JPS6348831B2 - - Google Patents

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JPS6348831B2
JPS6348831B2 JP55126503A JP12650380A JPS6348831B2 JP S6348831 B2 JPS6348831 B2 JP S6348831B2 JP 55126503 A JP55126503 A JP 55126503A JP 12650380 A JP12650380 A JP 12650380A JP S6348831 B2 JPS6348831 B2 JP S6348831B2
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JP
Japan
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resin
porous body
carbon
porous
synthetic resin
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JP55126503A
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JPS5751110A (en
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Takashi Ito
Chiaki Marumo
Shizukuni Yada
Masao Hayashi
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5751110A publication Critical patent/JPS5751110A/ja
Publication of JPS6348831B2 publication Critical patent/JPS6348831B2/ja
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は無機物又は炭素化し得る有機物を含有
するポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体に熱
分解によりガラス状炭素に転化し得る樹脂を含浸
した後、非酸化性雰囲気中で焼成し、少なくとも
部分的にガラス状炭素よりなる連続気孔を有する
炭素多孔体を製造する方法に関する。 従来、炭素多孔体を製造する方法としては、不
定形あるいは球状の炭素または黒鉛を、樹脂また
はタール、ピツチ類と混合し、成形後焼成する方
法が取られていた。(特開昭48―67188号公報等)
しかし、これらの方法によつて製造される炭素多
孔体は、見掛比重が比較的大きく(1.00〜1.30)
従つて気孔率も小さい。 また、炭素質微小中空体を結合剤として用いて
成形後焼成する多孔体の製法(特公昭19―19999
号公報)も提案されているが、この方法では見掛
比重は比較的小さいが(0.05〜1.00)、気孔の大
部分は独立気孔であり、通気度は極めて小さい。 更にまた、繊維状構造物に熱硬化性樹脂を付着
させた後成形及び焼成を行なう炭素多孔体の製造
法(特公昭49―26196号公報等)も提案されてい
るが、この場合には、気孔径を所望の大きさに自
由にコントロールし気孔径分布の狭い連続気孔を
有する炭素多孔体を製造することが困難であつ
た。 これら従来の炭素多孔体の製造法の欠点を改良
し、気孔率が大きい連続気孔を有する多孔体の製
造法として、ポリウレタン発泡体に加熱するとガ
ラス状炭素に転化しうる樹脂を含浸、硬化させた
後、高温で炭化焼成する方法が提案されている。 ポリスチレンあるいはセルロース多孔体にアセ
トン、メタノール等の溶媒に溶かしたフエノール
樹脂あるいはエポキシ樹脂を施与した後炭化した
場合には、基材の多孔体はガス化し、その表面に
コーテイングされた熱硬化性樹脂が炭化して基材
の多孔体とは陰陽の関係となる炭素多孔体が得ら
れるがこれらの多孔体は強度の点で問題がある。 米国特許第3922334号明細書にはポリウレタン
