JPS6194756A - 金属と樹脂の複合体の製造方法 - Google Patents

金属と樹脂の複合体の製造方法

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JPS6194756A
JPS6194756A JP21621184A JP21621184A JPS6194756A JP S6194756 A JPS6194756 A JP S6194756A JP 21621184 A JP21621184 A JP 21621184A JP 21621184 A JP21621184 A JP 21621184A JP S6194756 A JPS6194756 A JP S6194756A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は金属と樹脂との被合体並びにその製造方法に係
シ、特にプリント板用基板への適用に好適な金属と樹脂
との複合体並びにその製造方法に関する。
〔発明の背景〕
従来、金属と樹脂との接着に関し、樹脂iとの接着力を
高めるために金属の表面処理法として13種種の方法が
検討されてきた。例えば、機械的若しくは酸性液中にお
いて、酸化剤により金属の表面をエツチングし、粗化し
た後、しばしばアルカリ。
注の液中であるいは液が酸性で6っても、金属の表面が
反応によってpHが高くなることを利用して、金属表面
上に酸化膜を形成し、その酸化膜を介して、金属と樹脂
とを接着させる方法がある。
具体的には例えば銅に対しては酸性液として塩化第2銅
と塩酸を含む水溶液を用い、エツチングにより金属銅表
面を粗化した後、亜塩素酸、リン酸。
カセイソーダを含むアルカリ性の液により、鋼表面に銅
の酸化膜を形成し、この酸化膜を介して樹脂と室温下で
、或いは加熱し、更に加熱、加圧によ勺接着する。また
、金属表面上に酸化膜を形成する方法としては過マンガ
ン酸カリとカセイソーダを含む故によυ、酸化処理する
方法もある。更に、酸化膜を形成する方法としては紫外
線照射により、或いは火炎処理などがある。また、鉄を
リン酸中に浸漬すると、鉄はリン酸によって酸化され、
七〇際鉄表面のpHは水素発生により、上昇し、鉄の表
面上に安定な鉄のリン酸塩を生ずる。
樹脂はこれらの金属酸化物めるいは金属塩を介して゛、
高強度の接着力を有するようになる。しかし、これらの
金属酸化物或いは笠属塩は酸に対して弱いという欠点を
有している。戴属−樹脂複会体はしばしば酸と接するよ
うな雰囲気下で製剤される場合がある。このため釡属−
樹脂′4.会体は機械的な接着強度だけでなく、化学的
にも安定であることが望まれている。
ところで銅被膜の密着性向上方法として特開昭56−3
5497号公報、同57−177593号公報の技術か
める。いずれも鋼板膜を一旦酸化した後高温還元性雰囲
気下で純銅の光沢が出るまで酸化銅を還元し純粋な金属
表面を得る技術を開示しておシ、特に後者では多結晶微
粒子を排除してこの粒による脆弱さを解消することを開
示している。
つまシ微粒子の無い光沢表面にまでした銅が積層体にす
ると剥離残置を強めるとされている。しかしながらいず
れの引例の技術も本発明者の検討によればまだ密着力は
充分とは言えない。また本発明者の知る限シかって金属
−樹脂界面の耐酸処理に関する有効な技術は提案されて
いない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は樹脂−金属間の密着力に優れかつその界
面(つtb金属層)が耐酸性の強い金属と樹脂との複合
体、及びその製造方法を提供するにある。
〔発明の概要〕
本願第1誉目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、外
観上無光沢でこげ茶色乃至黒色の色相を呈する程度の表
面粗さを有する金属層が、この表面にて樹脂層に密着し
ていることを特徴とする特本願第2番目の発明に係る金
属と樹脂との複合体は、下地金属表面に形成された第1
の凹凸部と、この第1の凹凸部表面をその凹凸面に沿っ
てこの第1の凹凸部よりも薄くかつ微細な凹凸表面をも
って覆う還元金属からなる第2の凹凸部と、第2凹凸部
の表面に密着する樹脂層とを有することを特徴とする。
本願第3番目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、電
解還元により得られる金属層が樹脂層に密嘴しているこ
とを特徴とする。
本願第4番目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、下
地金属層と、この下地金属層上に設けられるものであっ
て金属酸化膜の電解還元で得られる還元金属層と、この
還元金属層上に密着する樹脂層とを有することを特徴と
する。
本願第5番目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、金
属酸化膜表面を電気的に還元して得られる還元金属層を
樹脂層に密着させる工程を含む製法で得られることを特
徴とする。
本願第6番目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、専
い金属銅層を表面に有する絶縁板の金属銅層の表面をf
il化処理してこの表面に銅酸化膜を形成する第1工程
、レジストとの蟹着性が低下しない程度に名句酸化膜を
゛電解還元する第2工程、この電解還元された銅酸化膜
を非回路部分についてのみレジストで覆う第3工程、電
解還元された銅酸化膜のレジストで覆われていない回路
部分に回路導体として必要な厚さに銅を化学めっきによ
り付着させる第4工程、しかる後、レジストを除去し非
回路部分の金属銅層及び電解還元された銅酸化膜をエツ
チングにより除去する第5工程を含む製法で得られた絶
縁回路板であることを特徴とする。
本願第7番目の発明に係る金属と樹脂との複合体は、両
面に金属銅層の設けられた各絶縁シートに複数の穴を明
け、この穴の内壁をめっきする棺1の工程、この金属銅
層表面を酸化して金属酸化膜を形成する第2の工程、し
かる後この金属酸化膜を電解還元する第3の工程、次い
で回路パターン形成の為にレジストをラミネートし焼付
し更に現像する第4の工程、次いで前工程でレジストの
紋けられた各シートをエツチング処理する第5の工程、
こうして回路として残された金属銅層の部分の側面を酸
化して金属酸化膜を形成する第6の工程、次いでレジス
トを剥離し洗浄する第7の工程、セして上記の各工程を
通して得られたシートをプリプレグシートを介して積M
接着する第8の工程を含む製法で得られる多層プリント
板であることを特徴とする。
(金属と樹脂との界面状態;光沢及び色の程度)この界
面は外観上無光沢で、こげ茶乃至黒色を呈することが望
ましい。この程度は直接反射率として好適には600〜
700nmの波長領域で50%以下、よシ望ましくは2
0%以下である。
またマンセル色票に基づけば望ましい色相は7.5RP
〜7.5Yの範囲、より望ましくは10 R,P〜2.
