JPS6146163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鉄板等の薄肉材を主要材料として作
られたエンジンのオイルパンに関するものであ
る。

最近のエンジンは、軽量化のために鉄板等の薄
肉材料を筐形に絞り成形してなるオイルパンを使
用している場合が多い。ところで、このようなオ
イルパンは、その内部に貯留したオイルの量を測
定するためのオイルレベルゲージを有しているの
が一般的である。すなわち、従来のものはオイル
パン本体の側壁に筒状のオイルレベルゲージガイ
ドを片持的に支持させ、このガイド内にその先端
が前記オイルパン本体内にまで延出するオイルレ
ベルゲージを着脱可能に挿着するようになつてい
る。ところが、このような構成のものでは、前記
オイルレベルゲージガイドが比較的剛性の低いオ
イルパン本体の側壁に片持的に支持されているた
め、エンジンの振動等により該ガイドおよび前記
オイルレベルゲージが首振運動し易く、また、前
記オイルパンの側壁が振動を起すと前記の首振運
動がさらに助長されることになる。そのため、オ
イルレベルゲージガイドの支持部分の耐久性が低
下するとともに振動による騒音が発生し易いとい
う問題がある。

本考案は、かかる不都合を解消することを第１
の目的とするものであるが、その先行技術として
実開昭56−22410号に示されるように、オイルパ
ン本体の側壁に貫着したオイルレベルゲージガイ
ドの内方端を最低オイルレベル位置以下にまで延
出させて前記オイルパン本体の内面に固着したも
のがある。しかして、このものは、前記オイルレ
ベルゲージガイドを２点支持できるので、該オイ
ルレベルゲージガイドの首振運動を抑制すること
はできるが、オイルパン本体の振動を有効に抑え
ることはできない。すなわち、このような構成の
ものは、オイルパン本体におけるオイルレベルゲ
ージガイド固定部分の近傍の補強しか行なうこと
ができないため、オイルパン本体の振動、つまり
該オイルパン本体の側壁等がシリンダ内圧の変動
等によつて振動するのを十分に抑制することがで
きない。そのため、オイルパンから発生する振動
による騒音を有効に低減させることができないと
いう不都合がある。

本考案は、このような事情に着目してなされた
もので、オイルパン本体の側壁に貫着したオイル
レベルゲージガイドの内方端を最低オイルレベル
位置以下にまで延出させるとともに、前記オイル
パン本体の内部に該オイルパン本体内の下半部分
を仕切る補強壁体を設け、この補強壁体と前記オ
イルレベルゲージガイドの内方端側とを結合させ
ることによつて、前述した不都合を無理なく有効
に解消することができるようにしたエンジンのオ
イルパンを提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

クランクシヤフト１を軸にして側方へ所要角度
だけ傾斜させたエンジン本体２の下端開口部、つ
まり、シリンダブロツク３の下端開口部に本考案
に係るオイルパン４を装着している。オイルパン
４は、鉄板等を深絞り加工により筐形に成形して
なるオイルパン本体５を主体として構成されてお
り、このオイルパン本体５の一側壁５ａには、オ
イルレベルゲージガイド６が貫着されている。オ
イルレベルゲージガイド６は、外方端６ａを上方
へ延出させた筒状のもので、このオイルレベルゲ
ージガイド６には、周知な構成のオイルレベルゲ
ージ７が着脱可能に挿着されている。なお、この
オイルレベルゲージガイド６の内方端６ｂは最低
オイルレベル以下の位置、例えば、前記オイルパ
ン本体５の底壁５ｂの近傍位置にまで延出させて
あり、この内方端６ｂを連結板８を介して前記底
壁５ｂに固着してある。また、前記オイルパン本
体５の内部に該オイルパン本体５内の下半部分を
仕切る補強壁体９を設け、この補強壁体９と前記
オイルレベルゲージガイド６の内方端６ｂ部分と
を結合させている。具体的には、補強壁体９は前
記オイルレベルゲージガイド６の外周囲に設けた
補強筒１０と、２枚の補強板１１，１２とから構
成されている。補強筒１０は、ラツパ管状のもの
で、その大径側端部１０ａを前記オイルパン本体
５の一側壁５ａに固着するとともに小径側端部１
０ｂを前記オイルレベルゲージガイド６の内方端
６ｂの外周に固着してある。また、補強板１１
は、周縁部を前記補強筒１０の外周面および前記
オイルパン本体５の一側壁５ａと斜壁５ｃと底壁
５ｂの各内面にそれぞれ液密に固着した遮蔽板状
のもので、前記連結板８を介して前記オイルレベ
ルゲージガイド６に結合されている。また、補強
板１２は、縁部を前記補強筒１０の外周面および
前記オイルパン本体５の他側壁５ｄと底壁５ｂの
各内面にそれぞれ液密に固着した〓状のもので、
前記連結板８を介して前記オイルレベルゲージガ
イド６に結合されている。

