JPS6131441B2 - - Google Patents
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- JPS6131441B2 JPS6131441B2 JP54150017A JP15001779A JPS6131441B2 JP S6131441 B2 JPS6131441 B2 JP S6131441B2 JP 54150017 A JP54150017 A JP 54150017A JP 15001779 A JP15001779 A JP 15001779A JP S6131441 B2 JPS6131441 B2 JP S6131441B2
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- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
Description
本発明は、表面かたさと可とう性(変形に対す
るこわれにくさ)のバランスが改良された合成樹
脂成形体を基材とする複合被膜構造を有する光学
材料に関するものである。 合成樹脂成形体は、軽量、易加工性、耐衝撃性
などの長所を活かして種々の用途に多量に使用さ
れているが、反面表面かたさが不十分で傷つきや
すいため、サングラスレンズ、きよう正用めがね
レンズ、各種光学フイルター、ルツキンググラス
等の光学用途に適用するには、実用上不満足であ
つた。特に反射防止、反射増加などの機能を有す
る蒸着膜を設けた場合はこの欠点が出易く、表面
かたさと可とう性という相反する特性の改善が要
請されていた。 合成樹脂表面の耐擦傷性の低さを改良し、実用
的価値を向上させようとする種々の提案がこれま
でなされてきている。たとえば、真空蒸着法によ
る酸化ケイ素被膜の形成、アルキルトリアルコキ
シシランを主成分とするポリシロキサン系塗料に
よる硬化被膜の形成、あるいは、前記ポリシロキ
サン系塗料による硬化被膜上に酸化ケイ素等の無
機物を被膜を真空蒸着等によつて形成させる方法
等が代表的な方法として知られている。 しかしながら、これらの従来技術による方法で
は、表面かたさと可とう性を同時に満足させるこ
とは相当困難であり、表面かたさを向上させよう
とすると基材の合成樹脂が持つている優れた性能
を保持させることが難かしくなり、合成樹脂を使
用する重要な意味を失わせてしまう。例えば、上
述のような従来の方法によつて合成樹脂の表面を
硬化処理した場合、表面かたさを向上させようと
すると硬化膜の可とう性が失われるため、表面硬
化した合成樹脂成形体の性能(例えば、曲げ耐久
性、耐衝撃性、耐熱ひびわれ性、耐水ひびわれ性
等)は、基材の合成樹脂成形体が本来持つている
レベルに比較して大きく低下してしまい、表面硬
化被覆品の使用できる実用条件範囲がせばめられ
てしまう欠点がある。 さらに本発明の先行技術として、レンズの未研
磨面に特定のシラノール加水分解物とコロイド状
シリカをコーテイングしてハードコートとする技
術がある(特開昭55−151617号公報)。 しかしながらかかる技術は、反射防止、反射増
加などの機能を有する蒸着膜を設けるものではな
いという構成が相違するのみならず、レンズの未
研磨粗面に単にハードコート層を設けて光散乱を
防止しようとする点、目的、効果が大きく相違す
る技術である。 本発明者らは、このような欠点を改良し、表面
硬化被覆加工品の実用的価値を向上させることを
目的に種々検討した結果、ある程度の表面かたさ
向上効果を有すると同時に破断のびが大きく可と
う性のすぐれた特殊な熱硬化性樹脂組成物からな
る硬化被膜を先ず合成樹脂成形体表面に形成し、
次いでその上に本質的に表面硬度の高い無機物の
被膜を形成させることによつて、表面かたさと可
とう性のバランスが従来品にくらべて大きく向上
し、光学材料用途としての実用価値を大きく改善
した合成樹脂基材の表面硬化加工品が得られるこ
とを見出して本発明を完成させた。 上記目的を達成するため本発明は次の構成から
なる。 (1) 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面に、硬
化した樹脂の層とその表層の無機物の層の少な
くとも2層からなる複合膜を有する光学材料に
おいて、硬化した樹脂の層は、ケイ素原子に結
合した水酸基を有するエポキシシラン化合物の
残基と、粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微
粒子を主成分にするとともに、アルミニウムキ
レート化合物残基を含む膜からなり、かつ無機
物の層は膜厚2ミクロン以下の蒸着膜からなる
ことを特徴とする硬化被膜を有する光学材料。 (2) 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面を、下
記成分(A)、(B)を主成分とし、かつ下記成分(C)の
硬化剤、および溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成
物で被覆し硬化被膜を形成させ、次いで真空下
において、該硬化被膜の上に無機物の被膜を形
成させることを特徴とする硬化被膜を有する光
学材料の製造方法。 (A) 分子中に少なくとも1個のエポキシ基とケ
イ素原子に結合した水酸基を有するシラン化
合物。 (B) 粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒
子。 (C) 一般式Al・XnY3-oで示されるアルミニウ
ムキレート化合物。 ここにXは、OL(Lは低級アルキル)、Y
は一般式M1COCH2COM2、または
M3COCH2COOM4(M1、M2、M3、M4は低
級アルキル)で示される化合物に由来する配
位子から選ばれる少なくとも1つであり、n
は0、1もしくは2である。 (D) 1重量%以上の水を含有する溶媒。 本発明でいう光学材料とは、光を透過したり、
反射あるいは屈折するものをいい、これらの代表
的なものとしては、レンズ、鏡(半透明のものを
含む)、フイルター、ルツキンググラスなどが挙
げられる。 (A)成分である、分子内にエポキシ基とケイ素原
子に結合した水酸基と有するシラン化合物として
は、好ましくは一般式 ここに R1は、C1〜4のアルキル、アルコキシアルキ
ル、 R2は、C1〜6のアルキル、アリール R3は、水素またはメチル基 mは、2または3 aは、整数1〜6 bは、0、1または2 で表わされる化合物の加水分解物である。かかる
化合物の具体的な例としては、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリ
シドキシエトキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンがあげられる。もう1つの好ましい(A)成分とし
ては、脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラ
ンの加水分解物があり、かかるシランの例として
は、β−(3・4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランがあげられる。 (A)成分には次に述べるようなシラノール含有化
合物、あるいはエポキシ化合物が添加されても良
い。すなわち、シラノール含有化合物として代表
的なものは、一般式 R4 cR5 dSiZ4-(c+d) ここに、R4、R5は置換あるいは非置換アルキ
ル、アルケニル基、 Zは、アルコキシ、アルコキシアルコキシル、
アシロキシ基、 c、dは、0、1もしくは2、 c+dは、0、1もしくは2、 で表わされる化合物の加水分解物であつて、かか
る化合物の具体的な例としては、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、イソプロピルシリケート、n−ブチルシリケ
ート、sec−ブチルシリケート、tert−ブチルシ
リケート、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
エトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシラ
ン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、メチルフエニルジ
メトキシシラン、等が挙げられる。 ケイ素化合物の加水分解物は、純水または塩酸
あるいは硫酸などの酸性水溶液を添加撹拌するこ
とによつて得られる。加水分解に際しては、アル
コール、アルコキシアルコール、酢酸などの有機
カルボン酸などが生成してくるので無溶媒で加水
