JPH0623801B2 - 合成樹脂製レンズ - Google Patents

合成樹脂製レンズ

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JPH0623801B2
JPH0623801B2 JP59024594A JP2459484A JPH0623801B2 JP H0623801 B2 JPH0623801 B2 JP H0623801B2 JP 59024594 A JP59024594 A JP 59024594A JP 2459484 A JP2459484 A JP 2459484A JP H0623801 B2 JPH0623801 B2 JP H0623801B2
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film
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings
    • G02B1/105

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、合成樹脂製レンズ表面に耐熱性、耐熱水性、
耐摩耗性、耐薬品性、耐衝撃性及び被染色性などの優れ
た表面硬度のコーテイング被膜を設け、その上に単層ま
たは多層の反射防止膜を設けた合成樹脂製レンズに関す
るものである。
〔従来の技術〕
合成樹脂製レンズ、特にジエチレングリコールビス(ア
リルカーボネート)樹脂レンズは、無機ガラス製レンズ
と比較した場合、安全性(耐衝撃性),易加工性,フア
ッション性(被染色性)に加え、反射防止技術,ハード
+反射防止の技術開発に伴い、近年急速に普及してい
る。眼鏡レンズのプラスチック化は、より高級レンズと
しての付与として、反射防止膜付無機ガラスレンズと同
等な性能を持つ反射防止膜付プラスチックレンズへの要
望がある。
近年、プラスチックレンズは種々の反射防止マルチコー
トレンズが市場に出されている。しかしこの反射防止加
工は、無機物質を真空蒸着法により薄膜形成させる為、
プラスチックと蒸着物質との密着力の向上が難しく、ま
たレンズと無機薄膜との柔軟性や膨張係数が異なる等の
原因で、高温と低温の熱サイクルによる劣化が激しく、
また砂等によるすり傷の発生をきっかけとして、反射防
止コート薄膜の剥離がおこる等の欠点を有し、日常使用
における製品の耐久性が劣り、問題となっている。
従来より、この欠点を改良し、消費者の要求を満たす為
に、無機蒸着物質として、SiO2やAを主原料と
し、無機物の層を0.5〜3.0μmに施し、薄膜の強度を向
上させる方法が、現在のところ最も一般的である。ま
た、一方では、市販のハードコートレンズ或いは、ハー
ドコートとして開発された組成物の硬化膜の上に、反射
防止加工を施したものも一部市販されている。しかし、
これらは何れも、反射防止コート薄膜と、レンズ材料あ
るいはハードコートレンズ材料との密着力が不充分であ
り、耐熱性、耐熱水性、耐摩耗性及び耐久性、品質の信
頼性において、不満足な欠点を露呈している。即ち、発
汗や風呂場のような高湿度条件下で発生するブリスター
現象(表面がふくれること)や、深い傷をきっかけとし
て次々の剥離が進行する等の欠点を有し、有機物と無機
物との密着性、耐久性を向上させるという解決には至っ
てないばかりか、逆に、無機薄膜を厚くしたことによる
耐衝撃性の低下さえ見出されている。
合成樹脂製レンズの反射防止膜の耐摩耗性を向上させる
ためには、レンズの生地及びハードコート層の硬度が必
要となる。しかしながら、レンズの生地(CR−39,ポ
リカーボネートetc)では、限界があるため、ハードコ
ート層に硬度が要求されるが、これもまた、レンズ生地
の影響を受ける。この解決策には、ハードコート層の硬
度を大幅に改善する方法とハードコート層自身がレンズ
生地の影響を受けない膜厚(5μm以上)をとる方法が
ある。前者は、一般に無機成分の比率を増やすと、反射
防止膜との密着性は向上するが、レンズとの密着性には
難点がある。後者は、ある程度の硬度を待たせた場合、
膜厚を厚くすると、コート膜にクラックが入りやすくな
り、時にはレンズ自体にもクラックが入るという傾向が
ある。これは、コート膜の体積収縮変化によるものと考
えられる。
これらの欠点を解決する為の試みもなされているが、応
用に限界があり、完全な商品化は難しい。いままでに、
ハードコート層、反射防止膜及び界面の表面処理の開発
{特開昭52−39691,特開昭52−112698,特
