JPS6131724B2 - - Google Patents

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JPS6131724B2
JPS6131724B2 JP53159984A JP15998478A JPS6131724B2 JP S6131724 B2 JPS6131724 B2 JP S6131724B2 JP 53159984 A JP53159984 A JP 53159984A JP 15998478 A JP15998478 A JP 15998478A JP S6131724 B2 JPS6131724 B2 JP S6131724B2
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JP
Japan
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alcohol
fluorinated
manufacturing
polymer
group
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JP53159984A
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Tatsuro Asawa
Haruhisa Myake
Masami Yamashita
Yoshio Sugaya
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6131724B2 publication Critical patent/JPS6131724B2/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、イオン交換基を有するフツ素化重合
体の製造方法に関し、更に詳しく言えば、カルボ
ン酸型陽イオン交換基含有のフツ素化重合体の水
性媒体中共重合反応による製造方法の改良に関す
るものである。
カルボン酸型フツ素樹脂陽イオン交換膜は、塩
化アルカリ水溶液の隔膜電解方法における隔膜と
して、高純度の水酸化アルカリを与えるばかりで
なく、高い電流効率、高い電流密度での操業を可
能にし、更に陰極室に水酸化アルカリを高濃度で
与えうるものであることが知られている。先に本
出願人は、水性媒体/カルボン酸型官能性単量体
の重量比及び共重合反応圧力を所定範囲にして、
弗素化オレフインとカルボン酸型官能性単量体を
水性媒体中で共重合せしめることによつて、高イ
オン交換容量及び高分子量を有する共重合体が円
滑有利に製造されるという発明について、特許出
願した。例えば、特開昭53−49090号公報などを
参照。
本発明者の研究によれば、四弗化エチレンの如
き弗素化オレフインとカルボン酸型官能性単量体
とを水性媒体中で共重合させる場合、得られる共
重合体について次の如き難点が認められる。即
ち、重合上りの共重合体を加熱熔融によりフイル
ム、シートなどに成形しようとする場合、ポリマ
ーの熔融粘度が高く成形が困難であるという難点
である。そして、かゝる成形性の難点は、ポリマ
ー分子量などの測定結果からみると、単に分子量
の増大によるものではなく、水性媒体中共重合時
にカルボン酸型官能基が何らかの変性作用に受け
ることに基くものであると考えられる。
本発明者は、前記の如き新規な問題点の認識に
基いて、前記共重合反応について種々の研究、検
討を重ねた結果、次の如き興味深い知見を得るに
至つた。即ち、乳化重合などにより得られる重合
上りのポリマーを、メタノールなどアルコールと
の加熱接触処理にかけることにより、ポリマーの
熔融粘度を有効に減少せしめることができ、かゝ
る処理されたポリマーは、加熱熔融により円滑に
フイルム、シートなどに成形可能であるという事
実を見出したものである。
かくして本発明は、前記の如き新規知見に基い
て完成されたものであり、弗素化したエチレン系
不飽和単量体とカルボン酸基もしくはカルボン酸
基に転換しうる官能基を有する重合能ある官能性
単量体とを、重合開始源の作用により水性媒体中
で共重合せしめ、得られる共重合体を20℃以上の
温度でアルコールとの接触処理にかけることを特
