JPS6141622B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来多用されているスプレーガンとしては、大
別してエアスプレーガンとエアレススプレーガン
の二種類があるが、高粘度の噴霧については、エ
アスプレーガンによれば霧化が悪く、またエアレ
ススプレーガンによればテールが発生し易いとい
う欠点がある。

本発明は、液体を唇状のオリフイス型噴液口か
ら比較的高圧のもとに噴霧する平吹きノズルを採
択すると共に、前記噴液口の周囲から比較的低圧
の空気流を供給する噴気口を設けてエアスプレー
ガンとエアレススプレーガンとの長所を機能的に
結合した型式の噴霧装置についての特殊構成に関
するものである。

従来のこの種噴霧装置は、概ね構造が複雑であ
るばかりでなく、扇形噴霧の広がり角度が著しく
抑制され、また抑制されないように方策を講ずる
と噴霧形状が乱れて正常な扇形噴霧が得られない
等の欠点があつた。

本発明は、噴液口の周囲から前方へ供給する空
気流を前方へ拡開する円錐筒状ないし中空扇形状
に形成するように、拡開誘導型噴気口を設けて、
扇形噴霧を乱さず正常に保つたまま噴霧角度を抑
制することなく、テールの発生防止並びに霧化の
促進を実現するようにしたことを特徴とするもの
であつて、以下添付図面に例示する態様について
詳細に説明する。

本発明の適用対象としての噴霧装置としては、
例えば第１図のように、噴霧ガン１の先端外周に
雄ねじ２を刻設するほか先端寄りの中心部に超硬
合金製の弁座３を固着すると共に、上記弁座３に
対応する針弁４を必要に応じ進退することができ
るように対設し、これに対するノズルチツプとし
ては、鍔付き帽状の超硬合金製ノズル主体５の前
端寄り部分に後方開放状態のドーム状凹窩６を形
成するほか前端には断面がＶ字状の溝７を前記凹
窩６と適度に交叉するように設けることによりほ
ぼ唇状のオリフイス型噴液口８を形成し、かつこ
のようなノズル主体５を後端に鍔９があるホルダ
ー１０内にノズル主体５の先端が露出するように
嵌合した後、後方からブツシユ１１を圧入固定し
たまま、前記噴霧ガン１の先端にパツキング１２
の介入のもとに雄ねじ２部に対する袋ナツト１３
により締付け固定し、更に前記噴霧ガン１の先端
外周にはガン先端を囲繞するばかりでなく前記袋
ナツト１３およびホルダー１０の外側を中間に噴
気口１４としての間隙が保たれるように外枠１５
を装着し、これによりガン１の先端寄りの空気供
給孔１６，１６から１〜３Kg/cm²程度の比較的低
圧の空気を供給してホルダー１０の先端と外枠１
５の先端とにより形成される環状噴気口１４から
前方へ空気流を生じさせると共に、ノズル主体５
の噴液口８からは上流の針弁４の開放により20〜
30Kg/cm²程度の比較的高圧のもとに供給される塗
料等の高粘度液体を扇形状噴霧として射出するよ
うにし、以つて扇形噴霧の外周側に空気流を生じ
させて露化の促進並びに噴霧の飛散抑制等を実現
するようにした型式を採択する。

上記型式の噴霧装置に対する本発明の特殊構成
としては、例えば第１図および第２図に示すよう
に、ホルダー１０と外枠１５とにより形成される
噴気口１４について、空気流が直進することな
く、前方へ拡開する円錐筒状となるようにするた
め、ホルダー１０の先端外周に前方へ漸次大径と
なるテーパー付き誘導面１７を形成すると共に、
これに対応する外枠１５の先端内周にも前方へ漸
次大径となるテーパー付き誘導面１８を形成し、
これにより両誘導面１７，１８による円錐筒状の
拡開誘導型噴気口１４を構成し、以つて噴霧周囲
に形成する空気流を噴霧基端に衝触させないよう
にするばかりでなく、扇形噴霧の拡開両端部に対
してもほぼ平行に近い鋭角に衝触するように積極
的に拡開するように噴出させてなり、これにより
霧化の促進とテールの発生防止と噴霧の飛散防止
と更に噴霧形状の保持とを簡単な構成のもとに実
現するようにしてなるのである。