5Yの範囲、望ましい明度は7以下、より望ましくは6
以下、望ましい彩度は12以下、より望ましくは8以下
である。
従って例えば金属が銅であってもこの金属面はいわゆる
銅の金属光沢つまシいわゆる銅色を呈しない。しかしこ
れはマス等の汚れや他の物質にて黒やこげ茶に呈してい
るわけではなく、マしてや酸化銅でも無く、純粋に金属
なのである。すなわち、この金属表面は相当に微細で緻
密な或いは多孔性の或いはスポンジ状の表面形状を形成
しておシ、この為に光が散乱して外観上こげ茶色乃至黒
色に見えるのである。本発明はこの程度に非常に微細か
つ緻密な表面状態を有するから樹脂と圧着接合すればこ
の表面の微細多孔部に樹脂が入り込んで密着力が上がる
。しかもこの界面は酸化膜でなく金属膜になっているか
ら耐酸性が有る。尚、(直接反射率) 前掲の直接反射率による課価は、ノ・ロゲンランプを光
源とし参照白板として硫酸バリウムを用いたカラーアナ
ライザによる。このアナライザの動作原理は周知の通り
であシ、また後記に七の条件を説明するが、ここで略記
するならば、白色拡散光で試料を照明し、その垂直方向
の反射光を分光測光することにより、色物体の分光反射
率(分光ラディアンスファクタ)、並びに分光透過率を
測定するものである。反射試料として光沢のものを用い
ると、光沢の影響が強く、ライトトラップを用いて正反
射光を除いた測定値(拡散反射率)と、ライトディヒユ
ーザを用いて正反射光まで含めた測光値(全反射率、直
接反射率)とでかなシの差が出る。反射率は同条件の参
照白板の反射光強度に対するサンプルの反射光強度の比
を%表示した値(りtシ参照白板の反射光強速を100
としたサンプルの反射光強度の割合)である。つまり直
接反射率とは正反射まで含めたこの反射率の測光値でち
る。
(マンセル色票) マンセル色票(Munsell  Book  of 
 Co1or)は本願ではJIS規格のものを用いる。
周知の通シこの色票(カラーチップともいう)は色相(
Hue、H)、明度(yalue、 V ) 、及び彩
度(Chroma、 C)で整理されている。通常は例
えば10 RP 7/8のように記し、「10アール・
ビー、7の8」と読む。l0RPの頁(10RPのチャ
ートとも言う。これは色相を示す。)を開くと色相がl
0RPに属する色が全て収められている。次に縦軸上の
7の点の横線と、横軸上の8の点の縦線との交点を求め
ると、これが与えられた10RP7/8の色を持つ色票
となる。すなわち縦軸にはVつまシ明度が1刻みに、横
軸にはCつまシ彩度が2刻みに表われている。茶という
言葉の付く慣用色名を色票の代表値で示すと、茶色は5
YR13,5/ 4 、エビ基は8.5R3/45、点
茶は2YFL2/1.5、焦茶は5YR3,2/2、茶
ネズミは6.5YR6/1、ラグイス茶は5Y4/3.
5である。ところで黒はこれらの茶系の色相ではなく、
無彩色と称され、黒は明度の属性は持つが彩度は示せな
いから上記色票の表現方法が適用できない。黒は通常N
l、NL5で示される。黒のV値は通常2以下である。
(金属と樹脂との界面状態;凹凸形状)下地金属表面に
形成された第4の凹凸部と、この第1の凹凸部表面をそ
の凹凸面に沿って第1の凹凸部よシも薄くかつ微細な凹
凸表面をもって覆う還元金属からなる第2の凹凸部との
関係は密着性の点で重要であシ、第1図にその模式図を
示す。
第1図において1は下地金属層であシ、2は電解還元金
属層であシ、3は樹脂層であって、下地金属層1の表面
の凹凸が第1の凹凸部4であシ、電解還元金属層20表
面の凹凸が第2の凹凸部5である。つまり電解還元金属
層2の第2の凹凸部5を介して樹脂層3と接谷しており
、第2の凹凸部5は微細表面なのでこの界面の密着力は
大である。
またこの電解還元金属層2は金属ではあるがその表面が
図のように微細多孔なので光散乱によって前掲の色相つ
まり焦茶乃至黒に見える。
第1の凹凸部4の表面粗さはJIS B 0601で定
義される基準長さLが100μmにおいてRzが6μm
以下、特に3μm以下であることが望ましい。これは粗
化されていると接着特性には良いが、エツチングによる
パターン形成に苦労する点である。
第2の凹凸部5の膜厚(最大幅)tは70Å以上でかつ
第1の凹凸部4の表面粗さ以下であることが望ましい。
このような厚膜は原則として、大気下放置で自然に酸化
された金属面を還元しても得られず、本発明の実施態様
のようにあえて金属酸化膜を厚膜に形成した後、これを
電解還元することによって得られる。この表面は色相上
は上記の通りの外観が望ましいが、更に光沢の無い方が
良い。
、(金Pj4) 本発明に用いる代表的な金属は銅或いは銅を主体とする
合金、拡散物である。他に、鉄やニッケル等適宜採用可
能でちる。
作業工程面から言えば、下地金属層1と電解還電解還元
金属層2は金夙酸化物が残存していても良い。この場合
には金属酸化物の有する密着力も期待できる。但し、こ
の金属酸化物貧が多いと船酔性に間腕を生じるので調整
に注意を灸する。
また不可退的に6化物がb・ることは勿論差し支えない
(柾脂) 本発明に用いる代表的な樹脂値ポリイミド系であるが、
エポキシ系その他適宜採用できる。エポキシ系基材に比
べてポリイミド系基材は寸法安定性に優れているが、反
面特に銅との密着性が慇く、そこで密着力向上の為に酸
化銅を用いると耐酸性が弱くなる。従って本発明を適用
すればこの問題を解決できるから、特に銅−ポリイミド
系の組合せが代表例となる。多層プナント板においては
ポリイミド社プリプレグシートとして利用する。
(用途) 代表的な用途はいわゆるプリント回路板、多層プリント
板である。但しプリント板への適用以外にも、金属と樹
脂との密着力を高め、かつ耐酸性を有する接着法として
、例えば塗膜下地用への金属表面処理法としても有用で
ある。すなわち、塗膜中にピンホールがあると、ピンホ
ールを通して、酸性液が浸入し、そのため金属と塗膜と
の密着力を高めるため酸化膜を用いていると、酸化膜が
溶出し、塗膜がはがれ易くなる。このような酸性液は水
が空気に触れるのみで、空気中の炭酸ガスが水に溶解し
、炭酸イオンを生成することにより、容易に生成する。
しかし、前述したように電解還元膜は耐酸性を有し、レ
ジンと金属との密着性を高めるのにも効果がある。この
為、塗膜下地用の金属表面処理法としても十分有用であ
る。
(密着方法) 還元金属層と樹脂とは1000以上、5Ky/ctd以
上の条件で密着することが望ましい。
(を解還元法) 電解還元の方法を第2図にて説明する。図中6は電解還
元しようとする試料であシ、7は対向極である。この対
向極7は本願ではステンレス板を用いるが、要するに不
溶性の導電体であれば良いから、この他にも白金、銅、
炭素、鉛、銀等が適用できる。8は電解液だが、pHが
6以上であることが望ましい。図中の矢印は電子(e)
の流れる方向である。試料6面での反応は、 CuO+H鵞0−Cu”+20H−””α)及び Cu34″+2e−hCu     ・・・・・・・・
・・・・C〕である。CuOが溶解してQ u 34″
は比較的周囲で多く存在するとすればぐ外部からの電源
により、補給される電子の量によって(2)式の反応速
度が決められる。
(金属表面の酸化) 酸化工程から反応を順次説明すると、CuがNaCLO
x  により酸化されて Cu 24″を生成し、アル
カリ性液中で、OH−と反応してCu(OH)xを生成
し、また一部のCu 2+はPO43−と反応して% 
Cu3(PO4)zのような沈殿物を生成するものと考
えられる。すなわち、推定される反応はCu24″−−
→Cu (OH) s     ”” ”’ ”’ (
4)・・・・・・・・・・・・(5) NaC6Oz →1jJa” + CLOz−−””−
(6)C1Ch−→C2−+2(0)        
・・・・・・・・・・・・(7)HzO+2 (0)=
Hx(h         −−−・”(8)HzOz
+2 e→20H−・・・・・・・・・・・・0)従っ
て全体として(3)及び(9)の和の反応が進行するか
ら Cu+HzOz=Cu”+20H−=Cu(OH)z↓
・・・αGのような反応ではないかと考えられる。この
ことからもわかるように金属酸化物(Cu(OH)2↓
→CuO+HzO)は銅表面(試料6表面)に沈殿する
。Cu(OH)zは見かけ上微粉状固体で粒径が極微(
数100人)であるから相当微細な第2の凹凸部5が形
成されることになる。
(金属の析出速度と密着力の関係) こうして得られた金属酸化膜は、電気的に還元すると金
属銅として析出する。析出する膜の速度がゆっくりだと
、結晶核の生成密度が低く、析出し易い欠陥(キンク或
いはステップ)に選択的に析出し、結晶はもとの微細な