開昭56−84729,特公昭57−2735,特公昭57−
42665}等の多数の報告がなされているが完全なも
のは未だない。
〔目的〕
本発明の目的は、前述の問題点を総合的に解決するため
に成されたものである。
ハードコート層の膜厚を大きくしても、クラツクのはい
らない成分を用いることにより、耐摩耗性、耐熱性、耐
熱水性に特に優れた合成樹脂性レンズを得ることであ
る。
更に、実用上、不可欠である耐薬品性、耐衝撃性並びに
被染色をバランスよく備えることである。
〔概要〕 即ち本発明は、下記のA,B,C,D及びEを主成分と
して含有するコーテイング組成物を被覆硬化したレンズ
表面に、単層または多層の反射防止膜を設けたことを特
徴とする合成樹脂製レンズに関するものである。
A.一般式が下記〔I〕,〔II〕及び〔III〕で示され
る一種以上の単量体。
{式中R,Rは炭化水素基(C〜C12),及び 〔式中R,Rは炭化水素基(C〜C), のいずれかを、またRは、-0-,-S-,-SO2-,-CH2-, のいずれかを表わす。Xはフッ素を除くハロゲン及び炭
化水素基(C〜C),a,bはそれぞれ独立に0〜
4の整数を表わす。〕,式中R,Rは炭化水素基
(C〜C),アリール基のいずれかを示す。) B.粒径が1〜100mμのコロイダルシリカ C.一般式が〔IV〕で示されるケイ素化合物の1種また
は2種以上の加水分解物または部分縮合物。
{式中Rはビニル,アミノ,イミノ,エポキシ,(メ
タ)アクリロキシ,フエニル,アルキルチオールおよび
チオール基から選ばれる少くとも一種を含む有機基,R
は水素,炭化水素基(C〜C),及びハロゲン化
炭化水素基(C〜C),R10は炭化水素基(C
〜C),アルコキシアルキル基(C〜C)及びア
シル基(C〜C),aは0,1または2,bは0.
1または2であって、a+b≦2) D.多官能性エポキシ化合物 E.硬化触媒 以下、本発明を詳細に説明する。
A成分の、一般式〔I〕,〔II〕及び〔III〕で示され
る化合物は、重合時、ほとんど体積収縮をおこさない。
そのため、レンズ表面に塗布した場合、ハードコート層
自体のクラツク、及びハードコート層の収縮の応力によ
るレンズのクラツクを防止することが出来る。A成分の
含有量はB,C,D成分との割合で決まるが、機能を十
分に果すためには、5重量部以上が望ましく、また、無
機反射防止薄膜との密着性を考えた場合、40重量部以下
が望ましい。このA成分を加えることにより、膜厚を厚
くすることが出来るため、耐摩耗性の向上が得られる。
更に、レンズの生地と反射防止薄膜とは、熱変形率(膨
張及び収縮)が大きいため、耐熱性、耐熱水性に問題が
あったが、ハードコート層を厚くすることにより、クツ
シヨンとしての効果が得られるため解決することが出来
た。
A成分について代表的なものを例示すれば、2,2−ビ
ス〔4′−(1″−オキサシクロヘプタン−7″−スピ
ロ−8″,11″−ジオキサシクロペンタン−9″−メ
チルオキシ)フエニル〕プロパン,2,2−ビス〔4′
−(1″−オキサシクロヘキサン−6″−7″,10″−
ジオキサシクロペンタン−8″−メチルオキシ)フエニ
ル〕プロパン,1,2−ビス〔4′−(1″−オキサシ
クロヘプタン−7″−スピロ−8″,11″−ジオキサシ
クロペンタン−9″−メチルオキシ)フエニル〕プロパ
ン,ビス−〔4−(1′,5′−ジオキサシクロヘキサ
ン−6′−スピロ−7′,11′−ジオキサシクロヘキサ
ン−9′−メチルオキシ)フエニル〕メタン,ビス−
1,2〔9′−(1′,5′−ジオキサシクロヘキサン
−6′−スピロ−7′,11′−ジオキサシクロヘキサ
ン)〕エタン,1,4−ジエチル−3,5,8−トリオ
キサビジクロ〔2,22〕−オクタン,1,4−ジメチ
ル−3,5,8−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕−
オタタン,1−メチル−4−イソプロピル−3,5,8
−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕−オクタンなどが
あげられる。
B成分の粒径1〜100mμのコロイダルシリカとは、
分散媒,例えば、水、アルコール系、セロソルブ系分散
媒に高分子量無水ケイ酸を分散させたものを言い、周知
の方法で製造され市販されているものである。本発明の
実施にあたっては5〜40mμのものが特に有用である。
B成分は、無機反射防止薄膜との密着性、被膜の耐摩耗
性、耐久性に重要な成分である。
D成分の一般式〔III〕で示されるケイ素化合物は、レ
