JPS6137631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は包装容器に関し、より説しくは発泡
樹脂シートを主体とする周側材の上部に体裁良好
な段部を有したものを提供しようとしている。

従来より発泡ポリスチレンシート等の発泡樹脂
シートからなる周側材を枠状に組立てて周側材を
構成させる包装容器（例えば実公昭46−23589号
公報、実公昭49−44321号公報等）にあつては、
蓋の嵌入を至便にすると共に外観上の点でも木製
の感じを惹起させるべく周側材の上端に段部を設
けることが要求されていたが、上記の如く発泡樹
脂シート単層による素材にて形成された従来の包
装容器の場合には切削のみによつて段付けを行な
わねばならず、そのため厚手のシートを用いる必
要があり、また切削面が露出して好ましくないも
のとなるほか、発泡樹脂シートの発泡表皮を破截
して形成されるため、外観上の点でも不体裁にな
る等の欠点があつた。そして、この欠点を解決す
るものとして本願発明者は前記発泡樹脂シート単
層による素材からなる容器において、段部形成後
の発泡樹脂シートに対し、段部を包被するように
フイルム等の積層することを試みたが、段部形成
後のフイルムの積層は製造上非常に接合が面倒で
あり、しかも明瞭な段部が形成できず、採用し難
いものであつた。

そこでこの考案においては上現状に鑑み、従来
の周側枠上端に段部を設けてなる上記発泡樹脂シ
ート製容器を有していた欠点を解決し、体裁良好
でしかも製造容易である段部付の製造を有するも
のを提供しようとしており、その構成は発泡樹脂
シートと薄質体との複合によるシートにて形成さ
れてなり、該複合のシートからなる周側材には少
なくとも薄質体を残してＵ溝状に削いだ所要幅の
継部を形成し、該継部を介して連設されている一
方の片部である外側片には適宜間隔毎にＶ形のコ
ーナー折曲用溝を形成し、他方の片部である内側
片にはコーナー用切欠をそれぞれ形成し、上記周
側材をコーナー折曲用溝部分にて折曲し、両側端
を接合して枠状をなすと共に、上記内側片を上端
で外側片より低く段部となるように外側片に沿わ
せて折り曲げ、上記継部を段部に沿わて押圧形成
した周側材を構成し、該周側枠は上縁に段部が形
成され、上記複合シートを形成する発泡樹脂シー
トが現出しないように薄質体を現出させてなり、
該周側枠に対して底板を組合わせてなることを特
徴としている。

次いこの考案の実施態様について図を参照しな
がら以下に例示する。

第１図および第２図はこの考案の包装容器を組
立形成する前の状態を図示するもので、１０は周
側材であり、発泡ポリスチレンシート等の発泡樹
脂シートａと紙、合成紙、合成樹脂フイルム或は
シート等による薄質体ｂとの複合によるシートに
て形成されている（第２図参照）。１１はこの複
合シートからなる周側材１０に形成した継部であ
り、該継部１１は少なくとも薄質体ｂを残して形
成してあり、好ましくは薄質体ｂと若干厚a′（表
皮程度）の発泡樹脂シートａとを残して所要幅に
て長手方向に渡り、Ｕ状に削いで形成したものの
である（特に第４図参照）。

１２はＶ形のコーナー用折曲用溝、１３はコー
ナー用切欠であり、継部１１を介して連設されて
なる片方の片部としての外側片１４および他方の
片部となる内側片１５のうち外側片１４側に前記
コーナー用折曲用溝１２が、他方の内側片１５側
に前記コーナー用切欠１３がそれぞれ適宜間隔を
あけて設けられてあり、何れも周側材１０を組立
て易くしているもので、特にコーナー用折曲用溝
１２は外側片１４の折曲を至便にし、コーナー用
切欠１３は内側片１５，１５どうしの折曲時にお
ける干渉を生じないようにしている。１６は底板
２０を嵌入できるような外側片１４に形成した嵌
合用溝である。１７，１７′は切口が斜状をなす
両側端であつて、該両側端１７，１７′は熱融着
又は接着剤により接合される。

そして、上記のごとく構成された周側材１０
は、まず上記コーナー折曲用溝１２部分を折曲し
ながら周側材と同素材又はアルミ箔等を積層した
合成樹脂シート等による底板２０を嵌合用溝１６
に嵌入し、底板２０を囲繞した状態で（第３図参
照）、両側端１７，１７′を接合して枠状に組立て
ると共に、内側片１５をその上端が外側片１４の
上端より低く段部となるように内方へ継部１１に
て折曲して外側片１４に沿わせ互を接着、熱融
着、鋲着、ホツチキス止め等の手段にて接合し
（第４図参照）、次いで型３０等で継部１１を押圧
してやれば、周側材１０の折り曲げ後の上端部の
全周形状に沿い得て、しかも簡単に発泡樹脂シー
トの表面が薄質体ｂで包被された段部１８を形成
することができる（第５図〜第７図参照）。この
押圧形成する型３０等にて加熱を併用することも
できる。