徴とするイオン交換基を有するフツ素化重合体の
製造方法を新規に提供するものである。
本発明においては、水性媒体中での共重合によ
り得られる共重合体をアルコールとの加熱接触処
理にかけることが重要である。アルコールとして
は、通常低級アルコールが採用され、特にメタノ
ールが好適である。そして、接触処理温度は20℃
以上、好ましくは40〜100℃程度が採用される。
温度が低くすぎる場合には、本発明における効果
が達成されない。また、接触処理時間について
は、特に限定はないが、余りに短時間では効果が
僅少であり、余りに長時間では効果が飽和するの
で、作業経済面で不利となる。従つて、通常は1
〜50時間、好ましくは10〜40時間程度が採用され
得る。尚、処理温度を高くすれば、処理時間を短
縮できる。
而して、アルコールによる加熱接触処理は、被
処理フツ素化共重合体とアルコールとが可及的均
一に良好な接触状態となる操作で実施されるのが
望ましい。例えば、多量のアルコール中でフツ素
化重合体を撹拌処理するなどである。また、フツ
素化重合体は、粒状として処理に付することも有
効である。本発明において、好適な実施態様で
は、重合上りのフツ素化重合体はラテツクスから
の凝集分離などにより、小粒径の粒状で得られる
ので、これをアルコールとの接触処理にかけるの
が好適である。アルコールの使用量は特に限定さ
れないが、良好な接触状態確保の面から、通常は
フツ素化重合体100重量部当りアルコール100ml以
上、好ましくは、400〜700ml程度が採用され得
る。
本発明においては、アルコールとしては可及的
に水分の少ないものを採用するのが好適であり、
アルコールを回収再使用する場合などには、脱水
循環するなどが望ましい。また、アルコールによ
る加熱接触処理の際、少量の硫酸を系内に添加す
ることによつと処理結果が良好になる。即ち、硫
酸添加により、メルトスタビリテイーを向上可能
である。メルトスタビリテイーとはポリマーを
230℃で1時間加熱処理する際の、処理前の熔融
粘度(A)と処理後の熔融粘度(B)の比A/Bを示すも
のであり、この値が1に近い程メルトスタビリテ
イーが高いことになる。硫酸の使用量は、通常フ
ツ素化重合体100重量部当り、1〜5重量部程度
の少量で良く、一般的にはアルコール中に硫酸を
少量添加した状態で、アルコールによる加熱接触
処理を行なうという操作が採用される。
本発明においては、官能性単量体としてカルボ
ン酸基もしくはカルボン酸基に転換しうる官能基
を含有する重合能ある単量体が使用される。かゝ
るカルボン酸型官能性単量体()は、生成共重
合体の耐塩素性、耐酸化性などを考慮して、通常
はフルオロビニル化合物であることが望ましく、
好適なものとしては、一般式 CF2=CX−(OCF2CFY)l −(O)n−(CEY′)o−A (ここで、lは0〜3、mは0〜1、nは0〜12
の整数であり、Xはフツ素原子又は−CF3であ
り、Y、Y′はフツ素原子又は炭素数1〜10のパ
ーフルオロアルキル基である。またAは、−CN、
−COF、−COOH、−COOR1、−COOM又は−
CONR2R3であり、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、R2、R3は水素原子又はR1であり、Mはアル
カリ金属又は第四級アンモニウム基である)で表
わされるフルオロビニル化合物が例示される性能
上及び入手性の点から、Xはフツ素原子、Yは−
CF3、Y′はフツ素原子、lは0〜1、mは0〜
1、nは0〜8であり、また、Aは、共重合反応
性などから、−COOR1が好ましい。かゝるフルオ
ロビニル化合物の好ましい代表例としては、 CF2=CFO(CF21〜8COOCH、 CF2=CFO(CF21〜8COOC2H5、 CF2=CF(CF20〜8COOCH3、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF2COOCH3 などがあげられる。
而して、本発明においては、水性媒体中の共重
合において、官能性単量体として−COOR1を含
有するものを使用する場合が特に好適な結果を与
え得る。即ち、−COOR1含有の官能性単量体を構
成単位として含むフツ素化共重合体は、加熱熔融
による形成性が特に良好なものであり、前記共重