発泡体の薄い隔壁を除去した連続気孔の網状ポリ
ウレタン構造物にテトラハイドロフランを溶剤と
したフエノール樹脂溶液を浸透処理し、次いで比
較的長時間をかけて炭化焼成し、基材の網状ポリ
ウレタン構造物の骨格がそのまま炭素骨格となる
炭素多孔体が開示されている。また、米国特許第
3927186号明細書には、網状ポリウレタン構造物
に液状のフラン樹脂を含浸させて炭化することに
より網状ポリウレタン構造物の骨格を活かした炭
素多孔体が開示されている。 これら米国特許明細書に記載のポリウレタン発
泡体を利用する方法は極めて優れてはいるが、樹
脂含浸液にポリウレタンの表面から過剰に浸透し
た樹脂を取除くのに多大の注意を必要としてい
る。またポリウレタン発泡体は、溶媒によつては
樹脂含浸を行なうと樹脂が発泡体を溶解し始め、
加熱硬化時に発泡体が崩壊する場合があり、この
傾向は特に軟質ポリウレタン発泡体で著しい。こ
の為特開昭51―70207号公報では樹脂含浸に先立
つてポリウレタン発泡体に液状エポキシド樹脂又
は、水性ポリビニルアルコール溶液を含浸すると
いう煩雑な工程を導入している。 更に、特開昭53―125289号公報には、ポリイソ
シアネートとフエノール樹脂またはフラン樹脂あ
るいはその前駆物質との混合物を直接的に反応し
て得られる熱硬化性樹脂発泡体に可燃性ガスを導
入し、可燃性ガスに点火して細胞膜を破壊した後
炭化焼成することにより連続気孔を有する炭素多
孔体を製造する方法が開示されているが、製造工
程が煩雑であるという欠点を有している。ポリウ
レタン発泡体は、本来独立気孔の発泡体であり完
全なる連続気孔を有する網状構造物に得るには、
あらかじめ気孔隔壁を除去するための特別な処理
を行なうか、樹脂含浸後に同様の処理を必要とす
る。上述の通りポリウレタン発泡体を利用した炭
素多孔体は、優れた特性を有しているにもかかわ
らず並べて製造法が煩雑であるという欠点を有し
ている。 ところで、ポリビニルアセタール系多孔体は、
ポリビニルアルコールと架橋剤のアルデヒド類の
他に澱粉、水溶性塩類等を混合して架橋成型し、
固化後水溶性物質を水で溶出して連続気孔を賦与
させた多孔体であり、連続気孔率の極めて大きい
親水性の多孔体である。上記多孔体の優れた特性
を活かした炭素多孔体の製造法として、該多孔体
を非酸化性雰囲気中で炭化焼成する方法が提案さ
れている。(特願昭53―70069号)しかしながら上
記のポリビニルアセタール系多孔体を非酸化性雰
囲気中で炭化焼成した場合には焼成時の重量減少
が極めて大きく、通常1000℃まで焼成すると焼成
体重量は初期重量の20%以下となる。また寸法の
減少も著しく、1000℃焼成によつて初期寸法の50
%以下まで減少する。この様な極端な重量減少及
び寸法減少、更には収縮時の不均一なる変形は、
炭素多孔体製造上の重大な欠点である。また該多
孔体は易黒鉛化炭素よりなるため耐酸化性、耐薬
品性に劣るなどの欠点を有していた。 本発明者等は、既存の炭素多孔体の製造法にみ
られる上記欠点を改善すべく鋭意研究の結果本発
明を完成させたものであり、 その目的とするところは均一な孔径分布を有す
る連続気孔率の大きい炭素多孔体の新規製造法を
提供するところにある。本発明の他の目的及び利
点は以下の説明から明らかにされよう。 上記の目的は無機物又は炭素化し得る有機物を
含有する連続気孔を有するポリビニルアセタール
系合成樹脂多孔体に熱分解によりガラス状炭素に
転化し得る樹脂又はそれを主成分とする樹脂を含
浸した後、硬化し、非酸化性雰囲気中で焼成する
ことにより達成される。 本発明に用いるポリビニルアセタール系合成樹
脂多孔体はポリビニルアルコールと架橋剤のアル
デヒド類の他に無機物又は炭素化し得る有機物及
び澱粉、水溶性塩類等を混合して架橋成型し、固
化後水溶性物質を水で溶出して連続気孔を賦与し
て得られる。 前記ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体に
は他の合成樹脂例えばエポキシ系樹脂、ビニル重
合物とジビニル化合物との混合物との混合物、ユ
リア系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミ
