JPS6147768A - 磁性塗料の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、磁気記録媒体を製造するための優れた分散性
を有する磁性塗料の製造方法に関する。

〔従来技術〕

従来、塗布型磁気記録媒体を形成するために用いる磁性
塗料の製造方法は、一般には次のように行なわれていた
。すなわち、磁性粉体を分散剤、バインダー、溶媒等の
組成物中に混合分散させ、これに硬化剤を添加すること
により製造されていた。

この４製造の際の混合分散工程に用いる分散機としては
、ボールミル、サンドグラインダー、アットライター、
ニーグー、ａ−ルミル等が使用されてきたが、近年では
分散効率の優れたサンドグラインダーが最適なものとし
て使用されている。

サンドグラインダーは優れた分散機であり、金属磁性粉
体や微粒子磁性粉体のような凝集力の強い磁性粉体をバ
インダー中に分散させる際に、サンドグラインダーのベ
ッセル内では、これらは良好な分散性を維持している。

しかしながら、このようにして分散させたものはベッセ
ル外に排出された時点から粒子の再凝集が起こり、サン
ドグラインダーの分散性能を十分に生かすことができな
かった。このため、最も優れた分散機であるサンドグラ
インダーを使用してもなお磁性粉体がバインダー中に良
好に分散されたものとならなかった。従って、このよう
にして製造された磁性塗料は、優れた電磁変換特性をも
つ磁気記録媒体を形成するには必ずしも満足のいくもの
とはならなかった。

上記のような再凝集を防止し、磁性粉体が良好に分散し
た磁性塗料を製造するために、通常分散剤と呼ばれる界
面活性剤を磁性塗料中に添加することが一般的に行なわ
れてきた。しかし、必ずしも十分な効果が得られず、磁
性粉体をバインダー中に゛良好に分散させることのでき
る磁性塗料の製造方法が望まれていた。

〔発明の目的〕

本発明は以上の要望に応えるため上記問題点に鑑みなさ
れたものであり、本発明の目的は、優れた分散性を有す
る磁性塗料を製造する方法を提供することにある。

〔発明の構成〕

本発明の磁性塗料の製ｉ方法は磁性塗料原料をサンドグ
ラインダーで混合分散する工程を有する磁性塗料の製造
方法において、前記サンドグラインダーに用いるメディ
ア−として、前記磁性塗料の混合分散前にあらかじめ界
面活性剤を付着させたメディアを使用することを特徴と
する。

本発明の磁性塗料の製造方法を以下、詳細に説明する。

本発明の磁性塗料の製造方法に使用できる磁性塗料の原
料としては従来公知のものが挙げられる。磁性塗料は、
一般には、強磁性合金、フェライト等の磁性粉体；有機
高分子化合物等の／ヘインダー；界面活性剤等の分散剤
；α−アルミナ等の研磨剤；有機溶媒等の組成物とこれ
らの組成物を硬化させるための硬化剤とからなる。

本発明の磁性塗料の製造方法では、原料組成の点におい
ても、従来より通常用いられる組成でほぼ十分である。

ただし、分散剤に関しては、界面活性剤を伺着させたメ
ディアを使用して磁性塗料原料をサンドグラインダーで
混合分散するので、従来の場合よりも少ない量をサンド
グラインダー中に投入すればよい。

本発明の方法に用いる界面活性剤を付着させたサンドグ
ラインダーのメディアを以下に説明する。

使用するメディアとしてはガラスピーズ、スチールポー
ル、セラミックポール、アルミナ、砂等の内から使用す
るサンドグラインダーに適合するものを選択する。また
、このメディアに付着させる界面活性剤としては、従来
より分散剤として用いられている各種の物質、例えばア
ミン類、アンモニウム塩゛、高級脂肪酸及びその、塩、
リン酸エステル、スルホン酸及びその塩、有機ホウ素化
合物などのなかから使用する磁性粉体やバインダーに適
合したものを用いれば良い。