合反応性の利点もあるからである。そして、本発
明におけるアルコールによる加熱接触処理で成形
性の向上効果が顕著である。尚、−COF、−CN、
−COOH、−COOM、−CONR2R3などを含有する
官能性単量体を使用した場合についても、本発明
におけるアルコール処理による成形性の向上効果
が認められることは勿論である。
次に、弗素化したエチレン系不飽和単量体と
しては、四弗化エチレン、三弗化塩化エチレン、
六弗化プロピレン、三弗化エチレン、弗化ビニリ
デン、弗化ビニルなどが例示され、好適には一般
式CF2=CZZ′(こゝで、Z、Z′はフツ素原子、塩
素原子、水素原子、又は−CF3である)で表わさ
れるフツ素化オレフイン化合物である。なかでも
パーフルオロオレフイン化合物が好ましく、特に
四弗化エチレンが好適である。
本発明においては、前記官能性単量体及びエ
チレン系不飽和単量体の各モノマー化合物のそ
れぞれを二種以上で使用することもでき、またこ
れらの化合物の他に、他の成分、例えば一般式
CH2=CR4R5(こゝで、R4、R5は水素原子、炭素
数1〜8のアルキル基又は芳香核を示す)で表わ
されるオレフイン化合物()、CF2=CFORf
(Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を
示す)の如きフルオロビニルエーテル、CF2
CF−CF=CE2、CF2=CFO(CF21〜4OCF=
CF2の如きジビニルモノマー更にはスルホン酸型
官能基など他の官能性単量体などの一種又は二種
以上を併用することもできる。オレフイン化合物
()の好ましい代表例としては、エチレン、プ
ロピレン、ブテン−1、イソブチレン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ブテン−
1・4−メチル−ペンテン−1などがあげられ、
なかでも製造上及び生成共重合体の性能上などか
ら、エチレン、プロピレン、イソプチレンなどの
使用が特に好ましい。また、例えばジビニルモノ
マーの併用によつて得られる共重合体を架橋し、
膜にした場合の機械的強度を改善せしめることが
可能である。
本発明のイオン交換基含有フツ素化重合体にお
いて、前記の官能性単量体()、フツ素化オレ
フイン化合物()、更には前記オレフイン化合
物()その他の成分の組成割合は、電解槽用イ
オン交換膜とした場合の全ての性能に関係するの
で重要である。まず、官能性単量体()の存在
量は、イオン交換容量と直接関係するが、共重合
体中1〜50モル%、好ましくは3〜35モル%、特
に5〜30モル%が好適である。該単量体()の
存在量が大きすぎると、イオン交換膜とした場合
の機械的強度を損ない、更には含水量の増大によ
るイオン交換性能の低下をきたし、また余りに少
ない存在量ではイオン交換機能を示さないので好
ましくない。
而して、本発明の共重合体中における前記
()の化合物の残りは、前記()と更には
()その他の化合物が占めることになるが、
()のオレフイン化合物の存在量は、イオン交
換膜としての電気的、機械的性質及び耐塩素性な
どに大きく関係するので重要である。従つて、オ
レフイン化合物()を併用する場合には、オレ
フイン化合物()/フツ素化オレフイン化合物
()のモル比が、好ましくは5〜95〜70/30、
特には10/90〜60/40にするのが好適である。ま
た、フルオロビニルエーテルやジビニルエーテル
などを併用する場合にも、共重合体中30モル%以
下、好ましくは2〜20モル%程度の使用割合とす
るのが好適である。
本発明では、イオン交換容量は、0.5〜2.2ミリ
当量/グラム乾燥樹脂という広い範囲から選択さ
れるが、特徴的なことは、イオン交換容量を大き
くしても、生成共重合体の分子量を高くでき、従
つて共重合体の機械的性質や耐久性は低下するこ
とができないのである。イオン交換容量は、上記
の範囲でも、共重合体の種類に応じて異なるが、
好ましくは0.8ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上、
特に1.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上の場合
が、イオン交換膜としての機械的性質及び電気化