ン系樹脂、ピツチ、タール等ポリビニルアセター
ル系合成樹脂多孔体に形態保持性を付与する樹脂
を施与して使用するのが好適である。そして本発
明において「ポリビニルアセタール系合成樹脂多
孔体」とはポリビニルアセタール系合成樹脂多孔
体のみならずポリビニルアセタール系合成樹脂多
孔体に前記形態保持性を付与する樹脂を施与した
多孔体も包含し併せ意味するものである。 上記のポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体
の製造に用いるポリビニルアルコールは好ましく
は重合度100〜5000、けん化度70%以上のもので
あり、カルボキシル基等で一部変性されたものも
好適に用いられる。 架橋剤のアルデヒド類としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、a―ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、2―エチルヘキシルアルデヒド、グリオキサ
ール、アクロレイン、ベンズアルデヒド等が挙げ
られる。 連続気孔を賦与するための粉粒体としては、澱
粉その他の有機性の微粉末或は水溶性の金属塩等
が用いられ、目的の細孔径を与える様、適宜粉粒
体を選べばよい。 上記ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体に
混合される無機物としては銅、ニツケル等の金
属、炭素、黒鉛、シリカ、アルミナ等の金属酸化
物、炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物、窒化ケ
イ素、窒化硼素等の窒化物の粉末、微小中空体又
は短繊維或はセルロース、フエノール樹脂、フラ
ン樹脂、不融化処理されたポリアクリルニトリ
ル、ピツチ等非酸化性雰囲気中で焼成した場合炭
素化物の収率が20重量%以上である有機物の粉
末、微小中空体又は短繊維が挙げられるがポリビ
ニルアルコール水溶液への混合性の点より粉末、
微小中空体が好ましく、その粒径は小さい程好ま
しい。 ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体に混合
される無機物又は有機物の量は10〜70重量%であ
り、好ましくは20〜50重量%である。混合量が10
重量%未満の場合、これらの物質を混合した効果
即ち焼成炭化時の重量保持率及び寸法保持率の向
上が認められず又混合量が70重量%を越える場合
ポリビニルアルコール水溶液中への分散が不均一
となり易く、孔径分布の均一な多孔体を得ること
が困難である。 混合する物質は得られる炭素多孔体の用途によ
り適宜選択することが出来る。完全な炭素多孔体
を得る場合には炭素、黒鉛及び有機物を混合すれ
ば良く、無機物を混合すれば炭素とセラミツクの
複合体が得られる。 気孔形成剤及び無機物又は有機物は水溶液又は
水分散液としてポリビニルアルコールの加熱水溶
液に加えられる。次にこの混合液に架橋剤として
アルデヒド類及び硫酸等の触媒を加え、目的とす
る形状を与えるような反応容器に注ぎ込み加熱し
て反応せしめる。成型物の形状は目的、用途、要
求される性能に応じて板状、波板状、円筒状等自
由に選択することが可能である。 上述の通り、本発明に用いるポリビニルアセタ
ール系合成樹脂多孔体は公知の方法により容易に
得られるものであるが、特定の網状構造を有する
ポリビニルホルマー系合成樹脂多孔体又はポリビ
ニルベンザール系合成樹脂多孔体が好適である。 本発明のポリビニルアセタール系多孔体に含浸
するガラス状炭素に転化しうる樹脂としては、レ
ゾール樹脂、ノボラツク樹脂等のフエノール樹
脂、フラン樹脂等が挙げられ、これらは単独でも
混合して用いてもよいが、樹脂の硬化処理操作等
の面を考慮すると、レゾール樹脂が最適であり次
いでノボラツク樹脂が好適である。 レゾール樹脂は、フエノール類をアルデヒド類
と塩基性触媒の存在下で反応させることにより製
造されるところの初期生成物であり、通常、メチ
ロール基に富む分子量が約600までの自己熱架橋
性のレゾールである。 レゾール樹脂の製造に用いられるフエノール類
