JPS6332660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は給水，満水を表示した電気ポツトに関
するものである。

〔従来の技術〕

従来、電気ポツトはステンレス，アルミニウム
等の金属製の一重の内容器を設け、この内容器の
下部外周に発熱体を巻回し、内容器の前壁上，下
端に透孔を穿設し、この上，下端の透孔を内容器
前面に設けた液量表示管とそれぞれ連結していた
が、この種の電気ポツトでは、給水時ポツト前面
より液量表示管の水位の高さを目視して給水を行
なつていたために、水位確認方向と給水方向とが
相違し、離れているために給水し難く、絶えずポ
ツトより液体をあふれさすという欠点があつた。

又、内容器一重のために保温性極めて悪く、発
熱体のON，OFF動作ひんぱんで電力消費量の増
大と発熱体の寿命を短くすることとなり不経済で
あつた。

〔考案の目的〕 本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、ポツト内への給水が確実に行なわれ、しかも
保温効力に優れ経済的な電気ポツトを提供するに
ある。

〔考案の構成〕

本考案によれば、内容器を金属製の内，外壁に
て真空二重に形成し、その上端口元を広口とする
一方、内容器の内壁の上，下部の突起を液体の給
水及び満水を示す表示体とする構成だけで、目的
を達成しようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

電気ポツト１は外装ケース２に囲まれた内容器
３と、外装ケースの上端に結合した水切部材４
と、水切部材の中央開口に着脱自在に装着する中
栓５と、水切部材の上端に開閉自在に装着する上
蓋ケース６と、外装ケースの下端で内容器の底部
を覆う底部材７と、内容器内の液体を加熱する発
熱体８と、内容器内の液体又は雰囲気空気の温度
を感知して発熱体をON，OFFする温度調節器９
と、内容器内の液量を表示する液量表示装置１０
とから構成されている。

外装ケース２は薄い鉄板を円筒状に形成し、
上，下端を内側へカールしており、内容器３との
間に隙間を設けている。

内容器３は第２図に示すように上端中央を広口
１１とし、下端中央を細口１２としたステンレス
等の金属製の内壁１３、外壁１４とからなつてお
り、この内，外壁間を真空断熱している。

内壁１３は筒型の内壁胴部１５と、この内壁胴
部の上端より内方に湾曲して上部を内壁胴部の径
よりもやや小径とした上部内壁口元部１６と、内
壁胴部の下端より内方に湾曲して下部を上端内壁
口元部の径よりも小径の下部内壁口元部１７とを
一体成形している。

内壁の内壁胴部１５下端には、この内壁胴部の
径よりも小さい径の下部環状突起１８を設け、上
部内壁口元部１６の湾曲部の上端には、この上部
内壁口元部の最上端の径よりも小さい径の上部環
状突起１９を設けている。

この下部環状突起１８は内容器内に収納される
液体量の最低線を示す給水表示体としており、液
体量がこの表示体をオーバーすることによつて空
炊きを防止している。

上部環状突起１９は内容器内に収納される液体
量の最高線を示す満水表示体としており、液体量
をこの表示体以下とすることによつてあふれでる
ことを防止している。

外壁１４は内壁と所定の間隔を隔てて形成され
ており、筒型の外壁胴部２０と、外壁胴部上端の
上部平担部２１と、外壁胴部下端の下部平担部２
２とを備えている。外壁の上部平担部２１は先端
を内壁の上部内壁口元部１６先端外周に溶着して
おり、周面に所定の間隔を隔てて複数の上部アン
グル２３，２３を設けている。外壁の下部平担部
２２は先端を内壁の下部内壁口元部１７先端外周
に溶着しており、周面に所定の間隔を隔てて複数
の下部アングル２４，２４を設けている。

水切部材４は中央に内容器上端の口元と連通す
る開口を設け、この開口を形成する内周壁部より
前部に後述の中栓を載置する嘴部を設け、前部を
除いて斜上方に向けて受部を設け、この受部上端
より上方に拡がつた肩部を設け、この肩部外端よ
り下方に垂下し、外装ケースの上端に当接する外
周壁部を設けている。水切部材の内周壁部後端に
は温度調節器の温度調節器用リード線を外装ケー
スと内周壁部との間の隙間に導く透孔を穿設し、
先端には液量表示装置の上部パイプと連通する透
孔を穿設している。水切部材の肩部には内容器の
上部アングル２３，２３に対応する複数のボルト
孔とボルト孔下端の取付けフランジとを設けてい
る。水切部材４と内容器３とはボルトを水切部材
の肩部のボルト孔より取付けフランジ内に貫通し
て内容器の上部アングル２３に螺着し固定してい
る。２５はシールパツキンである。