ンズとハードコート層、ハードコート層と無機反射防止
膜との密着性に必須な成分である、更に可とう性(耐衝
撃性),耐摩耗性,耐薬品性及び被染色性の向上に効果
がある。具体例としては、ビニルトリメトキシシラン,
ビニルトリエトキシシラン,ビニルアセトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン,γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,γ−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,
γ−メタクリロキシメチルジメチルジメトキシシラン,
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,フエニル
トリアセトキシシラン,β−シアノエチルトリエトキシ
シラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラ
ン,テトラプロポキシシラン,テトラブトキシシラン,
メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラ
ン,メチルトリプロポキシシラン,メチルトリブトキシ
シラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエトキ
シシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエト
キシシラン,フエニルメチルジエトキシシランなどがあ
る。これ等のシリコン化合物は、たとえば、水とアルコ
ール等の混合溶媒中で酸の存在下において周知の方法で
行われる。C成分の化合物を加水分解しないで用いた場
合には、耐摩耗性並びにレンズ表面との密着性が不十分
である。また、ケイ素化合物を二種以上加水分解して用
いる場合には、別個に加水分解して混合するよりは、混
合して同時に加水分解する方が良好な結果を得ることが
多い。また、加水分解により生成した水酸基が一部縮合
した形で存在しているが、本発明の効果には影響はな
い。
D成分の多官能性エポキシ化合物は、被染色性に必須の
成分である。コーティング組成物A,B,C及びDの比
率により、被染色性と耐摩耗性に大きく影響する。特に
D成分の比率が大きい場合、被染色性が増し、耐摩耗性
が劣化する。逆にD成分の比率が小さい場合、被染色性
が減り、耐摩耗性が増す。この比率は、用途に応じて選
ぶ必要がある。D成分の具体例としては、(ポリ)エチ
レングリコール,(ポリ)プロピレングリコール,カテ
コール,レゾシノール,アルキレングリコールなどの三
官能性アルコールのジまたはトリグシジルエーテルなど
があげられる。D成分は被染色性の他に、可とう性(耐
衝撃性)、耐薬品性にも効果を示す。
E成分の硬化触媒は、エポキシ硬化触媒及びヘテロ環モ
ノマーの重合触媒を用いる。具体例としては、酢酸ナト
リウムのようなカルボン酸のアルカリ金属塩、酢酸ナト
リウムのようなカルボン酸のアルカリ金属塩、酢酸エタ
ノールアミンのようなアミンカルボキシレート,酢酸テ
トラメチルアンモニウムのような第四級アンモニウムカ
ルボキシレートおよびトリエチルアミン,グリシン,ピ
リジン,アルカリ水酸化物などの縮合触媒や塩化スズ(I
I),(IV),塩化アルミニウム及び三フツ化ホウ素のよう
なルイス酸或いはブレンステツド酸,アルミニウムキレ
ート化合物,その他の金属キレート化合物,過塩素酸ア
ンモニウムや過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸化物,
無水マレイン酸,無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル
酸,ドデセニル無水コハク酸のような無水ジカルボン酸
などを用いると効果的である。
さらに、金属キレート化合物や過塩素酸化合物のような
化合物は、単に硬化触媒という役割の他に、常温ではシ
ラノール基の縮合を抑えるという機能をもつため、特に
液寿命の短い組成に用いることは有用である。
塗装作業の改良、塗料としての必要な特性を付与する目
的で各種の溶剤、界面活性剤、チキソトロピー剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤や各種ポリマーを添加することが
可能である。溶媒もしくは希釈剤としては、アルコー
ル,ケトン,エステル,セロソルブ,ハロゲン化炭化水