分解することが可能である。又加水分解によつて
生成する溶媒を加熱、減圧等によつて適当量除去
し、その後に適当な溶媒を添加することによつて
溶媒置換することも可能である。溶媒としては、
アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロ
ゲン化炭化水素あるいは芳香族炭化水素などを目
的に応じて使用することができる。 又、本発明の目的を達成する被覆組成物にはと
くにエポキシ化合物が好ましく添加することがで
きる。これらのエポキシ化合物としては、種々の
ものが可能であるが、塗料、注型用等に広く実用
されているもので、たとえば過酸化法で合成され
るポリオレフイン系エポキシ樹脂、シクロペンタ
ジエンオキシドやシクロヘキセンオキシドあるい
はヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸などとエピクロルヒドリンから
得られるポリグリシジルエステルなどの脂環式も
しくは芳香族エポキシ樹脂、ビスフエノールAや
カテコール、レゾルシノールなどの多価フエノー
ル、あるいは(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビト
ールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリン
から得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ
化植物油、ノボラツク型フエノール樹脂とエピク
ロルヒドリンから得られるエポキシノボラツク、
フエノールフタレインとエピクロルヒドリンから
得られるエポキシ樹脂、さらにグリシジルアクリ
レートないしはメタクリレートとメチルメタクリ
レートなどのアクリル系モノマー、あるいはその
他の共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体
などが挙げられる。 本発明の(B)成分として用いられる粒径1ないし
100ミリミクロンのシリカ微粒子としては、一般
にシリカゾルと呼ばれている高分子量無水ケイ酸
を水またはアルコール系溶媒に分散させたコロイ
ド溶液であり、周知の方法で製造市販されている
ものが特に有効である。本発明の目的には、平均
粒子径5ないし30ミリミクロンのものが好ましく
使用できる。 本発明の(C)成分である一般式Al・XnY3-oで示
されるアルミニウムキレート化合物としては、各
種の化合物があげられるが、樹脂組成物への溶解
性、安全性、硬化触媒としての効果などの観点か
らアルミニウムアセチルアセトネート、アルミニ
ウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトア
セテート、アルミニウム−ジ−iso−ブロボキシ
ド−モノメチルアセトアセテート、アルミニウム
アセチルアセトナートビスエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムビスアセチルアセトナートエチ
ルアセトアセテートなどが有効である。これらは
2種以上を混合して使用することも可能である。 (D)成分として用いられる溶媒中には1重量%以
上、好ましくは2重量%以上の水分が含有してい
ることが必要である。 ここで用いられる溶媒としては、例えばアルコ
ール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲン炭
化水素、炭化水素あるいは芳香族炭化水素などを
目的に応じて使用する。これらは単独のみならず
2種以上併用することも可能である。 水分量が1%以下の場合には、ケイ素化合物の
加水分解物間の反応によつて樹脂塗料の粘度が上
昇し、塗膜の厚みを調節することが困難になる。
さらに、樹脂塗料状態におけるケイ素化合物の加
水分解物間の反応が進行すると塗膜形成時の硬化
が不完全化するため、硬化被膜の表面かたさが上
がらないと云う不都合を生じる。 樹脂塗料中の水分は、ケイ素化合物の不完全加
水分解により、又ケイ素化合物加水分解物間の縮
合により、又は塗料製造時に水を添加する方法に
よつて存在せしめることができる。 さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記
(A)、(B)、(C)および(D)成分の他に合成樹脂基材への
塗布時における流れ性を向上させ、塗膜の平滑性
を向上させる目的で界面活性剤を使用することも
可能である。とくにジメチルシロキサンとアルキ
レンオキシドとのブロツクまたはグラフト共重合
体などが有効である。また染顔料や充てん剤の類
を分散させたり、有機ポリマーを溶解させて塗膜
を着色させたり、塗布性、合成樹脂基材との密着
性を向上させるなど、コーテイング剤としての実
用性を改善させることも可能であり、さらに又、
耐候性を向上させる目的で紫外線吸収剤、または
耐熱性を向上させる目的で酸化防止剤等を添加す
ることも可能である。 本発明の複合硬化被膜を形成させる基材となる
合成樹脂成形体としては、ポリメチルメタクリレ
ート、およびこれらの共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重
合体(CR−39)などの熱硬化性樹脂などの成形
品、シート、フイルム、機械加工品等広い範囲の
合成樹脂成形体に適応することができる。 熱硬化性樹脂塗料の塗布手段としては、刷毛塗
り、浸漬塗り、ロール塗り、スプレー塗り、流し
塗り、スピンコーテイングなど通常の塗料のコー
テイングに行なわれている方法が応用でき、また
塗料を鋳型に塗布したのち、基材となる合成樹脂
原料を注型重合成せる方法、あるいは塗料を塗布
した合成樹脂基材を鋳型と密着させ加熱硬化させ
る方法などをとることも可能である。 場合によつては、基材の合成樹脂と熱硬化性樹
脂被膜との接着性を向上させるため、あらかじめ
基材に各種エツチング、薬品処理、放電処理、カ
ツプリング剤処理などの化学的、物理的、機械的
予備処理を施すことも有効である。 樹脂塗膜の硬化は、主として加熱処理すること
によつて行なわれるが、加熱硬化温度は、従来の
熱硬化性樹脂塗料の場合にくらべてかなり広範囲
の適応性があり、40〜250℃の温度条件で良好な
結果が得られる。 熱硬化性樹脂塗料中の成分(B)の添加量は、成分
(A)1重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは
0.1〜2重量部である。0.01重量部よりも少ない
ときは、表面かたさ向上効果が期待できず、また
5重量部以上では強じん性が失われてクラツクが
生じやすくなるなどの欠陥を生ずる。また(C)成分
の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計1重量部あた
り0.0001〜0.5重量部、とくに好ましくは0.0005〜
0.1重量部であり、これより少なくては硬化が不
十分となり、一方これ以上では塗膜の透明性が阻
害されるなどの欠陥を生じる。 以上のようにして得られる合成樹脂成形体への
第1の硬化被覆層は、合成樹脂基材の表面かたさ
を向上させる効果を有する。また同時に、該被覆
層は従来提案されているアルキルトリアルコキシ
シランを主成分とするようなポリシロキサン系硬
化塗膜、あるいは真空蒸着法による酸化ケイ素被
膜ではとうてい得られないような破断のびが大き
く可とう性にすぐれしかも強じん性が極めて大き
い。したがつて後述する無機物の被覆層と組合せ
ることにより、表面かたさと可とう性のバランス
が極めてすぐれた複合被覆体のアンダーコート層
としてすぐれている。 本発明の目的である表面かたさと可とう性のバ
ランスを有効に向上発揮させるため、熱硬化性樹
脂組成物からなる硬化被膜の厚みは0.5ミクロン
以上、好ましくは1ミクロン以上であることが望
ましい。0.5ミクロンを下まわるような場合に
は、可とう性とのバランスにおいて従来技術品と
の比較上表面かたさを十分に向上させることが困
難である。 本発明の第1の被覆層である熱硬化性樹脂硬化
被膜の上に被覆する第2の被覆層は、本質的に硬
度の高い無機物であつて、金属、金属あるいは半
金属の酸化物、フツ化物、ケイ化物、ホウ化物、
炭化物、窒化物、硫化物等が選ばれる。これらの
無機物被膜の形成は、真空蒸着、スパツタリン
グ、イオンプレーテイング法等の真空下(10-2〜
10-6Torr)で行なわれる物理蒸着法によつて達
成される。無機物層は、無機物の単独、混合、あ
るいは重ね合せ構造の被膜が目的によつて使いわ
けすることができ、透明から不透明にわたる種々
の外観を呈する複合被覆体を得ることができる。 真空下の物理蒸着法によつて無機物被膜を樹脂
