JPS6138169B2 - - Google Patents

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JPS6138169B2
JPS6138169B2 JP55014803A JP1480380A JPS6138169B2 JP S6138169 B2 JPS6138169 B2 JP S6138169B2 JP 55014803 A JP55014803 A JP 55014803A JP 1480380 A JP1480380 A JP 1480380A JP S6138169 B2 JPS6138169 B2 JP S6138169B2
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JP
Japan
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formula
compound
trimethyltetrahydropyran
reaction
acid
Prior art date
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Application number
JP55014803A
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English (en)
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JPS56113776A (en
Inventor
Minoru Iwamoto
Akira Fujita
Keiichi Takagi
Noboru Kubota
Kunio Kojo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP1480380A priority Critical patent/JPS56113776A/ja
Publication of JPS56113776A publication Critical patent/JPS56113776A/ja
Publication of JPS6138169B2 publication Critical patent/JPS6138169B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、香料分野への利用分野に関して従来
全く知られていない下記式(1)―1、 で表わされる公知化合物1―(2,6,6―トリ
メチルテトラヒドロピラン―2―イル)―3―ペ
ンテン―2―オン及び従来公知文献未記載の下記
式(1)―2、 で表わされる1―(2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル)―4―ペンテン―2
―オンを包含する下記式(1)、 但し式中、破線は3―4位間もしくは4―5位
間のいづれかに二重結合があることを示す、 で表わされる1―(2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル)―4―もしくは―3
―ペンテン―2―オンを有効成分として含有する
ことを特徴とする持続性香気香味賦与乃至変調剤
に関する。 なお、本願明細書に於ては、上記従来文献未記
載の式(1)―2化合物の製造中間として有用であり
且つそれ自体香料物質としても有用な下記式(2)―
3、 但し、式中、R1はC2〜C10のアルキル基、C2
C10のアルケニル基、C2〜C10のアルキニル基、
C6〜C10のアリール基及びC7〜C10のアラルキル
基よりなる群から選ばれた基を示す、 で表わされる従来公知文献未記載の2,6,6―
トリメチルテトラヒドロピラン―2―イル酢酸エ
ステル誘導体及びその製法、更には、上記式(2)―
3におけるR1が水素原子もしくはメチル基であ
る公知化合物であつて、但し香料分野への利用に
関して従来未知の化合物を包含して、下記式(2)、 但し、Rは水素原子、メチル基及び上記式(2)―
3に定義した基R1よりなる群から選ばれた基を
示す、 で表わされるテトラヒドロピラン酢酸誘導体を有
効成分として含有することを特徴とする持続性香
気香味賦与乃至変調剤についても言及する。 従来、前記式(1)―1の1―(2,6,6―トリ
メチルテトラヒドロピラン―2―イル)―3―ペ
ンテン―2―オンについては、Liebig′s Ann.
Chem.,484〜508(1975年)に、そして上記式(2)
中、Rが水素原子及びメチル基である化合物につ
いてはHelv.Chim.Acta,34(1)879〜883(1975
年)に、それぞれ、その合成が報告されている。
しかしながら、該報告には、これら化合物の匂い
及びその香料分野への利用可能性に関しては、全
く言及されていない。 本発明者等は、テトラヒドロピラン誘導体類に