素,カルボン酸,芳香族化合物等の各種の溶剤を用いる
ことができ、これ等の一種又は二種以上の混合溶剤とし
て用いることも可能である。
本発明のコーテイング組成物を合成樹脂レンズに塗布す
る方法としては、浸漬法、スプレー法、スピンコーテイ
ング法、フローコーテイング法と周知の方法による。こ
のようにして塗布された合成樹脂レンズは、加熱乾燥す
ることにより硬化被膜となる。加熱温度、加熱時間等の
諸条件は樹脂の特性との兼合で決定されるが、通常60
〜150℃の温度が適用される。
得られた硬化被膜は1μ〜50μ,好ましくは5μ〜25μ
である。5μ以下の場合には、レンズ生地の影響を受け
やすいため、満足する耐摩耗性を得ることは出来ず、30
μ以上にした場合、コーテング被膜にクラツクが発生す
るといった問題点はないが、外観上、液ダレを発生しや
すくなる。しかし、多層コーテイングを行う場合は、こ
の問題なく、膜厚を厚くすることも可能である。合成樹
脂レンズとコーテイング被膜との界面の密着性を改良す
る目的で、各種のプライマーあるいは活性化ガス処理、
酸,アルカリ処理等による化学処理で、レンズ表面にあ
らかじめ前処理することは、本発明において有用であ
る。
このようにして得られるコーテイング被膜の上に本発明
では反射防止膜を設けている。
前述のコーテイング被膜の特徴をそのまま生かし、更に
レンズ表面の反射を減少させるためにコーテイング被膜
の上に、金属酸化物、金属窒化物,金属酸窒化物,金属
炭化物,金属フツ化物等の透明な無機の誘電体層からな
る単層または多層の反射防止を設けた。前述のコーテイ
ング被膜は、A,C及びD成分が少ない場合、無機成分
が多きくなり、その上の反射防止膜は、従来のような無
機物のハードコート層を設けなくても良いという利点が
ある。従来の無機物のハードコート層は耐摩耗性を向上
させるためには、膜厚を厚くしなければならず、厚くし
た場合、耐熱性、耐温水性、耐衝撃性等に問題があっ
た。本発明のコーテイング被膜は有機物と無機物との混
合物であるため、有機物はレンズ基材との密着性を、無
機物は反射防止膜との向上の役割を果している。そのた
め、反射防止膜は薄くてすみ、耐熱性,耐温水性,耐衝
撃性等が悪くなるという欠点が改善されている。さら
に、コーテイング被膜と反射防止膜との密着性が向上す
るということは、耐擦傷性や玉摺り加工時などにおこる
クラツク等の問題を同時に解決している。本発明におい
ては、コーテイング被膜の成分に合わせて、コーテイン
グ被膜上の反射防止膜物質を選択することにより、密着
性の良好な反射防止膜を得ることができる。
反射防止膜は、真空蒸着法、スパツタリング法,イオン
プレーテイング法等により、SiO,SiO2,Si3N4,TiO2,Zr
O2,Al2O3,MgF2,Cr,Yb2O3,Ta2O5等を単層あるいは多層の
薄膜を積層することにより得ることが出来る。さらに、
反射防止膜を設ける前処理として、コーテイング被膜の
接触角を下げることが望ましく、O2,Arなどのプラズマ
処理や各種の洗浄をすることが効果的である。
このようにして得られるコーテイング組成物はポリカー
ボネート樹脂,アクリル樹脂,CR−39樹脂,ポリスチ
レン樹脂等の透明な樹脂よりなるレンズ表面に塗布さ
れ、表面硬度,耐摩耗性,耐久性,耐熱水性,耐熱性,
被染色性,耐薬品性,耐衝撃性などの優れた表面特性が
得られ、さらに、前述の性能をそこなうことなく反射防
止膜を設けた合成樹脂製レンズが得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はこれ等に限定されるものではない。なお実施例中
の部は重量部を示す。また、コート膜の評価方法は以下
に示す方法を用いた。
1.耐摩耗性:♯0000スチールウールで1kgの荷重
をかけ、10往復,表面を摩擦し、傷のついた程度を目視
で次の段階に分けて評価した。
A:1cm×3cmの範囲に全く傷がつかない。
B:上記範囲内に1〜10本の傷がつく。
C:上記範囲内に10〜100本の傷がつく。
D:無数の傷がついているが、平滑な表面が残ってい
る。
E:表面についた傷のため平滑な表面は残っていない。
2.耐水、耐薬品性:水,アルコール,灯油中に48時間
浸漬し、表面状態を調べた。
3.耐酸,耐洗剤性:0.1N塩酸および1%ママレモン
(ライオン油脂(株)製)水溶液に12時間浸漬し、表面
状態を調べた。
4.密着性:硬化層とレンズ或いは、反射防止膜と硬化
層との密着性は、JISD−0202に準じてクロスカ
