JPS6131052B2 - - Google Patents

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JPS6131052B2
JPS6131052B2 JP56005572A JP557281A JPS6131052B2 JP S6131052 B2 JPS6131052 B2 JP S6131052B2 JP 56005572 A JP56005572 A JP 56005572A JP 557281 A JP557281 A JP 557281A JP S6131052 B2 JPS6131052 B2 JP S6131052B2
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JP
Japan
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porous body
activated carbon
synthetic resin
resin
continuous pores
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JP56005572A
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English (en)
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JPS57118009A (en
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Chiaki Marumo
Shizukuni Yada
Takashi Ito
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP56005572A priority Critical patent/JPS57118009A/ja
Publication of JPS57118009A publication Critical patent/JPS57118009A/ja
Publication of JPS6131052B2 publication Critical patent/JPS6131052B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、連続気孔を有する網状構造活性炭の
製造法に関する。 従来活性炭は粒状或は粉末の形態で種々の物質
の吸着剤、触媒の担体等に利用されてきた。しか
し、粒状活性炭は、過性、再生効率或は取扱い
易さの点では、粉末活性炭に勝るものの、粒状活
性炭に比し吸着能が劣るという致命的欠陥があ
り、更に、その一部に気体または液体の通り易い
間隙が発生し、流通斑を生ずるため、活性炭が全
体に亘つて均一に有効利用されない等の幣害があ
る。一方粒状活性炭は、過性に欠け、しかも再
生効率が悪く、その上取扱いが困難であり、圧力
損失が大きいという欠陥がある。更にこれらの粒
状あるいは粒状活性炭をフイルターとして使用す
るに際しては、使用中の振動・揺動等によつて活
性炭の充填密度が下方は大きく、上方は小さくな
る等疎密斑を生じ、金網等で活性炭の落ち込みを
防止するなど種々の対策が必要となる。 これらの問題点を改良する手段として、不溶性
の繊維或は不溶化処理を施した繊維または繊維構
造物を炭化、賦活して得た繊維状活性炭が提案さ
れている。これらは織布、不織布等の形態をとり
得るため、取扱いにやや優れている面もあるが、
強度が低いこと、また圧力損失が著るしく大きい
等の欠点がある。 また、これらの欠点を改良する他の方法とし
て、有機高分子発泡体を炭化、賦活して得られる
活性炭が提案されているが、それらの多くは、発
泡体が連続気孔でない、気孔径分布が均一でな
い、気孔率が低い、形態賦与が困難である、炭化
賦活時の変形、減量が大きい等の欠点を有し、有
機高分子に均一にして微細なる連続気孔を賦与
し、続いて良好なる形態保持性及び炭化収率を保
持しながら炭化賦活する多孔質活性炭の効率の良
に製造法は未だ確立されていないのが現状であ
る。 本発明者らは既存の活性炭の上記欠点に鑑み、
鋭意研究を続けた結果、新規な連続気孔を有する
網状構造活性炭を見出し、本発明を完成したもの
である。 本発明の目的は、孔径分布の均一なる連続気孔
を有し、フイルター機能と活性炭機能とを兼ね備