学的性能上好ましい。また、本発明で得られるフ
ツ素化重合体の分子量は、イオン交換膜としての
機械的性能及び成膜性と関係するので重要であ
り、TQの値で表示すると、150℃以上、好ましく
は170〜340℃、特に180〜300℃程度とするのが好
適である。
本明細書中において「TQ」なる言葉は次のよ
うに定義されるものである。即ち、共重合体の分
子量に関係する容量流速100mm2/秒を示す温度が
Qと定義される。こゝにおいて容量流速は、共
重合体を30Kg/cm2加圧下、一定温度の径1mm、長
さ2mmのオリフイスから熔融流出せしめ、流出す
る共重合体量をmm2/秒の単位で示したものがあ
る。また、「イオン交換容量」については、次の
通りである。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜
を、1NのHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH
型に転換し、HClが残存しないように水で充分に
洗浄した。その後、このH型の膜0.5gを、0.1N
のNaOH25mlに水を25ml加えてなる溶液中に、室
温で2日間静置した。次いで膜をとり出して、溶
液中のNaOHの量を0.1NのHClで逆滴定すること
により求められるものである。
本発明においては、官能性単量体とフツ素化オ
レツイン化合物との共重合反応を、水性媒体中で
実施する。通常は、水性媒体の使用量を水性媒
体/官能性単量体の重量比で20/1以下にし、好
ましくは10/1以下に制御して実施するのが良
い。水性媒体の使用量が多すぎる場合には、共重
合反応速度が著しく低下し、高い共重合体収量を
得るために長時間を要することになる。また、水
性媒体が多すぎると高イオン交換容量にした場合
に高い分子量を達成するのが難しくなる。更に水
性媒体の多量使用には、次の如き難点が認められ
る。例えば、反応装置の大型化あるいは共重合体
分離回収など作業操作面の不利があげられる。
次に、本発明においては、7Kg/cm2以上の共重
合反応圧力を採用することが好適である。共重合
反応圧力が低くすぎる場合には、共重合反応速度
を実用上満足し得る高さに維持することができ
ず、高分子量の共重合体の形成にも難点が認めら
れる。又、共重合反応圧力が低くすぎると、生成
共重合体のイオン交換容量が極端に高くなり、含
水量増大などによる機械的強度、イオン交換性能
の低下傾向が増大することになる。尚、共重合反
応圧力は、工業的実施における反応装置上又は作
業操作上などを考慮して、50Kg/cm2以下から選定
されるのが望ましい。かゝる範囲よりも高い共重
合反応圧力の採用は可能であるが、本発明の目的
を比例的に向上せしめ得るものではない。従つ
て、本発明においては、共重合反応圧力を7〜50
Kg/cm2、好ましくは9〜30Kg/cm2の範囲から選定す
るのが最適である。
本発明の共重合反応に際しては、前記反応条件
の他の条件や操作は、特に限定されることなく広
い範囲にわたつて採用され得る。例えば、共重合
反応温度は、重合開始源の種類や反応モル比など
により最適値が選定され得るが、通常は余りに高
温度や低温度は工業的実施に対して不利となるの
で、20〜90℃、好ましくは30〜80℃程度から選定
される。
而して、本発明において重合開始源としては、
前記の好適な反応温度において高い活性を示すも
のを選定するのが望ましい。例えば、室温以下で
も高活性の電離性放射線を採用することもできる
が、通常はアゾ化合物やパーオキシカ合物を採用
する方が工業的実施に対して有利である。本発明
で好適に採用される重合開始源は、前記共重合反
応圧力下に20〜90℃程度で高活性を示すジコハグ
酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ジペンタフルオロプ
ロピオニルパーオキサイド等のジアシルパーオキ
サイド、2・2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩、4・4′−アゾビス(4−シアノワレ
リアン酸)、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、t−ブチルパーオキシドイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオ
キシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド類、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物及びそ
れらのレドツクス系等である。
本発明においては、重合開始剤濃度は、全単量
体に対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.001
〜2重量%程度である。開始源濃度を下げること
によつて、生成共重合体の分子量を高めることが
可能になり、高イオン交換容量を保持することが
困難である。開始剤濃度を余りに高くすると、分
子量の低下傾向が増し、高イオン交換容量で高分
子量の共重合体の生成に対して不利となる。
その他通常の水性媒体重合において用いられる
界面活性剤、分散剤、緩衝剤、分子量調整剤等を
添加することもできる。又、フツ素化オレフイン
化合物と特定官能性単量体の共重合反応を阻害し
ないもので、連鎖移動の少ないものであれば、例
えばフロン系溶媒として知られている弗素化系又
は弗素化塩素化系飽和炭化水素等の不活性有機溶
媒を添加することもできる。
而して、本発明においては、生成共重合体濃度
を40重量%以下、好ましくは30重量%以下に制御
して実施するのが好適である。余りに高濃度にす
ると、撹拌負荷の増大、除熱困難、弗素化オレフ
インモノマーの拡散不充分などの難点が認められ
る。
以上の如くして水性媒体中での共重合により得
られるフツ素化共重合体は、通常水性媒体から分
離されて前記のアルコールとの接触処理にかけら
れる。重合後の後処理は次の如く行なわれる。
官能性単量体が液状である場合は、未反応の官
能性単量体をラテツクスにトリクロロトリフルオ
ロエタンを加えて抽出分離する。次いで、ラテツ
クスに塩酸あるいは硫酸等の酸を添加しポリマー
を凝集させる。その他塩析、あるいは凍結凝集、
機械的凝集等の周知乃至公知の凝集手段が取り得
る。凝集したポリマーを充分水洗し、次いでメタ
ノール、アセトン等の水溶性有機溶剤を用いて水
を置換し、更にトリクロロトリフルオロエタンで
洗浄する。ポリマーを風乾した後、ポリマー100
重量に対して100ml以上好ましくは400〜600mlの
メタノールを加え、更に好ましくはこれに硫酸を
添加し撹拌しつつ20℃以上で1〜50時間処理す
る。次いでポリマーとメタノールを分離し、硫酸
を添加した場合はこれを除くためにメタノールで
洗浄を行なつた後、減圧下に40〜80℃で乾燥させ
てポリマーを得る。
本発明によれば、高イオン交換容量及び高分子
量を有し、且つ加熱熔融による成形法に優れたイ
オン交換基含有フツ素化重合体が円滑有利に得ら
れる。例えば、水性媒体中での共重合上りのフツ
素化重合体は、−COOR1含有の官能性単量体を使
用した場合でも、TQが300℃を越えているが、メ
タノールなどで加熱接触処理することにより、T
Qを220℃程度に下げることが可能である。TQ
300℃以上のフツ素化重合体では、加熱熔融成形
が著しく困難であり、フイルム、シート状などに
成形できないが、本発明によるフツ素化重合体は
押出成形などによつてもフイルム、シート状など
に容易に成形可能である。
本発明のフツ素化重合体は、適宜手段にて製膜
され得る。例えば、必要により官能基を加水分解
でカルボン酸基に転換するが、かゝる加水分解処
理は製膜前でも製膜後でも可能である。通常は製
膜後に加水分解処理する方が望ましい。製膜手段
には種々のものが採用可能であり、例えば加熱熔
融成形、ラテツクス成形、適当な溶液に溶解させ
ての注型成形なび公知乃至周知の方法を適宜採用
し得る。
本発明のフツ素化重合体からのイオン交換膜
は、種々の優れた性能を有するために、各種分
野、目的、用途などに広範囲に採用され得る。例
えば、拡散透析、電解還元、燃料電池の隔膜など
として、特に耐蝕性が要求される分野で好適に使
用される。なかでも、アルカリ電解用の陽イオン
選択性隔膜として使う場合には、従来のイオン交
換膜では得られなかつた高い性能を発揮し得るも
のである。例えば、本発明のフツ素化重合体から
