JPS6153777B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気記録装置に関し、特にVTR等
の映像信号記録装置に適用して最適なものであ
る。

磁気テープ上に斜めの不連続トラツクを形成し
て映像信号を記録し、これを再生するようにした
VTRにおいては、テープ走行を停止させ、記録
または再生を一旦中断した後、再びテープを走行
させて前の記録跡に続けて新たな信号を記録する
場がある。このようないわゆるつなぎ取りにおい
ては、テープ上の前に形成された記録跡と後に形
成されるつなぎ目において、テープ上の制御信号
（トラツキングサーボの基準となるCTL信号）の
記録跡の間隔が一定にならないと、連続して再生
したとき、このつなぎ目においてトラツキングサ
ーボの乱れが生じ再生画面が不安定になる。

従来、このような記録のつなぎ目において制御
信号の記録跡の間隔を一定にする方法としては、
テープの停止時点及び走行開始時点が所定の基準
タイミング信号（例えば映像信号の垂直同期信号
或はCTL信号）に同期して行われるようにした
ものが知られている。しかし基準タイミング信号
に同期してテープを停止または走行させるために
は、テープ駆動系の機械的遅れ時間、巻取りリー
ル側のテープテンシヨン等を考慮する必要がある
ので、精密な調整作業を必要とし、また温度、湿
度、経時変化等によつて誤差が生ずる欠点があつ
た。

本発明は上述の問題点にかんがみてなされたも
のであつて、調整することなくポーズ前後で制御
信号（CTL信号）の記録跡が等間隔となるよう
にしている。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本発明を適用したVTRのテープ走行
制御回路のブロツク図である。また第２図は第１
図の制御回路の動作を説明するテープ上の記録跡
の略線図及びタイムチヤートである。

本実施例のVTRでは、ポーズ釦を操作してテ
ープを停止させ、記録または再生を待機状態にす
るときに、キヤプスタンからピンチローラを離さ
ずに圧接状態を保ち、キヤプスタンモータを逆転
させることによつてテープを所定長さ戻した後キ
ヤプスタンモータを停止させてテープ走行を停止
させるようにしている。またキヤプスタンモータ
には回転速度を検出する周波数発電機を設け、こ
の検出信号でもつてキヤプスタンモータの定速サ
ーボ及び回転位相サーボを行うように構成されて
いる。

第１図において、キヤプスタン１８はキヤプス
タンモータ１７によつて回転駆動される。キヤプ
スタン１８にはフライホイル２０が取付けられ、
このフライホイル２０の周辺部にはほゞ等間隔で
複数個のマグネツト小片が取付けられている。そ
してこのフライホイル２０の回転跡の近傍に設け
られた検出ヘツド１９からキヤプスタン１８の回
転状態を表わすキヤプスタンFG信号（例えば1K
Hz）が得られる。このFG信号はサーボ回路１６
に供給され、速度サーボの際の速度検出信号とし
て用いられると共に、分周されて位相サーボの比
較信号として用いられる。またこのキヤプスタン
FG信号は分周されて30HzのCTL信号に変換さ
れ、再生時のトラツキングサーボの基準となる信
号としてテープの一側縁に記録され、第２図のよ
うにCTL記録跡CTLが形成される。なお記録時
にはビデオヘツドを備える回転ドラムは、記録さ
れるビデオ信号の垂直同期信号Ｖを基準として位
相サーボがかかつた状態で回転し、またキヤプス
タン１８の位相サーボは上記垂直同期信号を基準
としている。従つて、ドラムの回転位相と記録さ
れるCTL信号の位相は同期した関係となつてい
る。

第１図のテープ走行制御回路は、テープ走行量
を計測するカウンタ５，６，７，８及びこれらの
カウンタの計数値を比較する比較回路９，１０を
備えている。カウンタ７，８は第１カウント手段
を構成し、カウンタ５，６は第２カウント手段を
構成する。ポーズ釦に連動してスイツチ１が閉じ
られると、フリツプフロツプFF１・２がセツト
状態に反転する。このフリツプフロツプFF１・
２の出力（第２図ａ）はカウンタ７，８のリセツ
ト端子Ｒに供給され、カウンタ７，８がリセツト
される。またFF１・２の出力は制御信号として
記録アンプ１１に供給され、この記録アンプ１１
からビデオヘツド２２に供給されるビデオ信号及
びオーデイオヘツド２３に供給されるオーデイオ
信号が夫々第２図ｅに示すようにミユーテイング
（遮断）される。またCTLヘツド２１に供給され
るCTL信号（30Hzのトラツキングコントロール
信号）も第２図ｂに示すように遮断される。また
FF１・２の出力は、フリツプフロツプFF２・１
２のセツト端子に供給され、このフリツプフロツ
プ１２がセツトされる。

