JPS6141987Y2

JPS6141987Y2 -

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Publication number: JPS6141987Y2
Application number: JP9969481U
Authority: JP
Priority date: 1981-07-03
Filing date: 1981-07-03
Publication date: 1986-11-28
Also published as: JPS586964U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はエンジンの無接点点火装置に装着する
過回転防止装置に関するもので、その無接点点火
装置は、とくに磁石発電機に設けた点火コイルの
一次コイルに発生する負方向電圧はダイオードで
短絡せしめるのみあるが、つぎに発生する正方向
電圧による電流をトランジスタでオン、オフ制御
して点火するようにした、いわゆる一次コイル電
流遮断式の無接点点火装置であり、本考案はこの
種の無接点点火装置をもつエンジンにきわめて簡
単容易に装着できるようにした、とくに点火角度
遅角式の過回転防止装置に関するものである。

第１図は本考案の基礎となる前記一次コイル電
流遮断式の無接点点火装置の一例（実願昭55−
012635号実開昭56−115574号公報）を示すもの
で、その詳細な説明は後述するので省略し、その
動作を簡単に説明すると、磁石発電機Ｇがエンジ
ンと同期して回転し、その点火コイル１の一次コ
イルに発生した破線矢印で示す負方向電圧V₁に
よる電流は、トランジスタ点火制御回路K₁のダ
イオードD₁で短絡されるのみであるが、つぎに
発生する実線矢印で示す正方向電圧V₂による電
流は同制御装置K₁の電力トランジスタT₁をオ
ン、オフ制御することにより点火コイル１の二次
コイルW₂に高電圧を誘起させ、これにより点火
プラグＰに高電圧の火花を飛火してエンジンを点
火するものである。

しかして、この第１図に示すような無接点点火
装置を有するエンジンに装着する点火角度遅角式
式の過回転防止装置として従来は第２図に示すも
のが提案されている。この第２図に示すものは、
まず、点火コイル１の一次コイルW₁に破線矢印
で示す負方向電圧V₁が発生すると、過回転防止
装置K₂のダイオードD₂とダイオードD₃の回路に
電流を流し、コンデンサＣを図示の極性に充電す
る。そして、このコンデンサＣの充電電荷は抵抗
R₁とR₂の回路に放電されると共に、サイリスタ
Ｓのゲート、カソード間にも放電され、該サイリ
スタＳをオン作動させるが、エンジンの回転速度
が所定値以下の場合においては、前記サイリスタ
のオン状態はつぎに一次コイルW₁に実線矢印で
示す正方向電圧V₂が発生する以前にオフ状態に
移行するので、実質的には過回転防止装置K₂は
作動しないことになる。しかし、エンジンの回転
速度が所定値以上に上昇すると、前記サイリスタ
Ｓのオン状態はつぎに一次コイルW₁に実線矢印
で示す正方向電圧V₂が発生してその電圧V₂が分
圧抵抗R₃を介して該サイリスタＳのアノードに
印加されるまで持続するようになるので、さらに
該サイリスタＳはその正方向電圧V₂が消滅する
までオン状態を持続するようになる。

そこで一次コイルW₁の正方向電圧V₂は分圧抵
抗R₃で分圧されたものがトランジスタ点火制御
装置K′₁には印加され、これによりエンジンの点
火角度が急激に遅角してエンジンの過回転を防止
するものである。

ところが、第２図に示す従来の過回転防止装置
K₂を第１図に示すような無接点点火装置が装着
されているエンジンに装着するためには第１図に
示すトランジスタ点火制御装置K₁の電力トラン
ジスタT₁のコレクタ、エミツタ間に接続されて
いるダイオードD₁を第２図に示すトランジスタ
点火制御装置K′₁のように削除しなければならな
いので、そのままその過回転防止装置K₂を装着
できないという欠点があつた。

また、さらに、この第２図に示す過回転防止装
置を装着した場合における、そのトランジスタ点
火制御装置K′₁には一次コイルW₁に発生する負方
向電圧V₁を短絡するダイオードが削除されてい
るので、電力トランジスタT₁のベース、エミツ
タ間には逆方向の電圧が繰り返し印加されること
により、これによりこの電力トランジスタT₁の
温度が異常に上昇することになり、この結果これ
らの寿命が短かくなるという重大な欠点があつた
のである。

