JPS6059168B2 - 炭素多孔体の製造法 - Google Patents

炭素多孔体の製造法

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JPS6059168B2
JPS6059168B2 JP57053030A JP5303082A JPS6059168B2 JP S6059168 B2 JPS6059168 B2 JP S6059168B2 JP 57053030 A JP57053030 A JP 57053030A JP 5303082 A JP5303082 A JP 5303082A JP S6059168 B2 JPS6059168 B2 JP S6059168B2
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千郷 丸茂
政夫 林
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液状フェノール樹脂、反応性を有する粒状
ないし粉末状フェノール樹脂及びポリビニルアルコール
を気孔形成材とともに混合し、架橋剤の存在下で反応硬
化させて得られた、連続気孔を有するフェノール/ポリ
ビニルアセタール系合成樹脂多孔体を、非酸化性雰囲気
中て焼成し、少なくとも部分的にガラス状炭素よりなる
連続気孔を有する炭素多孔体を製造する方法に関する。
従来、炭素多孔体を製造する方法としては不定形ある
いは球状の炭素または黒鉛を、樹脂またはタール、ピッ
チ類と混合し、成形焼成する方法が取られていた。(特
開昭48−67188号公報等)しかし、これらの方法
によつて製造される炭素多孔体は、見掛比重が比較的大
きく (1.00〜1.30)、従つて気孔率も小さい
。 また、炭素質微小中空体を結合剤を用いて成形後、
焼成する多孔体の製造(特公昭49−19999号公報
)も提案されているが、この方法では見掛比重は比較的
小さいが(0.05〜1.00)、気孔の大部分は独立
気孔であり、通気度は極めて小さい。
更にまた、繊維状構造物に熱硬化性樹脂を付着させた
後成型及び焼成を行なう炭素多孔体の製造法(特公昭4
9−26196号公報等)も提案されているが、この場
合には、気孔率を所望の大きさに自由にコントロールし
気孔径分布の狭い連続気孔を有する炭素多孔体を製造す
ることが困難てあつた。 これら従来の炭素多孔体の製
造法の欠点を改良し、気孔率が大きい連続気孔を有する
多孔体の製造法として、ポリウレタン発泡体に加熱する
とガラス状炭素に転化しうる樹脂を含浸、硬化させた後
、高温で炭化焼成する方法が提案されている。
米国特許第3922334号明細書には、ポリウレタン
発泡体の薄い隔壁を除去した連続気孔の網状ポリウレタ
ン構造物にテトラハイドロフランを溶剤としたフェノー
ル樹脂溶液を浸透処理し、次いで比較的長時間かけて炭
化焼成し、基材の網状ポリウレタンの構造物の骨格がそ
のまま炭素骨格となる炭素多孔体が開示されている。ま
た、米国特許第3927186号明細書には、網状ポリ
ウレタン構造物に液体のフラン樹脂を含浸させて炭化す
ることにより網状ポリウレタン構造物の骨格を活かした
炭素多孔体が開示されている。これら米国特許明細書に
記載のポリウレタン発泡体を利用する方法は極めて優れ
ているが、樹脂含浸後にポリウレタンの表面から過剰に
浸透した樹脂を取除くのに多大の注意を必要としている
またポリウレタン発泡体は、溶媒によつては樹脂含浸を
行なうと樹脂が発泡体を溶解し始め、加熱硬化時に発泡
体が崩壊する場合があり、この傾向は特に軟質ポリウレ
タン発泡体で著るしい。この為、特開昭51−7020
7号公報では樹脂含浸に先立つてポリウレタン発泡体に
液状エポキシド樹脂又は、水性ポリビニルアルコール溶
液を含浸するという煩雑な工程を導入している。更に、
特開昭53−1252羽号公報には、ポリイソーシアネ
ートとフェノール樹脂またはフラン樹脂あるいはその前
駆物質との混合物を直接的に反応して得られる熱硬化性
樹脂発泡体に可燃性ガスを導入、可燃性ガスに点火して
細胞膜を破壊した後、炭化焼成することにより連続気孔
を有する炭素多.孔体を製造する方法が開示されている
が、製造工程が煩雑てあるという欠点を有している。
ポリウレタン発泡体は、本来独立気孔の発泡体であり、
完全なる連続気孔を有する網状構造物を得るにはあらか
じめ気孔隔壁を除去するための特!別な処理を行なうか
、樹脂含浸後に同様の処理を必要とする。
上述の通りポリウレタン発泡体を利用した炭素多孔体は
、優れた特性を有しているのにもかかわらず並べて製造
法が煩雑であるという欠点を有している。本発明者等は
、既存の炭素多孔体の製造法にみられる上記欠点を改善
すべく鋭意研究の結果本発明を完成させたものであり、
その目的とするところは均一な孔径分布を有する連続気
孔率の大きい炭素多孔体の新規製造法を提供するにある