ツトテープ試験法によって行った。即ち、ナイフを用
い、レンズ表面に1mm間隔に切り目を入れ、1mm2のマ
ス目を100個形成させる。次に、その上へセロフアン
粘着テープ(日東化学(株)製“セロテープ”)を強く
おしつけた後、表面から90°方向へ引っぱり剥離したの
ち、コート膜の残っているマス目をもって密着性の指標
とした。
5.耐熱性:90℃の熱風乾燥炉中に3時間保存後のコー
ト膜の状態を肉視により調べた。
6.耐熱水性:80℃の熱水に3時間浸漬後のコート膜の
状態を肉視により調べた。
7.耐衝撃性:FDA規格に基づき、鋼球落下試験を行
った。すなわち、約16.4gの鋼球を127cmの高さから、
レンズ中心部へ自然落下させ、レンズの割れをチエツク
した。この試験を三回繰り返し、外観に異常のないもの
を良とした。なお、本試験のレンズは中心度は、2mmの
ものを用いた。
8.分散染料による被染色性:テトラシルブラツクB
(チバガイギー社製)2gを85℃の温水1に分散さ
せ、この液に5分間浸漬し、可視域の平均減光率を記し
た。
9.耐候性:キセノンロングライフフエードメーター
(スガ試験機(株)製)を用い、500時間暴露した後
の表面状態を調べた。
10.耐久性:試験方法9の終了後のレンズを、試験方法
1〜7の試験を行ない、その結果を耐久性試験の結果と
した。
実施例1 (1)塗料の調製及び塗装 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン150
部,エタノール分散コロイダルシリカ(触媒化成工業
(株)製“OSCAL1232”固形分濃度30%)400
部,2−メトキシエタノール800部からなる溶液に、
0.05N酢酸35部を一度に滴下し、室温で時間攪拌を行な
った。さらに、2,2−ビス〔4′−(1″−オキサシ
クロベンタン−7″−スピロ−8″,11″−ジオキサシ
クロペンタン−9″−メチルオキシ)フエニル〕プロパ
ン68部,フローコントロール剤(日本ユニカー(株)
“L7001”)0.3部を加えさらに1時間かく拌し
た。硬化触媒として、過塩素酸マグネシウム2重量部,
無水マレイン酸10重量部を加え2時間攪拌し塗液とし
た。この塗液をCR−39製レンズに浸漬法で引き上げ速
度30cm/min(液温5℃)で塗布し、70℃の熱風乾燥器で
1時間、更に110℃で2時間加熱乾燥を行なった、被膜
の厚さは8μmであった。
(2)反射防止膜の形成 実施例1−(1)で得られたコーテイング被膜上に反射防
止膜として、SiO2を光学的膜圧nd=λ/4,Cγをnd=
0.01λ,順次真空蒸着し、その上にMgF2をnd=λ/4,
アルゴンプラズマ中でイオンプレーテイングを行なっ
た。膜構成を図1に示した。
得られたレンズの試験結果を表1に示した。
実施例2 (1)塗料の調製及び塗装 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン70部,
イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ(触媒化
成工業(株)“OSCAL1432”固形分濃度30%)20
0部,ノルマルブタノール500部の溶液を攪拌し、室
温で0.05規定16部を1時間で滴下した。さらに1時間
攪拌後、グリセリンジグリシジルエーテル(長瀬産業
(株)製“デナコールEX313”)60部及びビス−
〔4−(1′,5′−ジオキサシクロヘキサン−6′−
スピロ−7′、11′−ジオキサシクロヘキサン−9′−
メチルオキシ)フエニル〕メタン130部を30分間攪拌
した。この溶液に、フローコントロール剤(日本ユニカ
ー(株)製“L7604”)0.5部,硬化触媒として塩
化第二スズ3部、ヘキサヒドロ無水フタル酸10部を加え
30分間室温で攪拌し、塗液とした。この塗液をポリカー
ボネート製サングラスに浸漬法で引き上げ速度40cm/min
(液温5℃)で塗布し、90℃の熱風乾燥器で3時間加熱
硬化した。得られた被膜の厚みは、18μmであった。
(2)反射防止膜の形成 実施例2−1で得られたコーテイング被膜上に反射防止
膜として、Yb2O3を光学的膜厚nd=λ/4,Ta2O5をnd=
λ/2,SiO2をnd=λ/4順次真空蒸着でコートし反射
防止膜を形成した。膜構成を図2に示した。得られたレ
ンズの試験結果を表1に示した。
実施例3 (1)塗料の調製及び塗装 γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン80