フリツプフロツプFF２・１２の出力はスイツ
チ４に供給され、スイツチ４の可動接点ｍが固定
接点ａ側に接続されて、検出ヘツド１９から得ら
れたキヤプスタンFG信号がカウンタ７のクロツ
ク端子に供給され、カウンタ７がこれを計数す
る。

フリツプフロツプFF２・１２の出力はオアゲ
ート１５を介してサーボ回路１６にもモータ逆転
信号として供給される。これによつてサーボ回路
１６から第２図ｃに示す正転時とは逆極性の駆動
電圧がモータ１７に供給され、第２図ｄ（テープ
速度）に示すようにモータ１７の回転速度が零に
なつてテープ速度が零になるまで減速される。第
２図ｆはテープの走行方向を示し、点Ｓにおいて
テープが停止され、以後走行方向が逆になる。な
おキヤプスタンモータ１７が停止することを検出
する回転検出器１３が設けられ、モータが停止し
たときこの回転検出器１３から検出パルスが得ら
れる。なおモータの回転停止は、例えばキヤプス
タンFG信号を検出していて、この信号がなくな
つたとき検出パルスを形成するように構成されて
よい。

上記検出パルスはフリツプフロツプFF２・１
２のリセツト端子Ｒに供給され、このFF２・１
２をリセツトする。FF２・１２の出力はモノマ
ルチ１４にも供給されているので、FF２・１２
がリセツトされたときの出力の立下りでモノマル
チ１４がトリガされ、所定パルス巾の信号（正パ
ルス）がこのモノマルチから得られる。モノマル
チ１４の出力はオアゲート１５を介してモータ逆
転信号としてサーボ回路１６に供給される。従つ
て、モータ１７には停止された後にも逆転駆動電
圧が供給されるので、第２図ｄに示すようにテー
プは逆方向の速度を持ち、第２図ｆに示すように
逆方向に走行される。

またFF２・１２がリセツトされると、このFF
２の出力でもつてスイツチ回路４の可動接点が固
定接点ｂ側に切換えられる。従つて、カウンタ７
にはポーズ釦を操作した時点からモータ１７が停
止されるまでのキヤプスタンFG信号の計数値が
蓄えられる。この計数値は第２図ｆの距離Ｌ１に
相当する。そしてモータ１７が停止されテープが
逆送され始める時点から、カウンタ８がキヤプス
タンFG信号を計数し始める。このカウンタ８の
計数結果と、カウンタ７の計数結果とが比較回路
１０において比較され、両者が一致した時点で一
致信号ｍが形成され、この信号ｍはカウンタ５，
６のリセツト端子Ｒにリセツト信号として供給さ
れる。なお上記一致信号ｍが形成される時点は第
２図ｆのＴ点であり、Ｔ点とＳ点との距離は上記
Ｌ１に等しい。即ち、Ｔ点はポーズ釦を操作した
時にテープ上の信号の記録跡がなくなつた位置に
相当する。

この時点以降もモノマルチ１４の出力は更に継
続するので、モータ１７は逆転を続ける。またフ
リツプフロツプFF１・２の出力によつてスイツ
チ回路３の可動接点ｍが固定接点ａ側に接続され
ている。従つてカウンタ５は一致信号ｍでリセツ
トされた時点からキヤプスタンFG信号を計数し
始める。その後モノマルチ１４が準安定状態から
安定状態に戻つてその出力が低レベルになると、
モータ１７の駆動電圧が第２図ｃのようにOVと
なつてモータの回転が停止され、第２図ｄのよう
にテープが停止される。この時点でテープは第２
図ｆの点Ｕまで戻されている。なおキヤプスタン
モータ１７が停止した時点でキヤプスタンFG信
号がなくなるので、点Ｔから点Ｕまでの距離Ｌ２
に相当する計数値がカウンタ５に蓄えられてい
る。

次にポーズ釦を操作してポーズ解除にすると、
フリツプフロツプFF１・２の出力が第２図ｇに
示すように低レベルに反転する。これによつてキ
ヤプスタンモータ１７に第２図ｉのような正の駆
動電圧が供給され、これによつてテープが第２図
ｊのように送り方向に送行される。またFF１・
２の出力の反転によつてスイツチ回路３の可動接
点が固定接点ｂ側に接続されるので、以後カウン
タ６がキヤプスタンFG信号を計数するようにな
る。カウンタ５と６との計数結果は比較回路９で
比較され、両者が一致したときに一致信号ｎが形
成される。この一致信号ｎが形成される時点は第
２図ｆのＴ点である。即ち、ポーズ解除時からテ
ープが距離Ｌ２だけ順方向に走行された時点で一
致信号ｎが形成される。この点Ｔは、テープ上で
ポーズ時にすべての記録がオフになつた点に相当
する。この一致信号ｎは記録アンプ１１に供給さ
れ、この信号によつてCTL信号、ビデオ信号、
オーデイオ信号のミユーテイングが解除され、点
Ｔ以降第２図ｋのようにビデオ信号及びオーデイ
オ信号の記録動作が行われると共に、第２図ｋに
示ようにCTL信号が記録される。

