JPS6143425B2 - - Google Patents
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- JPS6143425B2 JPS6143425B2 JP54031980A JP3198079A JPS6143425B2 JP S6143425 B2 JPS6143425 B2 JP S6143425B2 JP 54031980 A JP54031980 A JP 54031980A JP 3198079 A JP3198079 A JP 3198079A JP S6143425 B2 JPS6143425 B2 JP S6143425B2
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Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
本発明はA―Zr―Fe―Si合金を連続鋳造圧
延して得られる耐熱アルミニウム合金導体の製造
法に関するものである。 近年送電容量の増大に伴い、架空送電線用とし
て鋼心耐熱アルミニウム合金撚線が使用されてい
るが、特殊な送電条件の下ではアルミニウム合金
導体に更に耐熱性を与えることにより送電容量を
より増大せしめることが要望されている。 そこで従来より多くの導電用耐熱アルミニウム
合金が研究されているが、現在実用に供されてい
るのはZrを有効成分とするA―Zr系合金であ
り、その耐熱性はZrの添加量に応じて増大する
が、導電率は低下する。従つてより耐熱性のすぐ
れた導体を得るためにはZr量を多くすることにな
るが、その代り導電率は著しく低下してしまい実
用には適さないことになる。 本発明者はかゝる点に鑑み、導電率をあまり低
下させることなく耐熱性の優れた導体を提供せん
と研究開発を進めた結果、本発明に至つたもので
ある。 本発明はZr0.10〜1.0wt%、Fe0.05〜0.8wt%、
Si0.04〜0.30wt%および残部Aと通常の不純物
とからなる合金を連続鋳造圧延法により製造する
に当り、80〜200℃に加熱した鋳型に溶湯温度950
〜720℃より鋳造を開始し、凝固時の冷却速度が
20℃/sec以上になるよう鋳造し、得られた鋳塊
を引続き連続的に圧延するに際して60℃/min以
上の冷却速度で冷却しながら550℃以下の温度よ
り圧延を開始して40%以上減面加工後、圧延終了
時の温度が350℃以下になるように圧延し、更に
要すればこのようにして得られた圧延素材を減面
加工度で65%以上冷間加工し、然る後に250〜450
℃で10〜400時間加熱処理する耐熱アルミニウム
合金導体の製造方法に係わるものである。 本発明において合金成分を上記の組成に限定し
たのは次の理由による。 即ちZrは強度および耐熱性を向上せしめるため
に添加するもので、これが0.10wt%より少いと強
度が低く耐熱性も改善されない。 又1.0%より多くなると強度および耐熱性の向
上効果がなくなり、しかも導電率も低下するため
である。 FeもZrと同様強度および耐熱性を向上させる
ために添加するので、0.05%未満ではその効果は
少く、0.8%より多くなると強度,耐熱性の向上
効果は認められず、導電率が低下してしまうため
である。 一方Siの添加は強度を向上させるためであり、
0.04%より少いと強度が低く、又0.2%より多い
と逆に強度は低下し導電率も低下してしまう。 次に上記の合金を連続鋳造圧延するに当つて、
その鋳造条件および圧延条件を規定したのは、合
金成分のうちZrおよびFeを鋳造時に強制固溶さ
せ、それをそのまゝ析出しないように圧延して常
温にもち来たし、これを冷間加工後、熱処理を行
つてZrおよびFeを微細に析出せしめて強度,導
電率および耐熱性の向上をはかるためである。 そこで鋳型(通常のベルト・アンド・ホイール
型の連続鋳造機の場合、鋳造輪とベルト)の温度
を80〜200℃と規定したのは、これが80℃未満で
は鋳型と接する鋳塊表面の冷却が大き過ぎ鋳塊表
面が凝固後収縮してエアギヤツプを形成してしま
い、鋳塊全体の冷却速度を遅くしてZr,Feの強
制固溶に効果がなくなり、又鋳型温度が200℃に
より高いと鋳塊と鋳型との温度勾配が小さくなつ
て冷却速度が遅くなるため上記の強制固溶に効果
がなくなるからである。 又鋳造開始時の溶湯温度を950〜720℃としたの