関して研究を行つてきた。その結果、前記式(1)―
1公知化合物が、フローラル様の香気香味成分と
して有用な化合物であつて、且つ優れた持続性を
有し、飲食物(嗜好品類を包含する)、化粧品
類、保健・衛生・医薬品類などの広い利用分野に
おいて、優れた持続性香気香味賦与乃至変調剤と
して有用なユニークな香気香味成分であることを
発見した。 更に、該式(1)―2の従来文献未記載の1―
(2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―
2―イル)―4―ペンテン―2―オンが容易な手
段で合成でき、且つ該式(1)―2化合物を異性化す
ることにより高収率で上記式(1)―1化合物を製造
できること、及び該式(1)―2化合物それ自身もま
た、優れた持続性を有するフローラル様香気香味
成分として、同様に広い利用分野において、優れ
た持続性香気香味賦与乃至変調剤として有用なユ
ニークな香気香味成分であることを発見した。 更に又、該式(1)―2化合物の合成に利用できる
中間体として、前記式(2)―3の従来文献未記載の
化合物が容易に合成できること、及び該式(2)―3
化合物及び従来文献に記載されているがその香料
用途に関しては従来未知の該式(2)―3中R1が水
素原子もしくはメチル基である公知化合物を包含
して、前記式(2)で示される化合物が、フローラル
様香気香味成分として優れた持続性を有し、広い
利用分野において持続性香気香味賦与乃至変調剤
として有用なユニークな香気香味成分であること
を発見した。 本発明の目的は、前記式(1)化合物を有効成分と
して含有する新規な香気香味賦与乃至変調剤を提
供するにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明によれば、下記式(1)―2、 で表わされる1―(2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル)―4―ペンテン―2
―オンを異性化することを特徴とする下記式(1)―
1、 で表わされる1―(2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル)―3―ペンテン―2
―オンの製法が提供できる。該式(1)―2化合物
は、従来文献未記載の化合物であつて、たとえ
ば、下記式(2)―1、 で表わされる2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イル酢酸と、下記式(3)、 但し式中、Xはハロゲン原子を示す、 で表わされるハロゲン化アリルマグネシウムを接
触せしめて形成することができる。そして、該式
(2)―1化合物は、下記式(2)―2、 但し式中、R2はC1〜C10のアルキル基、C2
C10のアルケニル基、C2〜C10のアルキニル基、
C6〜C10のアリール基及びC7〜C10のアラルキル
基よりなる群からえらばれた基を示す、 で表わされる2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イル酢酸エステルを、塩基の存在
下に加水分解し、次いで酸で処理することにより
得ることができる。そして、該式(2)―2化合物
は、下記式(4)、 但し式中、R2はC1〜C10のアルキル基、C2
C10のアルケニル基、C2〜C10のアルキニル基、
C6〜C10のアリール基及びC7〜C10のアラルキル
基よりなる群からえらばれた基を示す、 で表わされる3―ヒドロキシ―3,7―ジメチル
―6―オクテン酸エステル誘導体を、酸の存在下
に閉環反応せしめることにより形成することがで
きる。該式(4)公知化合物は、例えば、メチルヘプ
テノンとハロ酢酸エステル誘導体XCH2COOR2
(Xはハロゲン原子、R2は式(4)について述べたと
同義)とのリホルマトスキー反応により、好収
率、高純度で容易に得ることができる。 上記式(1)―2化合物の製造態様例を包含して、
式(1)―1化合物の製造態様を図式的に示すと、以
下のように示すことができる。 本発明において、前記式(2)―3で表わされる従
来文献未記載の化合物を包含する上記式(2)―2の
2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―2
―イル酢酸エステル誘導体は、例えば、不活性有
機溶媒の存在下もしくは不存在下に、前記式(4)の
3―ヒドロキシ―3,7―ジメチル―6―オクテ
ン酸エステル誘導体に酸を作用させることにより
閉環反応せしめて、好収率且つ好選択率で得るこ
とができる。この閉環反応は、例えば約−78゜〜
約250℃の如き広い温度範囲で行うことができ、
より好ましくは約0゜〜約150℃の温度範囲を例
示することができる。反応時間には反応温度など
によつても適宜に選択でき、たとえば約1〜約50
時間程度の反応温度を例示できる。 上記閉環反応に利用する酸としてはルイス酸類