上記の目的は、液状フェノール樹脂反応性を有する粒状
ないし粉末状フェノール樹脂及びポリビニルアルコール
を気孔形成材とともに混合し、架橋剤の存在下で反応硬
化させて得られた連続気孔を有するフェノール/ポリビ
ニルアセタール系合成樹脂多孔体を非酸化性雰囲気中て
焼成することにより達成される。本発明のフェノール/
ポリビニルアセタール系ノ合成樹脂多孔体は、液状フェ
ノール樹脂反応性を有する粒状ないし粉末状フェノール
樹脂、ポリビニルアルコールと架橋剤のアルデヒド類の
他に、澱粉、水溶性塩類等を混合して架橋成型し、固化
後水溶性物質を水て溶出して連続気孔を賦与することに
より製造できる。
このフェノール/ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔
体の製造に用いる液状フェノール樹脂としては、水溶性
レゾール樹脂が好適である。
レゾール樹脂は、フェノール類をアルデヒド類と塩基性
触媒の存在下で反応させることにより製造されるところ
の初期生成物であり、一般にフェノール1モルに対し、
1.5〜3.5モルのアルデヒド類をやや過剰のアルカ
リ触媒の存在下で反応させた初期縮合物を安定な水溶性
の状態に保たせることにより、水溶性レゾール樹脂が得
られる。レゾール樹脂の製造に用いられるフェノール類
としては、最も一般的には、フェノール及びクレゾール
が挙げられる。
しかし、他のフェノール類も使用することが出来、例え
ば該フェノール類としては、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレ
ノール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノール
、2,6−キシルノール、3,4−キシレノール、3,
5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチル
フェノール、p−エチルフェノール、p−フェニルフェ
ノール、p−Tert−ブチルフェノール、p−Ter
t−アミノフェノール、ビスフェノールA1レゾルシノ
ール及びこれらフェノール類の混合物等が挙げられる。
このフェノール類と重縮合するために用いるアルデヒド
類としては、ホルムアルデヒドが最も一般的である。
しかし、バラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラ
ミン、フルフラール並びにグルタルアルデヒド、アジボ
アルデヒド及びグルオキザール等のモノアルデヒド及び
ジアルデヒドも使用し得る。レゾール樹脂合成反応に用
いる塩基性触媒としては、カセイアルカリ、炭酸アルカ
リ、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、
第4級アンモニウム化合物、アミン類等の公知のものを
使用すればよく、カセイソーダあるいはアンモニアが最
も一般的に用いられる。
また、本発明の反応性を有する粒状ないし粉末状フェノ
ール樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒドとの縮
合物からなる粒状ないし粉末状樹脂であつて、該樹脂の
Mk錠剤法による赤外線吸収スペク,トルにおいて16
00c『1(ベンゼンに帰属する吸収ピーク)の吸収強
度をDlOOl99Oないし1015cm−1(メチロ
ール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最だ大きな吸収
強度をD99O〜1015〜890cwL−1(ベンゼ
ン核の孤立の水素原子の吸収ピーク)吸収強度をD8C
X)で表わした場合に、 である粒状ないし粉末状フェノール・ホルムアルデヒド
系樹脂であり、好ましくは特に好ましくは である粒状ないし粉末状フェノール●ホルムアルデヒド
系樹脂である。
赤外線吸収スペクトルにおいて、Dl6(X)のピーク
がベンゼン核に帰属する吸収を示し、D99O〜101
5のピークがメナロール基に帰属する吸収を示し、さら
にD8Oのピークがベンゼン核の孤立を水素原子に帰属
する吸収を示すことはフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂に関して既に広く知られている。
本発明のに用いる反応性を有する粒状ないし粉末状フ1
ノール樹脂がD99O″1015/Dl6OOOO・2
″9.0という特性値を示すことは、該樹脂が少くとも
或る程度の量のメチロール基を含有し、そのメチロール
基含量は可成り大巾に調節し得ることを示している。
殊にD98O〜1015=0.3〜7.01就中0.4
〜5.0という本発明に用いる好適な該樹脂は適度の濃
度のメチロール基を含有し且つより安定である。さらに
、該樹脂が赤外線吸収スペクトルにおいてD89O/D
l6OO=0.09〜1.0、より好適な樹脂がD85
)/Dl6(X)=0.1〜0.訊就中0.12〜0.