硬化被膜上に形成させる場合、一般的な脱ガス処
理のみでなく、樹脂硬化被膜にあらかじめ各種エ
ツチング、化学処理、カツプリング剤処理等の化
学的、物理的、機械的処理を施すことによつて樹
脂硬化被膜との密着性を向上改善させることも可
能である。 本発明の目的である表面かたさと可とう性のバ
ランスを有効に発揮させるため、無機物層の厚み
は、無機物の種類や組合せ等によつて変り得る
が、2ミクロン以下好ましくは1ミクロン以下に
コントロールすることが推奨される。 本発明によつて得られる合成樹脂基材の複合被
覆品は、合成樹脂の有する種々の優れた性能に加
えて表面がかたくきずつきにくいと同時に可とう
性に富み強じん性が高いため、サングラス用レン
ズ、きよう正用めがねレンズ、各種光学フイルタ
ー、ルツキンググラス等の光学用途に好適であ
る。さらに本発明による複合被覆品は単に表面か
たさと可とう性のバランスがすぐれていると云う
機械的特徴を有するのみでなく、無機物層の選択
組合せによつて、ミラー、半透明ミラー、着色、
反射防止、反射増加、各種光学フイルター効果等
の光学的機能を同時に付与できる点に特徴があ
り、実用上用途範囲を拡大できる技術的に重要な
効果を有する。 上述のような光学的各種機能面に限れば、従来
公知のカツプリング剤あるいはアンダーコート剤
を施した合成樹脂基材への無機物蒸着、あるいは
真空蒸着で形成させた酸化ケイ素被膜、またはア
ルキルトリアルコキシシランを主成分とする塗料
による硬化被膜を形成させた合成樹脂加工品に無
機物を蒸着被覆することによつて同様に達成可能
である。しかしながら、これらの従来技術による
方法では表面かたさが低いか、逆に表面かたさを
上げようとするともろくてひびわれし易くなるな
ど、表面かたさと可とう性とのバランスにおいて
本発明品に及ぶものを得ることは困難である。 本発明による複合被覆品はこれまでに述べた特
徴理由によつて光学用途に特に好適であるが、基
本技術的には無機物層の構成を選択することによ
つて電子的、電気磁気的あるいは熱的性能に分類
されるような種々な機能を付与することも十分可
能である。 本発明の趣旨を明瞭にするため、次に実施例を
掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお例中の部数及び%は重量によ
るものである。 実施例1、比較例1 (1) 熱硬化性樹脂塗料 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン113部を氷で10℃に冷却しながら0.05規
定塩酸水溶液16.5部を少しずつ滴下し加水分解
を行なつた。又別にβ−(3・4エポキシシク
ロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン55部
を氷で20℃に冷却しながら0.01規定塩酸水溶液
12.2部を少しずつ滴下し加水分解を行なつた。 次に上記で得た各加水分解物を混合し、これ
にビスフエノールA型エポキシ樹脂“エピコー
ト”827(シエル化学製品)8.1部、フタル酸グ
リシジルエーテル“シヨーダイン”508(昭和
電工製品)21.2部、アセチルアセトン10.5部ベ
ンジルアルコール94.7部、シリコーン系界面活
性剤1.5部を添加混合した。ついで“メタノー
ルシリカゾル”(日産化学製品)642部(固形分
30%、シリカ粒子径約10〜20mμ)、アセチル
アセトンアルミニウム塩24部、硝酸アンモニウ
ム0.1部を加え撹拌溶解して塗料を得た。塗料
の固形分は40%、10℃における粘度は4.3セン
チポアズであつた。また溶媒中の水分含有量を
近赤外法によつて測定した結果5.7%であつ
た。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 耐熱性ポリメチルメタクリレート樹脂“アク
リペツト”VH(三菱レイヨン製品)を射出成
形して得た6ジオプトリー(スペクタクルクラ
ウンガラスの屈折率換算)の表面カーブを有
し、直径75ミリ、中心厚み2.1ミリのサングラ
ス用プラノレンズ成形品に、上記(1)で作成した
熱硬化性樹脂塗料を引上速度10cm/分の条件で
浸漬塗布し(両面)、95℃で2時間硬化を行な
い樹脂硬化被膜を形成させた。被膜の厚みが
3.5ミクロンであつた。引き続いて、RFタイプ
スパツタリング装置を用いてアルゴンガス雰囲
気条件でニツケル/クロム(80/20)合金ター
ゲツトによりミラー状外観を呈する無機質被膜
をレンズの凸面側に形成させた。金属蒸着層は
ごく薄く半透明状であり、厚さは約0.15μmで
あつた。また積分球式透過率計による可視光線
透過率は10%であつた。上記で得られた複合硬
質被膜のレンズ基材に対する接着性はすぐれて
おり、粘着テープによる剥離テストに合格し
た。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記で得られたポリメチルメタクリレート樹
脂を基材とする複合被覆体の表面かたさと曲げ
によるたわみ強さを評価した。結果は第1表に
示す。 また比較例として評価した比較品A、比較品B
の結果も合せて第1表に示す。 なお比較品は下記のようにして作成した。 比較品A (1) 塗料の調整 エチルアルコール(試薬1級)30部にメチル
トリメトキシシラン136部を溶解し、液温を15
〜20℃に保ち撹拌しながら0.01規定塩酸水溶液
27部を徐々に滴下した。滴下終了後約1時間室
温に放置し熟成させたものを20部、これに酢酸
ナトリウム0.08部を加えたもの100部に対して
試薬1級氷酢酸5部を添加して塗料とした。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 上記(1)で得た塗料を用いる他は実施例1と同
様の物品に同様の方法で複合被膜を形成した。 比較品B 実施例1と同様の基材に直接金属のみをスパツ
タリングして(用いる金属、方法は実施例1と同
様)作成したミラーレンズである。 本発明品の表面かたさと可とう性のバランスが
非常にすぐれていることが明らかである。
るこわれにくさ)のバランスが改良された合成樹
脂成形体を基材とする複合被膜構造を有する光学
材料に関するものである。 合成樹脂成形体は、軽量、易加工性、耐衝撃性
などの長所を活かして種々の用途に多量に使用さ
れているが、反面表面かたさが不十分で傷つきや
すいため、サングラスレンズ、きよう正用めがね
レンズ、各種光学フイルター、ルツキンググラス
等の光学用途に適用するには、実用上不満足であ
つた。特に反射防止、反射増加などの機能を有す
る蒸着膜を設けた場合はこの欠点が出易く、表面
かたさと可とう性という相反する特性の改善が要
請されていた。 合成樹脂表面の耐擦傷性の低さを改良し、実用
的価値を向上させようとする種々の提案がこれま
でなされてきている。たとえば、真空蒸着法によ
る酸化ケイ素被膜の形成、アルキルトリアルコキ
シシランを主成分とするポリシロキサン系塗料に
よる硬化被膜の形成、あるいは、前記ポリシロキ
サン系塗料による硬化被膜上に酸化ケイ素等の無
機物を被膜を真空蒸着等によつて形成させる方法
等が代表的な方法として知られている。 しかしながら、これらの従来技術による方法で
は、表面かたさと可とう性を同時に満足させるこ
とは相当困難であり、表面かたさを向上させよう
とすると基材の合成樹脂が持つている優れた性能
を保持させることが難かしくなり、合成樹脂を使
用する重要な意味を失わせてしまう。例えば、上
述のような従来の方法によつて合成樹脂の表面を
硬化処理した場合、表面かたさを向上させようと
すると硬化膜の可とう性が失われるため、表面硬
化した合成樹脂成形体の性能(例えば、曲げ耐久
性、耐衝撃性、耐熱ひびわれ性、耐水ひびわれ性
等)は、基材の合成樹脂成形体が本来持つている
レベルに比較して大きく低下してしまい、表面硬
化被覆品の使用できる実用条件範囲がせばめられ
てしまう欠点がある。 さらに本発明の先行技術として、レンズの未研
磨面に特定のシラノール加水分解物とコロイド状
シリカをコーテイングしてハードコートとする技
術がある(特開昭55−151617号公報)。 しかしながらかかる技術は、反射防止、反射増
加などの機能を有する蒸着膜を設けるものではな
いという構成が相違するのみならず、レンズの未
研磨粗面に単にハードコート層を設けて光散乱を
防止しようとする点、目的、効果が大きく相違す
る技術である。 本発明者らは、このような欠点を改良し、表面
硬化被覆加工品の実用的価値を向上させることを
目的に種々検討した結果、ある程度の表面かたさ
向上効果を有すると同時に破断のびが大きく可と
う性のすぐれた特殊な熱硬化性樹脂組成物からな