を包含して無機酸及び有機酸類が利用でき、たと
えば、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸などの如き無
機酸類、たとえば、ギ酸、シユウ酸、パラトルエ
ンスルホン酸などの如き有機酸類、たとえば、ト
リフルオロボラン・エーテル錯体、トリフルオロ
ボラン酢酸錯体、塩化アルミニウムなどの如きル
イス酸類を例示することができる。これらは複数
種併用することもできる。このような酸の使用量
は適宜に選択できるが、たとえば、式(4)化合物1
モルに対して約0.001〜約0.1モル程度、より好ま
しくは約0.005〜約0.05モル程度の使用量を例示
することができる。 又、上記閉環反応に不活性有機溶媒を利用する
際の該溶媒の例としては、たとえばベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの如き芳香族炭化水素系溶
媒、たとえばペンタン、ヘキサンなどの如き脂肪
族炭化水素系溶媒、たとえばジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの如きエー
テル系溶媒、等を例示することができる。これら
溶媒は複数種併用することができる。このような
溶媒の使用量は適宜に選択して利用でき、例え
ば、式(4)化合物に対して約20重量倍程度までの利
用でよく、より好ましくは約1〜約5重量部程度
である。 上記反応の終了後、例えば、反応生成物を水中
に注入し、中和し、適当な溶媒で抽出し、溶媒層
を水洗し、乾燥後、濃縮することにより、前記式
(2)―2で表わされる新規化合物及び文献公知の
2,6,6―リトメチルテトラヒドロピラン―2
―イル酢酸メチルエステルを、高収率、高純度で
得ることができる。更に望むならば、例えば、減
圧蒸留やカラムクロマト等の手段により、さらに
精製することもできる。 更に、本発明において、前記式(2)―2に包含さ
れ、それ自体、持続性香気香味賦与乃至変調剤と
して有用な前記式(2)―3で表わされる従来文献未
記載の化合物は、それ自体公知のエステル交換反
応を利用して、公知の2,6,6―トリメチルテ
トラヒドロピラン―2―イル酢酸メチルエステル
から製造することもできる。この反応は、塩基の
存在下に、C1〜C10のアルキル基を有するアルコ
ール類、C2〜C10のアルケニル基を有するアルケ
ニルアルコール類、C2〜C10のアルキニル基を有
するアルキニルアルコール類と上記メチルエステ
ルとを接触させることにより行うことができる。 反応は、例えば、2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル酢酸メチルエステル
と、金属アルコラート及び所属するアルコールと
を仕込み、加熱条件下にメタノールを留去するこ
とにより収率良くおこなうことができる。 上述のようにして得ることのできる式(2)―2化
合物中、下記式(2)―3、 但し式中、R1はC2〜C10のアルキル基、C2
C10のアルケニル基、C2〜C10のアルキニル基、
C6〜C10のアリール基及びC7〜C10のアラルキル
基よりなる群からえらばれた基を示す、 で表わされる2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イル酢酸エステル誘導体は、従来
文献未記載の化合物である。 前記式(2)―2化合物における基R2の例として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、tert―ブチル、sec―ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、tert―ペンチル、
ネオペンチル、1―メチルブチル、1,2―ジメ
チルプロピル、1―エチルプロピル、ヘキシル、
1―エチルブチル、ヘプチル、オクチル、2―エ
チルヘキシル、ノニル、デシルなどの如きC1
C10のアルキル基;ビニル、1―プロペニル、イ
ソプロペニル、アリル、1―プテニル、2―プテ
ニル、3―プテニル、1―メチル―1―プロペニ
ル、2―メチル―1―プロペニル、1―メチル―
2―プロペニル、2―メチル―2―プロペニル、
1―ペンテニル、2―ペンテニル、3―ペンテニ
ル、4―ペンテニル、3―メチル―1―ブテニ
ル、1―メチル―1―ブテニル、2―メチル―1
―ブテニル、1,2―ジメチル―1―プロペニ
ル、1―エチル―1―プロペニル、1―イソプロ
ピルビニル、1―プロピルビニル、3―メチル―
2―ブテニル、2―メチル―2―ブテニル、1―
メチル―2―ブテニル、1―メチル―2―ブテニ
ル、2―エチル―2―プロペニル、1―エチル―
2―プロペニル、1,2―ジメチル―2―プロペ
ニル、1,2―ジメチル―2―プロペニル、1,
1―ジメチル―2―プロペニル、3―メチル―3
―ブテニル、2―メチル―3―ブテニル、1―メ