8という特性を示すという事実は、該樹脂はその反応に
関与したフェノール分子の反応部位(オルト及びバラ位
)が可成りメチレン結合又はメチロール基によつて適度
に封鎖されている事実を示す。
従来公知のレゾール樹脂の硬化物は一般に、D99O〜
1015/DlOOおよびD89O/Dl6OOの双方
或はどちらか一方が本発明に用いる反応性を有する粒状
ないし粉末状フェノール樹脂の上記特性値の下限よりも
低く、またノボラック樹脂のヘキサミンによる硬化物も
またD89O/Dl6OOの特性値が該樹脂の0.09
という下限よりも一般的に低い値となる。
この様に本発明に用いる反応性を有する粒状ないし粉末
状フェノール樹脂は、従来公知のレゾール樹脂の硬化製
品又はノボラック樹脂の硬化製品を粉砕したもの、或は
従来公知の硬化ノボラック樹脂繊維を粉砕したものとは
全く異なつており、特願昭56−60613に述べられ
た製造法に従つて製造される球状一次粒子およびその二
次凝集物よりなるフェノール樹脂てある。この反応性を
有する粒状ないし粉末状フェノール樹脂はその形状が球
形に近い粒子であることから、公知のフェノール樹・脂
硬化物を粉砕して得られた粉末に比べてポリビニルアル
コールや液状フェノール樹脂との混合性が良好であり、
該樹脂を用いることによりはじめて多量のフェノール樹
脂粉末を均一に混合した連続気孔を有するフェノール/
ポリビニルアセター・ル系合成樹脂多孔体を得ることが
可能となる。合成樹脂多孔体中に均一混合するためには
該フェノール樹脂粉末の平均粒径は1〜150ミクロン
であることが好ましい。また該フェノール樹脂粉末が反
応性を有することにより、フェノール/ポリビJニルア
セタール系合成樹脂多孔体の炭化焼成時にフェノール樹
脂間の結合が促進され形態保持性の良好なる連続気孔を
有する炭素多孔体が得られ易い。本発明のフェノール/
ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体の製造に用いる
ポリビニルアルコールは、好ましくは重合度100〜5
00へけん化度70%以上のものであり、カルボキシル
基等で一部変性されたものも好適に用いられる。
架橋剤のアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、o−ブチルア
ルデヒド、オクチルアルデヒド、2−エチルヘキシルア
ルデヒド、グリオキザール、アクロレイン、ベンズアル
デヒド等が挙げられる。
連続気孔を賦与するための気孔形成材としては、澱粉、
その他の有機性の微粉末或は水溶性の金属塩等を用いる
ことができる。
粉粒体の種類及び大きさは、目的とする多孔体の孔径に
応じて適宜選べばよい。上記の液状フェノール樹脂、反
応性を有する粒状ないし粉末状フェノール樹脂、ポリビ
ニルアルコール及び気孔形成材を用いてフェノール/ポ
リビニルアセタール系合成樹脂多孔体を製造するには、
まず所定量の液状フェノール樹脂、反応性を有する粒状
ないし粉末状フェノール樹脂及びポリビニルアルコール
の混合水溶液を攪拌しながら加熱し、次にこの混合液に
水溶液または水分散液とした水麦粉澱粉等の気孔形成材
を加えて更に攪拌し、40′C程度まで冷却後更に架橋
剤としてのアルデヒド類及び触媒としての硫酸等を加え
て均一に混合し、所望の形状の形枠に移し、加熱して反
応せしめる触媒としては、硫酸以外にも、塩酸、りん酸
等の無機酸類、しゆう酸、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、ビニル酢酸、バラ
トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸類
を使用することができる。
反応終了後、型枠より取出した成型物を水で洗浄し、気
孔形成材と未反応のアルデヒド類及び酸を洗い流せばよ
い。成形物の形状は、目的、用途、要求性能に応じて、
板状、波状円筒状等、自由に選択することが可能である
。上記の方法によりフェノール/ポリビニルアセタール
系合成樹脂多孔体を作成するにあたり混合するポリビニ
ルアルコール/反応性を有する粒状ないし粉末状フェノ
ール樹脂/液状フェノール樹脂の固形分量の混合比は、
重量比で通常、1.0/0.5〜3.0/0.2〜4.
