JPS6143621B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体中、例えば水中に没したシーズヒ
ータによつて液体を加熱する加熱装置に関し、詳
しくは、上記シーズヒータの空焼時等の異常温度
を検知し、その加熱を停止する温度過昇防止構造
に係る。

食器洗い機等の電気機器において、水を加熱さ
せるものにあつては、一般にヒータを用いてい
る。そして普通、特定の温度範囲で使用する為、
温度制御をサーモスタツトで行なわしめ、更に発
火等の異常を防ぐ目的で、温度過昇防止装置を組
込んでいる。

温度過昇防止装置には大きく分けてサーモスタ
ツトのように温度が低下した時、再び加熱を行う
復帰型と、温度ヒユーズのように、再び通電でき
ない溶断型とがある。いずれの場合でも、通常加
熱動作時に切れることはなく、異常時において、
発火に至る前に必ず動作しなければならない性質
のものである。

従来においては、例えばシーズヒータの大部分
を水中に没するものにあつては、シーズヒータに
接触させるか又は近接させて復帰型の温度過昇防
止装置を取付けたり、あるいは、第４図に示す如
く、ヒータＡに接近させて、カバーＢを設け、そ
のカバーＢ内に、溶断型の温度過昇防止装置であ
る温度ヒユーズＣを固定するといつた方式が採ら
れてきた。特に、溶断型の温度過昇防止装置は、
通常、温度ヒユーズそのものに通電する為、取付
け時には必ず電気的絶縁を施す必要がある。一
方、一定温度で溶断させる為には、ヒータにでき
る限り接近させて密着度を増大させる必要があ
る。

このように、絶縁性を高めるには、絶縁距離を
かせぐために温度過昇防止をヒータよりできるだ
け離すのが良く、一方、感度を高め、作動性を良
くする為には、上記距離をできるだけ小さくした
方が良いという相反する要因があり、この双方の
要因を満足させるに有効な構造が従来より要望さ
れていた。

本発明は上記従来の要望を満足させるに適した
構造を提供するもので、以下、その実施例を説明
する。第１図、第２図および第３図において、１
はパイプ１ａ内に電気絶縁性材料よりなる粉末
（図示せず）を充填することにより電熱線２を固
定してなるシーズヒータで、アルミニウム等の熱
伝導性の材料よりなる外殻３中に鋳込んで、鋳込
形のヒータＨを構成する。このヒータＨは、貯水
ケース４内に突出して固定しており、その発熱に
よつて、ケース４内の水を加熱する。

電熱線２はサーモスタツトやタイムスイツチ等
の制御部品を介して通電されるが、ケース４内の
水量が少ない場合等の異常加熱を阻止するために
次の如き温度過昇防止構造を有する。

５は外殻３の一部に一体に突出形成したボス部
で、ケース４に設けた孔４ａを介してケース４外
に突出させている。６はケース４外に突出したボ
ス部５の周面に巻回した絶縁材、７は絶縁材６に
当接したボス部５の温度を感知する温度ヒユーズ
等の温度過昇防止装置で、ボス部５の端面にねじ
８のねじ込みによつて固定したあて板９によつて
保持する。１０はねじ８のねじ込み用の孔であ
る。１１は孔４ａとボス部５との間からの漏水を
防止するためのパツキングである。

シーズヒータ１は略Ｕ字状を成し、その両端子
１２，１２部分はケース４の側壁の孔４ｂを貫通
してケース４外に導出してある。１３は外殻３と
孔４ｂとの間からの漏水を防止するパツキング、
１４は端子１２，１２を締付け固定したナツトで
ある。

このような鋳込形のヒータＨの取付け構造によ
れば、ヒータＨの重みが端子１２，１２近傍に無
理な力として全て加わり、パツキング１３がある
にもかかわらず、漏水等の異常を招く可能性が大
である。しかしながら、上記したボス部５は、シ
ーズヒータ１の端子１２，１２とは反対側の端部
に設けてあり、上記ヒータＨの重みはこのボス部
５が受けることができる。

上記構成によれば、鋳込形ヒータＨの外殻３の
一部に設けたボス部５をケース４外に突出させ、
このボス部５の温度を温度過昇防止装置７によつ
て検出するものであり、これによつてシーズヒー
タ１の一部をケース４外に取り出しこれの温度を
検知するのと同等の効果を有することとなつたも
のであつて、水中に没したヒータＨでありながら
も、これの温度を十分な電気絶縁性を確保した状
態で検知し得るものである。さらに、このような
検知は、シーズヒータからの熱を空気を介して感
知しようとするものに比し確実性に富む。

また、鋳込形シーズＨはその端子１２，１２部
分およびボス部５において支持したものであり、
偏荷重による液密部分の破壊を防止できる。

また、上記実施例において、ねじ８をねじ込む
ために、ボス部５の端面からシーズヒータ１に至
る間において孔１０を形成しているが、この孔１
０はシーズヒータ１の鋳込時における支持部とな
り、シーズヒータ１の倒れ、傾き等を防止でき
る。

以上のように本発明によれば、水中に没して利
用されるシーズヒータの異常温度感知を簡単な構
成によつて確実に行うことができ、特に、温度過
昇防止装置とヒータとの密着度合、絶縁性能等に
ついて格別な配慮を行う必要がない等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における加熱装置の縦
断面図、第２図はその下面図、第３図はその温度
過昇防止装置近傍を示す平面図、第４図はこの種
従来の装置を示す縦断面図である。 １……シーズヒータ、３……外殻、Ｈ……鋳込
形ヒータ、４……ケース、５……ボス部、７……
温度過昇防止装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 貯液用のケースと、シーズヒータを外殻にて
   鋳込んで形成し前記ケース内に配した鋳込形のヒ
   ータと、前記外殻の一部に突出形成し前記ケース
   外に導出してなるボス部とを備え、前記ヒータ端
   子部と前記ボス部とを、前記ケースの側壁と底面
   で保持するとともに、前記ケース外のボス部周面
   に絶縁材を介して温度過昇防止装置を設けたこと
   を特徴とする加熱装置。