凹凸形を無くシ、大きな結晶粒に成長し、その結果、樹
脂との密着性は低くなる可能性がある。しかし、析出速
度を速くすると、もとの微細な凹凸形状を維持して純金
属として析出し、樹脂との密着力は高くなりかつ耐塩酸
性が向上する。
(液温、攪拌と金属の析−との関係) 電流密度を一定にした場合は、液温か低いと金属イオン
(例えばCu”)の拡散が難かしく、従って結晶粒径が
微細になる。一方、液温か高いと金属イオン(Cu”)
の拡散が容易となり、結晶粒径が大きくなる。この様子
を第3図に示す。第3図の(イ)は液温か低い場合を、
(ロ)は液温か高い場合を示す。また、第3図の人は析
出しやすい場所を、Bは析出しにくい場所を示す。尚、
更に液の攪拌の強さによってもCu2+の動き易さに影
響して結晶粒径の大きさは異なってくることになる。
(電流密度) 電解還元直後には金属は先ず下地金属表面の無数の欠陥
から析出し始める。若し電流密度が低いとこのもともと
の欠陥を中心に金属が大きく結晶成長することになる。
これは第3図(ロ)の様子だ似ている。一方、電流密度
が高いと欠陥以外、つまり下地の平面部分(テラスとも
言う)上にも細かい金属結晶粒が析出しこれが新たな欠
陥に相当するから結晶成長は小さくとも結晶成長箇所が
多くなる。この様子は第3図の(イ)に似ている。
つまり高′屯流密度還元の方が微細な凹凸を有する金属
表面が得られ易いから、本発明にとっては特に好ましい
(水素還元との違い) 電解還元と異なり、水素還元は高温(650〜800t
l:’)条件を必要とする為、仮に凹凸面があっても熱
の為に崩れて平滑性が出てしまう。従ってこの方法によ
るものは金属光沢が得られる。金属界面の為に耐酸性は
一応期待でき、酸による酸化膜溶出による剥離の不安は
少ないが、密着性にはやはり問題が残る。
電解還元ておいては金属酸化物の各粒子はその場で還元
され、若し一度が高くなれば結晶成長する。また温度が
低くとも必ず大部分が拡散して析出する。形状は見かけ
上維持しているが、やはシ厳密には変化しており、核を
中心にしてその上に析出し、結晶成長する。よって相当
微細な金属膜が得られる。
一方、水素還元は熱処理により酸素が抜けると理論上は
多孔質になるが、この多孔質状態を維持することが必要
である。しかし5000以上ともなれば局部は結晶成長
が進みまた先のように崩壊が起こり、局部的に多孔質状
態を失って平滑化が進行するものと予想される。
(下地金属の形成法) 一例ではあるが、下地金属の形成法としてはステンレス
板上に金属を電解にて析出させ、このような板を2枚用
意し、この析出金属面間にプリプレグをはさんで加熱・
加圧すると析出金属層はプリプレグと接着され、ステン
レスからは容易にはがせる。勿論このステンレス板上の
析出金属を下地金属として酸化及び電解還元を順次行い
、しかる後にプリプレグに接着させても良い。
(その他、総括) 従来、金属と樹脂とを高強度に接着しようとする場合、
金属の表面を粗化し、更に粗化された金属の表面を酸化
することにより、表面上に酸化膜を形成し、その酸化膜
を介して金属と樹脂とを接着する方法が多用されてきた
。しかし、この方法に従って、金属−樹脂複合体を作成
すると、接着強度については極めて高強度のものが得ら
れるが、接着界面に酸化膜を用いるため、酸に溶解し易
く、化学的に不安定であるという欠点を有している。
この為、本発明者は酸化膜を用いないで酸に対して安定
で、かつ樹脂に対して高密着性を持たせる為の処理膜に
ついて検討した。樹脂と金属との密着性を高強度にする
為の酸化膜の接着機構について調べた結果、酸化膜の表
面形状が複雑に粗化されており、これが樹脂と金属とを
強力に接着させる為の主因子であり、更に、金属に比べ
、酸化膜の方が樹脂との水素結合を容易にし、この水素
結合も酸化膜を介して金属と樹脂とを強力に結合させる
ための一因子として考えられる。
そこで、酸化膜の形状に近つけ、かつ水素結合も生じや
すいようにする為、酸化膜を電気的に還元し、酸化物を
不可避的に含むような還元膜を金属上に形成し、仁の膜
を介して、金属と樹脂とを接着させる方法を思いつくに
至った。すなわち、この方法を用いれば、還元膜中の酸
化物の量は従来の酸化膜を購成している酸化物量に比べ
、はるかに少ない。この為、耐酸性が向上することが期
待できる。このことからも明らかなように、本発明をプ
リント板の製造に適用する際には少なくともスルーホー
ルと接する部分には還元金属が露出していることが望ま
しい。また、接着性についても、水素結合及び表面粗化
による投錨効果も期待できる。
〔発明の実施例〕
(電解還元法) 電解還元用の基板として、両面銅張エポキシ−ガラスク
ロス板(銅箔厚さ;35μm、エポキシ−ガラスクロス
層0.2 tar )の銅箔上に化学めっき液により、
鋼を35μmめっきし、その後空気中で180C,lh
熱処理し、更に化学的な酸化膜形成処理したものを用い
た。α化膜形成処理条件を前述の通りである。基板を第
2図に示すような電M槽10中にセットし、定電流法に
より銅箔上の酸化膜を電解還元した。電解還元条件は液
温。
攪拌、電流密度を変えた。尚、電解槽10には温度コン
トローラ11及びAtガスが出る電解液攪拌用配線9を
付設した。還元反応の終点は、還元電圧〜時間曲線を求
め、還元波が急上昇する時の電圧をもとに判定した。
(接着特性及び耐塩酸性の評価法) 接着特性はビール強度の測定に依った。その試料は電解
還元処理した基板をプリプレグにより積層接着した試料
を用いた。プリプレグは厚さ0.05−を4枚重ねて使
用した。また接着条件は170C190分、14Ky/
crlシた。
耐塩酸性の試料は低速カッターにより約10m”に切断
し、断面をエメリー紙(す1ooo)により研磨した後
、(÷2000 ) At20s研磨材を用いてパフ研
磨し、塩酸水溶液(17,51)中に室温で所定時間浸
漬し、側面から浸み込み、変色した距離を測定する方法
に従った。
(表面形状の観察及び結晶構造の解析)化学銅めっき膜
、酸化処理膜及び電解還元膜の表面形状は走査型電子顕
微鏡(SEM)により、また結晶構造は反射型電子線回
折法により調べた。
更に還元鋼表面の粗さが微細なことから光散乱を予想し
て表面反射率の測定を行った。
(表面反射率の測定) この測定には前述の如き動作原理のアナライザを使用し
、直接反射率を測定した。測定装置は株式会社日立製作
所製の607形カラーアナライザである。この装置の光
学系統図は第4図の通りである。
光源12はハロゲンランプ120Wで、ここからの白色
光は、内径200mの積分球13内で拡散反射し、試料
14および参照白板15を照明する。試料14及び白板
15による反射光は、透過試料室16を透過したのち、
ミラー17を備えたセクター室に入射し、回転ミラー1
8により、選択されて、交互に分光器入射スリット19
を照明する分光器に入射した光は、回折格子上に試料像
を結像したのち、分、散されて出射スリット20を照明
し、波長幅5nmの単色光のみが出射スリット20及び
フィルタ21を経て、光電子増倍管に入射する。尚、2
2は入射レンズ、23はセクタモータ、24はグレーテ
ィング、25は三角ミラー、26はライトディフューザ
、27はホトマルである。
(電解還元膜の接着特性) 酸化膜中の銅イオンが還元析出する反応としては、銅イ
オンが水和した後液中に解難し、その後還元析出する経
路が考えられる。還元膜の接着特性を高くする為には、
酸化膜の表面形状を還元後も、そのまま保持する必要が
あり、そのためには解難した銅イオンが、液中もしくは
還元膜表面を拡散せずにその場ですぐに析出する必要が
ある。
銅イオンの拡散を律速にする為には、還元条件として電
流密度を高くシ、浴温を低くシ、かつ液撹拌を無しとす
るのが望ましい。また、その逆の場合として、動λを密
度を低くシ、浴温を高くシ、液撹拌を有りとするような
条件下で還元した場合には、結晶核への析出イオンの補
給が容易となる為、結晶が大きく成長し、もとの酸化膜
の表面形状とは異なり、還元膜が平滑性を帯び易くなる
そこで、電解還元膜の表面形状と接着強度との関係につ
いて調べる為、25UN攪拌無し、及び50C1攪拌有
りの2条件ヲ選び検討した。その結果を第5図に示す。
電解還元直後の還元膜の接着特性を1及び11に示す。
液攪拌無しく曲線1)で電流密度を低くするとビール強
度が高く、一方、液攪拌有り(曲線11)で電流密度を
低くシ、液温を高くするとビール強度が低くなった。
(′電解還元膜の耐塩酸性) 電解還元膜の耐塩酸性(、17,5%HC2)について
調べるため、塩酸浸み込み距離と浸漬時間との関係を求
めた。その結果を第6図に示す。電解還元条件は 25C1攪拌無し、 0.025.0.0625.0.