えており、かつ過性、吸着性に優れ圧力損失が
低く、振動・揺動等により疎密化が起らず、更に
再生が容易な網状構造活性炭の製造法を提供する
にある。 上記の目的は、ポリビニルアセタール系合成樹
脂と熱分解によりガラス状炭素に転化しうる樹脂
もしくはそれらを主成分とする樹脂よりなる連続
気孔を有する合成樹脂複合多孔体を炭化並びに
400〜1200℃の温度範囲で賦活し、連続気孔率50
〜94%、比表面積500m2/g以上の網状構造活性
炭を取得することを特徴とする連続気孔を有する
網状構造活性炭の製造法により達成される。 本発明の連続気孔を有する合成樹脂複合多孔体
の製造法は、3つに大別出来る。第1の方法は、
まず連続気孔を有するポリビニルアセタール系合
成樹脂多孔体を作成し、該多孔体に熱分解により
ガラス状炭素に転化しうる樹脂を含浸した後硬化
する方法である。第2の方法は、ガラス状炭素に
転化しうる樹脂の一つであるフエノール樹脂をポ
リビニルアルコール及び気孔形成材とともに混合
し、架橋剤の存在下で反応硬化する方法である。 第1の方法に用いる連続気孔を有するポリビニ
ルアセタール系合成樹脂多孔体の製造には、公知
の製法を用いることが出来る。即ち、ポリビニル
アルコールと架橋剤のアルデヒド類の他に、澱
粉、水溶性塩類等を混合して架橋成型し、固化後
水溶性物質を水で溶出して連続気孔を賦与するこ
とにより製造出来る。 このポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体の
製造に用いるポリビニルアルコールは、重合度
100〜5000、けん化度70%以上のものでありカル
ボキシル基等で一部変性されたものも好適に用い
られる。 架橋剤のアルデヒド類としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、2−エチルヘキシルアルデヒド、グリオキサ
ール、アクロレイン、ベンズアルデヒド等が挙げ
られる。 連続気孔を賦与するための粉粒体としては、澱
粉その他の有機性の微粉末或は水溶性の金属塩等
が用いられ、目的の細孔径を与える様、適宜粉粒
体を選べばよい。これらは水溶液又は水分散液と
してポリビニルアルコールの加熱水溶液に加えら
れる。次にこの混合液に架橋剤としてアルデヒド
類及び硫酸等の触媒を加えて撹拌混合した後、目
的とする形状を与えるような反応容器に注ぎ込み
加熱して反応せしめる。反応終了後、成型物を水
で洗浄し、気孔形成材と未反応のアルデヒド類及
び酸を水で洗い流すことにより、ポリビニルアセ
タール系合成樹脂多孔体成型物が得られる。該成
型物の形状は、目的、用途、要求される性能に応
じて、板状、円柱状、円筒状等自由に選択するこ
とが可能である。このように第1の製法に用いる
ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体は公知の
方法により容易に得られるものであるが、特定の
網状構造を有するポリビニルホルマール系合成樹
脂多孔体又は、ポリビニルベンザール系合成樹脂
多孔体が好適である。 上述の如くして製造されたポリビニルアセター
ル系合成樹脂多孔体に含浸するガラス状炭素に転
化しうる樹脂としては、レゾール樹脂、ノボツク
樹脂等のフエノール樹脂、フラン樹脂等が挙げら
れ、これらは単独で用いても混合してもよいが、
樹脂の硬化処理操作等の面を考慮すると、レゾー
ル樹脂が最適であり、次いでノボラツク樹脂が好
適である。 レゾール樹脂は、フエノール類をアルデヒド類
と塩基性触媒の存在下で反応させることにより製
造されるところの初期生成物であり、通常、メチ
ロール基に富む分子量が約600までの自己熱架橋
性のレゾールである。特にレゾール樹脂の製造に
あたり、フエノール1モルに対し、1.5〜3.5モル
のアルデヒド類をやや過剰のアルカリ触媒の存在
下で反応させると水溶性レゾールが得られる。 レゾール樹脂の製造に用いられるフエノール類
としては、最も一般的には、フエノール及びクレ
ゾールが挙げられる。しかし、他のフエノール類
も使用することが出来、例えば該フエノール類と
しては、フエノール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノー
ル、2,5−キシレノール、2,4−キシレノー
ル、2,6−キシレノール、3,4−キシレノー
ル、3,5−キシレノール、o−エチルフエノー
ル、m−エチルフエノール、p−エチルフエノー