の陽イオン交換樹脂膜にて、陽極と陰極とを区画
して陽極室と陰極室とを構成し、陽極室に塩化ア
ルカリ水溶液を供給して電解し、陰極室から水酸
化アルカリを得る所謂二室型槽の場合でも、2規
定以上の濃度の塩化ナトリウム水溶液を原料とし
て5〜20A/dm2の電流密度で電解することによ
り、40%以上の高濃度の水酸化ナトリウムが90%
以上の高電流効率で長期にわたつて安定して製造
できる。更に、4.5ボルト以下の低い槽電圧での
電解が可能である。
次に、本発明の実施例について、更に具体的に
説明するが、かゝる説明によつて本発明が限定さ
れるものではないことは勿論である。
実施例 1 0.2のステンレス製耐圧反応容器にイオン交
換水100g、C7F15COONH40.5g、Na2HPO4
12H2Oを0.5g、NaH2PO4・2H2Oを0.3g、
(NH42S2O8を0.026g仕込み、次いで20gのCF2
=CFO(CF23COOCH3を仕込んだ。液体窒素で
充分に脱気を行なつた後57℃に昇温し、四弗化エ
チレンを11.2Kg/cm2まで導入し反応を行なわしめ
た。反応中に四弗化エチレンを連続的に系内に導
入し圧力を11.2Kg/cm2に保持した。3.5時間後に未
反応四弗化エチレンをパージして反応を終了させ
た。未反応のCF2=CFO(CF23COOCH3はラテ
ツクスにトリクロロトリフルオロエタンを添加し
抽出分離した。次いでラテツクスに塩酸を加え、
ポリマー凝集させた。沈澱したポリマーを充分水
洗し、次いでメタノールで水を置換した後トリク
ロロトリフルオロエタンで洗浄した。ポリマーを
風乾した後、ポリマー18gに90mlのメタノールを
加え撹拌しながら60℃にて16時間処理した。次い
でポリマーをメタノールより取り出し60℃で20時
間減圧下に乾燥した。該ポリマーのTQは220℃で
あり、CF2=CFO(CF23COOCH3のポリマー中
の組成は21モル%であつた。(組成はポリマーを
加水分解しCOOHを滴定法に定量して求めた)
該ポリマーは237℃でプレス成形し良好なフイル
ムを与えた。該フイルムを加水分解することによ
りイオン交換容量1.47ミリ当量/g乾燥樹脂のイ
オン交換膜を得た。
比較例 1 実施例1においてメタノールで60℃、16時間の
処理を行なわなかつた以外は実施例1と同じ条件
で重合及び後処理を行なつてポリマーを得た。該
ポリマーのTQは300℃以上であり、プレス成形し
て良好なフイルムを得ることは困難であつた。
実施例 2 0.2の耐圧反応容器に水を100g、
C8F17COONH4を0.2g、Na2HPO4・12H2Oを0.5
g、(NH42S2O8Hを0.026g仕込み、次いでCF2
=CFO(CF23COOCH3を20g仕込んだ。脱気し
た後55℃に昇温し四弗化エチレンを10.4Kg/cm2
導入し反応を開始させた。反応中に四弗化エチレ
ンを系内に導入し圧力を10.4Kg/cm2に保持した。
33時間で反応を終了させた。得られたラテツクス
に硫酸を加えてポリマーを凝集させ、濾別した後
充分水洗した。次いでアセトン及びトリクロロト
リフルオロエタンで洗浄した。ポリマーを風乾し
た後ポリマー重量に対し5倍量のメタノールを加
え45℃で35時間撹拌した。ポリマーをメタノール
より分離し、60℃で20時間乾燥して15.5gの白色
ポリマーを得た。該ポリマーのTQは225℃であ
り、CF2=CFO(CF23COOCH3のポリマー中の
組成は20モル%であつた。該ポリマーを230℃で
プレス成形し、良好なフイルムを得た。該フイル
ムを加水分解してイオン交換容量1.42ミリ当量/
g乾燥樹脂のイオン交換膜を得た。ポリマーをメ
タノールで45℃、35時間の処理を行なわなかつた
場合はTQは300℃以上で良好なフイルムに成形す
るのは困難であつた。
実施例 3 実施例1においてメタノール処理においてメタ
ノール100重量部に対して3重量部の硫酸を添加
する以外は同じ条件でポリマーを重合、後処理を
した。該ポリマーのTQは219℃であり、メルトス
タビリテイーは0.98であつた。一方メタノール処
理において硫酸を添加しない実施例1においてポ
リマーのメルトスタビリテイーは0.81であつた。
実施例 4 実施例2においてメタノール処理時にメタノー