る硬化被膜を先ず合成樹脂成形体表面に形成し、
次いでその上に本質的に表面硬度の高い無機物の
被膜を形成させることによつて、表面かたさと可
とう性のバランスが従来品にくらべて大きく向上
し、光学材料用途としての実用価値を大きく改善
した合成樹脂基材の表面硬化加工品が得られるこ
とを見出して本発明を完成させた。 上記目的を達成するため本発明は次の構成から
なる。 (1) 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面に、硬
化した樹脂の層とその表層の無機物の層の少な
くとも2層からなる複合膜を有する光学材料に
おいて、硬化した樹脂の層は、ケイ素原子に結
合した水酸基を有するエポキシシラン化合物の
残基と、粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微
粒子を主成分にするとともに、アルミニウムキ
レート化合物残基を含む膜からなり、かつ無機
物の層は膜厚2ミクロン以下の蒸着膜からなる
ことを特徴とする硬化被膜を有する光学材料。 (2) 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面を、下
記成分(A)、(B)を主成分とし、かつ下記成分(C)の
硬化剤、および溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成
物で被覆し硬化被膜を形成させ、次いで真空下
において、該硬化被膜の上に無機物の被膜を形
成させることを特徴とする硬化被膜を有する光
学材料の製造方法。 (A) 分子中に少なくとも1個のエポキシ基とケ
イ素原子に結合した水酸基を有するシラン化
合物。 (B) 粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒
子。 (C) 一般式Al・XnY3-oで示されるアルミニウ
ムキレート化合物。 ここにXは、OL(Lは低級アルキル)、Y
は一般式M1COCH2COM2、または
M3COCH2COOM4(M1、M2、M3、M4は低
級アルキル)で示される化合物に由来する配
位子から選ばれる少なくとも1つであり、n
は0、1もしくは2である。 (D) 1重量%以上の水を含有する溶媒。 本発明でいう光学材料とは、光を透過したり、
反射あるいは屈折するものをいい、これらの代表
的なものとしては、レンズ、鏡(半透明のものを
含む)、フイルター、ルツキンググラスなどが挙
げられる。 (A)成分である、分子内にエポキシ基とケイ素原
子に結合した水酸基と有するシラン化合物として
は、好ましくは一般式 ここに R1は、C1〜4のアルキル、アルコキシアルキ
ル、 R2は、C1〜6のアルキル、アリール R3は、水素またはメチル基 mは、2または3 aは、整数1〜6 bは、0、1または2 で表わされる化合物の加水分解物である。かかる
化合物の具体的な例としては、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリ
シドキシエトキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンがあげられる。もう1つの好ましい(A)成分とし
ては、脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラ
ンの加水分解物があり、かかるシランの例として
は、β−(3・4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランがあげられる。 (A)成分には次に述べるようなシラノール含有化
合物、あるいはエポキシ化合物が添加されても良
い。すなわち、シラノール含有化合物として代表
的なものは、一般式 R4 cR5 dSiZ4-(c+d) ここに、R4、R5は置換あるいは非置換アルキ
ル、アルケニル基、 Zは、アルコキシ、アルコキシアルコキシル、
アシロキシ基、 c、dは、0、1もしくは2、 c+dは、0、1もしくは2、 で表わされる化合物の加水分解物であつて、かか
る化合物の具体的な例としては、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、イソプロピルシリケート、n−ブチルシリケ
ート、sec−ブチルシリケート、tert−ブチルシ
リケート、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
エトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシラ
ン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、メチルフエニルジ
メトキシシラン、等が挙げられる。 ケイ素化合物の加水分解物は、純水または塩酸
あるいは硫酸などの酸性水溶液を添加撹拌するこ
とによつて得られる。加水分解に際しては、アル
コール、アルコキシアルコール、酢酸などの有機
カルボン酸などが生成してくるので無溶媒で加水
分解することが可能である。又加水分解によつて
生成する溶媒を加熱、減圧等によつて適当量除去
し、その後に適当な溶媒を添加することによつて
溶媒置換することも可能である。溶媒としては、
アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロ
ゲン化炭化水素あるいは芳香族炭化水素などを目
的に応じて使用することができる。 又、本発明の目的を達成する被覆組成物にはと
くにエポキシ化合物が好ましく添加することがで
きる。これらのエポキシ化合物としては、種々の
ものが可能であるが、塗料、注型用等に広く実用
されているもので、たとえば過酸化法で合成され
るポリオレフイン系エポキシ樹脂、シクロペンタ
ジエンオキシドやシクロヘキセンオキシドあるい
はヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸などとエピクロルヒドリンから
得られるポリグリシジルエステルなどの脂環式も
しくは芳香族エポキシ樹脂、ビスフエノールAや
カテコール、レゾルシノールなどの多価フエノー
ル、あるいは(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビト
ールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリン
から得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ
化植物油、ノボラツク型フエノール樹脂とエピク
ロルヒドリンから得られるエポキシノボラツク、
フエノールフタレインとエピクロルヒドリンから
得られるエポキシ樹脂、さらにグリシジルアクリ
レートないしはメタクリレートとメチルメタクリ
レートなどのアクリル系モノマー、あるいはその
他の共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体
などが挙げられる。 本発明の(B)成分として用いられる粒径1ないし
100ミリミクロンのシリカ微粒子としては、一般
にシリカゾルと呼ばれている高分子量無水ケイ酸
を水またはアルコール系溶媒に分散させたコロイ
ド溶液であり、周知の方法で製造市販されている
ものが特に有効である。本発明の目的には、平均
粒子径5ないし30ミリミクロンのものが好ましく
使用できる。 本発明の(C)成分である一般式Al・XnY3-oで示
されるアルミニウムキレート化合物としては、各
種の化合物があげられるが、樹脂組成物への溶解
性、安全性、硬化触媒としての効果などの観点か
らアルミニウムアセチルアセトネート、アルミニ
ウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトア
セテート、アルミニウム−ジ−iso−ブロボキシ
ド−モノメチルアセトアセテート、アルミニウム
アセチルアセトナートビスエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムビスアセチルアセトナートエチ
ルアセトアセテートなどが有効である。これらは
2種以上を混合して使用することも可能である。 (D)成分として用いられる溶媒中には1重量%以
上、好ましくは2重量%以上の水分が含有してい
ることが必要である。 ここで用いられる溶媒としては、例えばアルコ
ール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲン炭
化水素、炭化水素あるいは芳香族炭化水素などを
目的に応じて使用する。これらは単独のみならず