ル、p−フエニルフエノール、p−tert−ブチル
フエノール、p−tert−アミノフエノール、ビス
フエノールA、レゾルシノール及びこれらのフエ
ノール類の混合物等が挙げられる。 このフエノール類と重縮合するために用いるア
ルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが最も一
般的である。しかし、パラホルムアルデヒド、ヘ
キサメチレンテトラミン、フルフラール、グルタ
ルアルデヒド、アジポアルデヒド及びグリオキザ
ール等のモノアルデヒド及びジアルデヒドも使用
し得る。 レゾール樹脂合成反応に用いる塩基性触媒とし
ては、カセイアルカリ、炭酸アルカリ、水酸化バ
リウム、水酸化カルシウム、アンモニア、第4級
アンモニウム化合物、アミン類等の公知のものを
使用すればよく、カセイソーダあるいはアンモニ
アが最も一般的に用いられる。 ノボラツク樹脂は、前記レゾール樹脂の製造に
際して用いたと同様のフエノール類と、前記レゾ
ール樹脂の製造に際して用いたと同様のアルデヒ
ド類とを、しゆう酸、ぎ酸、酢酸、ハロゲン化
酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、塩
酸、硫酸、過塩素酸、りん酸等の無機酸類等の酸
性触媒の存在下に加熱しながら反応させることに
より製造することのできる分子量300〜2000程度
の未硬化で溶融可能な熱可塑性樹脂である。 フラン樹脂としてはフルフリルアルコール樹
脂、フルフリルアルコールフエノール樹脂、フル
フラール樹脂、フルフラールフエノール樹脂、フ
ルフラールケトン樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂の硬化剤としては、例えば塩酸アニリン、パ
ラトルエンスルホン酸等の有機酸を用いることが
できる。 前述のポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体
にガラス状炭素に転化しうる樹脂を施与し、合成
樹脂複合多孔体を製造するには種々の方法が適用
可能であるが、最も一般的には、所定の形状、寸
法、気孔径、気孔率の連続気孔を有するポリビニ
ルアセタール系合成樹脂多孔体を、フエノール樹
脂、フラン樹脂等を溶媒に溶かして作成した溶液
中に浸漬すればよい。 レゾール樹脂またはノボラツク樹脂等のフエノ
ール樹脂は、例えばメタノール、アセトン等の溶
媒に適当量溶解することにより所定の濃度のフエ
ノール樹脂溶液として調整出来る。またレゾール
樹脂としては、水溶性レゾール樹脂を用いること
もでさる。 レゾール樹脂の場合には、上記溶液に更に必要
ならば硬化用の酸触媒としてパラトルエンスルホ
ン酸、フタール酸などの有機酸をあらかじめ少量
添加してもよい。 ノボラツク樹脂の場合には、架橋剤と共にメタ
ノール、アセトン等の溶媒に適当量溶解した所定
濃度の溶液を用いればよい。 架橋剤としては、最も一般的にはヘキサメチレ
ンテトラミンを用いることができるがその他にも
パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ア
ジポアルデヒド及びグリオキザールのようなアル
デヒド類と酸またはアルカリを併用してもよい。 また、あらかじめノボラツク樹脂を多孔体に含
浸した後、ヘキサメチレンテトラミンあるいは酸
またはアルカリとアルデヒド類とを含む水溶液中
で加熱して硬化してもよい。 フラン樹脂の場合には、該フラン樹脂をアセト
ン、ベンゼン等の溶媒に溶かし、更に塩酸アニリ
ン、パラトルエンスルホン酸等の硬化剤を樹脂固
形分の0.2〜1%程度混入した溶液を用いればよ
い。 かかる方法により得られたフエノール樹脂ある
いはフラン樹脂等の熱分解によりガラス状炭素に
転化しうる樹脂を含浸させたポリビニルアセター
ル系合成樹脂多孔体は室温または加熱下で乾燥
し、更に120〜180℃の高温に加熱して含浸樹脂を
硬化させる。この乾燥硬化工程によつて、ポリビ
ニルアセタール系合成樹脂多孔体の内部に浸透し
た含浸樹脂は、該合成樹脂多孔体と一体化し、 後述の炭化及び賦活によつてポリビニルアセタ
ール系合成樹脂多孔体の網状構造をそのまま残し
た網状構造活性炭となるのである。 ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体とガラ
ス状炭素に転化しうる樹脂よりなる合成樹脂複合
多孔体の第2の製造法としては、ポリビニルアル