チル―3―ブテニル、1―ヘキセニル、2―ヘキ
セニル、3―ヘキセニル、4―ヘキセニル、5―
ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニ
ル、デセニルなどの如きC2〜C10のアルケニル
基;エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニ
ル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニルなどの
如きC2〜C10のアルキニル基;フエニル、トルイ
ルなどの如きC6〜C10のアリール基;ベンジル、
フエニルエチル、フエニルプロピル、フエニルブ
チルなどの如きC7〜C10のアラルキル基;を例示
することができる。 前記の従来文献未記載の式(2)―3化合物の具体
例としては、例えば、下記の如き化合物をあげる
ことができる。 (1) エチル2,6,6―トリメチルテトラヒドロ
ピラン―2―イルアセテート、 (2) ブチル―2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イルアセテート、 (3) ヘキシル2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イルアセテート、 (4) 2―エチルヘキシル2,6,6―トリメチル
テトラヒドロピラン―2―イルアセテート、 (5) アリル2,6,6―トリメチルテトラヒドロ
ピラン―2―イルアセテート、 (6) 3―ヘキセニル2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イルアセテート、 (7) ペンチニル2,6,6―トリメチルテトラヒ
ドロピラン―2―イルアセテート、 (8) フエニル2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イルアセテート、 (9) o―トルイル―2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イルアセテート、 (10) フエニルエチル2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イルアセテート、 上記例示化合物は油状物質であつて、その沸点
は下記のとおりである。 (1) 85〜90℃/2mmHg (2) 110〜115℃/2mmHg (3) 130〜135℃/2mmHg (4) 133〜136℃/2mmHg (5) 90〜95℃/2mmHg (6) 135〜138℃/2mmHg (7) 135〜140℃/2mmHg (8) 170〜180℃/2mmHg (9) 177〜185℃/2mmHg (10) 180〜190℃/2mmHg 上述のようにして得ることのできる式(2)―2の
2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―2
―イル酢酸エステル誘導体は、塩基の存在下に加
水分解し、次いで酸で中和処理することにより、
好収率、好選択率をもつて下記式(2)―1、 の公知化合物2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イル酢酸(沸点123〜125℃/2mm
Hg)に転化することができる。 上記加水分解及び熱処理は、例えば、酒精アル
カリの存在下、還流した後例えば塩酸等の酸を加
え酸性とすることにより容易に行うことができ
る。 本発明に於て、従来文献未記載の前記式(1)―2
化合物1―(2,6,6―トリメチルテトラヒド
ロピラン―2―イル)―4―ペンテン―2―オン
は、前述のようにして得ることのできる式(2)―1
の2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―
2―イル酢酸と前記式(3)のロゲン化アリルマグネ
シウムを接触せしめることにより製造することが
できる。 反応は、例えば不活性有機溶媒中、例えば約−
78℃〜約50℃の温度で、式(2)―1化合物と式(3)化
合物とを接触せしめることにより行うことができ
る。反応時間は適宜に選択でき例えば約1〜約24
時間程度の反応時間を例示することができる。 式(3)ハロゲン化アリルマグネシウムの例として
は、塩化アリルマグネシウム、臭化アリルマグネ
シウム、沃化アリルマグネシウムを例示すること
ができる。その使用量は適宜に選択でき、該式(2)
―1化合物1モルに対して約2〜約5モル程度の
使用量を例示することができる。又、上記不活性
有機溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジ
イソプロピルエーテル、ジオキサン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテルなどの如き溶媒を例示する