部,イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ24
0部,ジオキサン250部からなる溶液に、0.05規定塩
酸12部を一度に加え、3時間10℃で攪拌した。この溶
液にグリセリントリグリシジルエーテル(長瀬産業
(株)製“EX314”)70部,1,4−ジエチル−
3,5,8−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕−オク
タン40部,フローコントロール剤(日本ユニカー(株)
製“L7602”)0.5部,硬化触媒として過塩素酸ア
ンモニウム0.5部,無水フタル酸5部を加え、室温で1
時間攪拌し塗液とした。この塗液をCR−39製レンズに
浸漬法で引き速度40cm/min(液温5℃)で塗布し、60℃
の熱風乾燥器で1時間、80℃で1時間、120℃で1時
間加熱乾燥を行なった。被膜の厚さは25μmであった。
(2)反射防止膜の形成 実施例3−(1)で得られたコーテイング被膜上に反射防
止膜として、Al2O3を光学的膜厚nd=λ/4,アルゴン
プラズマ中でイオンプレーテイングを行なった後、ZγO
2をnd=λ/2,Cγをnd=0.01λを真空蒸着し、その
上にMgF2をnd=0.01λ,アルゴンプラズマ中でイオンプ
レーテイングを行なった。膜構成を第3図に示した。得
られた試験結果を表1に示した。
比較例1〜3 実施例1〜3のハードコート成分より、それぞれA成分
を除いたものをそれぞれ比較例1〜3とし、膜厚のコン
トロールは溶剤量、ハードコートの液温およびレンズの
引き上げ速度を調製し、実施例と同様な膜厚になるよう
にした。
比較例1〜3はすべて膜にクラツクを生じた。
〔効果〕
以上述べたように、本発明は、体積変化の少ない化合物
をハードコート層に使用することにより,膜厚を厚くす
ることができる。このことにより耐摩耗性,耐熱性,耐
熱水性,耐衝撃性に優れ、なおかつ、密着性、耐薬品
性、耐候性、耐久性及び被染色性においても優れた合成
樹脂製レンズを与えることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の膜構成であり、10はCR-39製レン
ズ,11はコーテイング被膜、12はSiO2,13はCγ,14はM
gF2を示す。 第2図は、実施例2の膜構成であり、20はポリカーボネ
ート製サングラスであり、21はコーテイング被膜、22は
Yb2O3,23はTa2O5,24はSiO2を示す。 第3図は、実施例3の膜構成であり、30はCR−39製レ
ンズ,31はコーテイング被膜、32はAl2O3、33はZγ
,34はCγ,35はMgF2を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−177052(JP,A) 特開 昭58−23001(JP,A) 特開 昭56−74202(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA,B,C,D及びEを主成分とし
    て含有するコーティング組成物を被覆硬化したレンズ表
    面に、単層または多層の反射防止膜を設けたことを特徴
    とする合成樹脂製レンズ。 A.一般式が下記〔I〕,〔II〕及び〔III〕で示され
    る一種以上の単量体。 {式中R,Rは炭化水素基(C〜C12),及び 〔式中R,Rは炭化水素基(C〜C), のいずれかを、またRは、-0-,-S-,-SO2-,-CH2-, のいずれかを表わす。Xはフッ素を除くハロゲン及び炭
    化水素基(C〜C),a,bはそれぞれ独立に0〜
    4の整数を表わす。〕,式中R,Rは炭化水素基
    (C〜C),アリール基のいずれかを示す。) B.粒径が1〜100mμのコロイダルリシカ C.一般式が〔IV〕で示されるケイ素化合物の1種また
    は2種以上の加水分解物または部分縮合物。 {式中Rはビニル,アミノ,イミノ,エポキシ,(メ
    タ)アクリロキシ,フエニル,アルキルチオールおよび
    チオール基から選ばれる少なくとも一種を含む有機基、
    は水素、炭化水素基(C〜C)及びハロゲン化
    炭化水素基(C〜C),R10は炭化水素基(C
    〜C),アルコキシアルキル基(C〜C)及びア
    シル基(C〜C),aは0,1または2、bは0,
    1または2であって、a+b≦2) D.多官能性エポキシ化合物 E.硬化触媒
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