JPS6137579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体前部に搭載したエンジンの前部
及び両横側部を覆うカバーを設けるとともに、前
記エンジンの上部を覆うカバーを、前記前部カバ
ーよりも前方に突出させた状態で、且つ、前方上
方へ揺動開放可能に支持させた状態で設けたトラ
クタのボンネツト構造に関し、その目的は、上部
カバーを、安価、簡単な構造によつて、前方及び
上方への突出量が少ない状態で、しかも、揺動開
放範囲を規制した状態で揺動開放可能に支持させ
る点にある。

さらに詳述すると、上部カバーを揺動開放可能
に支持させるに、従来では、上部カバーを揺動開
放可能に支持する揺動アームを、前部カバーより
も前方で且つ前部カバーよりも上方箇所において
横軸芯周りに揺動可能に枢支させ、揺動アームと
の接当により上部カバーの揺動範囲を規制するス
トツパーを、揺動アームの枢支部近くに設けるよ
うにしているが、この場合、揺動アームやストツ
パーの支承のために、前部カバーの内方箇所より
前部カバーの上方を迂回させて特別な取付枠を延
設させるものとなり、全体構造が高価になるきら
いがあるとともに、揺動開放状態における上部カ
バーの上方及び前方への突出量が大となるきらい
があり、倉庫内等の狭い空間内において揺動開放
させ難いものとなる不都合があつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、本考案によるトラクタのボンネツト構造
は、冒記構造のものにおいて、エンジン搭載箇所
近くの機体固定部に対して立設される縦枠と、前
記縦枠の上端部に機体横方向に架設される横枠
と、互に対向する遊辺を機体前方に向け、かつ、
前部カバーの後方側上縁近くに臨ませて前記横枠
の両端に連設される平面視でコの字状の枠体とか
ら上部カバー支持フレームを形成し、前記上部カ
バーを揺動可能に支持するための揺動アームを前
記枠体の対向遊辺間に亘つて横軸芯周りで揺動可
能に枢支するとともに、前記揺動アームとの接当
により前記上部カバーの揺動開放範囲を規制する
ストツパーを前記枠体の対向遊辺間に亘つて固着
し、前記揺動アームを、前記上部カバーの開放状
態において前記ストツパー装着部の後方を迂回さ
せるように屈曲させ、更に、前記ストツパーに対
して前部カバーの上縁近くを固定してあることを
特徴とするものであるから、揺動アームやストツ
パーを、冒記した従来構造における特別な取付枠
を設けることのない安価、簡単な構造によつて支
承できるとともに、揺動アームに対する揺動横軸
芯の合理的な位置設定によつて、揺動開放状態に
おける上部カバーの上方及び前方への突出量を冒
記した従来構造に較べて小にできるのであり、も
つて、実用上の利点大なトラクタのボンネツト構
造を得るに至つた。

しかも、前部カバーの後方側上縁近くに設けら
れることになるストツパーを有効利用して、この
ストツパーに前部カバーの上縁近くを固定してあ
るので、新たな構造の付加を伴うことなく前部カ
バーを強固に固定でき、前部カバーを板厚の薄い
板金製のもので構成してもエンジンの振動にとも
なつて発生する前部カバーの振動を抑制でき、前
部カバーの構造そのものをも簡素化できるに至つ
た。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、前部エンジン１、クラツ
チハウジング２、ミツシヨンケース３を互いに接
続して機枠を構成し、前記エンジン１の下部に、
向き変更操作可能な左右一対の推進用前輪４，４
を支承し、前記ミツシヨンケース３の両横側部
に、左右一対の推進用後輪５，５を支承し、前記
ミツシヨンケース３の上部に、運転席６を設け、
前記ミツシヨンケース３の後壁に、後方へ突出さ
せた状態で動力取出軸７を支承し、更に、ミツシ
ヨンケース３の後端がわ上部に、付設作業装置昇
降操作用リフトアーム８を取付け、もつて、機体
後部に昇降操作可能に付設する作業装置を、動力
取出軸７の出力にて駆動しながら、進行に伴い作
業するように構成してある。

前記エンジン１、それの前部に位置するラジエ
ータ９、及びそれの前部に位置するバツテリー１
０等の諸装置の前部を覆う前部カバー１１と両横
側部を覆う横側部カバー１２，１２とを設けると
ともに、前記諸装置の上部を覆う上部カバー１３
を、前部カバー１１よりも前方に突出させるとと
もに、その突出前端部に左右一対の前照灯Ｌ，Ｌ
を支持させた状態で、且つ、前方上方へ揺動開放
可能に支持させた状態で設け、もつて、前記諸装
置を覆つて、安全性の向上を図るようにするとと
もに、上部カバー１３の開放により、前記諸装置
の点検、調節を容易に行なえるように構成してあ
る。