ことができる。これら溶媒は単独でも複数種併用
してでも利用できる。その使用量は適宜に選択で
き、例えば、式(2)―1化合物に対して約1〜50重
量倍程度、より好ましくは約2〜約5重量倍程度
の使用量を例示することができる。 上記反応の終了後、例えば、反応生成物を水中
に注入し、適当な溶媒で抽出し、溶媒層を水洗
し、乾燥し、濃縮することにより、前記式(1)―2
で表わされる新規化合物1―(2,6,6―トリ
メチルテトラヒドロピラン―2―イル)―4―ペ
ンテン―2―オンを高収率高純度で得ることがで
きる。更に望むならば、減圧蒸留やカラムクロマ
ト等の手段により、さらに精製することも可能で
ある。本発明において、例えば、上記のようにし
て得た前記式(1)―2化合物は従来文献未記載の油
状化合物であり、それの沸点は、93℃〜95℃/3
mmHgである。 上述のようにして得ることのできる前記式(1)―
2化合物は、例えば、不活性有機溶媒中、酸もし
くは塩基の存在下に前記式(1)―1化合物に容易に
異性化せしめることができる。この異性化反応
は、例えば、約0〜約200℃程度、より好ましく
は約30〜約100℃の温度範囲で行うことができ
る。反応時間は適宜に選択でき、例えば約1〜約
50時間程度の反応時間を例示することができる。 上記異性化反応に利用する酸もしくは塩基の例
としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸などの如
き無機酸、例えば、ギ酸、シユウ酸、パラトルエ
ンスルホン酸の如き有機酸、例えば、トリフルオ
ロボラン、塩化アルミニウムの如きルイス酸、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等の金
属水酸化物、例えばナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムブトキシド等の金属
アルコラート等の塩基などを例示することができ
る。 これら酸もしくは塩基の使用量としては、式(1)
−2化合物1モルに対して、例えば約0.001〜約
0.1、より好ましくは約0.005〜約0.05モル程度の
使用量を例示することができる。 又、上記異性化反応に利用する不活性有機溶媒
の例としては、たとえばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、たとえばペ
ンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、
たとえばメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコールなどのアルコール系溶媒、たとえばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル系溶媒、等を例示することがで
きる。これらは単独でも複数種併用してでも利用
することができる。 これら溶媒の使用量も適宜に選択でき、例え
ば、式(1)―2化合物に対して約1〜約50重量倍程
度、より好ましくは約2〜約5重量倍程度の使用
量を例示することができる。 上記反応の終了後、例えば、反応生成物を水中
に注入し、中和し、適当な溶媒で抽出し、溶媒層
を水洗し、乾燥し、濃縮することにより、前記式
(1)―1で表わされる1―(2,6,6―トリメチ
ルテトラヒドロピラン―2―イル)―3―ペンテ
ン―2―オンを高収率高純度で得ることができ
る。更に望むならば、減圧蒸留やカラムクロマト
等の手段により、さらに精製することも可能であ
る。本発明において、上記のようにして得られる
式(1)―1公知化合物は油状化合物であつて、その
沸点は98℃〜100℃/2mmHgである。 本発明において、前記式(2)―1化合物及び前記
式(2)―3の新規化合物を包含する前記式(2)―2化
合物を一括して示した下記式(2)、 但し式中、Rは水素原子、メチル基及び基―
R1を示し、ここでR1はC2〜C10のアルキル基、C2
〜C10のアルケニル基、C2〜C10のアルキニル
基、C6〜C10のアリール基、C7〜C10のアラルキ
ル基よりなる群から選ばれた基を示す、 で表わされるテトラヒドロピラン酢酸誘導体、更
には、前記式(1)―1化合物及び前記式(1)―2化合
物を包含してなる下記式(1)、 但し式中、破線は3―4位間あるいは4―5位
間のいづれかに二重結合があることを示す、 で表わされるテトラヒドロピラン誘導体は、持続
性香気香味賦与乃至変調剤として有用である。こ
れらの化合物はフローラル様香気を有する香気乃
至香味成分として優れた持続性及びユニークな香
気香味を有する。斯くして、本発明によれば、前
記式(1)化合物及び前記式(2)化合物を有効成分とし
てなる持続性香気香味賦与乃至変調剤が提供でき
る。 更に、この持続性香気香味賦与乃至変調剤を利
用して、式(1)及び/又は式(2)化合物を香気香味成