125.1.25fnAJcj50C1攪拌有り、 0
.025.0.0625.0.125.1.25mA/
2jである。尚 74解還元の条件によっては塩酸が浸
み込んでも浸み込み部が変色しに<<、浸み込み距離の
判定が困難なものがある。この為、顕微鏡により注意深
く観察することにした。第6図には比較のため、電解還
元しない酸化処理したままの試料の耐塩酸性について調
べた結果も併記した。
酸化処理した場合(曲線+r+ > Kは1hで、すで
に200μm程度の塩酸浸みが認められ、浸漬時間の増
力口とともに塩酸浸み込み量は単調に増加する。
これに対して、電解還元した場合(曲線+V)はいずれ
の条件で作成した膜も塩酸浸み込みは6h経過しても発
生しない。なお、第6図には15h浸漬後の結果も併記
したが、この結果から電解還元の不十分な(0,025
mA/cj)系では、若干塩酸浸み込みが発生したが、
これ以外の電解還元した試料には塩酸の浸み込みはなか
った。いずれにしても電解還元膜は単に酸化膜を形成し
たものに比べて大巾に耐塩酸性を向上できることが明ら
かである。
液温25C1攪拌無しの条件で還元析出させた時の試料
の外観は、1.25mA/−で還元した場せ、還元膜の
外観は黒かっ色(焦茶色)である。
0.125mA/cJで還元した場合には、外観は茶色
であり、酸化処理のみの試料の外観に近い。0.062
5 m A /−で還元した場合には、外観は酸化前段
階の処理によって得られる処理膜の色調に近づく。
なお、電流密度を0.025mA/cy!にした場合、
外観は焦茶(黒かつ)色になるが、これは通電時間が1
0hを越えても、還元反応が終点に達しなく、中断した
為である。各々の還元膜について走査型電子顕微鏡で観
察した結果電流密度が1.25mA/ calで還元し
た試料は電解還元前の酸化処理した試料の表面形状に近
い。0.125mA/cydの場合に比べ、微粒子がわ
ずかであるが、大きく成長する。
0.062 5 mA/cr!では酸化処理の前段階の
処理した後の表面形状に近づく。更に、0.025 m
A/CI!lで還元した場合には、0.0625 mA
/−で還元した場合よりも0.125mA/−と1.2
5 m A / crAの間の条件で得られる還元膜の
表面形状に近く、これは前述した0、025m人/dで
作成した試料は電解還元を中断した為である。
液!50C,攪拌有シの条件で還元析出させた時の試料
の外観は、1.25mA/−で還元した場合、外観は焦
茶色と褐色とがまだらに分布した色調を呈している。0
.125mA/CJで還元した場合は外観は茶色になる
。0.0625mA/iで還元した場合には、赤褐色に
なり、酸化処理の前半処理で得られる処理膜の色調に近
い。更に、0.025m A / cAで還元した場汗
、よシ銅色に近づくと思われたが無攪拌の0.025m
A/dで還元した試料と同じように、電解還元が不十分
であり、黄赤色になった。ここで用いた試料の表面形状
について走査型電子顕微鏡により調べた結果、1.25
mA/crAで還元した試料の表面形状は酸化処理した
試料の表面形状と似ている。0.125mA/cmでは
0.1ttm以下の細かい還元銅の結晶粒が認められる
が、1.25 mA/cjで還元した場合に比べ、結晶
粒の数が少なく、平滑性を帯びてくるようになる。0.
0625mA/iで還元した試料は、還元鋼の結晶粒が
大きく成長し、0.1〜0.5μmの結晶粒に混って、
1μm8度の大きな結晶粒も認められる。0.025m
A/−で還元した試料は、表面形状が0.0625 r
nk/crAで還元処理して得られる膜の場合とほぼ同
程度である。尚、表面が微細な結晶で被われている試料
はビール強度が、消い値を示し、接着特性が還元膜の表
面形状に強く依存していることが認められる。
次に液温25C1攪拌無しの条件で、各電流密度におい
て得られた還元膜の反射型電子線回折源と液温50C,
(を拌有りの場合について同様にして観察した結果、並
びに化学酸化処理膜の反射型電子線回折源を検討してみ
る回折線のパターンを解析する為に、先ずASTMカー
ド及びAuの標準試料をもとにCu、C+gO,CuO
及びCu3(PO4)2の各回折線の直径を求めた。そ
の結果、酸化処理膜及び還元膜のいずれの試料にもCu
及びCu 20がわずかながら認められる。本来、還元
膜の完全金4銅化をねらったものであるが、そのように
はならず不可退的に残った。尚、以上は本発明の一態様
に過ぎず勿論これらの諸条件には限定されない。
(直接反射率の測定結果) 表面反射率は1.25 m A/i、液温25C1無攪
拌条件で、前記方法による電解還元を行ったものを本発
明試料とした。この試料の外観は焦茶色無光沢である。
比較例として下地鋼片(自然酸化の部分有、銅色)、比
較例2として高温水素還元による銅片(銅色、光沢有)
を用いる。測定結果は第7図の通シである。第7図にお
いて曲線IVは本発明試料の直接反射率を、曲線■は同
じく拡散反射率を示す。また曲線v1は比較例1の試料
の直接反射率を、曲m v++は同じく拡散反射率を示
す一0更に曲線舗は比較例2の試料の直接反射率を、曲
線M■は同じく拡散反射率を示す。尚、拡散反射率は第
4図のライトディフューザ22をトラップに代えて測定
した。
第7図から明らかなように本発明試料はいわゆる金属銅
表面に見られるはずの高い直接反射率は見られない。
以下に、本発明のより具体的な応用例を述べる。
実施例1 本発明の一実施例を第8図を用いて以下に説明する。ガ
ラス繊維強化エポキシ樹脂板28の両面に銅箔29を熱
圧着したもの(A)の表面を以下に示すような組成 NaOH5!I/l N aaPO4@ 2H2010g / tNaC6O
z           301/lを有するリン酸系
の水溶液により処理して@箔29の表面に銅酸化膜30
を形成した(B)。次いで、水洗後、後記レジストとの
密着性を損わない程度に銅酸化膜30を電解還元し、電
解還元金属層2を得た(C)。
この電解還元は、電解還元用の液としてNa0HKより
pH12−0に調整した液を用い、液温を25Cとし、
還元電流密度を1.25mA10yfとし、対極にはス
テンレス板を用いて、前記銅の表面上に形成した酸化膜
を還元処理した。
次に、この還元処理膜に付着した電解液を水洗した後、
十分乾燥し、その上にドライフィルム31によりレジス
トパターンを形成しくD)、次に以下に示すような成分 Cu5Oi ” 5H207g エチレンジアミン4酢酸       30937*)
ICHo              3−NaOHp
Hが1λ5になるように添加ポリエチレングリコール 
      2〇−(平均分子量450) 2.2′ジピリジル         30■を1tの
水だ溶解して得られる濃度に調整しためつき液を用いて
回路部上に銅32を回路導体として必要な厚さに化学め
っきした(E)。その結果、化学めっき液のしみ込みに
基づく非回路部への銅の析出は無かった。
次に、ドライフィルム31のレジストパターンを除去し
くF)、その後、次に示すような組成Fe(、t340
0ji/L Cone −HCt20 rrt/ Lヲ有するエツチ
ング液により、非回路部の銅箔29をエツチング除去し
てガラス繊維強化エポキシ樹脂基板28上に銅32を残
し銅配線を完成した(G)。
得られた銅配線のパターンは銅導体幅(μm)/導体間
隔(μm)が49151であ抄、これは、開用したレジ
ストパターン形状のこれに対応する比50150に近く