0であり、好ましくは1.0/1.0〜2.V0.3〜
3.0、最も好ましくは1.0/1.3〜2.0/0.
5〜2.0である。
フェノール/ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体を
作成するにあたり反応性を有する粒状ないし粉末状フェ
ノール樹脂を混入する利点は、合成樹脂多孔体製造時の
硬化反応終了後の洗浄、脱酸工程で優れた作業性が得ら
れ、かつ連続気孔率が大きく炭化収率の良好なる高強度
の炭素多孔体が得られることである。
該樹脂の混入量が少な過ぎる場合には、硬化反・応終了
後の洗浄、脱酸が困難になる。
洗浄が不十分の場合には気孔形成材や未反応のアルデヒ
ド類及び酸が多孔体中に残存し、洗浄後の乾燥中に多孔
体が燃焼することがあり好ましくない。また該樹脂粉末
の混入量が多過ぎる場合には、嵩だかになるので他の原
料との混合時の作業性が著しく低下し均一に混合するこ
とが困難となり、良好なる多孔体が得られない。液状フ
ェノール樹脂が少な過ぎる場合には、得られたフェノー
ル/ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体中の粒状な
いし粉末状フェノール樹脂相互間の結合力が低く、それ
らを非酸化性雰囲気中で焼成して得られる炭素多孔体の
強度が低くなり、実用に供し得ない。
液状フェノール樹脂が多過ぎる場合には、硬化反応終了
後の洗浄、脱酸の作業性か著るしく低下し、良好な多孔
体を得ることが困難となる。この様にポリビニルアルコ
ール/反応性を有する粒状ないし粉末状フェノール樹脂
/液状フェノール樹脂の固形分量が1.0/0.5〜3
.0/0.2〜5.0の範囲の重量比で混合されたとき
に製造工程の作業性が良く、良好なるフェノール/ポリ
ビニルアセタール系合成樹脂多孔体が得られ、それを非
酸化性雰囲気中て焼成することにより、連続気孔率が大
きくかつ高強度の良好なる炭素多孔体が得られる。
また、上記のフェノール/ポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体の作成時に、更に公知のフェノール樹脂、フ
ラン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂粉末、繊維状物、ある
いは、シリカ、アルミナ、グラファイト、シリコンカー
バイド、粘土等の無機物粉末銅、ニッケル等の金属粉末
を適当量混合することにより、連続気孔を有する多孔体
としての特性を損うことなく、焼成時の変形を抑制して
形態保持性を向上させることができる。
上記の如くして得られたフェノール/ポリビニルアセタ
ール系合成樹脂多孔体に、更にレゾール樹脂、ノボラッ
ク樹脂等のフェノール樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂
、エポキシ樹脂、ビニル重合物とジビニル化合物との混
合液、エリア系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ピッ
チタール等を含浸、付着させてもよい。
これらの合成樹脂を施与するには公知の種々の方法が適
用可能であるが、最も一般的には、前述の方法により製
造された所定の形状、寸法、気孔径、気孔率で連続気孔
を有するフェノール/ポリビニルアセタール系合成樹脂
多孔体を、前述の合成樹脂を溶媒に溶かして作成した溶
液に浸漬後、乾燥、硬化させればよい。このようにして
作成されたフェノール/ポリビニルアセタール系合成樹