なお、１３は前記補強筒１０に穿設したオイル
流出入孔、１４は前記オイルレベルゲージガイド
６に穿設したオイル流出入孔である。また、１５
は前記オイルパン４内のオイルを汲み上げるため
のストレーナである。

このような構成のものであれば、オイルレベル
ゲージガイド６が、オイルパン本体５の側壁５ａ
と補強壁体９および前記オイルパン本体５の底壁
５ｂとによつて支持されることになるので、エン
ジンの振動等が加わつても前記オイルレベルゲー
ジガイド６およびこれに挿着されたオイルレベル
ゲージ７が激しく首振運動を行なうことがない。
しかも、前記補強壁体９は前記オイルパン本体５
内にリブを設けたのと同様な形態で存在すること
になるので、該オイルパン本体５の各部を広範囲
に亘つて補強することが可能となり、該オイルパ
ン本体５の側壁５ａ等の振動を有効に抑制するこ
とができる。したがつて、オイルレベルゲージガ
イド６の支持部分の耐久性を無理なく向上させる
ことができるとともに、該オイルレベルゲージガ
イド６やオイルパン本体５自身の振動による騒音
を効果的に低減させることができるものである。
また、前記補強壁体９は、前記オイルパン本体５
内の下半部分を仕切るように設けられているため
該補強壁体９がいわゆるバツフルプレートとして
の機能をも発揮することになる。すなわち、車両
が坂道を登り降りすることによりエンジンが前後
に傾動するようなことがあつても、一定量のオイ
ルが前記補強壁体９によりせき止められてストレ
ーナ１５の周辺に残されることになるので、該ス
トレーナ１５が油面上に露出することがなくな
る。そのため、格別なバツフルプレートを設けな
くても、ストレーナ１５が空気を一時的に吸い込
むという不都合を無くすことができる。

なお補強壁体の構成は図示実施例のものに限ら
れないのは勿論であり、例えば、前述した補強筒
を省略して補強板のみにより構成する等、本考案
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であ
る。

また、前記実施例では、オイルレベルゲージガ
イドの内方端をオイルパン本体の底壁にも固着し
た場合について説明したが、本考案はかならずし
もこのようなものに限られず、例えば、オイルレ
ベルゲージガイドの内方端を前記底壁から浮か
せ、補強壁体にのみ結合するようにしてもよい。
この場合でも前記内方端を最低オイルレベル位置
以下にまで延出させることは勿論である。

本考案は、以上のような構成であるから、オイ
ルレベルゲージガイドやオイルパン本体の振動を
有効に抑制して、前記オイルレベルゲージガイド
の支持部分の耐久性の向上、並びに、騒音の低減
化を図ることができ、さらに、格別なバツフルプ
レートを設けることなしにかかるプレートを設け
た場合と同様な効果を得ることができるエンジン
のオイルパンを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は第１図における−線矢視図である。 ４……オイルパン、５……オイルパン本体、５
ａ……側壁、６……オイルレベルゲージガイド、
９……補強壁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルパン本体の側壁にオイルレベルケージガ
   イドを貫着してなるオイルパンにおいて、前記オ
   イルレベルゲージガイドの内方端を最低オイルレ
   ベル位置以下にまで延出させるとともに、前記オ
   イルパン本体の内部に該オイルパン本体内の下半
   部分を仕切る補強壁体を設け、この補強壁体と前
   記オイルレベルゲージガイドの内方端側とを結合
   させたことを特徴とするエンジンのオイルパン。