は急激な温度勾配をもたせて凝固させるためであ
り、720℃未満では温度勾配が小さくてZr,Feの
強制固溶量が少くなり、又950℃より高いと溶湯
表面の酸化が激しくなり、酸化物の巻込み等によ
り良質な鋳塊が得られずかつ鋳塊表面と中心部で
の凝固速度に大きな差が生じるため、Zr,Fe等
が偏析して鋳塊表面と中心部とでその濃度が異り
優れた性能が得られないからである。 次に950℃〜720℃の溶湯を80〜200℃に加熱し
た鋳型に注湯後、凝固時の冷却速度が20℃/sec
以上になるようにするのも、Zr,Feを強制固溶
させるためで、この冷却速度の制御は通常鋳造論
およびベルトを水冷して行われる。この水冷が不
十分で冷却速度が20℃/secより遅いと強制固溶
させることができず、又逆に水冷が激し過ぎると
鋳塊と鋳型間にエアーギヤツプを生じて冷却速度
が遅くなつてしまう。従つてZr,Feを強制固溶
させるには凝固時の冷却速度が20℃/secになる
よう制御することが必要である。 このようにして得られた鋳塊を引続き連続的に
圧延するに際して60℃/min以上の冷却速度で冷
却しながら圧延するのは強制固溶したZr,Feの
析出を阻止するためであり、冷却速度が60℃/
min未満ではZr,Feが析出してしまうからであ
る。 又その際550℃以下の温度より圧延を開始して
40%以上減面加工後、圧延終了時の温度が350℃
以下になるよう圧延すると、圧延中にZr,Feが
析出するのを阻止することができ、又鋳造組織を
破壊することにより凝固時に強制固溶しきれずに
一部晶出したZr,Feの粗大晶出相を粉砕して微
細均一に分散させた圧延組織とすることができ
る。 こゝで圧延開始温度が550℃より高い場合およ
び圧延終了温度が350℃より高い場合には強制固
溶させたZr,Feが析出してしまう。又減面加工
度が40%未満であると鋳造組織の破壊が不十分な
ため粗大な晶出物が組織中に残存して強度,耐熱
性を低下させてしまう。 以上の条件の下で連続鋳造圧延法で製造すると
Zr,Feを強制固溶させた荒引線を得ることがで
きる。 次に必要に応じて行われる圧延工程として上記
の荒引線を冷間で65%以上減面加工するのは加工
硬化により強度を向上させるためと、このあと熱
処理するに際しZr,Feを微細,均一に析出させ
るためである。それが65%未満であると加工硬化
が少く又転位密度も小さいため熱処理する際に析
出が極めて遅く析出硬化が出ないため強度は勿
論、耐熱性,導電率共に低くなる。 上記の冷間加工後に250〜450℃で10〜400時間
熱処理するのは前述のようにZr,Feを均一,微
細に析出させるためで250℃は長時間熱処理して
もZrが析出せず、450℃より高いと短時間の熱処
理でも粗大な析出相が形成されて強度,耐熱性が
低下してしまう。又熱処理時間が10時間未満では
析出が不十分なため、強度,導電率が低くなり、
他方400時間より長く熱処理しても比較的低温で
は析出は飽和してしまうため効果は少く、高温の
場合には過時効となつて析出物が粗大化して強
度,耐熱性が低下してしまう。 以上本発明によれば強度,導電率,耐熱性の優
れた導体を用いることができるが、本発明で規定
する条件のうち、更に好ましくはZr0.20〜0.50wt
%、Fe0.15〜0.40wt%、Si0.06〜0.15wt%、残部
Aからなる合金を連続鋳造圧延して得られる耐
熱アルミニウム合金導体において、上記の合金を
溶湯温度750〜850℃、鋳型温度100〜150℃で凝固
時の冷却速度50〜100℃/secになるよう鋳造し、
この鋳塊を400〜500℃より圧延開始して150〜300
℃/min以上の冷却速度で冷却しながら60%以上
減面加工して圧延終了時の温度が300〜150℃にな
るよう圧延し、更に75〜97%冷間加工後300〜400
℃で50〜200時間熱処理することにより特に優れ
た性能を得ることができる。 次に本発明をその実施例により詳述する。 実施例 純度99.8%の電気用A地金を溶解し、これに
A―5%Zr、A―6%Fe、A―20%Siの
各母合金を用い種々の配合でA―Zr―Fe―Si
を溶製した。これらの合金をベルト・アンド・ホ
イール型の連続鋳造圧延機により種々の条件で鋳
造、圧延し荒引線を製造した。 これらの荒引線を冷間で伸線加工した後、種々