2種以上併用することも可能である。 水分量が1%以下の場合には、ケイ素化合物の
加水分解物間の反応によつて樹脂塗料の粘度が上
昇し、塗膜の厚みを調節することが困難になる。
さらに、樹脂塗料状態におけるケイ素化合物の加
水分解物間の反応が進行すると塗膜形成時の硬化
が不完全化するため、硬化被膜の表面かたさが上
がらないと云う不都合を生じる。 樹脂塗料中の水分は、ケイ素化合物の不完全加
水分解により、又ケイ素化合物加水分解物間の縮
合により、又は塗料製造時に水を添加する方法に
よつて存在せしめることができる。 さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記
(A)、(B)、(C)および(D)成分の他に合成樹脂基材への
塗布時における流れ性を向上させ、塗膜の平滑性
を向上させる目的で界面活性剤を使用することも
可能である。とくにジメチルシロキサンとアルキ
レンオキシドとのブロツクまたはグラフト共重合
体などが有効である。また染顔料や充てん剤の類
を分散させたり、有機ポリマーを溶解させて塗膜
を着色させたり、塗布性、合成樹脂基材との密着
性を向上させるなど、コーテイング剤としての実
用性を改善させることも可能であり、さらに又、
耐候性を向上させる目的で紫外線吸収剤、または
耐熱性を向上させる目的で酸化防止剤等を添加す
ることも可能である。 本発明の複合硬化被膜を形成させる基材となる
合成樹脂成形体としては、ポリメチルメタクリレ
ート、およびこれらの共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重
合体(CR−39)などの熱硬化性樹脂などの成形
品、シート、フイルム、機械加工品等広い範囲の
合成樹脂成形体に適応することができる。 熱硬化性樹脂塗料の塗布手段としては、刷毛塗
り、浸漬塗り、ロール塗り、スプレー塗り、流し
塗り、スピンコーテイングなど通常の塗料のコー
テイングに行なわれている方法が応用でき、また
塗料を鋳型に塗布したのち、基材となる合成樹脂
原料を注型重合成せる方法、あるいは塗料を塗布
した合成樹脂基材を鋳型と密着させ加熱硬化させ
る方法などをとることも可能である。 場合によつては、基材の合成樹脂と熱硬化性樹
脂被膜との接着性を向上させるため、あらかじめ
基材に各種エツチング、薬品処理、放電処理、カ
ツプリング剤処理などの化学的、物理的、機械的
予備処理を施すことも有効である。 樹脂塗膜の硬化は、主として加熱処理すること
によつて行なわれるが、加熱硬化温度は、従来の
熱硬化性樹脂塗料の場合にくらべてかなり広範囲
の適応性があり、40〜250℃の温度条件で良好な
結果が得られる。 熱硬化性樹脂塗料中の成分(B)の添加量は、成分
(A)1重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは
0.1〜2重量部である。0.01重量部よりも少ない
ときは、表面かたさ向上効果が期待できず、また
5重量部以上では強じん性が失われてクラツクが
生じやすくなるなどの欠陥を生ずる。また(C)成分
の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計1重量部あた
り0.0001〜0.5重量部、とくに好ましくは0.0005〜
0.1重量部であり、これより少なくては硬化が不
十分となり、一方これ以上では塗膜の透明性が阻
害されるなどの欠陥を生じる。 以上のようにして得られる合成樹脂成形体への
第1の硬化被覆層は、合成樹脂基材の表面かたさ
を向上させる効果を有する。また同時に、該被覆
層は従来提案されているアルキルトリアルコキシ
シランを主成分とするようなポリシロキサン系硬
化塗膜、あるいは真空蒸着法による酸化ケイ素被
膜ではとうてい得られないような破断のびが大き
く可とう性にすぐれしかも強じん性が極めて大き
い。したがつて後述する無機物の被覆層と組合せ
ることにより、表面かたさと可とう性のバランス
が極めてすぐれた複合被覆体のアンダーコート層
としてすぐれている。 本発明の目的である表面かたさと可とう性のバ
ランスを有効に向上発揮させるため、熱硬化性樹
脂組成物からなる硬化被膜の厚みは0.5ミクロン
以上、好ましくは1ミクロン以上であることが望
ましい。0.5ミクロンを下まわるような場合に
は、可とう性とのバランスにおいて従来技術品と
の比較上表面かたさを十分に向上させることが困
難である。 本発明の第1の被覆層である熱硬化性樹脂硬化
被膜の上に被覆する第2の被覆層は、本質的に硬
度の高い無機物であつて、金属、金属あるいは半
金属の酸化物、フツ化物、ケイ化物、ホウ化物、
炭化物、窒化物、硫化物等が選ばれる。これらの
無機物被膜の形成は、真空蒸着、スパツタリン
グ、イオンプレーテイング法等の真空下(10-2〜
10-6Torr)で行なわれる物理蒸着法によつて達
成される。無機物層は、無機物の単独、混合、あ
るいは重ね合せ構造の被膜が目的によつて使いわ
けすることができ、透明から不透明にわたる種々
の外観を呈する複合被覆体を得ることができる。 真空下の物理蒸着法によつて無機物被膜を樹脂
硬化被膜上に形成させる場合、一般的な脱ガス処
理のみでなく、樹脂硬化被膜にあらかじめ各種エ
ツチング、化学処理、カツプリング剤処理等の化
学的、物理的、機械的処理を施すことによつて樹
脂硬化被膜との密着性を向上改善させることも可
能である。 本発明の目的である表面かたさと可とう性のバ
ランスを有効に発揮させるため、無機物層の厚み
は、無機物の種類や組合せ等によつて変り得る
が、2ミクロン以下好ましくは1ミクロン以下に
コントロールすることが推奨される。 本発明によつて得られる合成樹脂基材の複合被
覆品は、合成樹脂の有する種々の優れた性能に加
えて表面がかたくきずつきにくいと同時に可とう
性に富み強じん性が高いため、サングラス用レン
ズ、きよう正用めがねレンズ、各種光学フイルタ
ー、ルツキンググラス等の光学用途に好適であ
る。さらに本発明による複合被覆品は単に表面か
たさと可とう性のバランスがすぐれていると云う
機械的特徴を有するのみでなく、無機物層の選択
組合せによつて、ミラー、半透明ミラー、着色、
反射防止、反射増加、各種光学フイルター効果等
の光学的機能を同時に付与できる点に特徴があ
り、実用上用途範囲を拡大できる技術的に重要な
効果を有する。 上述のような光学的各種機能面に限れば、従来
公知のカツプリング剤あるいはアンダーコート剤
を施した合成樹脂基材への無機物蒸着、あるいは
真空蒸着で形成させた酸化ケイ素被膜、またはア
ルキルトリアルコキシシランを主成分とする塗料
による硬化被膜を形成させた合成樹脂加工品に無
機物を蒸着被覆することによつて同様に達成可能
である。しかしながら、これらの従来技術による
方法では表面かたさが低いか、逆に表面かたさを
上げようとするともろくてひびわれし易くなるな
ど、表面かたさと可とう性とのバランスにおいて
本発明品に及ぶものを得ることは困難である。 本発明による複合被覆品はこれまでに述べた特
徴理由によつて光学用途に特に好適であるが、基
本技術的には無機物層の構成を選択することによ
つて電子的、電気磁気的あるいは熱的性能に分類
されるような種々な機能を付与することも十分可
能である。 本発明の趣旨を明瞭にするため、次に実施例を
掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお例中の部数及び%は重量によ
るものである。 実施例1、比較例1 (1) 熱硬化性樹脂塗料 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン113部を氷で10℃に冷却しながら0.05規
定塩酸水溶液16.5部を少しずつ滴下し加水分解
を行なつた。又別にβ−(3・4エポキシシク
ロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン55部
を氷で20℃に冷却しながら0.01規定塩酸水溶液
12.2部を少しずつ滴下し加水分解を行なつた。 次に上記で得た各加水分解物を混合し、これ
にビスフエノールA型エポキシ樹脂“エピコー
ト”827(シエル化学製品)8.1部、フタル酸グ
リシジルエーテル“シヨーダイン”508(昭和
電工製品)21.2部、アセチルアセトン10.5部ベ
ンジルアルコール94.7部、シリコーン系界面活
性剤1.5部を添加混合した。ついで“メタノー
ルシリカゾル”(日産化学製品)642部(固形分
30%、シリカ粒子径約10〜20mμ)、アセチル
アセトンアルミニウム塩24部、硝酸アンモニウ
ム0.1部を加え撹拌溶解して塗料を得た。塗料
の固形分は40%、10℃における粘度は4.3セン
