JPS6226347Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ この考案は組立式容器に関し、特にシート材を
折曲形成して組立てる折箱状の容器として容器上
面等にシート材の切り口が現出せず、外観体裁上
優れると共に製造容易で、堅固なものを提供しよ
うとしている。

＜背景および従来技術＞ 従来の経木等からなる折箱容器に代つて、発泡
シート材を組立てて折箱状の容器を製造すること
が行なわれており、大量生産に向くと共に衛生的
で品質安定性にも優れたものとして広く普及し始
めている（例えば、実公昭46−2359号公報、実公
昭49−44321号公報等参照）。

ところが、上記従来の発泡シート材からなる容
器にあつては、表面に印刷を施したり、印刷フイ
ルムを積層するなどすることによつて美麗な外観
を呈するものを製造できるが、シート材の切り口
となる端部では発泡シートの気泡が直接露出した
り、切り口が滑らかにならなかつたりして外観を
損ねるものであつた。特に前記従来の容器のよう
に外観上目立つ容器の上面例えば側壁上端に発泡
シートの切り口が見えると体裁上好ましくなく、
特に食品収納用の容器の場合、一層の改良が望ま
れるものであつた。また、これら従来の容器は開
口上縁が収納物の出入れ等によつて欠損し易く、
強度の点でも改善の余地があつたものである。

＜目 的＞ この考案は、上記従来のシート材を折曲形成し
て組立てる折箱状の組立式容器にあつて、容器上
面等にシート材の切り口が現出せず、外観体裁上
優れると共に製造容易で、堅固なものを得ること
を目的としている。

＜構 成＞ 上記目的を達成するためのこの考案の構成は、
合成樹脂の発泡シートからなる周側材を折曲して
角形の周側枠を形成し、この周側枠下部に底板を
接合してなる組立式容器であつて、周側材の各辺
上下端には各々折曲溝を介して折返し片を連成す
ると共に折返し片の途中２個所にもＶ字状折曲溝
を形成してなり、該折返し片を周側枠内方へ折返
すことによつて、上記発泡シートの切り口が周側
枠の上面に現われないようにすると共に、折返し
片と周側枠との間を、角形空間を有する角枠状に
形成し、周側材より厚幅の周側枠を形成し、且つ
上下の折返し片間にできる隙間内に底板を挾入し
たことを特徴としている。

＜実施例＞ 次いで、この考案の実施例について図を参照し
ながら以下に例示する。

１は周側材であり、発泡ポリスチレンシートＳ
の片面に、木目状その他の印刷を施した非発泡ポ
リスチレンフイルＦを積層したシート材にて帯状
に形成されている。周側材１は長手方向の３個所
に削成した隅角用のＶ字状折曲溝１０で各々直角
に折曲し、さらに斜状に切り落した両端部１１，
１１を突き合わせて接合することによつて長方形
状の周側枠形状に組立てられるようになつてい
る。

１２，１３は上部および下部の折返し片であ
り、周側材１の各辺毎の上端および下端に各々一
体に連成されてあり、上下の折返し片１２，１３
において、周側枠１の上端または下端との境界お
よび折返し片１２，１３途中２個所の合計３個所
にＶ字状折曲溝１６，１７が削成されており、折
返し片１２，１３を各Ｖ字状折曲溝１６，１７に
て角形空間Ｃ，C′を内側に有する角枠状をなす
ように周側枠Ａの内側へ折返し、周側枠Ａの上部
および下部を厚幅に形成すると共に、上下の角枠
状折返し片１２，１２の隙間２に底板３を挾入接
合する。

なお、各辺の折返し片１２，１３は、Ｖ字状折
曲溝１６，１７の個所で斜状に先端へと狭くなる
ように形成してあり、後述する周側枠として組立
てた際に各辺の折返し片１２，１３が緩衝せずに
組立てられるようになつている（第１図参照）。

上記の如き周側材１をＶ字状折曲溝１０にて長
方形状に枠組みして両端１１，１１を突き合せ、
接着テープ、接着剤、ステープル止め、あるいは
熱接着等の手段で接合すると共に、上下の各辺１
２，１３を周側材１の各辺部内側に順次折返すこ
とによつて内部に角形空間Ｃ，C′を有する角枠
状の周側枠Ａが形成されることになる。

なお、各折返し片１２，１３は、周側材１の内
側へ折重ねた後は、互に牽制し合つて上方へは戻
り難くなるので、特に接着剤等による接合手段を
用いずとも実施可能であるが、折返し片１２，１
３をより確実に周側材１に固定しておく為に接着
剤などを用いることも勿論可能である。