の条件で熱処理して試料を作成した。 これらの合金組成および製造条件を第1表に示
す。又各試料について引張強さ,導電率,耐熱性
を測定した。引張強さはインストロン型試験機に
より測定し、導電率はケルビンダブルブリツジに
より電気抵抗を測定して求めた。又耐熱性は試料
を300℃で400時間加熱し、加熱前の引張強さに対
する加熱後の引張強さの割合で表わした。 この結果を第2表に示す。 尚凝固時の冷却速度の調節は鋳造速度(鋳造輪
の回転速度)の調節、水冷鋳型である鋳造輪およ
びベルトへの流水量並びに水温の調節で行い、圧
延に際しては各圧延スタンド間に加熱および冷却
装置を装備した圧延温度を自由に制御できる連続
圧延機を用いて冷却速度を制御した。
延して得られる耐熱アルミニウム合金導体の製造
法に関するものである。 近年送電容量の増大に伴い、架空送電線用とし
て鋼心耐熱アルミニウム合金撚線が使用されてい
るが、特殊な送電条件の下ではアルミニウム合金
導体に更に耐熱性を与えることにより送電容量を
より増大せしめることが要望されている。 そこで従来より多くの導電用耐熱アルミニウム
合金が研究されているが、現在実用に供されてい
るのはZrを有効成分とするA―Zr系合金であ
り、その耐熱性はZrの添加量に応じて増大する
が、導電率は低下する。従つてより耐熱性のすぐ
れた導体を得るためにはZr量を多くすることにな
るが、その代り導電率は著しく低下してしまい実
用には適さないことになる。 本発明者はかゝる点に鑑み、導電率をあまり低
下させることなく耐熱性の優れた導体を提供せん
と研究開発を進めた結果、本発明に至つたもので
ある。 本発明はZr0.10〜1.0wt%、Fe0.05〜0.8wt%、
Si0.04〜0.30wt%および残部Aと通常の不純物
とからなる合金を連続鋳造圧延法により製造する
に当り、80〜200℃に加熱した鋳型に溶湯温度950
〜720℃より鋳造を開始し、凝固時の冷却速度が
20℃/sec以上になるよう鋳造し、得られた鋳塊
を引続き連続的に圧延するに際して60℃/min以
上の冷却速度で冷却しながら550℃以下の温度よ
り圧延を開始して40%以上減面加工後、圧延終了
時の温度が350℃以下になるように圧延し、更に
要すればこのようにして得られた圧延素材を減面
加工度で65%以上冷間加工し、然る後に250〜450
℃で10〜400時間加熱処理する耐熱アルミニウム
合金導体の製造方法に係わるものである。 本発明において合金成分を上記の組成に限定し
たのは次の理由による。 即ちZrは強度および耐熱性を向上せしめるため
に添加するもので、これが0.10wt%より少いと強
度が低く耐熱性も改善されない。 又1.0%より多くなると強度および耐熱性の向
上効果がなくなり、しかも導電率も低下するため
である。 FeもZrと同様強度および耐熱性を向上させる
ために添加するので、0.05%未満ではその効果は
少く、0.8%より多くなると強度,耐熱性の向上
効果は認められず、導電率が低下してしまうため
である。 一方Siの添加は強度を向上させるためであり、
0.04%より少いと強度が低く、又0.2%より多い
と逆に強度は低下し導電率も低下してしまう。 次に上記の合金を連続鋳造圧延するに当つて、
その鋳造条件および圧延条件を規定したのは、合
金成分のうちZrおよびFeを鋳造時に強制固溶さ
せ、それをそのまゝ析出しないように圧延して常
温にもち来たし、これを冷間加工後、熱処理を行
つてZrおよびFeを微細に析出せしめて強度,導
電率および耐熱性の向上をはかるためである。 そこで鋳型(通常のベルト・アンド・ホイール
型の連続鋳造機の場合、鋳造輪とベルト)の温度
を80〜200℃と規定したのは、これが80℃未満で
は鋳型と接する鋳塊表面の冷却が大き過ぎ鋳塊表
面が凝固後収縮してエアギヤツプを形成してしま
い、鋳塊全体の冷却速度を遅くしてZr,Feの強
制固溶に効果がなくなり、又鋳型温度が200℃に
より高いと鋳塊と鋳型との温度勾配が小さくなつ
て冷却速度が遅くなるため上記の強制固溶に効果
がなくなるからである。 又鋳造開始時の溶湯温度を950〜720℃としたの
は急激な温度勾配をもたせて凝固させるためであ
り、720℃未満では温度勾配が小さくてZr,Feの
強制固溶量が少くなり、又950℃より高いと溶湯
表面の酸化が激しくなり、酸化物の巻込み等によ
り良質な鋳塊が得られずかつ鋳塊表面と中心部で