なお、第８図のごとく薄質体ｂを木目模様Ａを
施したものにすると、木製の容器と何ら遜色のな
いものとなり、より好適な実施となる。

また底板２０の周側材１０への組合わせは上述
の溝部への嵌入に限らず、周側材１０の下端部又
は下端部付近に熱融着又は接着剤で接合しても良
く、この場合は周側材１０を枠状とした後におい
ても底板２０との組合わせが可能となる。さらに
容器形状も図示した形状に限らず、三角形、正方
形、六角形等の多角形状にても実施できる。

この考案は上記のごとく発泡樹脂シートａと薄
質体ｂとの複合によるシートからなる周側材１０
をコーナー折曲用溝１２部分にて折曲し、両側端
１７，１７′を接合して枠状に組立てると共に周
側材１０の内側片１５を外側片１４に沿わせて内
方へ折曲し、その折曲部である継部１１は少なく
とも薄質体ｂを残してＵ溝状に形成してあるの
で、この継部１１を内側片１５の上端が外側片よ
り低くなつた段部へ沿うよう押圧形成でき、薄質
体ｂにて内側片１５と外側片１４との境界が被覆
された状態となるものゆえ、前記従来のもののご
とく発泡樹脂シート自体の切削によらず、周側材
の上部に段部が形成でき、厚手のシートを用いず
とも全体が薄い複合シート素材によつて形成で
き、しかも段部の外観はあたかも切削形成された
ものが研磨されたかの如く明瞭なものとなる。さ
らに継部１１は、少なくとも薄質体ｂを残してＵ
溝状に削成してあるものゆえ、上端で外側片より
も低く折曲した内側片による段部へも沿わせ易
く、一且薄質体ｂが押圧されて段部１８が形成さ
れた後は段部の薄質体ｂが浮き上つたりせず、段
部の形状維持効果の大きいものとなる。

従つて従来の切削にて段付を行なつていたもの
に比べ体裁良好な段部付の包装容器をきわめて容
易に提供できることになり、蓋の嵌入が正確に行
なえるものとなるほか、発泡樹脂シートを用いた
包装容器の外観形状としても前記従来のものに比
べ非常に良好なものとなる。

しかも薄質体を片面にのみ積層した発泡樹脂シ
ートにて、組立後の少なくとも外観上重要な個所
は薄質体にて覆われた強度的にも優れたものを提
供できる。

以上のごとく、この考案は組立形成が容易で、
型くずれが生じず、外観的にも体裁の良好なもの
が安価にて提供できる等種々実用的効果の優れた
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は組立前の正面図、第２図は前図の平
面図、第３図は組立途中を示す斜視図、第４図お
よび第５図は組立途中を示す一部省略断面図、第
６図は組立完了後の斜視図、第７図は前図の断面
図、第８図は変更例を示す斜視図である。 １０……周側材、１１……継部、１２……コー
ナー折曲用溝、１３……コーナー用切欠、１４…
…外側片、１５……内側片、１６……底板に対す
る嵌合用溝、１７，１７′……両側端、１８……
段部、２０……底板、ａ……発泡樹脂シート、ｂ
……薄質体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 発泡樹脂シートと薄質体との複合によるシー
   トにて形成されてなり、該複合シートからなる
   周側材には少なくとも薄質体を残してＵ溝状に
   削いだ所要幅の継部を形成し、該継部を介して
   連設されている一方の片部である外側片には適
   宜間隔毎にＶ形のコーナー折曲用溝を形成し、
   他方の片部である内側片にはコーナー用切欠を
   それぞれ形成し、上記周側材をコーナー折曲用
   溝部分にて折曲し、両側端を接合して枠状をな
   すと共に、上記内側片を上端で外側片より低く
   段部となるように外側片に沿わせて折り曲げ、
   上記継部を段部に沿わせて押圧形成した周側枠
   を構成し、該周側枠は上縁に段部が形成され、
   上記複合シートを形成する発泡樹脂シートが現
   出しないように薄質体を現出させてなり、該周
   側枠に対して底板を組合わせてなることを特徴
   とする包装容器。 ２ 周側材の薄質体に木目模様を施してなる上記
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の包装容
   器。 ３ 底板が周側材の内周に形成した嵌合用溝に嵌
   入されてなる上記実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の包装容器。 ４ 底板が周側材の下端部ないしは下端部付近に
   接着されてなる上記実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の包装容器。