前記態様においては、噴気口１４は円形である
が、第３図または第４図のようにノズルの噴液口
８から射出される噴霧形状に対応するようにする
ため、誘導面１７および１８による拡開誘導路を
全周に形成することなく、扇形噴霧の両端縁相応
する対向両部に限定して噴気口１４からの空気流
を長円錐筒状ないし中空扇形状に形成するように
し、これにより扇形噴霧を外側からそのまま包囲
して霧化の促進並びに飛散防止効果を一層向上す
ることができるのである。

また第３図鎖線および第５第６両図に示すよう
に扇形噴霧の平面部に指向する内向き勾配誘導面
１９および２０をそれぞれホルダー１０および外
枠１５に形成してこれら内向き勾配面１９，２０
による内向き誘導路を前記拡開誘導路に隣接する
直角関係に設け、これにより中空扇形状の空気流
を形成して扇形噴霧の噴射角を積極的に拡大する
ようにしてもよく、更に扇形噴霧の扁平化を一層
向上させるための構成として第１図のように従来
のエアスプレーガンにおける扇形噴霧の場合と同
様の補助噴気孔２１，２１を斜め内向きに設ける
ようにしてもよい。

上記噴気口１４の形状を左右するホルダー１０
の外周形状および外枠１５の内周形状はこれを上
記諸態様の個々のものを種々組合せて使用するこ
とができるのであつて、要するに少なくとも対向
両部分からの空気流が前方へ拡開するようにすれ
ばよいのである。

なおホルダー１０と外枠１５とはその軸線を一
致させることが重要であるから、これがため、第
７図のようにホルダー１０に通気路２２と係合テ
ーパ部２３とがある鍔２４を設けると共に、これ
に対し外枠１５としてはホルダー１０におけるテ
ーパー部２３に対接するテーパー部２５と受段２
６とを設け、この外枠１５を内向き鍔がある袋ナ
ツト２７によりガン１における雄ねじ２にホルダ
ー１０と共に締付け固定するようにし、弁部その
他に細部については本質的には前記第１図におけ
ると同様であるから説明は省略する。

以上説明したように本発明によれば、噴液口に
近い外周側から扇形噴霧の外周に供給する空気流
について、少なくとも扇形噴霧の両端に対応する
部分について前方へ拡開する方向へ形成するよう
にしたから、空気圧を高低変更しても噴霧角度に
大きな影響を与えることなく、霧化の促進および
テールの発生防止を効果的に達成することがで
き、しかも噴液口の直前のおける噴霧に空気流を
積極的に衝触させるものとは異なり、噴霧の乱れ
を生じさせないから、むらのない均斉な噴霧を得
ることができるのでであつて、実施の結果によれ
ば、粘度がフオードカツプ４番で60秒のメラミン
樹脂系焼付け塗料を使用して塗料圧30Kg/cm²でか
つ空気圧1.5〜３Kg/cm²のもとに塗装を行ない好結
果が得られたのである。

【図面の簡単な説明】

図面において、第１図および第２図はそれぞれ
一実施態様における本発明噴霧装置を示す横断平
面図および要部だけを分離して示す斜面図、第３
図および第４図はそれぞれ他の態様における要部
を各別に示す斜面図、第５図は更に他の態様にお
ける要部の横断平面図、第６図は第５図中の線
−における縦断側面図、また第７図は更にもう
一つの他の態様における横断平面図である。 ５……ノズル主体、８……噴液口、１０……ホ
ルダー、１４……噴気口、１５……外枠、２１…
…補助噴気孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液体をオリフイス型噴液口から比較的高圧の
   もとに噴霧する平吹きノズルを採択すると共に、
   前記噴液口の周囲から比較的低圧のもとに空気流
   を供給するようにした噴気口を設けた噴霧装置で
   あつて、前記噴気口には空気流を少なくとも対向
   両部において噴霧の基端から僅かに離れた位置か
   ら積極的に前方へ拡開させることができるように
   拡開誘導路を形成してなる高粘度液体の噴霧に適
   する噴霧装置。 ２ 噴気口として拡開誘導路を対向状態に設ける
   と共に、この拡開誘導路に直角関係に隣接する内
   向き誘導路を設けてなる特許請求の範囲第１項に
   記載の高粘度液体の噴霧に適する噴霧装置。 ３ 噴液口および噴気口から隔離した両側から噴
   霧の扁平化向上のための補助噴気孔を斜め内向き
   に設けてなる特許請求の範囲第１項または第２項
   に記載の高粘度液体の噴霧に適する噴霧装置。