに、各桟７，７を含
む発泡樹脂断熱板６の上下面の少なくとも一面に
アルミ等の箔９が貼着されてなるものである。他
端用の天井断熱パネルＢの構成は、桟１０が発泡
樹脂断熱板１１の一端にのみ一体的に固着されて
おり、他端部と段部との間には設けられていない
点が前記一端用天井断熱パネルＡと異なるだけで
他の構成は前記パネルＡと同一である。即ち他端
には接合用の段部１２が形成され、上下面の少な
くとも一面にはアルミ等の箔１３が貼着されてい
る。尚、一端用天井断熱パネルＡを他端用天井断
熱パネルＢと同一構成とするも、或いは逆に他端
用天井断熱パネルＢを一端用天井断熱パネルＡと
同一構成とするも良き事は勿論である。一方、前
記中間用天井断熱パネルＣの構成は弾力性を有す
る発泡樹脂断熱板１４の両側端部にそれぞれ接合
用の段部１６ａ，１６ｂが互いに平行に形成され
るとともに、これら段部１６ａ，１６ｂの間に複
数本の桟１５，１５が段部１６ａ，１６ｂと平行
にかつ発泡樹脂断熱板１４と一体的に固着され、
これら桟１５，１５を含む発泡樹脂断熱板１４の
上下面の少なくとも一面にアルミ等の箔１７が貼
着されてなるものである。前記段部１６ａ，１６
ｂは図示例では互いに反対方向を向くように形成
されているが、アルミ等の箔１７がパネルの上下
両面に貼着してある場合には該段部１６ａ，１６
ｂはどちらも同じ向きに形成しても良い。またこ
のパネルＣ及び前記一端用天井断熱パネルＡの桟
７，１５は、図面に示すように２本とは限らな
い。これら両パネルＡ，Ｃにおける断熱板の中間
に固着された桟７，１５は、断熱板６，１４を発
泡させるときに同時にその断熱板６，１４に埋設
するように固着するのが好ましい。また各パネル
Ａ，Ｂ，Ｃにおける桟７，１０，１５は木材が好
ましいが、樹脂材であつてもよい。更に前記各パ
ネルＡ，Ｂ，Ｃの上下一面に貼着される箔９，１
３，１７はアルミ箔が好ましいがその他の合金箔
であつてもよい。しかしこの箔は輻射熱を遮断す
る働らきをするものであるから反射効果の高い銀
色箔が好ましい。この場合、暖地用の断熱パネル
には上からの熱気を遮断するためパネル上面にア
ルミ等の箔を貼着するのがよく、寒地用のそれに
は下からの熱気を遮断するためパネル下面に箔９
を貼着するのがよい。また、寒地暖地兼用の天井
断熱パネルには上下両面にアルミ等の箔を貼着し
ておくとよい。

尚、図中１８…は各パネルＡ，Ｂ，Ｃの上下両
面に貼着したクラフト紙で、接着性良く、防湿効
果もよい。

上記各パネルＡ，Ｂ，Ｃから天井下地板を構成
するには、第３図に示すように、隣合うパネルの
端部に形成された接合用段部８，１２，１６ａ，
１６ｂを順次突合せて接合することにより行な
う。そして各パネルＡ，Ｂ，Ｃの桟７，１０，１
５を利用して、天井裏に架構されている野縁１９
に取付ける（第４図参照）。この取付けは各桟が
木材又は樹脂材であるから釘着という簡単な方法
によつて行なうことができる。２０が釘である。
またこの天井下地板の下面には天井仕上げ材を張
設するが、この場合の仕上げ材の取付けも各パネ
ルの桟７，１０，１５を利用することができる。
パネルＡ，Ｂ，Ｃの接合部分及びパネルＣ同士の
接合部分は第５図に示すように、断熱構造を更に
完全なものにするために同質のアルミ等の箔２１
でシールする。

上記の如くなる本発明天井下地板は次の各効果
を奏する。

(a) 天井下地板を構成する各パネルが発泡樹脂断
熱板を主体としており、該断熱板はロツクウー
ルやグラスウール等のような吸湿性を有してい
ないので断熱効果が長期に亘つて劣化すること
がない。

(b) 各パネルが弾力性を有する発泡樹脂断熱板を
主体としている点、及び該断熱板に桟が一体的
に（埋込むように）固着されていて、断熱板と
桟との間に隙間が生じない点、並びに各パネル
の接合は発泡樹脂断熱板に形成された段部同士
の突合せによるので接合部分が互いの材質の弾
力性によつて略々完全に密着している点、さら
には各パネルの接合部分がアルミ等の箔でシー
ルされている点という４点によつて天井下地板
としての断熱効果は特に優れている。

(c) 各パネルを予じめ形成された段部を突合せる
ことによつて接合すればよいため、天井下地板
の組立て作業が非常に簡単である。

(d) 各パネルの桟を利用することにより、天井下
地板を野縁に取付ける作業が簡単となり、また
天井仕上げ材の張設も前記桟を利用することに
よつて非常に簡単となる。

(e) パネルの上下面の少なくとも一面にアルミ等
の箔を貼着しているため輻射熱を遮断する構成
となり、断熱効果を更に高めている。

(f) 桟と断熱板と箔とをあらかじめ一体的に構成
しているため天井部への装着が容易である。

(g) 各パネルは、発泡樹脂断熱板に桟が一体的に
固着されているため、弾力性を有する発泡樹脂
断熱板を使用しているにもかかわらず、発泡樹
脂断熱板が下方に垂れたりするといつたことが
なく、平滑な面を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は天井断熱の従来例の断面図、第２図
イ，ロ，ハは本発明天井下地板を構成する端用天
井断熱パネル又は中間用天井断熱パネルの断面
図、第３図は天井下地板の全体断面図、第４図は
天井断熱パネルを野縁へ取付ける状態を示す拡大
断面図、第５図はパネル同士の接合部分の拡大断
面図、第６図は野縁に天井下地板を張設した状態
を示す天井裏から見た平面図で、一部屋分を表わ
し、各天井断熱パネルの接合部分は鎖線で示して
いる。 ６，１１，１４…発泡樹脂断熱板、７，１０，
１５…桟、８，１２，１６ａ，１６ｂ…段部、
９，１３，１７…箔、Ａ，Ｂ…端用天井断熱パネ
ル、Ｃ…中間用天井断熱パネル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弾力性を有する発泡樹脂断熱板の一端部に接
   合用の段部が形成され、この発泡樹脂断熱板の他
   端部、もしくはこの発泡樹脂断熱板の他端部およ
   び他端部と前記段部との間に桟が一体的に前記段
   部と平行に固着されるとともに、前記桟を含む発
   泡樹脂断熱板の上下面の少なくとも一面にアルミ
   等の箔が貼着されてなる端用天井断熱パネルと、 弾力性を有する発泡樹脂断熱板の両側端部にそ
   れぞれ接合用の段部が互いに平行に形成されると
   ともに、これら段部の間に複数本の桟が段部と平
   行にかつ前記発泡樹脂断熱板と一体的に固着さ
   れ、これら桟を含む前記発泡樹脂断熱板の上下面
   の少なくとも一面にアルミ等の箔が貼着されてな
   る中間用天井断熱パネルとが、それぞれの接合用
   段部が突き合わされて接合されこれら接合部分が
   アルミ等の箔でシールされて構成された天井下地
   板。