コールとフエノール樹脂を気孔形成材とともに混
合し、架橋剤の存在下で反応させる方法が挙げら
れる。この方法に用いるポリビニルアルコール、
架橋剤、気孔形成材等は、前述のポリビニルアセ
タール系合成樹脂多孔体の製造に用いるものと同
じでよい。また、フエノール樹脂としては、ポリ
ビニルアルコール、架橋剤、気孔形成材との混合
性が良好な水溶性レゾールが好適である。この方
法によりポリビニルアセタール/フエノール系合
成樹脂複合多孔体を製造するには、まず所定量の
ポリビニルアルコールとフエノール樹脂の混合水
溶液を加熱し、これに水溶液または水分散液とし
た小麦澱粉等の気孔形成材を加えて撹拌し、40℃
程度まで冷却後、更に架橋剤としてのアルデヒド
類及び触媒としての硫酸等を加えて均一に混合
し、型枠に移して反応せしめる。触媒としては、
硫酸以外にも、塩酸、リン酸等の無機酸類、しゆ
う酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、
マレイン酸、マロン酸、ビニル酢酸、パラトルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸類
を使用することができる。反応終了後、型枠より
取出した成型物を水で洗浄し、気孔形成材と未反
応のアルデヒド類及び酸を洗い流せばよい。第3
の製造法は該複合多孔体に第1の製造法と同様に
して、更に熱分解によりガラス状炭素に転化しう
る樹脂を施与する方法である。 上述の如く本発明に用い合成樹脂複合多孔体は
3つの方法により製造出来るが、第1の方法に用
いるポリビニルアセタール系合成樹脂または第2
の方法で製造されるポリビニルアセタール/フエ
ノール合成樹脂複合多孔体の連続気孔率は、通常
50〜94%、好ましくは70〜94%、最も好ましくは
80〜94%であり、その平均気孔径は通常1〜2000
μ、好ましくは1〜500μ、最も好ましくは1〜
200μである。また、上述の3つの方法により製
造された合成樹脂複合多孔体中のガラス状炭素に
転化しうる樹脂の含有量は、焼成時の炭化収率及
び賦活時の減量を考慮して、通常25〜90重量%、
好ましくは40〜85重量%、最も好ましくは55〜80
重量%である。該合成樹脂複合多孔体中のガラス
状炭素に転化しうる樹脂量が極端に少ない場合に
は、炭化及び賦活過程での重量減少、寸法の減少
が大きくなる傾向にあり、用途によつては問題を
生じる。ガラス状炭素に転化しうる樹脂の含有量
が90重量%を越えて過剰になり過ぎると多孔体の
気孔率が小さくなり、連続気孔を有する活性炭と
しての特徴が失なわれる傾向にあり、該多孔体中
のガラス状炭素に転化しうる樹脂の含有量が55〜
80重量%の場合には、炭化賦活時の寸法変化が少
なく、収率が高く、連続気孔率が大にして高比表
面積で圧力損失の低い網状構造活性炭を得ること
ができる。 また、合成樹脂複合多孔体の形態保持性を向上
させるために、ポリビニルアセタール系合成樹脂
多孔体、あるいはポリビニルアセタール/フエノ
ール系合成樹脂複合多孔体の製造時に、無機物又
は炭化し得る有機物を混合させることができる。
即ち、炭素、黒鉛、金属、金属酸化物、金属炭化
物、金属窒化物の粉末又は短繊維、あるいは、フ
エノール樹脂、フラン樹脂、セルロース等の粉末
または短繊維等を混入してもよい。これらの混合
物を適量入れると、連続気孔を有する多孔体とし
て特性を損うことなく、樹脂含浸、乾燥硬化、及
び炭化時の変形を抑制して形態保持性を向上させ
ることができる。 更に上記の合成樹脂複合多孔体には、他の合成
樹脂、例えば、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、ビニル重合物とジビニル化合物との混合物、
ユリア系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ピツ
チ、タール等を施与してもよい。これらの樹脂
は、例えば樹脂液あるいはこれらの樹脂と熱分解
によりガラス状炭素に転化しうる樹脂との混合液
をポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体、ある
いはポリビニルアセタールと熱分解によりガラス
状炭素に転化しうる樹脂よりなる合成樹脂複合多
孔体に含浸することにより容易に施与し得る。 このようにして製造された合成樹脂複合多孔体
は、次いで炭化及び賦活処理を行なう。賦活処理