ル100重量部に対して2.5重量部の硫酸を添加する
以外は同じ条件でポリマーを重合、後処理した。
該ポリマーのTQは223℃であり、メルトスタビリ
テイーは0.95であつた。一方メタノール処理にお
いて硫酸を添加しない実施例2においてはポリマ
ーのメルトスタビリテイーは0.79であつた。
実施例 5 実施例2においてアルコールをメタノールから
エタノールに変更する以外は同じ条件でポリマー
を重合、後処理した。得られたポリマーのTQ
220℃であり、230℃でプレス成形して良好なフイ
ルムを得た。
実施例 6 実施例2においてCF2=CFO(CF23COOCH3
のかわりに を仕込み、55℃で13Kg/cm2で反応させる以外は同
様にして、 含量16モル%のポリマーを得た。アルコールによ
る処理は、ポリマー重量に対し5倍量のメタノー
ルを加え、60℃で16時間撹拌して行なつた。該ポ
リマーのTQは215℃であり、220℃でプレス成形
して良好なフイルムを与えた。メタノールによる
処理を行なわなかつた場合は、ポリマーのTQ
300℃以上となり、良好なフイルムに成形するの
は困難であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 弗素化したエチレン系不飽和単量体とカルボ
    ン酸基もしくはカルボン酸基に転換しうる官能基
    を有する重合能ある官能性単量体とを、重合開始
    源の作用により水性媒体中で共重合せしめ、得ら
    れるフツ素化共重合体を20℃以上の温度でアルコ
    ールとの接触処理にかけることを特徴とするイオ
    ン交換基を有するフツ素化重合体の製造方法。 2 官能性単量体として一般式 CF2=CX−(OCF2CFY)l −(O)n−(CFY′)o−A (但し、式中のlは0〜3、mは0〜1、nは0
    〜12の整数であり、Xはフツ素原子又は−CF3
    あり、Y、Y′はフツ素原子又は炭素数1〜10の
    パーツルオロアルキル基であり、Aは−CN、−
    COF、−COOH、−COOR1、−COOM又は−
    CONR2R3であり、R1は炭素数1〜10のアルキル
    基、R2、R3は水素原子又はR1であり、Mはアル
    カリ金属又は第四級アンモニウム基である)で表
    わされるフルオロビニル化合物を使用する特許請
    求の範囲第1項記載の製造方法。 3 弗素化したエチレン系不飽和単量体として一
    般式、CF2=CZZ′(但し、Z、Zはフツ素原子、
    水素原子、又は−CF3である)で表わされるフツ
    素化オレフイン化合物を使用する特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法。 4 官能性単量体として一般式 (但し、式中のlは0〜1、mは0〜1、nは0
    〜8の整数であり、Aは−COOR1であり、R1
    低級アルキル基である)で表わされるフルオロビ
    ニル化合物を使用する特許請求の範囲第2項記載
    の製造方法。 5 弗素化したエチレン系不飽和単量体として四
    弗化エチレンを使用する特許請求の範囲第3項記
    載の製造方法。 6 多量のアルコール中で粒状のフツ素化共重合
    体を加熱撹拌することにより、アルコールとの接
    触処理を実施する特許請求の範囲第1項記載の製
    造方法。 7 アルコールが低級アルコールである特許請求
    の範囲第1項又は第6項記載の製造方法。 8 アルコールの接触処理時間が1〜50時間であ
    る特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 9 フツ素化共重合体100重量部当りアルコール
    100ml以上を用いて接触処理を実施する特許請求
    の範囲第1項又は第6項記載の製造方法。 10 アルコールとの接触処理を少量の硫酸の添
    加のもとに実施する特許請求の範囲第1項記載の
    製造方法。 11 硫酸の添加量がフツ素化重合体100重量部
    当り1〜5重量部である特許請求の範囲第10項
    記載の製造方法。
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