チポアズであつた。また溶媒中の水分含有量を
近赤外法によつて測定した結果5.7%であつ
た。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 耐熱性ポリメチルメタクリレート樹脂“アク
リペツト”VH(三菱レイヨン製品)を射出成
形して得た6ジオプトリー(スペクタクルクラ
ウンガラスの屈折率換算)の表面カーブを有
し、直径75ミリ、中心厚み2.1ミリのサングラ
ス用プラノレンズ成形品に、上記(1)で作成した
熱硬化性樹脂塗料を引上速度10cm/分の条件で
浸漬塗布し(両面)、95℃で2時間硬化を行な
い樹脂硬化被膜を形成させた。被膜の厚みが
3.5ミクロンであつた。引き続いて、RFタイプ
スパツタリング装置を用いてアルゴンガス雰囲
気条件でニツケル/クロム(80/20)合金ター
ゲツトによりミラー状外観を呈する無機質被膜
をレンズの凸面側に形成させた。金属蒸着層は
ごく薄く半透明状であり、厚さは約0.15μmで
あつた。また積分球式透過率計による可視光線
透過率は10%であつた。上記で得られた複合硬
質被膜のレンズ基材に対する接着性はすぐれて
おり、粘着テープによる剥離テストに合格し
た。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記で得られたポリメチルメタクリレート樹
脂を基材とする複合被覆体の表面かたさと曲げ
によるたわみ強さを評価した。結果は第1表に
示す。 また比較例として評価した比較品A、比較品B
の結果も合せて第1表に示す。 なお比較品は下記のようにして作成した。 比較品A (1) 塗料の調整 エチルアルコール(試薬1級)30部にメチル
トリメトキシシラン136部を溶解し、液温を15
〜20℃に保ち撹拌しながら0.01規定塩酸水溶液
27部を徐々に滴下した。滴下終了後約1時間室
温に放置し熟成させたものを20部、これに酢酸
ナトリウム0.08部を加えたもの100部に対して
試薬1級氷酢酸5部を添加して塗料とした。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 上記(1)で得た塗料を用いる他は実施例1と同
様の物品に同様の方法で複合被膜を形成した。 比較品B 実施例1と同様の基材に直接金属のみをスパツ
タリングして(用いる金属、方法は実施例1と同
様)作成したミラーレンズである。 本発明品の表面かたさと可とう性のバランスが
非常にすぐれていることが明らかである。
【表】
【表】
実施例2、比較例2
(1) 熱硬化性樹脂塗料の作成
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン121部をガラスビーカーに入れ氷で10℃
に冷却しながら0.05規定塩酸水溶液18部を少し
ずつ滴下し加水分解を行なつた。滴下終了後ジ
アセトンアルコール74部、ベンジルアルコール
37部、エポキシ樹脂“エピコート”827(シエ
ル化学製品)30部、“エピコート”834(シエル
化学製品)18部、“デナコール”EX−320(長
瀬産業製品)24部を溶解混合し、さらに“メタ
ノールシルカゾル”(日産化学工業製品、固形
分30%、シリカの粒径は実施例1と同様)526
部、メチルアルコール134部、アセチルアセト
ンアルミニウム塩15部、シリコーン系界面活性
剤1.3部を加え撹拌混合し塗料を得た。塗料の
固形分は34%であり、粘度は10℃で4センチポ
アズであつた。また溶媒中の水分含有量を近赤
外法によつて測定した結果4.6%であつた。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 ポリカーボネート樹脂“レキサン”141(GE
社製品)を射出成形して得た6ジオプトリー
(スペクタクルクラウンガラスの屈折率換算)
の表面カーブを有し、直径78ミリ、中心厚み
2.3ミリのセーフテイプラノレンズ成形品に、
上記(1)で作成した樹脂塗料を引上速度10cm/分
の条件で成形品の両面に浸漬塗布し、加熱オー
ブンで120℃、2時間加熱硬化して樹脂硬化被
膜を形成させた。被膜の厚みは2.5ミクロンで
あつた。 引き続いてDCタイプイオンプレーテイング
装置を用い、酸素ガス雰囲気条件で二酸化ケイ
素を蒸着させ無色透明状外観を呈する無機物被
膜を樹脂硬化被膜を形成させたレンズの両面に
形成させた。無機物層の組成は、表面化学分析
をESCA装置を用いて行なつた結果SiO2主成分
であることが確認された。また無機質層の膜厚
は200Åであつた。上記で得られた複合被膜の
レンズ基材に対する接着にすぐれており、粘着
テープによる剥離テストに合格した。また複合
被覆体の可視光線透過率を積分球式透過率計で
測定した結果90%であつた。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記で得られたポリカーボネート樹脂を基材
とする複合被覆体の表面かたさと曲げによるた
わみ強さを評価した。結果は第2表に示す。 また比較例として評価した比較品CおよびDの
結果も合せて第2表に示す。 なお比較品は下記のように作成した。 比較品C (1) 塗料の調整 エチルアルコール(試薬1級)30部にメチル
トリメトキシシラン136部を溶解し、液温を15
〜20℃に保ち撹拌しながら0.01規定塩酸水溶液
27部を徐々に滴下する。滴下終了後約1時間室
温に放置し熟成させたものにさらに次の成分を
加え塗料とした。 a.“エピコート”827(シエル化学製品)
2.9 部 b.ブチルセロソルブ 25 部 c.セロソルブアセテート 25 部 d.酢酸 20 部 e.酢酸ソーダ 0.15部 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 上記(1)で得た塗料を用いる他は実施例2と同
様の物品に同様の方法で複合被膜を形成した。 無機質層の膜厚は実施例2と同じであつた。 塗膜の硬化は、実施例2と同様に120℃、2
時間行なつた。 比較品D 実施例2と同様の基材に直接無機質被膜を作成
した(作成方法、膜厚は実施例2と同様)もので
ある。 本発明品の表面かたさと可とう性のバランスが
非常にすぐれていることが明らかである。
シラン121部をガラスビーカーに入れ氷で10℃
に冷却しながら0.05規定塩酸水溶液18部を少し
ずつ滴下し加水分解を行なつた。滴下終了後ジ
アセトンアルコール74部、ベンジルアルコール
37部、エポキシ樹脂“エピコート”827(シエ
ル化学製品)30部、“エピコート”834(シエル
化学製品)18部、“デナコール”EX−320(長
瀬産業製品)24部を溶解混合し、さらに“メタ
ノールシルカゾル”(日産化学工業製品、固形
分30%、シリカの粒径は実施例1と同様)526
部、メチルアルコール134部、アセチルアセト
ンアルミニウム塩15部、シリコーン系界面活性
剤1.3部を加え撹拌混合し塗料を得た。塗料の
固形分は34%であり、粘度は10℃で4センチポ
アズであつた。また溶媒中の水分含有量を近赤
外法によつて測定した結果4.6%であつた。 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 ポリカーボネート樹脂“レキサン”141(GE
社製品)を射出成形して得た6ジオプトリー
(スペクタクルクラウンガラスの屈折率換算)
の表面カーブを有し、直径78ミリ、中心厚み
2.3ミリのセーフテイプラノレンズ成形品に、
上記(1)で作成した樹脂塗料を引上速度10cm/分
の条件で成形品の両面に浸漬塗布し、加熱オー
ブンで120℃、2時間加熱硬化して樹脂硬化被
膜を形成させた。被膜の厚みは2.5ミクロンで
あつた。 引き続いてDCタイプイオンプレーテイング
装置を用い、酸素ガス雰囲気条件で二酸化ケイ
素を蒸着させ無色透明状外観を呈する無機物被
膜を樹脂硬化被膜を形成させたレンズの両面に
形成させた。無機物層の組成は、表面化学分析
をESCA装置を用いて行なつた結果SiO2主成分
であることが確認された。また無機質層の膜厚
は200Åであつた。上記で得られた複合被膜の
レンズ基材に対する接着にすぐれており、粘着
テープによる剥離テストに合格した。また複合
被覆体の可視光線透過率を積分球式透過率計で
測定した結果90%であつた。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記で得られたポリカーボネート樹脂を基材
とする複合被覆体の表面かたさと曲げによるた
わみ強さを評価した。結果は第2表に示す。 また比較例として評価した比較品CおよびDの
結果も合せて第2表に示す。 なお比較品は下記のように作成した。 比較品C (1) 塗料の調整 エチルアルコール(試薬1級)30部にメチル