は、ガス賦活法、薬品賦活法のいずれでもよい。
ガス賦活法に於ては、炭化と賦活を2工程に分け
て行なうことも出来るし、炭化と賦活を1工程と
して同時に行なうことも出来る。ガス賦活法に於
て炭化と賦活を別々に行なう場合には、まず非酸
化性雰囲気下、すなわち減圧、又はアルゴンガ
ス、ヘリウムガス等の不活性ガス、水素ガス、窒
素ガス等の中で、合成樹脂複合多孔体を通常600
℃以上で炭化焼成する。次いで水蒸気、炭酸ガ
ス、空気あるいはそれらの混合ガス雰囲気中で所
定の温度で賦活処理する。賦活処理の温度、時間
は合成樹脂複合多孔体の気孔率、気孔径、形状、
所望する比表面積、雰囲気などにより適宜決定さ
れる。例えば水蒸気、炭酸ガス雰囲気の場合に
は、通常500〜1200℃、好ましくは700〜1000℃で
数分〜数時間賦活処理する。ガス賦活法で炭化と
賦活を同時に行なう場合には、通常、水蒸気ある
いは炭酸ガス雰囲気下で、合成樹脂複合多孔体を
昇温し、500℃〜1200℃の所定の温度で所定時間
処理すればよい。 薬品賦活法の場合には、塩化亜鉛、リン酸、硫
化カリウムなどを含有させた連続気孔を有する合
成樹脂複合多孔体を非酸化性雰囲気下で400〜
1000℃で焼成することにより、炭化と賦活を同時
に行なうことができる。合成樹脂複合多孔体に薬
品を賦与するには、例えば薬品の水溶液を合成樹
脂複合多孔体に含浸後乾燥してもよいし、連続気
孔を有するポリビニルアセタール系合成樹脂多孔
体に薬品の水溶液を含浸乾燥後、ガラス状炭素に
転化しうる樹脂を施与してもよい。更にまた、ポ
リビニルアセタール系合成樹脂多孔体、あるい
は、ポリビニルアセタール/フエノール系合成樹
脂多孔体の製造時に、最初から塩化亜鉛、リン
酸、硫化カリウムなどの薬品賦活剤を加えてもよ
い。 この様にして得られた本発明の活性炭は、均一
に分布する連続細孔を有し、気孔率、比表面積が
大さい網状構造活性炭である。該網状構造活性炭
は、活性炭機能とフイルター機能とを兼ね備えて
おり、各種吸着剤として有効である上に、液体中
の微粒子や空気中の塵埃も除去し得るため、従来
の活性炭層とその他のフイルターを併用する方法
に比較し、著るしく簡便である。更にまた、粒状
や繊維状の活性炭の使用、移動に際して生ずる粉
化の問題が解消し、かつ、連続細孔を有する為に
圧力損失を著るしく低くできるという利点があ
る。また、該活性炭は、用途によつては、更に親
水性アクリル系ポリマー、コロジオン、ゼラチン
などでその表面を被覆してから使用してもよい。 本発明の連続気孔を有する網状構造活性炭は、
上記の利点をいかし、各種有害ガス及び各種化合
物に対する吸着、汚染空気の浄化、汚水処理等に
対して極めて有効に用いることができる。また、
食品、医薬品製造工程での脱色、脱臭、コロイド
除去、工業用超純水の製造等に於ても、圧力損失
の低い活性炭フイルターとしてその有用性は大き
い。更に、該活性炭は、網状骨格を形成していて
炭素粉の脱落がないので、人工臓器用活性炭とし
も最適である。 上記の他にも、該網状構造活性炭に硫酸等の酸
を担持させれば、空気中のアンモニアをはじめ各
種アミン等の塩基性化合物を除去する能力に優れ
たものが得られ、逆にナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩或はマンガン酸
化物を担持させれば、亜硫酸ガス、窒素酸化物等
の除去能がより優れたものが得られ空気清浄用に
用いることができる。また、該網状構造活性炭に
パラジウム、白金等の貴金属を担持せしめた場合
は、一酸化炭素、炭化水素等を低温で酸化し得る
触媒フイルターが得られる。更にまた、該活性炭
は、自動車の燃料の蒸発損失を抑える活性炭とし
ても有効である。また、弱い酸化性雰囲気下での
賦活あるいは比較的低温での賦活等により製造し
た賦活度の低い網状構造活性炭は、分子篩効果を
有し、炭化水素異性体の分離、圧力スイング吸着
による空気中の窒素と酸素の分離等に用いること
が出来る。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコ
ールを水に分散させ、次いで加熱溶解し、60℃に
なつたところで所定の粒径の小麦粉澱粉の水分散
液を加えて撹拌しながら80℃に加熱した。この混
合液を40℃に冷却後、37%のホルマリン及び硫酸
を加えて均一に混合し、ポリビニルアルコール8
%、澱粉4%、ホルマリン10%、硫酸10%からな
る溶液を調整した。該溶液を200×200mmの型に流