としては、最も一般的には、フエノール及びクレ
ゾールが挙げられる。しかし、他のフエノール類
も使用することが出来、例えば該フエノール類と
しては、フエノール、o―クレゾール、m―クレ
ゾール、p―クレゾール、2,3―キシレノー
ル、2,5―キシレノール、2,4キシレノー
ル、2,6―キシレノール、3,4―キシレノー
ル、3,5―キシレノール、o―エチルフエノー
ル、m―エチルフエノール、p―エチルフエノー
ル、p―フエニルフエノール、p―tert―ブチル
フエノール、p―tert―アミノフエノール、ビス
フエノールA、レゾルシノール及びこれらフエノ
ール類の混合物等が挙げられる。 このフエノール類と重縮合するために用いるア
ルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが最も一
般的である。しかし、パラホルムアルデヒド、ヘ
キサメチレンテトラミン、フルフラール並びにグ
ルタアルデヒド、アジポアルデヒド及びグルオキ
ザール等のモノアルデヒド及びジアルデヒドも使
用し得る。 レゾール樹脂合成反応に用いる塩基性触媒とし
ては、カセイアルカリ、炭酸アルカリ、水酸化バ
リウム、水酸化カルシウム、アンモニア、第4級
アンモニウム化合物、アミン類等の公知のものを
使用すればよく、カセイソーダあるいはアンモニ
アが最も一般的に用いられる。 ノボラツク樹脂は、前記レゾール樹脂の製造に
際して用いたと同様のフエノール類と、前記レゾ
ール樹脂の製造に際して用いたと同様のアルデヒ
ド類とを、しゆう酸、ギ酸、酢酸、ハロゲン化
酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、塩
酸、硫酸、過塩素酸、りん酸等の無機酸類等の酸
性触媒の存在下に加熱しながら反応させることに
より製造することのできる分子量300〜2000程度
の未硬化で溶融可能な熱可塑性樹脂である。 フラン樹脂としてはフルフリルアルコール樹
脂、フリフリルアルコールフエノール樹脂、フル
フラール樹脂、フルフラールフエノール樹脂、フ
ルフールケトン樹脂等が挙げられ、これらの樹脂
の硬化剤としては、例えば塩酸アニリン、パラト
ルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができ
る。 ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体にガラ
ス状炭素に転化しうる合成樹脂を施与するには公
知の種々の方法が適用可能であるが最も一般的に
は、前述の方法により製造された所定の形状、寸
法、気孔径、気孔率で連続気孔を有するポリビニ
ルアセタール系合成樹脂多孔体を、前述のフエノ
ール樹脂あるいはフラン樹脂を溶媒に溶かして作
成した溶液中に浸漬すればよい。 レゾール樹脂またはノボラツク樹脂等のフエノ
ール樹脂は、例えばメタノール、アセトン等の溶
媒に適当量溶解し、所定の濃度のフエノール樹脂
溶液を作成出来る。またレゾール樹脂としては、
水溶性レゾール樹脂を用いることもできる。 レゾール樹脂の場合には、上記溶液に更に必要
ならば硬化用の酸触媒としてパラトルエンスルホ
ン酸、フタール酸などの有機酸をあらかじめ少量
添加してもよい。 ノボラツク樹脂の場合には、架橋剤と共にメタ
ノール、アセトン等の溶媒に適当量溶解した所定
濃度の溶液を用いればよい。 架橋剤としては、最も一般的にはヘキサメチレ
ンテトラミンを用いることができるがその他にも
パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ア
ジポアルデヒド及びクリルオキザールのようなア
ルデヒド類と酸またはアルカリを併用してもよ
い。 また、あらかじめノボラツク樹脂を多孔体に含
浸した後、ヘキサメチレンテトラミンあるいは酸
またはアルカリとアルデヒド類とを含む水溶液中
で加熱して硬化してもよい。 フラン樹脂の場合には、該フラン樹脂をアセト
ン、ベンゼン等の溶媒に溶かし、更に塩酸アニリ
ン、パラトルエンスルホン酸等の硬化剤を樹脂固
形分の0.2〜1%程度混入した溶液を用いればよ
い。 ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体に含浸