脂多孔体は、次いで非酸化性雰囲気下、すなわち減圧、
又は、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス、水
素ガス、窒素ガス、等の中で少なくとも800℃、好ま
しくは1000′C以上に加熱し、炭化焼成する。
焼成温度の上限には制限はなく必要に応じて3000′
C程度まで加熱してもよい。本発明者らの研究によれば
、炭化焼成時200℃近傍より、主としてガス状の化合
物、例えば1120,HCH0,C0,CH4などが該
多孔体より放出され始めるが、この熱分解ガスの発生は
350〜600゜Cの温度域で最も顕著であり、この温
度範囲で樹脂組成物の重量減少及び収縮が顕著に進行す
る。
しかし本発明の炭化焼成工程に於ては、その昇温速度に
は特に制限はなく、通常50゜C/Hr〜500℃/H
r程度で比較的短時間に焼成することが可能である。以
上の方法に従つて得られた炭素多孔体はフェノール/ポ
リビニルアセタール系合成樹脂多孔体の網状構造がその
まま炭素骨格となつている少なくとも部分的にガラス状
炭素よりなる網状炭素構造物でありこの多孔体は、孔径
分布が均一な連続気孔を有し、気孔率が高く、耐酸化性
、耐薬品性に優れている。
また、該炭素多孔体は、フェノール/ポリビニルアセタ
ール系合成樹脂多孔体の網状構造がそのまま残るので剛
性にして高強度のものとなる。かかる優れた特性を有す
る炭素多孔体は、下記の用途として好適である。
即ち、気体中の粉塵や不純物などの固体の分離、液体中
の固体の分離等の各種フィルター、特に耐蝕性または耐
熱性の優れたフィルターに適している。また、良好なる
通気性を活かした触媒担体として好適てある。また、導
電性を利用し多孔体に電流を流してパネルヒーターとし
て利用することもできる。更に、水蒸気賦活処理、薬品
賦活処理等の処理を行なつて、活性炭化することにより
、網状構造を有する活性炭、あるいは吸着剤として使用
出来る。該炭素多孔体は、上記の用途の他に、軽量構造
材、断熱材、電池の電極、曝気装置、化学吸着剤、面発
熱体、高温での熱処理用治具、電波シールド材等にも使
用できる。次に実施例により本発明をより具体的に説明
する。
実施例1 重合度17001けん化度99%のポリビニルアルコー
ル(PVA)2k9を水に分散させて加熱溶解後、あら
かじめ水に分散しておいた所定量の反応性を有する粒状
フェノール樹脂(平均粒径50μ)及び所定量の水溶性
レゾール樹脂(住友デユレズ(株)製、PR96lA)
を加えて加熱しながら十分攪拌混合する。
60℃になつたところで更に所定の粒径の小麦粉澱粉6
00yの水分散液を加えて攪拌混合しながら70〜80
゜Cになるまで加熱した。
この混合液を40℃に冷却後、37%のホルマリン2f
150%の硫酸1e及び適量の水を加えて混合し、混合
液の液量が25eになる様に調整した。該混合液を外径
300Tsnφ、高さ500wnの円柱状の型に流し込
み、・60℃で化時間加熱した後型より取出し、シャワ
ーで2ff間洗浄して連続気孔を有するフェノール/ポ
リビニルホルマール多孔体を得た。上記の如くして得ら
れた合成樹脂多孔体を電気炉に入れ窒素雰囲気中で10
0℃/Hrで昇温し、・1000℃に1時間保持して炭
化焼成した。
合成樹脂多孔体製造時の作業性、焼成時の重量及び寸法
変化、及び得られた炭素多孔体の特性を第1表に示す。
第1表かられかる様にポリビニルアルコール/)反応性
を有する粒状ないし粉末状フェノール樹脂/液状フェノ
ール樹脂の固形分量を混合比が、重量比で1.0/0.