、良好な所望のパターン精度を有することがわかった。
実施例2 実施例1におけるガラス繊維強化エポキシ樹脂板28の
代りにポリイミド板を用いた以外は実施例1と同じ方法
、条件により実施した。その結果、得られた銅配線のパ
ターンの前記の比は49151であり、これは、使用し
たレジストパターン形状のこれに対応する比50150
に近く、良好なパターン精度を有することがわかった。
実施例3 実施例1においてドライフィルムのレジストの代りに液
状のレジストを用い且つ電解液のpHを6.0とし、そ
れ以外は実施例1と同じ方法により実施した。その結果
、得られた銅配線のパターンの前記の比は48152で
あり、これは、期用したレジストパターン形状のこれに
対応する比50150に近く、良好なパターン精度を有
することがわかった。
実施例4 実施例1において鋼箔表面の酸化処理用の液として、リ
ン酸系の水溶液の代りに KMnQ、      10 g/1 NaOH1011/l なる組成を有する水溶液を用いて銅箔表面を処理した以
外は実施例1と同じ方法、条件により実施した。その結
果、得られた銅配線のパターンの前記の比は49151
であり、これは、使用したレジストパターン形状のこれ
に対応する比50150に近く、良好なパターン精度を
有することがわかった。
電解還元時における銅酸化膜の電解還元反応は下記の如
くである。すなわち主反応として以下の反応機構が考え
られる。
還元反応 電解還元液のpHとしては、pH6以上が好ましい。そ
の理由は、pHが約5.5以下では、のような反応が速
やかに進行し、銅箔上に酸化膜を形成した基板を電解液
に浸漬した場合、所望の形状の電解還元膜が得られにく
いからでおる。
なお、以上の各実施例により得られた銅配線板は、電解
還元された後の膜中に、その形成時に用いた前記の酸化
処理用液に応じリン、マンガンもしくけ塩素または酸素
を含んでいることが見出された。
前記の各実施例は絶縁性基板28の両面に回路を形成す
るものとして説明したが、片面のみに回路を形成する場
合にも本発明は適用可能であることは勿論である。また
基板28は銅箔29を熱圧着したものとして説明したが
、これに代えて、化学めっきにより銅の薄層を表面に施
した絶縁基板を用いることもできる。
比較例3 比較のため、実施例1の電解還元のプロセス(C)を行
わなかった以外は実施例1と同じ条件で先行例のプロセ
スにより、ガラス繊維強化エポキシ樹脂板上に銅配線を
形成したところ、化学めっきの際、銅箔上に形成した酸
化膜中の銅イオンの一部が還元され、以後引きつづき非
回路部上にめっき液中の銅イオンが還元析出するように
なった。その結果、銅配線のパターンの前記の比は43
157であり、これは、使用したレジストパターン形状
のこれに対応する比50150とは大きく相違しており
、パターン精度が不良であった。
実施例5 本発明の一実施例を第9図を用いて説明する。
両面に銅箔29を熱圧着したガラス繊維強化エポキシ樹
脂板28の銅箔29上に銅32を化学めつきにより回路
導体として必要な厚さに付着させた後、銅32の表面を
以下に示すような組成NaOH5g/L NasPO4・2HzO109/ L NaCLOz          30!i/lを有す
るリン酸系の水溶液で処理して、銅32の表面に銅酸化
膜30を形成しくA)、水洗後、銅酸化膜30を後記プ
リプレグとの密着性を損わない程度に1解還元した(B
)。電解還元はNaOH59/を水溶液<pHx2>を
用r、2mA/adで実施した。対極にはステンレス板
を用いた。
次に、上記電解還元金属層2上にドライフィルム31に
よりレジストパターンを形成しくC)、ついで塩化第二
鉄系の水溶液 FeC154009/ L Conc−HCl       20 me/ LKよ
シ、非回路部の@(29および32)をエツチング除去
しくD)、次にドライフィルム31を着けたままの状態
で、再び上記と同じリン酸系の水溶液を用いて銅配線の
側面に銅酸化膜33を形成しくE)、次にドライフィル
ム31を例えば塩化メチレン等により除去した(F)。
このようにして銅配線のなされた単板をガラス繊維で強
化されたエポキシ樹脂系のプリプレグ34を介在させて
積み重ね、ホットプレスを用いて加熱・加圧接着しく但
し、最外層の単板としては最外面側に銅配線のなされて
いない銅箔29のitOものを用いる)、所定の回路導
体部分を貫くスルーホールHを明けた(G)。この状態
においては銅配線32の側面に形成された銅酸化膜33
はスルーホールの内面に露出せず、そこから隔離された
位置に在る。その後、スルーホール内面に化学めっきの
ための触媒を付与し、次に、化学めっきによりスルーホ
ール内面および最外層全面に銅32を回路導体として必
要な厚さにめっきし、次いでドライフィルムにより最外
層にレジストパターンを形成した上でエツチングにより
非回路部の銅を除去し、その後ドライフィルムを除去し
て多層配線板を完成した(H)。
このようにして完成された多層配線板の構造は、第9図
(H)に示されたように、銅導体の平面部は銅の酸化物
で被覆されておらず、その側面部のみが銅の酸化物で被
覆されているものとなっている。
上記のプロセスにおいては、多層配線板は、スルーホー
ルおよび最外層への化学めっき前処理工程の猷、スルー
ホール内において酸性液に銅酸化膜層が直接触れること
はない。このため、上記プロセスにしたがって作成した
多層配線板は耐塩酸性にすぐれ、かつプリプレグと銅配
線とが高密着性を有し、ひいては配線密度も高いものと
することができた。実測によれば耐塩酸強度は゛電解還
元しない試料に比べ、48倍になシ、ビール強度はi、
ix9/訓であった。
実施例6 実施例5における基板およびプリプレグ用の有機樹脂と
してエポキシの代りにポリイミドを用い、かつ電解液の
PHを6.0とし、それ以外は実施例5と同じ方法によ
り実施した。その結果、電解還元しない試料に比べ、耐
塩酸性が50倍であり、ま走有機樹脂に対する銅配線の
ビール強度は1.2Kg/zであり、いずれの点もすぐ
れた特性を示す高密度配線パターンを有する多層配線板
が得られた。
実施例7 実施例5において、ドライフィルムの代シに液状のレジ
ストを用い、かつ電解液のpHを6.0とし、それ以外
は実施例5と同じ方法により実施した。その結果、耐塩
酸性および密着性にすぐれた高密度配線パターンを有す
る多層配線板が得られた。耐塩酸性は45倍、ビール強
度は1.2kLI10nであった。
実施例8 実施例5における銅箔29表面の酸化処理用の液として
、リン酸系の水浴液の代i 、 KMnOi      101 / LNaOH1
017/l なる組成の水溶液を用いて銅箔表面を処理したこと以外
は実施例5と同じ方法0条件により実施した。その結果
、耐塩酸性および密着性にすぐれた高密度配線パターン
7有する多層配線板が得られた。耐塩酸性は47倍、ビ
ール強度は1.lKp/αでbりた。
なお上記忙おいて、耐塩酸性およびビール強度は下記の
評価法で評価したものでるる。
耐塩酸性: 夫々のサンプルを(1+1)塩酸水溶液中に1時間浸漬
し、塩酸中に銅酸化膜が溶解した幅を比較し、幅が広い
程不良とした。
ビール強度ニ 一般に用いられている周知の評価法を使用した。
すなわち、銅膜の幅が10mになるようにエツチングし
、銅膜の一部をはがし、はがした部分および基板の樹脂
部tそれぞれ引張試験機の治具に固定させ、10cm/
mの連成で樹脂板から銅膜を垂直方向にはがし、膜がは