本発明の方法におけるメディアへの界面活性剤の付着は
単なる物理的な付着でなく、メディア表面の分子と界面
活性剤分子の一種の化学的な親和力による付着であるこ
とが望ましい。そのためには、上記の界面活性剤を適当
な溶媒に溶かし、この溶液中に前記のメディアを浸漬し
このメディアの浸漬された溶液を十分撹拌し、付着させ
ることが好ましい、この撹拌にはデスパーザ−、スター
ラー等の撹拌機が使用できる。なお、界面活性剤によっ
ては溶媒に溶かす必要のないものもある。

上記のように界面活性剤をメディアに付着させた後にメ
ディアと溶液を分離し、メディアを乾燥すれば本発明に
使用する界面活性剤の付着したメディアの製造が完了す
る。この乾燥により溶媒が除去される。なお、メディア
と混合溶液分離後。

メディアと単に物理的に付着しているだけの界面活性剤
を適当な溶媒を使用して洗浄除去し、てもよい。

ベッセル内に充填するメディアに付着させる界面活性剤
の適量は、メディアの種類、界面活性剤の種類及び混合
分散させる磁性塗料の全量やその構成成分の各々の分散
性等に応じて異なる。これらの条件に合わせて、メディ
アに界面活性剤を付着させる際に用いる界面活性剤と溶
媒との量を適宜選択し、適￥を付着させればよい。

また、上記の方法以外にも吹き付は等の方法によりメデ
ィアに界面活性剤を付着させることもできる。

本発明では１以上説明した界面活性剤の付着したメディ
アを用いたサンドグラインダーを使用して前記磁性塗料
原料から従来と同様にして磁性塗料を製造することがで
きる。以下、その方法の一例を簡単に説明する。

まず、適当な使用量が選択され、あらかじめ界面活性剤
が付着されたメディアをサンドグラインダーのベッセル
内に充填する０次に、このベッセル内に硬化剤を除いた
前記磁性塗料原料を入れ、所定時間このサンドグライン
ダーで混合分散する。このように混合分散された磁性塗
料前駆体をベッセル内から取り出し、これを所定量の硬
化剤とともにデスパーザ−、スターラー等の撹拌機へ充
填し、十分に撹拌し磁性塗料の製造を完了する。

以上説明した本発明の製造方法により磁性塗料をベッセ
ル外に排出した時にも、再凝集を防止することができ、
分散安定性に優れた磁性塗料を製造することが可能とな
る。この理由は、サンドグラインダーのベッセル内で磁
性粉体とメディアとが直接物理的に接触することにより
磁性粉体表面に、メディア表面から界面活性剤が速やか
に移り、該磁性粉体の表面に吸着層を生じ、再凝集を防
止することができたものと考えられる。同様の効果を得
る目的で、あらかじめ磁性塗料に大過剰の分散剤を添加
しておく方法も考えられるが、この場合には磁性塗料中
に過剰の分散剤が存在するため、得られる磁気記録媒体
の塗膜を著しく可塑化し、耐摩耗性が著しく劣化する為
に、実用的ではない。

〔発明の効果〕

本発明の磁性塗料の製造方法では、磁性塗料原料をサン
ドグラインダーで混合分散する際に、サンドグラインダ
ーのメディアとしてあらかじめ界面活性剤を付着させた
ものを使用することによって、再凝集のしにくい極めて
優れた分散性を有することのできる磁性塗料の製造方法
が可能となった。

本発明の方法によって製造された磁性塗料は上記のよう
に優れた分散性を有するために、この塗料を用いて磁気
記録媒体を製造すれば磁気特性の優れたものとなった。

〔実施例〕

以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明
する。

実施例１ ガラズビーズ＝１００重量部 （粒径１．５〜２．Ｏ１φ） デュオミン　ＴＤＯ：５０重量部 （アミン系界面活性剤、ライオン油脂■社製）ト　　ル
　　エ　　ン：５００重量部 上記組成物をデスパーザ−により１０時間撹拌した０次
に過剰の界面活性剤を含む溶液をろ過除去し、ガラスピ
ーズを５０重量部のトルエン中に３時間浸漬させた後、
これをろ過して界面活性剤を付着させたガラスピーズを
形成した。これをサンドグラインダーのベッセル内に、
容積が８０％となるように充填した。