5〜3.0/0.2〜4.0の範囲で、作業性、形態保
持性が良好で、連続気孔率の高い炭素多孔体が得られた
実施例2 実施例1と同様にして所定の比率で、ポリビニルアルコ
ール(重合度1700、けん化度99%)、反応性を有
する粒状フェノール樹脂(平均粒径100μ)及び水溶
性レゾール樹脂(住友デユレス(株)製、PR96″1
A)を混合し、粒径の異なる馬鈴著澱粉を加え、ホルマ
リンの代わりにベンズアルデヒドを用いてベンザール化
反応を行うことにより外径7iφ、内径3iφ、長さ2
5(ト)〜の中空円筒状のフェノール/ポリビニルベン
ザール多孔体を作成した。
上記のフェノール/ポリビニルベンザール多孔体に下記
の方法によりレゾール樹脂、フラン樹脂ノ及びメラミン
樹脂を付着させた。
即ちレゾール樹脂としては、市販の成型用レゾール樹脂
(郡栄化学工業(株)製PL32O6)を用い、メタノ
ール溶媒で希釈して固形分濃度45重量%とした後、上
記多孔体を浸漬し、遠心分離機で樹脂付着量を調整して
から、130℃で4時間硬化反応を行なつた。またフラ
ン樹脂としてはやはり固形分量45%のフラン樹脂(日
立化成工業(株)製、ヒタフラン302)のアセトン溶
液を用い、メラミン樹脂としては、固形分量45%の水
溶性メラミン樹脂(住友化学工業(株)製、スミテツク
スレジンM3:硬化触媒、スミテツクスACX)を用い
、フェノール樹脂の場合と同様にして合成樹脂多孔体に
所定量を付着させた後130℃で4時間硬化反応を行な
つた。得られた合成樹脂多孔体を電気炉中で窒素雰囲気
下で60成C/Hrで昇温し1500℃に1時間保持し
て炭化焼成した。
各合成樹脂多孔体の組成、焼成時の重量及び寸法変化と
焼成後の炭素多孔体の特性を第2表に示す。第2表から
れかる様に、フェノール/ポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体に、更にフェノール樹脂、フラン樹脂、メラ
ミン樹脂等の合成樹脂を付着させてから焼成することに
より、焼成時の重量保持率、寸法保持率を増加させ形態
保持性を向上させることができる。実施例3 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール(重合度
15001けん化度99%)/反応性を有する粒状フェ
ノール樹脂(平均粒径30μ)/水溶性レゾール樹脂の
固形分量を1.0/1.8/0.7の比率で小麦粉澱粉
の水分散液とともに混合し、n−ブチルアルデヒドを用
いて、フェノール/ポリビニルブチラール合成樹脂多孔
体を作成した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 液状フェノール樹脂、反応性を有する粒状ないし粉
    末状フェノール樹脂及びポリビニルアルコールを気孔形
    成材とともに混合し、架橋剤の存在下で反応硬化させて
    得られた連続気孔を有するフェノール/ポリビニルアセ
    タール系合成樹脂多孔体を、非酸性雰囲気中で焼成し、
    少なくとも部分的にガラス状炭素よりなる連続気孔を有
    する炭素多孔体の製造法。 2 液状フェノール樹脂が尚溶性レゾールである特許請
    求の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。 3 反応性を有する粒状ないし粉末状フェノール樹脂の
    平均粒径が1〜150ミクロンの球状一次粒子および二
    次凝集物である特許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体
    の製造法。 4 架橋剤がホルムアルデヒド又はベンズアルデヒドで
    ある特許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。 5 ポリビニルアルコール/反応性を有する粒状ないし
    粉末状フェノール樹脂/液状フェノール樹脂の固形分量
    の混合比が、重量比で1.0〜0.5〜3.0/0.2
    〜4.0である特許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体
    の製造法。6 非酸化性雰囲気中で800℃以上で焼成
    する特許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。
JP57053030A 1982-03-30 1982-03-30 炭素多孔体の製造法 Expired JPS6059168B2 (ja)

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