がれる時の応力P(〜)を単位幅(on)当りで表わし
たもの(P h/am )で表示した。
以上の各実施例における第9図(A)の工程において、
回路となるべき銅層32は化学めっきの代シに電気めっ
きにより鋼箔29に着けてもよい。
また銅箔29を熱圧着した絶縁基板28を用いるものと
して説明をしたが、銅箔29の代シに銅の薄層を化学め
っきにより表面に施した絶縁基板を用いてもよい。
また、以上の各実施例では、積層さるべき各単板にはそ
の両面式回路を形成するものとして説明したが、所望に
応じ、全ての又は一部の単板には片面のみに回路を形成
してもよい。
なお回路設計の必要によっては、最外面には銅配線を形
成しなくともよい。
実施例8 両面銅張ガラスエポキシ樹脂板28上に鋼32を化学め
っきにより厚づけした後、銅32の表面を以下に示すよ
うなベンゾトリアゾール及びリン酸系水溶液により、鋼
の表面に酸化膜及び金属保護膜を形成し、水洗後、酸化
膜を電解還元する。
ベンゾトリアゾール        100PNaOH
59/1 Na3PO4・2Hz0           109
/LNaCtOz                 
3011/L次に、ドライフィルム31によりレジスト
パターンを形成し、ついで塩化第二鉄系の水溶液FeC
Ls        % 09/LConc 、 HC
l20ml/ 1 により、非回路部の銅をエツチング除去し、次にドライ
フィルム31をつけたままの状態で、再びリン酸系の水
溶液を用いて銅配線の側面に酸化膜を形成し、次にドラ
イフィルムをはく離する。次に、両側銅張板の片方は銅
箔のままの状態にし、つまシ片面はドライフィルムによ
り全面マスクし、次に残りの片面は化学めっきした後、
第9@の(B)〜(F)の工程に従って処理した基板を
作成する。電解還元条件はNaOH5g/を水溶液を用
い、0、2 m A / d m”で実施した。
実施例9 実施例8において、基板およびプリプレグ用の有機樹脂
としてエポキシ樹脂の代シにポリイミド樹脂を用い、そ
れ以外は実施例8と同じ方法によ如実施した。その結果
、耐塩酸性および密着性のすぐれた高密度配線パターン
を有する多層配線板が得られた。
実施例10 実施例8において、最外層には片面銅張板を用いた。そ
れ以外は実施例8と同じ方法により実施した。その結果
、耐塩酸性および密着性にすぐれた高密度配線パターン
を有する多層配線板が得られた。
実施例11 実施例8において、ドライフィルムの(Qに、液状レジ
ストを用い、それ以外は実施例8と同じ方法により実施
した。その結果、耐塩酸性および密着性にすぐれた高密
度配縁パターンを冶する多層配線板が得られた。
実施例12 実施例8において、銅箔表面の酸化処理用の液として、
リン酸系の液の代りに KMn 04       159 / LNaOH1
59/l を用い、銅箔表面を処理した。それ以外は実施例8と同
じ方法により実施しだ。その結果、耐塩酸性および密着
性にすぐれた高密度配線パターンを有する多層配線板が
得られた。
実施例13 実施例8において、リン酸系の水溶液にベンゾトリアゾ
ール1.0001F添加して銅の表面に酸化膜を形成し
た。それ以外は実施例8と同じ方法により実施した。そ
の結果、耐塩酸性および密着性にすぐれた高密度配線パ
ターンを有する多層配線板が得られた。
実施例14 実施例8において、リン酸系の水溶液にベンゾトリアゾ
ールの代りにチオジエチレングリコールを100[P添
加した以外は実施例8と同じ方法により実施した。その
結果、耐塩酸性および冨着性ともに特性が良好であった
実施例15 両面鋼張ガラスエポキシ樹脂板上に銅32を化学めっき
により厚づけした後、銅の表面を以下に示すようなリン
酸系の水溶液 NaOH5g/1 Na3PO4・2Hz0     109/1NaCI
Oz         30 f/lにより、銅の表面
に酸化膜を形成し、水洗後、酸化膜を電解還元する。電
解還元条件はNaOH51ir/を水溶液を用い、電流
密度0.2mA/dm”  で行う。次に還元膜表面に
下記に示すようなリン酸系の水浴液 NaOH0,5g/1 Na3PO41,09/L NaCtOs         3.Og/4により、
酸化膜層を形成する。その時の膜厚を100人とした。
次にドライフィルム31によりレジストパターンを形成
し、ついで塩化第二鉄系の水溶液FeCLs     
     4011/LConc 、 H(、t20t
nl/ Lにより、非回路部の銅32をエツチング除去
し、次にドライフィルム31をつけたままの状態で、再
びリン酸系の水溶液を用いて銅配線の側面に酸化膜を形
成し、次にドライフィルムをはく離する。
しかる後これをプリプレグと共にホットプレスにより加
温加圧してプリプレグを硬化させる。尚、両側銅張板の
片方は銅箔のままの状態にし、つまり片面はドライフィ
ルムにより全面マスクし、次に残りの片面は化学めっき
した後、第9図の(B)〜(F)の工程に従って処理し
た基板を作成する。
実施例16 実施例15において、基板およびプリプレグ用の有機樹
脂としてエポキシ樹脂の代シにポリイミド樹脂を用い、
それ以外は実施例15と同じ方法により実施した。その
結果、耐塩酸性および密着性のすぐれた高密度配線パタ
ーンを有する多層配線板が得られた。
実施例17 実施例15において、最外層には片面銅張板を用いた。
それ以外は実施例15と同じ方法により実施した。その
結果、耐塩酸性および密着性にすぐれた高密度配線パタ
ーンを有する多層配線板が得られた。
実施例18 実施例15において、ドライフィルムの代シに、液状レ
ジストを用い、それ以外は実施例15と同じ方法により
実施した。その結果、耐塩酸性および密着性にすぐれた
高密度配線パターンを有する多層配線板が得られた。
実施例19 実施例15において、鋼箔表面の酸化処理用の液として
、リン酸系の液の代りに KMnO4159/1 NaOH159/l を用い、銀箔表面を処理した。それ以外は実施例1と同
じ方法により実施した。その結果、耐塩酸性および密着
性にすぐれた高密度配線パターンを有する多層配線板が
得られた。
実施例20 金属銅箔(膜厚50μm)の片面を、蒸留水1tあたり
、 CaCl2        40f HCl(35%)       30Qmjを含む液に
より、30Cで、50S浸漬し、銅箔の表面を粗化した
後、蒸留水1tあたり、Na3PO4・12H2015
9 NaCtOx            25gNaOH
IOg を含む液により、70Cで、120S浸漬し、銅箔の表
面上に銅化合物層を形成する。次に、蒸留水1tあたシ NaOH1oft を含む液を用い、液温25Cにおいて、−流密度0.5
mA/cr/lで電気的に還元した。次に、ガラスクロ
スで補強されたポリイミド系プリプレグを用い、銅化合
物層を還元処理した銅箔を用い、還元処理面をプリプレ
グ側に向けて、接着した。接着は170Cに加熱し、2
5Kf10+!の荷重を60順加える条件で実施した。
接着後、室温におけるポリイミド樹脂に対する銅箔の密
着性は1.1に7/cmであり、良好であった。また、
耐塩酸性について調べるため、接着後、一部を切断し、
断面を研磨紙(Φ1000)で研磨した後、室温で、1
7.5%塩酸液中に浸漬し、3hr経過後、銅箔をはく
離し、塩酸しみ込みによる変色を調べたところ、変色は
なく耐塩酸性が良好であった。17.5%塩Rtz中に
アルゴンガスを16/簡の流速で1hri品\つた。反