の凝固速度に大きな差が生じるため、Zr,Fe等
が偏析して鋳塊表面と中心部とでその濃度が異り
優れた性能が得られないからである。 次に950℃〜720℃の溶湯を80〜200℃に加熱し
た鋳型に注湯後、凝固時の冷却速度が20℃/sec
以上になるようにするのも、Zr,Feを強制固溶
させるためで、この冷却速度の制御は通常鋳造論
およびベルトを水冷して行われる。この水冷が不
十分で冷却速度が20℃/secより遅いと強制固溶
させることができず、又逆に水冷が激し過ぎると
鋳塊と鋳型間にエアーギヤツプを生じて冷却速度
が遅くなつてしまう。従つてZr,Feを強制固溶
させるには凝固時の冷却速度が20℃/secになる
よう制御することが必要である。 このようにして得られた鋳塊を引続き連続的に
圧延するに際して60℃/min以上の冷却速度で冷
却しながら圧延するのは強制固溶したZr,Feの
析出を阻止するためであり、冷却速度が60℃/
min未満ではZr,Feが析出してしまうからであ
る。 又その際550℃以下の温度より圧延を開始して
40%以上減面加工後、圧延終了時の温度が350℃
以下になるよう圧延すると、圧延中にZr,Feが
析出するのを阻止することができ、又鋳造組織を
破壊することにより凝固時に強制固溶しきれずに
一部晶出したZr,Feの粗大晶出相を粉砕して微
細均一に分散させた圧延組織とすることができ
る。 こゝで圧延開始温度が550℃より高い場合およ
び圧延終了温度が350℃より高い場合には強制固
溶させたZr,Feが析出してしまう。又減面加工
度が40%未満であると鋳造組織の破壊が不十分な
ため粗大な晶出物が組織中に残存して強度,耐熱
性を低下させてしまう。 以上の条件の下で連続鋳造圧延法で製造すると
Zr,Feを強制固溶させた荒引線を得ることがで
きる。 次に必要に応じて行われる圧延工程として上記
の荒引線を冷間で65%以上減面加工するのは加工
硬化により強度を向上させるためと、このあと熱
処理するに際しZr,Feを微細,均一に析出させ
るためである。それが65%未満であると加工硬化
が少く又転位密度も小さいため熱処理する際に析
出が極めて遅く析出硬化が出ないため強度は勿
論、耐熱性,導電率共に低くなる。 上記の冷間加工後に250〜450℃で10〜400時間
熱処理するのは前述のようにZr,Feを均一,微
細に析出させるためで250℃は長時間熱処理して
もZrが析出せず、450℃より高いと短時間の熱処
理でも粗大な析出相が形成されて強度,耐熱性が
低下してしまう。又熱処理時間が10時間未満では
析出が不十分なため、強度,導電率が低くなり、
他方400時間より長く熱処理しても比較的低温で
は析出は飽和してしまうため効果は少く、高温の
場合には過時効となつて析出物が粗大化して強
度,耐熱性が低下してしまう。 以上本発明によれば強度,導電率,耐熱性の優
れた導体を用いることができるが、本発明で規定
する条件のうち、更に好ましくはZr0.20〜0.50wt
%、Fe0.15〜0.40wt%、Si0.06〜0.15wt%、残部
Aからなる合金を連続鋳造圧延して得られる耐
熱アルミニウム合金導体において、上記の合金を
溶湯温度750〜850℃、鋳型温度100〜150℃で凝固
時の冷却速度50〜100℃/secになるよう鋳造し、
この鋳塊を400〜500℃より圧延開始して150〜300
℃/min以上の冷却速度で冷却しながら60%以上
減面加工して圧延終了時の温度が300〜150℃にな
るよう圧延し、更に75〜97%冷間加工後300〜400
℃で50〜200時間熱処理することにより特に優れ
た性能を得ることができる。 次に本発明をその実施例により詳述する。 実施例 純度99.8%の電気用A地金を溶解し、これに
A―5%Zr、A―6%Fe、A―20%Siの
各母合金を用い種々の配合でA―Zr―Fe―Si
を溶製した。これらの合金をベルト・アンド・ホ
イール型の連続鋳造圧延機により種々の条件で鋳
造、圧延し荒引線を製造した。 これらの荒引線を冷間で伸線加工した後、種々
の条件で熱処理して試料を作成した。 これらの合金組成および製造条件を第1表に示
す。又各試料について引張強さ,導電率,耐熱性
を測定した。引張強さはインストロン型試験機に
より測定し、導電率はケルビンダブルブリツジに
より電気抵抗を測定して求めた。又耐熱性は試料