中栓５は後述のベローズポンプ内の空気を内容
器内に導く空気流通部及び内容器内の液体を導く
液体流通部を備えた中栓本体と、上端を中栓本体
の液体流通部に連通し下端を内容器内に垂下した
揚水パイプ２６と、後端を中栓本体の液体流通部
に連通し他端をポツト外部へ導いた吐出パイプ２
７と、水切部材中央の内周壁部上端を閉鎖する覆
板とからなつている。

上蓋ケース６は上蓋２８と、上蓋の下端内周に
嵌合する下蓋２９と、ベローズポンプ３０と、ベ
ローズポンプを押上げる第１スプリング３１と、
ベローズポンプの上面に螺着する上板３２、接当
部を固定した押体３３と、押体を押上げる第２ス
プリング３４と、上蓋ケースを水切部材にヒンジ
するヒンジ装置３５と、上蓋ケースを水切部材上
端にロツクするロツク装置３６とからなつてい
る。

底部材７は外装ケースの下端に当接する中央開
口の底輪３７と、底輪の中央開口を閉鎖する底板
３８と、一端をビスを介して内容器の下部アング
ル２４に螺着し他端をビスを介して底板に螺着し
たジヨイント部材３９とからなつている。

外装ケース２並びに底輪３７は水切部材４と内
容器３の上部アングル２３とのビス止めと共にジ
ヨイント部材３９を介して内容器の下部アングル
２４と底板３８とのビス止めによつて挟み持ち結
合となつている。

発熱体８は内容器の底部開口を貫通して内容器
内底部に固定されており、液体を加熱するヒータ
ーとヒーターを囲んだ覆部材とからなつている。

ヒーターは湯沸し時約450W，保温時10Wの二
つを備えている。覆部材はヒーターを覆つた円板
部と内容器の下端開口を貫通する筒体部とを備え
ており、中央には一端を内容器内に通じ円板部中
央より筒体部中央を貫通して他端を内容器外底部
に通じて後述の液量表示管と連通する流通パイプ
４０を挿通している。ヒーターのリード線は覆部
材の筒体部を碍子に囲まれながら通りプラグ受け
４１に接続している。

温度調節器９は内容器内の液体又は雰囲気空気
を感知して発熱体をON，OFFする温度感知用の
センサーと、センサーを囲むセンサー覆部材と、
温度調節器用リード線とからなつている。温度調
節器のセンサーはサーミスタ又はサーマルリード
スイツチ等よりなり、沸とう温度を検知する沸と
う検知用のセンサーと、保温温度を検知する保温
検知用のセンサーとを備えている。沸とう検知用
のセンサーに接続した温度調節器用リード線の一
方の端子はヒーター並びに湯沸し用ランプ４２に
接続され、保温検知用センサーに接続した温度調
節器用リード線の一方の端子はヒーター並びに保
温用ランプ４３に接続されている。

液量表示装置１０は上部パイプ４４と、第４ホ
ルダー４５と、液量表示管４６と、第３ホルダー
４７と、連結パイプ４８と、第２ホルダー４９
と、下部パイプ５０と、第１ホルダー５１と、流
通パイプ４０とからなつており、上部パイプ４４
は一端を水切部材の上部パイプ用の透孔を介して
内容器内上部に連通し、他端を第４ホルダー４５
を介して液量表示管４６の上端に連通しており、
液量表示管４６の下端は第３ホルダー４７を介し
て連結パイプ４８に連通し、連結パイプ４８の他
端は第２ホルダー４９を介して下部パイプ５０に
連通し、下部パイプ５０の他端は第１ホルダー５
１を介して流通パイプ４０に連通し、流通パイプ
の他端は発熱体の覆部材中央を貫通して内容器内
底部に連通している。

５２は吐出パイプ２７先端からの液体を下方へ
導く補助パイプで、５３は補助パイプと共にポツ
ト前部を覆うカバーで液量表示管の位置する前面
部分を縦長に切り欠いて、この切り欠き部分に透
明板を張設している。

〔考案の効果〕

本考案では内容器内の水位を確認する水位確認
方向と内容器内へ液体を供給する給水方向とが一
致するため、広口の内容器口元より目視して確実
に給水することができる。

又、真空二重の内容器のために保温性に優れ、
発熱体のON，OFF動作緩慢で消費電力も少く発
熱体の寿命も長くなり至つて経済的となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の縦断面図、第２図は本
考案の内容器を示す一部断面図である。 １……電気ポツト、２……外装ケース、３……
内容器、８……発熱体、１３……内壁、１４……
外壁、１８……下部環状突起、１９……上部環状
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装ケースに囲まれた内容器の下部に発熱体を
   設け、この発熱体にて内容器内の液体を加熱，保
   温する電気ポツトに於いて、上記内容器を金属製
   の内，外壁にて真空二重に形成し、その上端口元
   を広口とする一方、内容器の内壁の上，下部にそ
   れぞれ環状の突起を設け、この上，下部の突起を
   液体の給水及び満水を示す表示体としたことを特
   徴とする電気ポツト。