射型電子線回折法による回折パターンは争FA 14箔
については主起方向が(100)面であり、還元膜の主
配向面は(100)面であった。
また、金属銅箔には銅酸化物の確認は困りであったが、
還元膜から銅酸化物の確認は容易であった。
還元膜の表面の粗度について詞べだところ、JIS  
B 0601  の表面あらさで定義される断面の基準
長さR2か100μmにおいて、R22μmであった。
実施例21 実施例20において、ガラスクロスで補強されたポリイ
ミド系プリプレグの代シに、ガラスクロスで補強された
エポキシ系プリプレグを用い、加熱温度を170C,荷
重を20Kf/iとして、加熱時間を80順として、接
着した。他は実施例20と同一条件で実施した。接着し
た銅張エポキシ板のエポキシ樹脂に対する銅箔のビール
強度は1、3 h / cAであシ、塩酸による浸込み
は認められなかった。
還元膜の表面の粗度は実施例20と同じであった。実施
例20と同様に塩酸に対する溶解性を調べたところ、実
施例20と同程度であった。
実施例22 実施例21において、銅化合物を還元する際、%光密度
を0.5mA/−の代りに、Z5mA/cMiで実施し
た。他は実施例20と同一条件で実施した。接着した銅
張エポキシ板のエポキシ樹脂に対する銅箔のビール強度
は1.2Kg/adであり、塩酸による浸込みはなく、
ビール強度および耐塩酸性はともに良好でおった。還元
膜の表面の粗度はJIS B  0601 の表面あら
さで定義される断面の基準長さLが100μmにおいて
、R2が1゜5μmであった。!!、た、塩酸に対する
溶解性試験の結果は実施例20と同様であった。
実施例23 実施例20において、銅箔のエツチング液としてCuC
l2 HC1系エツチング液の代シに、蒸留水1tあた
シ FeCts         350gHCt(35%
)      21扉tを含む液により、銅箔の表面を
粗化した。他は実施例20と同一条件で実施した。接着
した銅張エポキシ板のエポキシ樹脂に対する銅箔のビー
ル強度は1.OK4/−であシ、塩酸による浸込みは無
く、ビール強度および耐塩酸性はともに良好であった。
還元膜の表面の粗度はJIS B  0601 の表面
あらさで定義される断面の基準長さLが100μmにお
いて、R2が2.5μmであった。耐塩酸性は実施例2
0と同様であった。
実施例24 実施例21において、銅箔表面上に銅化合物層を形成す
る際、Na3PO4NaCtOz  NaOH系液を使
用する代シに、蒸留水1tに (:’u (CHsCOO)z ・HxO50fiCH
3COONH41009 NH4C110g Cu804                 5gN
H4OH(28%)          10第1を含
む液により、95Cで、50S浸漬し、銅箔の表面上に
銅化合物層を形成する。他は実施例21と同一条件で実
施した。接着した銅張エポキシ板のエポキシ樹脂に対す
る銅箔のビール強度は1.2Kf/−であシ、塩酸によ
る浸み込みはなく、ビール強度及び耐塩酸性はともに良
好でめった。
還元膜の表面の粗度はJIS B 0601 の表面粗
さで定義される断面の基準長さLが100μmにおいて
、R1が1.5μmであった。耐塩酸性は実施例20と
同様であった。
実施例25 実施例21において、銅箔表面上に銅化合物層を形成す
る際、Na5PO4NaC402−NaOH系液を使用
する代シに、紫外線を5000mJ/i照射することに
より、銅箔表面上に銅化合物層をφ 形成する。他は実施例2と同一条件で実施した。
接着した銅張エポキシ板のエポキシ樹脂に対する銅箔の
ビール強度は1. I Ky/−であシ、塩酸浸み込み
はなく、ビール強度及び耐塩酸性はともに良好であった
。還元膜の表面の粗度はJIS B0601の表面粗さ
で定義される断面の基準長さLが100μmにおいて、
R1が1.8μmであった。耐塩酸性は実施例20と同
様であった。
比較例4 実施例20において、銅箔の表面上に銅化合物層を形成
した後、ガラスクロスで補強されたポリイミド系プリプ
レグを用い、銅化合物層をプリプレグ側に向けて、接着
した。他は実施例20と同一条件で実施した。接着した
銅張ポリイミド板のポリイミド樹脂に対する銅箔のビー
ル強度は1.3Kg / cdあシ、ビール強度特性は
優れていたが、塩酸による側面からの浸み込み量は12
0μmであり、耐塩酸性は不良であった。還元膜の表面
の粗度はJIS B 0601 の表面粗さで定義され
る断面の基準長さLが100μm、において、R2が1
.5μmであった。
実施例20と同様に塩酸に対する溶解性について調べた
ところ、銅化合物層は5秒で完全に溶解した。
比較例5 実施例20において、銅化合物層を電気的に還元する方
法に変えて、1tあたシ、 HCHO(37%>      2001R6を含む液
により、化学的に還元した。他は実施例20と同一条件
で実施した。接着した銅張ポリイミド板のポリイミド樹
脂に対する銅箔のビール強度は0.1 Kg/ crl
以下であり、ビール強度の特性は不良であった。ただし
、塩酸による側面からの浸み込みはなかった。盃元膜の
表面の粗度はJISB 0601 の表面粗さで定義さ
れる断面の基準長さLが100μmにおいて、flzが
0.5ttrnChつた。
また、実施例20と同様に塩酸に対する溶解性について
調べたところ、実施例20と同程度であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、銅箔と樹脂との接着に関し、銅箔の表
面の凹凸を低く抑え(JIS B 06010表面粗さ
で定義される断面の基準高さLが100μmにおいて、
R2が6μm以下)でもビール強度が0.3KI?/−
以上であシ、かつ耐塩酸性に優れた特性を持たせること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る金属と樹脂との複合体
の断面模式図、第2図は電解還元装置の原理説明図、第
3図は電解還元法による金属析出の説明図、第4図はカ
ラーアナライザの光学系統図、第5図は電解還元膜の接
着特性図、第6図は電解還元膜とそれ以前の化学的酸化
処理膜との耐塩酸特性図、第7図は表面反射特性図、第
8図はプリント板形成の工程図、第9図は多層板形成の
工程図である。 1・・・下地金属層、2・・・電解還元金軸層、3・・
・樹脂層、4・・・第1の凹凸部、5・・・第2の凹凸
部、6・・・試料片、7・・・対向極、8・・・電解液
、10・・・電解槽、28・・・ガラス繊維強化樹脂板
、29・・・銅箔、30゜33・・・銅酸化膜、31・
・・ドライフィルム、32・・・第 帽 〈イ」             第  35〕   
  、。。 第4の ご 匡 1し @ 8 口 躬9(211]

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、外観上無光沢でこげ茶色乃至黒色の色相を呈する程
    度の表面粗さを有する金属銅層が、該表面にて樹脂層に
    密着していることを特徴とする金属と樹脂との複合体。 2、前記の無光沢及び色相の程度は直接反射率が600
    〜700nmの波長領域で50%以下であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の金属と樹脂との複合
    体。 3、前記の無光沢及び色相の程度は直接反射率が600