を300℃で400時間加熱し、加熱前の引張強さに対
する加熱後の引張強さの割合で表わした。 この結果を第2表に示す。 尚凝固時の冷却速度の調節は鋳造速度(鋳造輪
の回転速度)の調節、水冷鋳型である鋳造輪およ
びベルトへの流水量並びに水温の調節で行い、圧
延に際しては各圧延スタンド間に加熱および冷却
装置を装備した圧延温度を自由に制御できる連続
圧延機を用いて冷却速度を制御した。
【表】
【表】
実施例No.1〜No.10は本発明に規定する組成範
囲内の合金を本発明の条件に従つて製造したもの
で、導電率は58.5%IACS以上、引張強さは18.6
Kg/mm2以上、耐熱性は93.8%以上と3特性とも優
れた性能を有している。 比較例No.11〜No.16は鋳造、圧延、伸線およ
び熱処理は本発明に規定する条件に従つて製造し
たものであるが、本発明に規定する合金組成範囲
外のものであつて、そのうちNo.11〜13はZr,Fe
或いはSi量が不足のため導電率は比較的高いが、
強度,耐熱性が低くなつている。No.14〜16は逆
に各成分が過剰のため強度は比較的高いが、導電
率,耐熱性は低い。 次に比較例No.17〜30は合金組成については本
発明に規定範囲内であるが、製造条件が本発明で
規定する条件と異つているのもので、そのうち
No.17〜25は鋳造或いは圧延条件が異つているた
めZr,Feの強制固溶量を多くすることができ
ず、これを伸線し熱処理しても実施例No.1〜10
のような優れた性能は得られない。又比較例
No.26〜30は合金組成および鋳造,圧延条件は本
発明の規定範囲内のものであるが、その後の伸線
あるいは熱処理条件が本発明の特許請求の範囲第
3項に規定する条件の範囲外であつて、この場合
強制固溶量の多い荒引線を製造してもその後の伸
線あるいは熱処理条件が異つているため、導電
率,引張強さ,耐熱性の3特性ともに優れた導体
を十分に満足するように得ることはできない。 次に比較例No.31〜33として展延法により、又
No.34〜36として押出法により荒引線を製造し
た。 展延法としては50×50×500mmの鋳塊を450℃で
2時間加熱後熱間圧延により95.4%加工し、押出
法の場合には断面積1962.25mm2の鋳塊を450℃で2
時間加熱後熱間押出により94.2%減面加工した。 これらの合金組成および性能を第3表に示す。
展延法或いは押出法で荒引線を製造した場合は
Zr,Feの強制固溶量が少いためこれらの荒引線
を本発明の特許請求の範囲第2項の条件で伸線,
熱処理しても強度,耐熱性が低く実施例No.1〜
10に示したような優れた性能は得られない。
囲内の合金を本発明の条件に従つて製造したもの
で、導電率は58.5%IACS以上、引張強さは18.6
Kg/mm2以上、耐熱性は93.8%以上と3特性とも優
れた性能を有している。 比較例No.11〜No.16は鋳造、圧延、伸線およ
び熱処理は本発明に規定する条件に従つて製造し
たものであるが、本発明に規定する合金組成範囲
外のものであつて、そのうちNo.11〜13はZr,Fe
或いはSi量が不足のため導電率は比較的高いが、
強度,耐熱性が低くなつている。No.14〜16は逆
に各成分が過剰のため強度は比較的高いが、導電
率,耐熱性は低い。 次に比較例No.17〜30は合金組成については本
発明に規定範囲内であるが、製造条件が本発明で
規定する条件と異つているのもので、そのうち
No.17〜25は鋳造或いは圧延条件が異つているた
めZr,Feの強制固溶量を多くすることができ
ず、これを伸線し熱処理しても実施例No.1〜10
のような優れた性能は得られない。又比較例
No.26〜30は合金組成および鋳造,圧延条件は本
発明の規定範囲内のものであるが、その後の伸線
あるいは熱処理条件が本発明の特許請求の範囲第
3項に規定する条件の範囲外であつて、この場合
強制固溶量の多い荒引線を製造してもその後の伸
線あるいは熱処理条件が異つているため、導電
率,引張強さ,耐熱性の3特性ともに優れた導体
を十分に満足するように得ることはできない。 次に比較例No.31〜33として展延法により、又
No.34〜36として押出法により荒引線を製造し
た。 展延法としては50×50×500mmの鋳塊を450℃で
2時間加熱後熱間圧延により95.4%加工し、押出
法の場合には断面積1962.25mm2の鋳塊を450℃で2