分として含有することを特徴とする飲食物嗜好品
類、又、式(1)及び/又は式(2)化合物を香気成分と
して含有することを特徴とする化粧品類、更に
又、式(1)及び/又は式(2)化合物を香気香味成分と
して含有することを特徴とする保健・衛生・医薬
品類等を提供することができる。例えば、ジユー
ス類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料の如き飲料
類、アイスクリーム類、シヤーベツト類、アイス
キヤンデイー類の如き冷菓類;和・洋菓子類、ジ
ヤム類、チユーインガム、パン類、コーヒー、コ
コア、紅茶、お茶の如き嗜好物を包含した食品
類;各種インスタント飲料乃至食品類などに、そ
のユニークな香気香味を賦与できる適当量を配合
した飲食物類を提供できる。又、例えば、シヤン
プー類、ヘアクリーム類、ポマード、その他の毛
髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅その他の化粧料
基剤;化粧石鹸その他の化粧用洗剤類基剤など
に、そのユニークな香気を賦与できる適当量を配
合した化粧品類が提供できる。更に又、洗たく用
洗剤類、消毒用洗剤類;歯磨、テイシユー、トイ
レツトペーパーなどの各種の保健衛生材料類;医
薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤など
保健・衛生・医薬品類にそのユニークな香味を賦
与できる適当量を配合もしくは使用した保健・衛
生・医薬品類を提供できる。 以下、実施例により、本発明の数態様について
更に詳しく説明する。 参考例 1 3―ヒドロキシ―3,7―ジメチル―6―オク
テン酸エチル〔式(4)〕の製造 活性化した亜鉛末39g(0.6gatm)のテトラ
ヒドロフラン300ml混合液中にメチルヘプテノン
63g(0.5モル)、エチルブロモ酢酸エステル167
g(1.0モル)のテトラヒドロフラン300mlの溶液
をゆつくり滴下し、Reformatsky反応をおこな
う。終了後、反応液を5%塩酸水中に注ぎ分解す
る。ベンゼン300mlを加え有機層を抽出分離す
る。有機層を水洗中和洗浄した後乾燥処理をおこ
なう。軽沸点留分を回収した後減圧下に蒸留精製
をおこない沸点120〜125℃/2mmHgを有するエ
チル―3―ヒドロキシ―3,7―ジメチル―6―
オクテノエート、73g(71%収率)を得た。 参考例 2 エチル2,6,6―トリメチルテトラヒドロ―
2―ピラニルアセテート〔式(2)―2〕の製造 反応容器にエチル3―ヒドロキシ―3,7―ジ
メチル―6―オクテノエート21.4g(0.1モル)、
p―トルエンスルホン酸3g、ベンゼン100gを
仕込む。次に加温し、還流下(81〜83℃)に約2
時間反応する。反応終了後、反応生成物を水中に
注入し、溶媒抽出、アルカリ洗、水洗、乾燥、濃
縮する。得られた残渣を減圧下蒸留することによ
り、純品のエチル2,6,6―トリメチルテトラ
ヒドロ―2―ピラニルアセテートを20.3g(沸
点;83〜85℃/3mmHg、収率;95%)得る。 実施例 3〜10 2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―
2―イル酢酸エステル誘導体〔式(2)―2〕及び
メチル2,6,6―トリメチルテトラヒドロ―
2―ピラニルアセテートの製造 参考例2の方法に準じて、種々の2,6,6―
トリメチルテトラヒドロピラン―2―イル酢酸エ
ステル誘導体を得た。 その結果を表―1に示す。
【表】 参考例 12 2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―
2―イル酢酸〔(2)―1〕の製造 反応容器に、エチル2,6,6―トリメチルテ
トラヒドロピラン―2―イルアセテート21.4g
(0.1モル)、水酸化カリウム8.4g、水42g、エタ
ノール20mlを仕込む。次に、加温し、還流下(約
90℃)に約2時間反応させる。反応終了後、エチ
ルアルコールを回収し、残液を塩酸酸性にする。
ついで、塩酸酸性液を水中に注入し、溶媒抽出、
水洗、乾燥、濃縮する。得られた残渣を減圧蒸留
することにより、純品の2,6,6―トリメチル
テトラヒドロピラン―2―イル酢酸17.1g(沸
点;123〜125℃/2mmHgHg 収率;92%)得
る。 参考例 13 1―(2,6,6―トリメチルテトラヒドロピ
ラン―2―イル)―4―ペンテン―2―オン
〔式(1)―2〕の製造 反応フラスコに、2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル酢酸18.6g(0.1モ
ル)及びTHF100ml仕込み、撹拌する。 次に、アルゴンガス雰囲気下、アリールマグネ
シウムクロライトの1規定THF溶液250mlを約−
20℃の温度で、1時間要して滴下する。滴下終了
後、更に一夜撹拌する。反応終了後、反応生成物