キヤプスタンモータ１７は、既述のようにキヤ
プスタンFG信号を分周した信号と記録される映
像信号の垂直同期信号とでもつて位相サーボがか
けられているので、ポーズ解除後からＴ点までテ
ープが距離Ｌ２を走行する間に、第２図ｊに示す
ようにテープ速度がゆらされ、キヤプスタンモー
タ１７の回転位相が垂直同期信号にロツクされ
る。この結果、ポーズ状態にした位置Ｔ点の両側
で、テープに形成されるビデオトラツクが正確に
つながる。またポーズ時にキヤプスタンからピン
チローラを離していないので、キヤプスタンFG
信号に対応するテープ上の等間隔の点の位相はポ
ーズ前後で変化しない。従つて、キヤプスタン
FG信号を分周して得られるCTL信号の記録跡
CTLについても、Ｔ点の両側で位相ずれが生じ
ないので、記録のつなぎ目でCTL記録跡の間隔
が変化しない。従つて、この記録のつなぎ目を再
生したときにトラツキングサーボの乱れが生ずる
ことがなく、安定な再生画像を得ることができ
る。

本発明は上述のようにポーズ時にキヤプスタン
モータを逆転させてテープを所定長巻戻している
ので、ポーズ解除時のテープ駆動系の立上り時間
を上記巻戻しによつてカバーすることができ、記
録のつなぎ目においてテープ速度が一定になり記
録状態を良好に保つことができる。またポーズ時
にキヤプスタンからピンチローラを離していない
ので、キヤプスタンモータに関連して設けられた
周波数発電機の出力（キヤプスタンFG信号）と
テープ上の上記出力に対応する点との相対的な位
相関係がポーズ前と後とで変化することがない。
従つて、上記周波数発電機の出力から再生時のト
ラツキングサーボの基準となるコントロール信号
（CTL信号）を形成してこれを記録すれば、コン
トロール信号の記録跡の間隔がポーズ前後の記録
のつなぎ目において変化することがなく、また間
隔を一定にするための調整作業も不要である。こ
の結果、再生時に記録のつなぎ目においてトラツ
キングサーボが乱れることがく、安定した再生画
像を得ることができる。また上記周波数発電機の
出力を計数するカウント手段を設け、ポーズ時の
テープ巻戻し量を計測すると共に、ポーズ解除時
にテープ順方向走行量を計測して両者の一致点を
検出するようにしたので、ポーズ時の記録終了位
置を容易に検出することができ、またこの記録終
了位置に連続して記録を開始させることができ
る。

また上記カウント手段を第１、第２カウント手
段で構成し、テープを逆転走行させるときの走行
系の慣性による進み分を第１カウント手段にて測
定してテープ上のポーズ操作時のテープ位置を正
確に定め、この第１カウント手段の出力によつて
計数動作が開始される第２カウント手段にて、テ
ープの反転走行量とポーズ解除後の順方向走行量
との一致を検出して、記録をポーズ操作時のテー
プ位置にて再開させるようにしたから、テープ走
行系の慣性がテープ巻径等によつて変化しても正
確につなぎ撮り記録が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したVTRのテープ走行
制御回路のブロツク図、第２図は第１図の制御回
路の動作を説明するためのテープ上の記録跡の略
線図及びタイムチヤートである。 なお図面に用いられている符号において、１…
…ポーズスイツチ、５，６，７，８……カウン
タ、９，１０……比較回路、１１……記録アン
プ、１７……キヤプスタンモータ、１９……検出
ヘツド、である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テープを走行させるキヤプスタンモータをポ
   ーズ時逆転させてテープを所定長巻戻した後、キ
   ヤプスタンにピンチローラを圧着したまま保持
   し、ポーズ解除時テープが順方向に上記所定長走
   行した位置にて上記テープに対する記録動作を開
   始させるようにした磁気記録装置において、 上記キヤプスタンモータに関連して設けられた
   周波数発電機の出力を計数するカウント手段を備
   え、このカウント手段は、 ポーズ時、ポーズ釦が押されてからテープが逆
   転されるまでの間、上記周波数発電機の出力を計
   数すると共に、テープが逆転されてから上記ポー
   ズ釦操作時のテープ位置に戻つて来たことをその
   計数値によつて検出する第１カウント手段と、 上記第１カウント手段によるポーズ操作時のテ
   ープ位置検出時点からテープが停止するまでの所
   定の期間、上記周波数発電機の出力を計数し、ポ
   ーズ解除時、テープの順方向走行に伴つて上記ポ
   ーズ操作時のテープ位置をその計数値によつて検
   出する第２カウント手段とから成り、 上記第２カウント手段の検出出力によつて記録
   動作を開始させることを特徴とする磁気記録装
   置。