強磁性合金磁性粉体：１００重量部 （Ｆｅ−Ｎｉ合金、長径０．３μ、軸比８：１）分散剤
（デュオミンＴＤＯ：前出）：２重量部塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 （平均重合度４００９重合比９１：３ニア）：１５正量
部 ポリウレタンエラストマー２１５重量部α−アルミナ（
研磨剤、粒径１ｕ）：５重量部メチルエチルケトン＝１
４０重量部 ト　　ル　　エ　　７２１４０重量部 上記組成物を上述の界面活性剤を表面に付着したガラス
ピーズをメディアとして充填したサンドグラインダーを
用いて３０時間混合分散した後に取り出した。これを撹
拌装置（デスパーザ−）へ入れ、更に三官能ポリイソシ
アネート架橋剤（商品名コロネートＬ、日本ポリウレタ
ン工業■）を５重量部加えて十分に撹拌し磁性塗料を製
造した。

これを厚さ９−のポリエステルフィルム上に塗布、配向
処理後乾燥し、更にカレンダー処理を行い、５０℃の炉
に２４時間保存して硬化反応を行い、その後に所定の幅
に裁断して磁気テープを得た。

実施例２ 実施例１において、メディアに何着させた界面活性剤と
してデュオミンＴＤＯに代えレシチンを用い、また磁性
塗料原料組成中に分散剤として用イタテュオミンＴＤＯ
もレシチンに代えた以外は実施例１と同様にして磁性塗
料を形成し、これを用いて磁気テープを製造した。

実施例３ 実施例１においてメディアに付着させた界面活性剤とし
てデュオミンＴＤＯに代えＧＡＦＡＣＲＳ−４１０を用
いまた磁性塗料原料組成中に分散剤として用いたデュオ
ミンＴＤＯもＧＡＦＡＣＲＳ　−４１０（東邦化学社製
、りん酸エステル）に代えた以外は実施例１と同様にし
て磁性塗料を形成しこれを用いて磁気テープを製造した
。

比較例１ 表面に界面活性剤を付着させていないガラスピーズなメ
ディアとして充填したサンドグラインダーを用いた以外
は、実施例１と同様にして磁性塗料を形成し、これを用
いて磁気テープを製造した。

比較例２ 磁性塗料原料組成中の分散剤をデュオミンＴＤＯからレ
シチンへ変更した以外は比較例１と同様に磁性塗料を形
成し、これを用いて磁気テープを製造した。

比較例３ 磁性塗料原料組成中の分散剤をデュオミンＴＤＯからＧ
ＡＦＡＣＲ３−４１０に変更した以外は比較例１と同様
に磁性塗料を形成し、これを用いて磁気テープを製造し
た。

比較例４ 磁性塗料原料組成中のデュオミンＴＤＯの量を２０重量
部に変更した以外は、比較例１と同様に磁性塗料を形成
し、これを用いて磁気テープを製造した。

優れた分散性を有する磁性塗料を用いて製造された磁気
テープは、良好の磁性特性を示す。このような観点から
、実施例及び比較例の磁気テープの磁性特性（残留磁束
密度、角型化）を測定し、磁性塗料の製造方法を評価し
た。磁気特性の測定結果を表１に示す、尚、比較例４に
よるテープは表面の粘着性が大きく実用面では不適当で
あると推測された。

表　　１ 本発明の製造方法により得られた磁性塗料により磁気特
性の優れた磁気記録媒体を与えることができた。従って
、本発明は、極めて優れた磁性塗料の製造方法であるこ
とは明らかである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）磁性塗料原料ををサンドグラインダーで混合分散す
   る工程を有する磁性塗料の製造方法において、前記サン
   ドグラインダーに用いるメディアとして、前記磁性塗料
   の混合分散前にあらかじめ界面活性剤を付着させたメデ
   ィアを使用することを特徴とする磁性塗料の製造方法。