を塩酸酸性の氷水中に注入し、溶媒抽出、水洗、
乾燥、濃縮する。得られた残渣を減圧下蒸留する
ことにより純品の1―(2,6,6―トリメチル
テトラヒドロピラン―2―イル)―2―オキソ―
4―ペンテンを15.5g(沸点;93〜95℃/3mmH
g、収率;74.9%)得る。 参考例 14 1―(2,6,6―トリメチルテトラヒドロピ
ラン―2―イル)―3―ペンテン―2オン〔式
(1)―1〕の製造 反応容器に1―(2,6,6―トリメチルテト
ラヒドロピラン―2―イル)―4―ペンテン―2
―オン10.5g、p―トルエンスルホン酸の0.2%
ベンゼン溶液100mlを仕込み、室温下、2日間撹
拌反応する。反応終了後、反応生成物をアルカリ
洗、溶媒抽出、水洗、乾燥、濃縮する。得られた
残渣を減圧下蒸留することにより純品の1―
(2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―
2―イル)―3―ペンテン―2―オンを9.3g
(沸点:98〜100℃/2mmHg、収率:89%)得
る。 実施例1〔香気組成物〕 本発明の式(1)化合物を用いて下記の調合香気組
成物が提供できた。
【表】 このものの香気はすぐれた花様(ジヤスミン
様)香気であつて、且つすぐれた持続性を有する
新規組成物であつた。 そのパネルテスト及びその結果を以下に示す。
10人の専門パネラーによつて、上記調合香気組成
物(式(1)化合物配合)及び比較組成物(式(1)化合
物の配合を省略したほかは上記組成物と同じ)に
ついてパネルテストを行つた。その結果、10人の
パネラー全員が、上記調合組成物の方が上記比較
組成物にくらべて、天然のジヤスミン様の香気特
性とその持続性の点で優れていると判定した。 実施例2〔香気組成物〕 本発明の式(1)化合物を用いて下記の調合香気組
成物が提供できた。 ストロベリー・フレーバー 成 分 重量% エチルアセテート 10 エチルブチレート 11 エチルイソバレレート 4 エチルイソプロピオネート 10 イソアミルアセテート 6 n―酪酸 10 イソバレリリツク酸 4 シス―3―ヘキセノール 20 アルデヒドC―14 4 エチルアセチルアセテート 10 ベンズアルデヒド(プロピレン グリコール中、10%液) 2 マルトール 7 ワニリン 2 上記組成物に1―(2,6,6―トリメチルテ
トラヒドロピラン―2―イル)―4―ペンテン―
2―オンもしくは1―(2,6,6―トリメチル
テトラヒドロピラン―2―イル)―3―ペンテン
―2―オンを10%加える。 このものはフローラル様香気が加味されストロ
ベリー様風味が増強された特色ある香気香味を示
し、すぐれた持続性を有する新規組成物であつ
た。 そのパネルテスト及びその結果を以下に示す。 10人の専門パネラーによつて、上記式(1)化合物
配合の調合香気組成物及び該式(1)化合物の配合を
省略したほかは同様な組成物についてパネルテス
トを行つた。その結果、10人のパネラー中、9名
が、上記式(1)化合物配合の調合香気組組成物の方
が上記比較組成物にくらべて、ストロベリー様風
味特性とその持続性の点で優れていると判定し
た。残りの1名がストロベリー様風味特性はほぼ
同等と判定したが、その持続性の点では式(1)化合
物配合の調合香気組成物の方が優れていると判定
した。 実施例 3 タバコ用香料組成物の製造 成 分 重量% エチル2,6,6―トリメチルテトラ ヒドロビラン―2―イルアセテート 1.0 フーゼルワイン油 1.0 シス―3―ヘキセノール 1.0 p―メチル―アセトフエノン 1.0 10%β―イオノン(エタノール) 0.5 5%β―イロン(エタノール) 0.5 ラム 5.0 エタノール 990 計1000 上記処方例に従い、混合した組成物10gを、タ
バコ混合物100g上に噴霧し、加香されたタバコ
を使用して紙巻タバコを調製する。得られた紙巻
タバコの味覚は、カラメル及び麦芽様の弱い焦臭
と甘い干草様の持続性香気を想起せしめる。 本例に於いて、エチル2,6,6―トリメチル
テトラヒドロピラン―2―イルアセテートを2,
6,6―トリメチルテトラヒドロピラン―2―イ
ル酢酸、アリール2,6,6―トリメチルテトラ
ヒドロピラン―2―イルアセテート及びフエニル
エチル2,6,6―トリメチルテトラヒドロピラ
ン―2―イルアセテートに代えても、又、同様な
効果がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式(1) 但し式中、破線は3―4位間もしくは4―5位
    間のいづれかに二重結合があることを示す、 で表わされる1―(2,6,6―トリメチルテト
    ラヒドロピラン―2―イル)―4―もしくは―3
    ―ベンテン―2―オンを有効成分として含有する
    ことを特徴とする持続性香気香味賦与乃至変調
    剤。
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