本考案は上記のような欠点を解消することを目
的として、とくに工夫をこらしたもので、以下第
３図に示す本考案一実施例について説明する。

この図において、１はエンジンの点火プラグ、
２はエンジンに同期して駆動される磁石発電機
で、この磁石発電機２は磁石回転子３と、一次コ
イル５および二次コイル６よりなる点火コイル４
とよりなつている。つぎに７は本考案によりとく
に工夫をこらした過回転防止装置で、この過回転
防止装置７は逆流防止用のダイオード８，９と、
分圧抵抗１０と、サイリスタ１１と、複数のダイ
オード１３，１４，１５、コンデンサ１６および
抵抗１７を並列に接続した定電圧時定数回路１２
とよりなつている。つぎに１８はトランジスタ点
火制御装置で、この点火制御装置１８はダイオー
ド１９，２０，２１と、電力トランジスタ２２
と、制御トランジスタ２３と、抵抗２４〜２８
と、コンデンサ２９とよりなりそれぞれ図示のよ
うに接続されている。

以上のように構成された第３図に示す本考案一
実施例は下記のように作動する。まずエンジンと
同期して磁石発電機２の磁石回転子３が回転し、
点火コイル４の一次コイル５に破線矢印で示す負
方向電圧V₁が発生したときにおいては、該一次
コイル５より、過回転防止装置７のダイオード
８，１３，１４，１５と、トランジスタ点火制御
装置１８のダイオード１９の回路に電流が流れる
が、前記過回転防止装置７の複数のダイオード１
３，１４，１５はコンデンサ１６と抵抗１７と共
にサイリスタ１１のゲート、カソード間に並列に
定電圧時定数回路１２を構成しているため、コン
デンサ１６を図示の極性に定電圧で充電すると共
に、サイリスタ１１にゲート電流を流してオン作
動させ、このサイリスタ１１のオン状態を所定時
間持続させる。しかし、エンジンの回転速度が低
速で所定値以下の場合には前記一次コイル５に実
線矢印で示すつぎの正方向電圧V₂が立ち上る以
前には該サイリスタ１１のオン状態はオフ状態に
移行する。そこで、エンジンの回転速度が低速で
所定値以下の場合には実質的に過回転防止装置７
は作動しないことになる。

しかして、つぎに一次コイル５に実線矢印で示
す正方向電圧V₂が発生した場合においてはまず
トランジスタ点火制御装置１８の抵抗を２４を介
して電力トランジスタ２２にベース電流を供給し
てこの電力トランジスタ２２がオン作動させてコ
レクタ電流が流れるようになる。そして、そのコ
レクダ電流がピーク値に近づいたとき、抵抗２
５，２６を介して制御トランジスタ２３にベース
電流が供給され、この制御トランジスタ２３がオ
ン作動し、これにより前記電力トランジスタ２２
はオフ作動するから、一次コイル５に流れる電流
は急激に遮断され、二次コイル６に高電圧が誘起
し、点火プラグ１に高電圧の火花が飛火してエン
ジンを点火する。

なお、トランジスタ点火制御装置１８に設けて
あるコンデンサ２９は前述一次コイル５の正方向
電圧V₂の上昇時には抵抗２５とダイオード２１
と抵抗２８とを介して図示極性に充電され、その
正方向電圧V₂の下降時に、抵抗２８，２７，２
６を介して制御トランジスタ２３のベース、エミ
ツタの回路に放電させることにより該制御トラン
ジスタ２３の動作を安定化させると共に、エンジ
ンの回転速度の変化に伴ないエンジンの点火時期
が変化しないようにするためのものである。

前述のようにエンジンの回転速度が所定値以下
の場合においては過回転防止装置７のサイリスタ
１１は一次コイル５に負方向電圧V₁が発生した
とき、その都度オン作動し、そのオン状態は定電
圧時定数回路１２により所定時間持続するが、一
次コイル５につぎの正方向電圧V₂が立ち上る以
前にオフ状態に移行するため、この過回転防止装
置７は実質的に作動しないことになるのである。

しかし、エンジンの回転速度が所定値以上に上
昇するときは一次コイル５の負方向電圧V₁およ
び正方向電圧V₂の周期が短かくなるのに対し、
前記サイリスタ１１のオン状態持続時間はほぼ一
定であるから、そのサイリスタ１１がオン状態に
あるとき、つぎの正方向電圧V₂が一次コイル５
に発生して立ち上りその正方向電圧V₂が分圧抵
抗１０を介して該サイリスタ１１のアノードにカ
ソード間に電流を流すので、該サイリスタ１１の
オン状態はさらに正方向電圧V₂の発生からほぼ
消滅するまで持続するようになる。