    〜700nmの波長領域で20%以下であることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の金属と樹脂との複合
    体。 4、前記の色相はマンセル色票の7.5RP〜7.5Y
    の範囲であり、明度は7以下であり、彩度は12以下で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の金属
    と樹脂との複合体。 5、前記色相はマンセル色票の10RP〜2.5Yの範
    囲であり、明度は6以下であり、彩度は8以下であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の金属と樹脂
    との複合体。 6、前記金属は銅を主体とする合金あるいは他の元素を
    銅に拡散したものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の金属と樹脂との複合体。 7、下地金属表面に形成された第1の凹凸部と、該第1
    の凹凸部表面をその凹凸面に沿って該第1の凹凸部より
    も薄くかつ微細な凹凸表面をもって覆う還元金属からな
    る第2の凹凸部と、該第2の凹凸部の表面に密着する樹
    脂層とを有する金属と樹脂との複合体。 8、前記第1の凹凸部の表面粗さはJISB0601で
    定義される基準長さLが100μmにおいてRzが6μ
    m以下であることを特徴とする特許請求の範囲第7項記
    載の金属と樹脂との複合体。 9、前記第2の凹凸部の膜厚(最小幅)は70Å以上で
    かつ前記第1の凹凸部の表面粗さ以下であることを特徴
    とする特許請求の範囲第7項記載の金属と樹脂との複合
    体。 10、前記の第2の凹凸部表面は外観上無光沢でこげ茶
    色乃至黒色を呈することを特徴とする特許請求の範囲第
    7項記載の金属と樹脂との複合体。 11、前記金属は銅乃至銅を主体とする合金であること
    を特徴とする特許請求の範囲第7項記載の金属と樹脂と
    の複合体。 12、前記樹脂はポリイミド系であることを特徴とする
    特許請求の範囲第7項記載の金属と樹脂との複合体。 13、電解還元により得られる金属層が樹脂層に密着し
    ていることを特徴とする金属と樹脂との複合体。 14、前記金属層は銅乃至銅を主体とすることを特徴と
    する特許請求の範囲第13項記載の金属と樹脂との複合
    体。 15、前記金属層は金属酸化物を含む還元金属層である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第13項記載の金属と
    樹脂との複合体。 16、前記金属層は配線部となり、前記樹脂層はこの配
    線部を配線し、支持し、かつ絶縁するプリント板用基材
    となることを特徴とする特許請求の範囲第13項記載の
    金属と樹脂との複合体。 17、前記樹脂はポリイミド系であることを特徴とする
    特許請求の範囲第13項記載の金属と樹脂との複合体。 18、下地金属層と該層上に設けられるものであって金
    属酸化膜の電解還元で得られる還元金属層と、該還元金
    属層上に密着する樹脂層とを有することを特徴とする金
    属と樹脂との複合体。 19、前記下地金属層と前記還元金属層とは互いに同種
    の金属で形成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第18項記載の金属と樹脂との複合体。 20、前記下地金属と前記還元金属層とは結晶構造及び
    形状が異なることを特徴とする特許請求の範囲第18項
    記載の金属と樹脂との複合体。 21、前記還元金属層は金属酸化物が残っていることを
    特徴とする特許請求の範囲第18項記載の金属と樹脂と
    の複合体。 22、前記下地金属層及び前記還元金属層が一体化され
    て配線を形成し、樹脂により積層接着されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第18項記載の金属と樹脂と
    の複合体。 23、前記金属は銅乃至銅を生体とするものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第19項記載の金属と樹脂
    との複合体。 24、前記樹脂はポリイミド系であることを特徴とする
    特許請求の範囲第23項記載の金属と樹脂との複合体。 25、金属酸化膜表面を電気的に還元して得られる還元
    金属層を樹脂層に密着させる工程を含むことを特徴とす
    る金属と樹脂の複合体との製造方法。 26、前記還元金属層は金属層表面を酸化する工程及び
    該工程で得られた金属酸化膜表面を電解還元する工程で
    得られることを特徴とする特許請求の範囲第25項記載
    の金属と樹脂との複合体の製造方法。 27、前記還元金属層と樹脂層との密着を100℃以上
    、5Kg/cm^2以上の条件で行うことを特徴とする
    特許請求の範囲第25項記載の金属と樹脂との複合体の
    製造方法。 28、前記還元金属層の構成金属は銅または銅を主体と
    するものであり、前記樹脂はポリイミド系であることを
    特徴とする特許請求の範囲第25項記載の金属と樹脂と
    の複合体の製造方法。 29、薄い金属銅層を表面に有する絶縁板の該金属銅層
    の表面を酸化処理して該表面に銅酸化膜を形成する工程
    、レジストとの密着性が低下しない程度に該銅酸化膜を
    電解還元する工程、該電解還元された銅酸化膜を非回路
    部分についてのみレジストで覆う工程、前記電解還元さ
    れた銅酸化膜のレジストで覆われていない回路部分に回
    路導体として必要な厚さに銅を化学めっきにより付着さ
    せる工程、しかる後、レジストを除去し非回路部分の前
    記金属銅層及び前記電解還元された銅酸化膜をエッチン
    グにより除去する工程を含むことを特徴とする金属と樹
    脂との複合体の製造方法。 30、銅酸化膜の電解還元に用いる電解還元液はpHが
    6以上であることを特徴とする特許請求の範囲第29項
    記載の金属と樹脂との複合体の製造方法。 31、両面に金属銅層の設けられた各絶縁シートに複数
    の穴を明け、この穴の内壁をめっきする工程、この金属
    銅層表面を酸化して金属酸化膜を形成する工程、しかる
    後この金属酸化膜を電解還元する工程、次いで回路パタ
    ーン形成の為にレジストをラミネートし焼付し更に現像
    する工程、次いで前工程でレジストの設けられた各シー
    トをエッチング処理する工程、こうして回路として残さ
    れた金属銅層の部分の側面を酸化して金属酸化膜を形成
    する工程、次いでレジストを剥離し洗浄する工程、そし
    て上記各工程を通して得られたシートをプリプレグシー
    トを介して積層接着する工程パッド部にスルーホールを
    形成する工程、上記スルーホールにめっきする工程を含
    むことを特徴とする金属と樹脂との複合体の製造方法。 32、前記プリプレグシートはポリイミド系であること
    を特徴とする特許請求の範囲第31項記載の金属と樹脂
    との複合体の製造方法。
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