し込み、60℃で18時間加熱した後水洗して澱粉及
び未反応物を溶出せしめ、厚さ25mmの連続気孔を
有するポリビニルホルマール多孔体を得た。 上記のポリビニルホルマール多孔体を固形分濃
度20%のメラミン樹脂水溶液(スミテツクスレジ
ンM3、住友化学工業(株)製品)に浸漬後乾燥し、
更に140℃で3時間硬化した。 該多孔体を更に固形分濃度65%の水溶性レゾー
ル樹脂(スミライトレジンPR−96A、住友デユ
レス(株)製品)に浸漬後乾燥し、引続いて140℃で
2時間硬化した。 こうして得られた連続気孔を有する合成樹脂複
合多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気中で150
℃/hrの昇温速度で900℃まで昇温して炭化し、
次に水蒸気雰囲気中で900℃で2時間保持した後
冷却した。得られた網状構造活性炭の物性を第1
表に示す。
【表】 第1表に於て、比表面積はBET法により測定
した。また、通水抵抗は、10×10cm2当りの通水量
が10/mmの場合の圧立損失である。 第1表より明らかな如く、本発明の網状構造活
性炭は、比表面積が大きく、かつ連続気孔率が高
く圧力損失が低いことがわかる。 実施例 2 重合度1500、けん化度99%のポリビニルアルコ
ールを水に分散させ、加熱溶解後、60℃になつた
ところで所定の粒径の小麦粉澱粉の水分散液を加
えて均一に混合した。更に水溶性レゾール樹脂
(スミライトレジンPR−961A、住友デユレス(株)
製品)を所定量加え、撹拌しながら70〜80℃に加
熱した。この混合液を40℃に冷却後、37%のホル
マリン及び硫酸を加えて均一に混合し、フエノー
ルとポリビニルアルコール合せて8重量%、澱粉
4重量%、ホルマリン10重量%、硫酸10重量%か
らなる溶液を調整した。該溶液を外径90mmφ、内
径40mmφ、高さ350mmの中空円筒状の型に流し込
み、60℃で18時間加熱して反応させた後水洗して
澱粉及び未反応物を溶出せしめ、連続気孔を有す
るポリビニルホルマール/フエノール系合成樹脂
複合多孔体を作成した。該多孔体の平均孔径は50
μであつた。上記ポリビニルホルマール/フエノ
ール系合成樹脂複合多孔体に、更に1.5重量%の
パラトルエンスルホン酸を触媒として加えたフリ
フリルアルコールを含浸し、過剰の溶液を遠心分
離機で除去し、つづいて140℃で2時間硬化させ
た。 こうして得られた連続気孔を有する合成樹脂複
合多孔体を電気炉に入れ窒素雰囲気中で150℃/
hrの昇温速度で600℃まで昇温して炭化し、つづ
いて、水蒸気と炭酸ガスの混合ガス雰囲気中で
100℃/hrの昇温速度で850℃まで昇温し、850℃
で1時間保持した後冷却した。得られた網状構造
活性炭の物性を第2表に示す。 第2表から明らかな様に合成樹脂複合多孔体中
のガラス状炭素に転化しうる樹脂の含有量が極端
に少ない場合には、炭化及び賦活による収率が低
く、得られた活性炭の強度が弱くなりくずれやす
い等の問題がある。また、ガラス状炭素に転化し
うる樹脂の含有量が90%を越えると得られた活性
炭の連続気孔率及び比表面積が極端に少なくなつ
た。合成樹脂複合多孔体中のガラス状炭素に転化
しうる量を適切に選ぶことにより、連続気孔率が
高くかつ比表面積の大きい網状構造活性炭が得ら
れた。
【表】 実施例 3 実施例1と同様にして、ホルマリンの代りにベ
ンズアルデヒドを加え、更に黒鉛粉末(325メツ
シユ)を加えて黒鉛粉末を30重量%含む連続気孔
を有するポリビニルベンザール多孔体を得た。該
多孔体を外径70mmφ、内径30mmφ、長さ250mm円
筒状に成型した。次に上記多孔体に固形分濃度65
%の水溶性レゾール樹脂(スミライトレジンPR
−961A、住友デユレス(株)製品)を含浸後、過剰
の溶液を除去し、乾燥してから、140℃で2時間
硬化させた。得られた合成樹脂複合多孔体中のレ
ゾール樹脂含有量は60重量%であり、平均気孔径
は20μであつた。 次に、上記の合成樹脂複合多孔体に、比重1.8
のZnCl2水溶液を含浸させた。合成樹脂複合多孔
体に対するZnCl2溶液の浸漬重量比は、1:1.5と
した。得られた多孔体を電気炉に入れ窒素雰囲気
中で100℃/hrの昇温速度で650℃まで昇温し、
650℃で30分間保持した後冷却した。冷却後電気
炉より取出した該多孔体を塩酸で処理してZnCl2
を除去し、更に水洗して連続気孔を有する網状構
造活性炭を得た。該網状構造活性炭の連続気孔率