トリメトキシシラン136部を溶解し、液温を15
〜20℃に保ち撹拌しながら0.01規定塩酸水溶液
27部を徐々に滴下する。滴下終了後約1時間室
温に放置し熟成させたものにさらに次の成分を
加え塗料とした。 a.“エピコート”827(シエル化学製品)
2.9 部 b.ブチルセロソルブ 25 部 c.セロソルブアセテート 25 部 d.酢酸 20 部 e.酢酸ソーダ 0.15部 (2) 熱硬化性樹脂被膜と無機物被膜の作成 上記(1)で得た塗料を用いる他は実施例2と同
様の物品に同様の方法で複合被膜を形成した。 無機質層の膜厚は実施例2と同じであつた。 塗膜の硬化は、実施例2と同様に120℃、2
時間行なつた。 比較品D 実施例2と同様の基材に直接無機質被膜を作成
した(作成方法、膜厚は実施例2と同様)もので
ある。 本発明品の表面かたさと可とう性のバランスが
非常にすぐれていることが明らかである。
【表】
実施例3、比較例3
(1) 熱硬化性樹脂塗料の作成
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン128.7部をビーカーに入れ、氷で10℃に
冷却しながら0.05規定塩酸水溶液18.7部を少し
ずつ滴下し加水分解を行なつた。滴下終了後こ
の液にクロロプロピルトリメトキシシラン69.3
部を加え氷で10℃に冷却しながら0.01規定塩酸
水溶液18.9部を少しずつ滴下し加水分解を行な
つた。滴下終了後この液に“メタノールシリカ
ゾル”(日産化学製品、固形分30%、シリカ粒
径実施例1と同様)451.6部、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル34.4部、メチルアルコ
ール263.8部、シリコーン系界面活性剤1.5部、
アセチルアセトンアルミニウム塩13.5部、硝酸
アンモニウム0.035部を加え撹拌溶解させて塗
料を得た。塗料の固形分は21%であり、粘度は
10℃で2.4センチポアズであつた。また溶媒中
の水分含有量を近赤外法によつて測定した結果
4.9%であつた。 (2) 熱硬化樹脂被膜と無機物被膜の作成 ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト(CR−39)を重合して得た6ジオプトリー
の表面カーブを有し、直径70ミリ、中心厚み
2.2ミリのプラノレンズ基材を先ずカ性ソーダ
水溶液に浸漬したのち良く水洗乾燥し、上記(1)
で作成した熱硬化性樹脂塗料をレンズ両面に浸
漬塗布し、80℃の加熱オーブン中で10分間予備
硬化させ、次いで95℃で4時間本硬化させて硬
化樹脂被膜を形成させた。硬化膜の厚みは1.5
ミクロンであつた。 引き続いてエレクトロンビーム方式の真空蒸
着装置を使用し、先ず一酸化ケイ素を0.15ミク
ロン、次いで二酸化ケイ素を0.09ミクロン蒸着
し、反射防止効果を有する無機質接着被膜を熱
硬化樹脂被膜を形成させたレンズの両面に形成
させた。このようにして得られたCR−39を基
材とする複合被覆体の可視光線透過率を積分球
式透過率計で測定した結果96%であつた。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記によつて得られたCR−39を基材とする
複合被覆体レンズの表面かたさ、曲げによるた
わみ強さ及び米国FDA規格である鋼球ボール
落下による耐衝撃性を評価した結果は第3表に
示す。 また比較例として比較品EおよびFについて評
価した結果を合せて第3表に示す。 なお比較品EおよびFは下記のように作成し
た。 比較品E CR−39レンズ基材にまず二酸化ケイ素被膜を
真空蒸着によつて1.5ミクロンの厚さに形成させ
る。次いで上記(2)の場合と同様にして反射防止効
果を有する層(一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との
組合せ薄層;実施例3と同様)を設けたもの。 比較品F CR−39基材に直接上記(2)の場合と同様の反射
防止効果を有する層を同様の方法で設けたもの。 本発明による反射防止レンズの表面かたさと可
とう性のバランスが非常にすぐれていることが明
らかである。
シラン128.7部をビーカーに入れ、氷で10℃に
冷却しながら0.05規定塩酸水溶液18.7部を少し
ずつ滴下し加水分解を行なつた。滴下終了後こ
の液にクロロプロピルトリメトキシシラン69.3
部を加え氷で10℃に冷却しながら0.01規定塩酸
水溶液18.9部を少しずつ滴下し加水分解を行な
つた。滴下終了後この液に“メタノールシリカ
ゾル”(日産化学製品、固形分30%、シリカ粒
径実施例1と同様)451.6部、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル34.4部、メチルアルコ
ール263.8部、シリコーン系界面活性剤1.5部、
アセチルアセトンアルミニウム塩13.5部、硝酸
アンモニウム0.035部を加え撹拌溶解させて塗
料を得た。塗料の固形分は21%であり、粘度は
10℃で2.4センチポアズであつた。また溶媒中
の水分含有量を近赤外法によつて測定した結果
4.9%であつた。 (2) 熱硬化樹脂被膜と無機物被膜の作成 ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト(CR−39)を重合して得た6ジオプトリー
の表面カーブを有し、直径70ミリ、中心厚み
2.2ミリのプラノレンズ基材を先ずカ性ソーダ
水溶液に浸漬したのち良く水洗乾燥し、上記(1)
で作成した熱硬化性樹脂塗料をレンズ両面に浸
漬塗布し、80℃の加熱オーブン中で10分間予備
硬化させ、次いで95℃で4時間本硬化させて硬
化樹脂被膜を形成させた。硬化膜の厚みは1.5
ミクロンであつた。 引き続いてエレクトロンビーム方式の真空蒸
着装置を使用し、先ず一酸化ケイ素を0.15ミク
ロン、次いで二酸化ケイ素を0.09ミクロン蒸着
し、反射防止効果を有する無機質接着被膜を熱
硬化樹脂被膜を形成させたレンズの両面に形成
させた。このようにして得られたCR−39を基
材とする複合被覆体の可視光線透過率を積分球
式透過率計で測定した結果96%であつた。 (3) 表面かたさと可とう性の評価 上記によつて得られたCR−39を基材とする
複合被覆体レンズの表面かたさ、曲げによるた
わみ強さ及び米国FDA規格である鋼球ボール
落下による耐衝撃性を評価した結果は第3表に
示す。 また比較例として比較品EおよびFについて評
価した結果を合せて第3表に示す。 なお比較品EおよびFは下記のように作成し
た。 比較品E CR−39レンズ基材にまず二酸化ケイ素被膜を
真空蒸着によつて1.5ミクロンの厚さに形成させ
る。次いで上記(2)の場合と同様にして反射防止効
果を有する層(一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との
組合せ薄層;実施例3と同様)を設けたもの。 比較品F CR−39基材に直接上記(2)の場合と同様の反射
防止効果を有する層を同様の方法で設けたもの。 本発明による反射防止レンズの表面かたさと可
とう性のバランスが非常にすぐれていることが明
らかである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面に、硬
化した樹脂の層とその表層の無機物の層の少なく
とも2層からなる複合膜を有する光学材料におい
て、硬化した樹脂の層は、ケイ素原子に結合した
水酸基を有するエポキシシラン化合物の残基と、
粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子を主成
分にするとともに、アルミニウムキレート化合物
残基を含む膜からなり、かつ無機物の層は膜厚2
ミクロン以下の蒸着膜からなることを特徴とする
硬化被膜を有する光学材料。 2 合成樹脂成形体の少なくとも一つの面を、下
記成分(A)、(B)を主成分とし、かつ下記成分(C)の硬
化剤、および溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物で
被覆し硬化被膜を形成させ、次いで真空下におい
て、該硬化被膜の上に無機物の被膜を形成させる
ことを特徴とする硬化被膜を有する光学材料の製
造方法。 (A) 分子中に少なくとも1個のエポキシ基とケイ
素原子に結合した水酸基を有するシラン化合
物。 (B) 粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子。 (C) 一般式Al・XnY3-oで示されるアルミニウム
キレート化合物。 ここにXは、OL(Lは低級アルキル)、Yは