したがつて、一次コイル５に発生する正方向電
圧V₂は過回転防止装置７の分圧抵抗１０とサイ
リスタ１１とダイオード９の回路に電流を流すか
らトランンジスタ点火制御装置１８に印加される
正方向電圧V₂は前記過回転防止装置７の分圧抵
抗１０によりジン分圧されて急激に低下する。そ
こで、トランジスタ点火制御装置１８の制御トラ
ンジスタ２３のオン作動する時期が急激に遅れる
ので、エンジンの点火角度が急激に遅角し、これ
によりエンジンの回転速度が所定値を超えて過回
転状態になることは完全に防止される。

以上説明したように、本考案によれば、エンジ
ンに同期して駆動される磁石発電機に一次コイル
と二次コイルとよりなる点火コイルを設け、この
点火コイルの二次コイルには点火プラグを接続
し、同一次コイルには該一次コイルに発生する負
方向電圧をダイオードを介して短絡すると共に、
同正方向電圧をオン、オフ制御するようにしたト
ランジスタ点火制御回路を接続してなるエンジン
の無接点点火装置において、前記一次コイルの両
端に前記正方向電圧を分圧する分圧抵抗をサイリ
スタと逆流防止用のダイオードを介して接続し、
さらに前記サイリスタのゲート、カソード間に前
記一次コイルに発生する負方向電圧により該サイ
リスタをオン作動させると共に、該オン状態を所
定時間持続させるようにした複数のダイオード、
コンデンサおよび抵抗を並列に接続してなる定電
圧時定数回路を持続した構成で、エンジンの回転
速度が所定値以上に上昇しようとするとき、前記
サイリスタのオン状態さらに正方向電圧の発生か
ら消滅まで持続させて該正方向電圧を分圧するこ
とによりエンジンの点火角度が急激に遅角し、こ
れによりエンジンの回転速度が所定値を超えて過
回転状態になることを完全に防止できる。

そして、上記本考案による過回転防止装置は第
２図に示す従来の過回転防止装置のように、トラ
ンジスタ点火制御装置の電力トランジスタのコレ
クタ、エミツタ間に接続した負方向電圧短絡用の
ダイオードを削除することなく、そのまま一次コ
イルの両端に該過回転防止装置を接続することが
できるから、第１図に示すような無接点点火装置
を有するエンジンでも後から簡単容易に装着でき
ると共に、第２図に示す従来のもののように電力
トランジスタおよび制御トランジスタに逆方向電
圧が繰り返し印加され、該トランジスタの温度が
異常に上昇して寿命が短縮できるという重大な欠
点を完全に解消できるので、その実用的顕著な効
果大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の基礎となるエンジンの無接点
点火装置を示す電気回路図、第２図は無接点点火
装置に従来の過回転防止装置を接続した電気回路
図、第３図は無接点点火装置に本考案一実施例の
過回転防止装置を接続した過回転防止装置の電気
回路図である。図中、１はエンジンの点火プラグ、２は磁石発
電機、４は点火コイル、５は一次コイル、６は二
次コイル、７は過回転防止装置、８，９はダイオ
ード、１０は分圧抵抗、１１はサイリスタ、１２
は定電圧時定数回路、１８はトランジスタ点火制
御装置、１９，２０，２１はダイオード、２２は
電力トランジスタ、２３は制御トランジスタであ
る。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンに同期して駆動される磁石発電機に一
次コイルと二次コイルとよりなる点火コイルを設
け、この点火コイルの二次コイルには点火プラグ
を接続し、同一次コイルには該一次コイルに発生
する負方向電圧を短絡するようにしたダイオード
１９を接続すると共に、同正方向電圧をオン、オ
フ制御するようにしたトランジスタ点火制御回路
を接続してなるエンジンの無接点点火装置におい
て、前記一次コイルの両端に前記正方向電圧を分
圧する分圧抵抗１０をサイリスタと逆流防止用の
ダイオード９とを介して接続し、該ダイオード９
と一次コイルとの接続点を逆流防止用のダイオー
ド８を介して前記サイリスタのゲートに接続し、
さらに前記サイリスタのゲート、カソード間に前
記一次コイルに発生する負方向電圧により該サイ
リスタをオン作動させると共に、該オン状態を所
定時間持続させるようにした複数のダイオード１
３，１４，１５と、コンデンサ１６および抵抗１
７とを並列に接続してなる定電圧時定数回路を接
続したことを特徴とするエンジンの無接点点火装
置に装着する過回転防止装置。