は、86%、比表面積940m2/g、収率41%であつ
た。 実施例 4 重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコ
ール600gを水に分散させ、加熱溶解後60℃にな
つたところで所定の粒径の小麦粉澱粉200gの水
分散液を加えて均一に混合した。更に水溶性レゾ
ール樹脂(スミライトレジンPR−961A 住友デ
ユレズ(株)製品)2Kg及びあらかじめ水に分散して
おいた硬化ノボラツク繊維の粉末繊維(KN−
10BT 日本カイノール(株)製品)600gを加え、撹
拌しながら70〜80℃に加熱した。 この混合液を40℃に冷却後37%のホルマリン
500g及びマレイン酸200gを加えて均一に混合
し、更に水を加えて混合液が6になる様に調整
した。これを各混合液が2になる様に3つに分
けた後、硫化カリウム300g、400g、500gを適
量の水に溶解してからそれぞれの混合液に加えて
十分撹拌混合し、更に水を加えて各混合液とも液
量3.5とした。 この混合液を200×200mmの型枠に注型し、60℃
の温水浴中で18hrs硬化させた後取出し、80℃で
24hrs乾燥した。 こうして得られた各試料を電気炉に入れ、窒素
雰囲気中で150℃/hrの昇温速度で700℃まで昇温
し、700℃に15分間保持した後冷却し、網状構造
活性炭を製造した。 この網状構造活性炭の物性を第3表に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリビニルアセタール系合成樹脂と熱分解に
    よりガラス状炭素に転化しうる樹脂もしくはそれ
    らを主成分とする樹脂よりなる連続気孔を有する
    合成樹脂複合多孔体を炭化並びに賦活することを
    特徴とする連続気孔を有する網状構造活性炭の製
    造法。 2 連続気孔を有する合成樹脂複合多孔体が連続
    気孔を有するポリビニルアセタール系合成樹脂多
    孔体に熱分解によりガラス状炭素に転化しうる樹
    脂を賦与したものである特許請求の範囲第1項記
    載の網状構造活性炭の製造法。 3 連続気孔を有するポリビニルアセタール系合
    成樹脂多孔体が、ポリビニルホルマール多孔体、
    又はポリビニルベンザール多孔体である特許請求
    の範囲第2項記載の網状構造活性炭の製造法。 4 連続気孔を有する合成樹脂複合多孔体が、ポ
    リビニルアルコール、フエノール樹脂及び架橋剤
    を反応させて得られる多孔体である特許請求の範
    囲第1項記載の網状構造活性炭の製造法。 5 連続気孔を有する合成樹脂複合多孔体が、ポ
    リビニルアルコール、フエノール樹脂及び架橋剤
    を反応させて得られる多孔体に、更に熱分解によ
    りガラス状炭素に転化しうる樹脂を賦与したもの
    である特許請求の範囲第1項記載の網状構造活性
    炭の製造法。 6 熱分解によるガラス状炭素に転化しうる樹脂
    がフエノール樹脂またはフラン樹脂である特許請
    求の範囲第2項又は第5項記載の網状構造活性炭
    の製造法。 7 架橋剤がホルムアルデヒド又はベンズアルデ
    ヒドである特許請求の範囲第4項又は第5項記載
    の網状構造活性炭の製造法。 8 連続気孔を有する合成樹脂複合多孔体中の熱
    分解によりガラス状炭素に転化しうる樹脂の含有
    量が25〜90重量%である特許請求の範囲第1項記
    載の網状構造活性炭の製造法。 9 炭化並びに賦活を合成樹脂複合多孔体を非酸
    化性雰囲気下で炭化焼成した後水蒸気または炭酸
    ガス雰囲気下で500〜1200℃に加熱して賦活せし
    めることにより行う特許請求の範囲第1項記載の
    網状構造活性炭の製造法。 10 炭化並びに賦活を合成樹脂複合多孔体を水
    蒸気または炭酸ガス雰囲気下で500〜1200℃で加
    熱し、炭化とともに賦活することにより行う特許
    請求の範囲第1項記載の網状構造活性炭の製造
    法。 11 炭化並びに賦活を合成樹脂複合多孔体に塩
    化亜鉛、リン酸、又は硫化カリウムを賦与後、非
    酸化性雰囲気中で400〜1000℃に加熱し炭化とと
    もに賦活することにより行う特許請求の範囲第1
    項記載の網状構造活性炭の製造法。
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