JPH049946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電気ポツトの加熱装置、特にシー
ズヒータを用いた加熱装置に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

電気ポツトにおいて、シーズヒータを用いた加
熱装置は、従来シーズヒータを直接容器内に露出
させた構造になつているため、次のような問題点
がある。

(1) シーズヒータの保護管に腐食等で孔が生じた
場合、漏電等の危険がある。

(2) シーズヒータは、有効発熱長さを確保するた
めに、うず巻き状又はＵ字形等の複雑な形状を
なしており、汚れ、水あか等が付着した場合
に、清掃がし難く、また外観上の体裁もよくな
い。

(3) 吐出パイプをポツト容器の底面に取付けた形
式の電気ポツトにおいては、シーズヒータのリ
ード線と吐出パイプを貫通させるために底面に
２箇所の穴が必要となり、構造が複雑になると
共に、組立工数も増える問題がある。

そこで、この考案はシーズヒータをステンレス
スチール製ケース内に収納することにより、上記
の問題点を解決することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は、
シーズヒータを取付けた金属製保持板を密閉形の
ステンレススチール製ケースの天板下面に密着固
定し、上記ケースの底板に貫通固定した継手パイ
プをポツト容器の底面に水密状態に貫通してなる
電気ポツトの加熱装置において、上記ケースの天
板と保持板に吐出パイプを貫通させ、その吐出パ
イプの上端部を天板に一体化させると共にその下
端部を上記の継手パイプに間〓をおいて貫通さ
せ、その間〓にシーズヒータのリード線を挿通し
た構成としたものである。

〔作用〕 シーズヒータに通電すると、その保持板及びス
テンレス製ケースを通して熱が伝導され、ポツト
容器内の水を加熱する。水は上記ケース内には浸
入しない。

しかも水を最大限吐出させても、吐出パイプの
上端より低い位置の水は吐出されることなく残留
する。

〔実施例〕

第１図に示す実施例は、アルミニウム製保持板
２の下面にシーズヒータ１を取付け、その保持板
２の中央部にネジ穴３を設けてある。

また、この保持板２には空炊き防止サーモスタ
ツト４が取付けられている。

ステンレススチール製のケース５は、円筒状の
周壁６、天板７及び底面閉塞板８とから成るもの
であり、底面閉塞板８は後から周壁６の内周面に
溶着される。上記天板７の中心に設けた穴９には
吐出パイプ１０の上端が溶着一体化される。

吐出パイプ１０の一部には、その外周面にネジ
１１を設け、これを保持板２のネジ穴３に螺入す
ることにより、ケース５と保持板２とを一体化
し、保持板２をケース５の天板７に密着させる。

ケース５の底面閉塞板８の上面には段部１２が
形成され、その段部１２のまわりに保温ヒータ１
３を装着するとともに、上記保持板２の凹所に対
向した部分に水温検知サーモスタツト１４を装着
する。また、底面閉塞板８の中央に穴１５を設け
るとともに、その穴１５に継手パイプ１６の上端
を溶着一体化する。

継手パイプ１６は中央部に鍔１７を有するとと
もに、下端部外周にネジ１８が形成され、ポツト
容器２０の底板２１の穴を下方に貫通する。その
貫通部分には、パツキン２２が介在され、ネジ１
８に締付ナツト２３を螺合することにより、継手
パイプ１６を水密状態に取付ける。

前記の吐出パイプ１０は継手パイプ１６の内部
を貫通して下方に延び出し、またシーズヒータ１
及び保温ヒータ１３のリード線２４，２５が継手
パイプ１６と吐出パイプ１０との間〓を通つて外
部に引出される。

上記の各実施例は、ポツト容器２０に水を入れ
るとともにシーズヒータ１に通電することにより
これを発熱せしめ、保持板２及びケース５を通じ
て水を加熱する。シーズヒータ１への通電を切る
とともに、保温スイツチが投入されると保温ヒー
タ１３に通電される。水温は、水温検知サーモス
タツト１４により所定の温度に保持される。

また、通常の使用状態においては、ポツト容器
２０の水が最大限吐出されても、吐出パイプ１０
の上端より低い位置の水は吐出されることなく残
留する。また、転倒する等の異常な使用状態にお
いて水量が天板７の位置より低くなつた状態でシ
ーズヒータ１に通電される事態に至ると、空炊き
防止サーモスタツト４が感知して通電を切る。

〔効果〕

以上のように、この考案は少なくともシーズヒ
ータ及びその保持板を密閉状のステンレス製ケー
ス内に収納したものであるから、シーズヒータの
腐食のおそれがないとともに、容器底部の構造が
簡単になるので、清掃が容易になる効果がある。

また、吐出パイプが継手パイプに間〓をおいて
挿通され、その間〓にリード線が挿通されるの
で、吐出パイプとリード線を挿通するための穴は
１箇所でよい。このため構造が簡単になると共
に、組立が容易になる。

更に、上記の吐出パイプの上端部がケースの天
板に一体化されていため、通常の使用状態におい
ては容器内の水が吐出パイプの上端以下になるこ
とがなく、このため、空炊きを防ぐことができる
効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の断面図である。 １……シーズヒータ、２……保持板、３……ネ
ジ穴、４……空炊き防止サーモスタツト、５……
ケース、７……天板、１０……吐出パイプ、１１
……ネジ、１３……保温ヒータ、１６……継手パ
イプ、２０……ポツト容器、２１……底板、２２
……パツキン、２３……ナツト、２４，２５……
リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シーズヒータを取付けた金属製保持板を密閉形
   のステンレススチール製ケースの天板下面に密着
   固定し、上記ケースの底板に貫通固定した継手パ
   イプをポツト容器の底面に水密状態に貫通してな
   る電気ポツトの加熱装置において、上記ケースの
   天板と保持板に吐出パイプを貫通させ、その吐出
   パイプの上端部を天板に一体化させると共にその
   下端部を上記の継手パイプに間〓をおいて貫通さ
   せ、その間〓にシーズヒータのリード線を挿通し
   たことを特徴とする電気ポツトの加熱装置。