そして、この折返し片１２，１３の隙間２に底
板３を挾入し、接着等の手段にて接合することに
よつて容器を形成するものである（第３図参
照）。

上記周側材１の素材としては、発泡ポリスチレ
ンシートのほか、ポリエチレン，ポリプロピレ
ン，その他の合成樹脂の単独重合体あるいは共重
合体からなる発泡シートが用いられ、特に上記発
泡シートＳの周側枠Ａの外面になる側の片面また
は両面に上記同様の各種合成樹脂からなる非発泡
のフイルム、シートあるいは紙などを積層したも
のが好適に使用できる。さらに、周側材１のうち
周側枠Ａの外面になる表面に木目状その他の印刷
を施しておけば美麗な外観を現出でき好適であ
る。また底板３の素材としては、厚紙あるいは厚
紙にアルミ箔や合成樹脂フイルムを積層したも
の、さらに周側材１と同様の発泡シートからなる
もの等が自由に使用できる。

なお、各折返し片１２，１３と周側材１との境
界部分のうち上記隅角部分に対応する個所に適宜
切り込みを形成すればより正確に枠組みできるが
（図示せず）、上記折返し片の隅角に対応する個所
は肉厚が薄いので、実用上は上記切り込み等が無
くても組立て可能である。

また、容器全体の形状としては上記四角形のほ
か、三角形，六角形，その他任意の角形で実施で
き、容器上部に適宜蓋を組合わせて実施すること
もできる。

＜効 果＞ 以上のごとく構成されたこの考案の組立式容器
によれば、周側枠Ａの上下に設けた折り返し片１
２，１３を周側枠内方へ折返し周側材よりも厚幅
の周側枠Ａを形成しているので、独自の外観によ
る意匠効果を与えると共に、上下の折返し片１
２，１３の間に形成した隙間２に底板３を挾入し
ているため、周側材１の端部が外からは全く見え
ず、発泡シートの切り口が隠れている為、非常に
外観上体裁良く美麗な仕上がりとなり、従来の発
泡シート製容器が有していた容器の上面等に発泡
シートの気泡が直接露出したり、切り口が滑らか
にならなかつたりする等の欠点を解決でき、木製
容器などと同様の高級感を与え、商品価値を高め
ることができる。

しかも、厚幅の周側枠Ａは、各折返し片をＶ字
状折曲溝により順次折曲することにより、周側枠
Ａの内部に空間Ｃ，C′を有する角枠状に形成し
たものゆえ、周側枠Ａの全体の強度を高め得て、
発泡シート製組立式容器として補強効果が向上す
ると共に、発泡シートの切り口が開口上面に露出
しない為、切り口からの切削粉の脱落や端部の欠
け等も起り難く、使用時の耐久性向上や、特に食
品収納時等の衛生面でも極めて優れたものとな
る。

そして上記厚幅の周側枠Ａを形成するために
は、周側材１の上下に折返し片１２，１３を連成
し、この折返し片１２，１３を折曲溝にて周側枠
Ａの内方へ折曲するだけであるから組立て容易で
能率的に製造できる。

従つて、発泡シート製の組立式容器として需要
用途を一層拡大できる実用的価値の非常に高いも
のを提供できることになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示するものであり、第
１図は周側材の平面図、第２図は前図−線断
面図、第３図は組立てた容器の断面図、第４図は
変更例を示す断面図である。 １……周側材、１２，１３……折返し片、１
６，１７……Ｖ字状折曲溝、２……隙間、３……
底板、Ｓ……発泡シート、Ｆ……非発泡フイル
ム、Ａ……周側枠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成樹脂の発泡シートからなる周側材を折曲
   して角形の周側枠を形成し、この周側枠下部に
   底板を接合してなる組立式容器であつて、周側
   材の各辺下端には各々折曲溝を介して折返し片
   を連成すると共に折返し片の途中２個所にもＶ
   字状折曲溝を形成してなり、該折返し片を周側
   枠内方へ折返すことによつて、上記発泡シート
   の切り口が周側枠の上面に現われないようにす
   ると共に、折返し片と周側枠との間を、角形空
   間を有する角枠状に形成し、周側材より厚幅の
   周側枠を形成し、且つ上下の折返し片間にでき
   る隙間内に底板を挾入したことを特徴とする組
   立式容器。 ２ 周側材となる合成樹脂の発泡シートとしては
   片面に合成樹脂の非発泡フイルムが積層された
   ものからなる上記実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の組立式容器。