一般式M1COCH2COM2、または
M3COCH2COOM4(M1、M2、M3、M4は低級
アルキル)で示される化合物に由来する配位子
から選ばれる少なくとも1つであり、nは0、
1もしくは2である。 (D) 1重量%以上の水を含有する溶媒。 3 (B)成分の添加量が、(A)成分1重量部に対して
0.01〜5重量部であり、(C)成分の添加量が、(A)成
分と(B)成分の合計1重量部あたり0.0001〜0.5重
量部であることを特徴とする特許請求の範囲第2
項記載の硬化被膜を有する光学材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15001779A JPS5674202A (en) | 1979-11-21 | 1979-11-21 | Optical element |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15001779A JPS5674202A (en) | 1979-11-21 | 1979-11-21 | Optical element |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5674202A JPS5674202A (en) | 1981-06-19 |
| JPS6131441B2 true JPS6131441B2 (ja) | 1986-07-21 |
Family
ID=15487654
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15001779A Granted JPS5674202A (en) | 1979-11-21 | 1979-11-21 | Optical element |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5674202A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0383552U (ja) * | 1989-12-19 | 1991-08-26 | ||
| WO2021044858A1 (ja) | 2019-09-04 | 2021-03-11 | 川澄化学工業株式会社 | 管状治療具用膜体および管状治療具 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5823001A (ja) * | 1981-08-04 | 1983-02-10 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 耐熱性の向上した反射防止プラスチツク光学部品 |
| JPS5842001A (ja) * | 1981-09-04 | 1983-03-11 | Daicel Chem Ind Ltd | プラスチツク光学部品の反射防止膜 |
| JPS58118602A (ja) * | 1982-01-08 | 1983-07-14 | Asahi Optical Co Ltd | プラスチツク製光学素材 |
| JPS58142301A (ja) * | 1982-02-19 | 1983-08-24 | Asahi Glass Co Ltd | 合成樹脂製光学部材 |
| JPS5949502A (ja) * | 1982-09-16 | 1984-03-22 | Toray Ind Inc | 染色可能な反射防止性レンズおよびその製造方法 |
| US4401718A (en) * | 1982-10-29 | 1983-08-30 | General Electric Company | Process for applying a second silicone resin coating composition over a first silicone resin coating composition |
| GB2140581B (en) * | 1983-05-23 | 1987-03-18 | American Optical Corp | Anti-static and/or anti-reflective abrasion-resistant ophthalmic lenses |
| JPH0642002B2 (ja) * | 1983-07-29 | 1994-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | プラスチックレンズ |
| JPH0642001B2 (ja) * | 1983-10-20 | 1994-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | 合成樹脂製レンズ |
| JPH0623801B2 (ja) * | 1984-02-13 | 1994-03-30 | セイコーエプソン株式会社 | 合成樹脂製レンズ |
| JPS61162001A (ja) * | 1985-01-11 | 1986-07-22 | Toray Ind Inc | 反射防止膜を有する光学レンズ |
| JPS62191802A (ja) * | 1986-02-19 | 1987-08-22 | Toray Ind Inc | 透明成形体およびその製造方法 |
| JPS6356601A (ja) * | 1986-08-27 | 1988-03-11 | Toray Ind Inc | ツバ付きプラスチツクレンズ |
| JPS6381033A (ja) * | 1986-09-25 | 1988-04-11 | Toray Ind Inc | 反射防止物品およびその製造方法 |
| JPS63197635A (ja) * | 1987-02-13 | 1988-08-16 | Toray Ind Inc | 反射防止効果を有するプラスチツク光学物品 |
| JPH01147401A (ja) * | 1987-12-02 | 1989-06-09 | Asahi Optical Co Ltd | 複合光学部品の保護被膜 |
| FR2702486B1 (fr) * | 1993-03-08 | 1995-04-21 | Essilor Int | Compositions de revêtement antiabrasion à base d'hydrolysats de silanes et de composés de l'aluminium, et articles revêtus correspondants résistants à l'abrasion et aux chocs. |
| JP3812104B2 (ja) * | 1997-12-02 | 2006-08-23 | Jsr株式会社 | 膜形成用組成物 |
| WO2005087882A1 (ja) * | 2004-03-15 | 2005-09-22 | Tokuyama Corporation | コーティング剤組成物 |
| WO2005121265A1 (ja) * | 2004-06-11 | 2005-12-22 | Toray Industries, Inc. | シロキサン系塗料、光学物品およびシロキサン系塗料の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4417790A (en) * | 1979-05-10 | 1983-11-29 | American Optical Corporation | Finished ophthalmic lens comprising an optical smooth coating over a rough-surfaced base |
-
1979
- 1979-11-21 JP JP15001779A patent/JPS5674202A/ja active Granted
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0383552U (ja) * | 1989-12-19 | 1991-08-26 | ||
| WO2021044858A1 (ja) | 2019-09-04 | 2021-03-11 | 川澄化学工業株式会社 | 管状治療具用膜体および管状治療具 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5674202A (en) | 1981-06-19 |
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