第２図イ，ロ及び第３図に示すように、前記上
部カバー１３を揺動開放可能に支持するに、機体
に固定のバツテリー載置台１４の前部に、左右一
対の断面形状コの字状の縦枠１５，１５夫々の下
端部を固着し、両縦枠１５，１５の上端部に、断
面形状コの字状の横枠１６を固着し、横枠１６の
両横端部に、コの字状枠体１７，１７を固着して
上部カバー支持フレームを構成するとともに、上
部カバー１３を揺動開放可能に支持する左右一対
の揺動アーム１８，１８を、前記両コの字状枠体
１７，１７に対して、前部カバー１１の内面近く
で且つその上縁近くの横軸芯Ｘ周りに揺動可能な
状態にピン枢支し、両揺動アーム１８，１８夫々
との接当により上部カバー１３の揺動開放範囲を
規制するＬ字型板状ストツパー１９，１９を、前
記コの字状枠体１７，１７に対して、揺動アーム
１８，１８の枢支部上方箇所に近接位置させる状
態で取付け、更に、両揺動アーム１８，１８の
夫々を、上部カバー１３の開放状態においてスト
ツパー装着部の後方を迂回させるよう屈曲させ、
もつて、上部カバー１３を、前方及び上方への突
出少ない状態で、しかも、揺動開放範囲を規制し
た状態で揺動開放可能に構成してある。

前記前部カバー１１を、前記両縦枠１５，１５
の下端部に固着した取付片２０，２０及び前記両
ストツパー１９，１９に対してボルト連結してあ
り、もつて、前部カバー１１を、上部カバー１３
の支持のための構造を有効利用しながら、上下
夫々において左右２箇所づつ支持させた状態で丈
夫に支持できるように構成してある。

前記両揺動アーム１８，１８から立設した舌片
２１，２１に、上部カバー１３を揺動開放させた
状態において、コの字状枠体１７，１７に自動的
に自重係合する係止片２２，２２を上下揺動可能
に枢支し、もつて、揺動開放状態における上部カ
バー１３の閉じがわへの不測な揺動を、両係止片
２２，２２のコの字状枠体１７，１７に対する突
張りにより阻止できるようにし、且つ、両係止片
２２，２２の上方への揺動操作により前記突張り
を解除できるように構成してある。

又、前記両係止片２２，２２の下部に、揺動ア
ーム１８，１８の屈曲部との接当を回避する凹部
２３，２３を形成し、もつて、両係止片２２，２
２をコンパクトな構造で設けることができきるよ
うにしてある。

第１図及び第４図イ，ロに示すように、前記上
部カバー１３の後端がわ横側部に、ハンドル２４
にて横軸芯Ｙ周りに回動操作可能なフツク状係止
片２５を設け、横側部カバー１２の後端がわ内部
に、前記係止片２５がその回動により係脱可能な
逆Ｕ字状杆２６を設け、もつて、係止片２５と逆
Ｕ字状杆２６との係合により、閉じ状態における
上部カバー１３の揺動を阻止できるように構成し
てある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトラクタのボンネツト構造
の実施例を示し、第１図はトラクタの側面図、第
２図イ，ロは上部カバー前端部の枢着部を示す縦
断側面図、第３図は同部の横断平面図、第４図
イ，ロは係止片装着部の縦断正面図と縦断側面図
である。 １……エンジン、１１……前部カバー、１２，
１２横側部カバー、１３……上部カバー、１５…
…縦枠、１６……横枠、１７……枠体、１８……
揺動アーム、１９……ストツパー、Ｘ……横軸
芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体前部に搭載したエンジン１の前部を覆う前
   部カバー１１と両横側部を覆う横側部カバー１
   ２，１２とを設けるとともに、前記エンジン１の
   上部を覆う上部カバー１３を、前記前部カバー１
   １よりも前方に突出させた状態で、且つ、前方上
   方へ揺動開放可能に支持させた状態で設けたトラ
   クタのボンネツト構造であつて、エンジン搭載箇
   所近くの機体固定部に対して立設される縦枠１
   ５，１５と、前記縦枠１５，１５の上端部に機体
   横方向に架設される横枠１６と、互に対向する遊
   辺を機体前方に向け、かつ、前部カバー１１の後
   方側上縁近くに臨ませて前記横枠１６の両端に連
   設される平面視でコの字状の枠体１７，１７とか
   ら上部カバー支持フレームを形成し、前記上部カ
   バー１３を揺動可能に支持するための揺動アーム
   １８，１８を前記枠体１７，１７の対向遊辺間に
   亘つて横軸芯Ｘ周りで揺動可能に枢支するととも
   に、前記揺動アーム１８，１８との接当により前
   記上部カバー１３の揺動開放範囲を規制するスト
   ツパー１９，１９を前記枠体１７，１７の対向遊
   辺間に亘つて固着し、前記揺動アーム１８，１８
   を、前記上部カバー１３の開放状態において前記
   ストツパー装着部の後方を迂回させるよう屈曲さ
   せ、更に、前記ストツパー１９，１９に対して前
   部カバー１１の上縁近くを固定してあることを特
   徴とするトラクタのボンネツト構造。