時間加熱後熱間押出により94.2%減面加工した。 これらの合金組成および性能を第3表に示す。
展延法或いは押出法で荒引線を製造した場合は
Zr,Feの強制固溶量が少いためこれらの荒引線
を本発明の特許請求の範囲第2項の条件で伸線,
熱処理しても強度,耐熱性が低く実施例No.1〜
10に示したような優れた性能は得られない。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Zr0.10〜1.0wt%、Fe0.05〜0.8wt%、Si0.04
〜0.30wt%および残部Aと通常の不純物とから
なる合金を連続鋳造圧延して耐熱アルミニウム合
金導体を製造するに当り、80〜200℃に加熱した
鋳型に溶湯温度950〜720℃より鋳造を開始し、凝
固時の冷却速度が20℃/sec以上になるように鋳
造し、得られた鋳塊を引続き連続的に圧延するに
際して60℃/min以上の冷却速度で冷却しながら
550℃以下の温度より圧延を開始して40%以上減
面加工後、圧延終了時の温度が350℃以下になる
よう圧延することを特徴とする耐熱アルミニウム
合金導体の製造法。 2 特許請求の範囲第1項記載の連続鋳造圧延後
に、減面加工度で65%以上冷間加工し、然る後に
250〜450℃で10〜400時間加熱処理することを特
徴とする耐熱アルミニウム合金導体の製造法。 3 特許請求の範囲第2項記載の連続鋳造圧延後
に、減面加工度で65%以上冷間加工し、然る後に
250〜450℃で10〜400時間加熱処理することを特
徴とする耐熱アルミニウム合金導体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198079A JPS55125252A (en) | 1979-03-19 | 1979-03-19 | Heat resistant aluminum alloy conductor and manufacture thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198079A JPS55125252A (en) | 1979-03-19 | 1979-03-19 | Heat resistant aluminum alloy conductor and manufacture thereof |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55125252A JPS55125252A (en) | 1980-09-26 |
JPS6143425B2 true JPS6143425B2 (ja) | 1986-09-27 |
Family
ID=12346080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3198079A Granted JPS55125252A (en) | 1979-03-19 | 1979-03-19 | Heat resistant aluminum alloy conductor and manufacture thereof |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS55125252A (ja) |
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JPS5827948A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-18 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 導電用耐熱アルミニウム合金線の製造方法 |
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-
1979
- 1979-03-19 JP JP3198079A patent/JPS55125252A/ja active Granted
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55125252A (en) | 1980-09-26 |
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