する上記の樹脂溶液の濃度には特に制限はなく、
多孔体の孔径、形状、樹脂付着量等により適宜選
択すればよいが、作業上好ましい溶液濃度は5〜
60重量%、更に好ましくは10〜40重量%である。 上記の如く、溶媒に溶かしたフエノール樹脂あ
るいはフラン樹脂をポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体に含浸すると、ポリビニルアセタール
系合成樹脂特有の性質により該多孔体が膨潤し、
フエノール樹脂またはフラン樹脂は溶媒とともに
ポリアセタール系合成樹脂の内部に浸透してい
く。この浸透に必要な時間は多孔体の孔径の大き
さやアセタール化の度合により異なるが通常十数
分〜1時間程度である。こうしてポリビニルアセ
タール系合成樹脂多孔体の内部に浸透した合成樹
脂は、後述の乾燥工程によつてポリビニルアセタ
ール系合成樹脂多孔体と一体化し炭化焼成によつ
てポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体の網状
構造をそのまま残した炭素多孔体となるのであ
る。 こうしてフエノール樹脂あるいはフラン樹脂を
含浸されたポリビニルアセタール系合成樹脂多孔
体は、溶液中より取出し過剰の溶液を除去した
後、室温または加熱下で乾燥し溶媒を除去し、更
に120〜180℃の高温に加熱して含浸樹脂を硬化さ
せる。通常は、40〜60℃で3〜5時間乾燥後、更
には120〜180℃まで昇温して30分〜2時間程度保
持することにより、均一なる樹脂付着状態を維持
したまま乾燥硬化できる。また、板状体の場合に
は、樹脂含浸後60℃以下の温度で乾燥した後、
100〜180℃の温度範囲で少量の圧力を加えて加圧
成形することもできる。 上記の方法により乾燥硬化した合成樹脂多孔体
中の熱硬化性樹脂の含有量は通常25〜90重量%、
好ましくは30〜75重量%、最も好ましくは40〜70
重量%である。該合成樹脂多孔体中の熱硬化性樹
脂多孔体の含有量が極端に少ない場合には非酸化
性雰囲気中での炭化焼成過程での重量減少、寸法
の減少が大きくなる傾向にあり、用途によつては
問題を生じる。熱硬化性樹脂の含有量が90重量%
を越えて過剰になり過ぎると多孔体の気孔率が小
さくなり、連続気孔を有する多孔体としての特長
が失なわれる傾向にあり、該多孔体中の熱硬化性
樹脂の含有量が40〜70重量%の場合には炭化焼成
時の収縮量が小さく、連続気孔率の大きい高強度
の炭素多孔体を得ることができる。 また前記ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔
体には他の合成樹脂例えばエポキシ系樹脂、ビニ
ル重合物とジビニル化合物との混合物、ユリア系
樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹
脂、ピツチタール等を施与すると形態保持性が向
上する。これら樹脂は、例えば樹脂液或いはこれ
ら樹脂と熱分解によりガラス状炭素に転化しうる
樹脂との混合溶液をポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体に含浸することにより容易に施与し得
る。要は焼成時にポリビニルアセタール系合成樹
脂多孔体にこれら樹脂が施与されていればよい。 このように樹脂含浸され且つ硬化された合成樹
脂多孔体は、次いで非酸化性雰囲気下、すなわち
減圧、又は、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不
活性ガス、水素ガス、窒素ガス、ハロゲンガス等
の中で少なくとも800℃、好ましくは1000℃以上
に加熱し炭化焼成する。焼成温度の上限には制限
はなく必要に応じて3000℃程度まで加熱してもよ
い。 本発明者らの研究によれば、炭化焼成時200℃
近傍より、主としてガス状の化合物、例えば
H2O、HCHO、CO、CH4などが該多孔体より放
出され始めるが、この熱分解ガスの発生は350〜
600℃の温度域で最も顕著であり、この温度範囲
で樹脂組成物の重量減少及び収縮が顕著に進行す
る。しかし本発明の炭化焼成工程に於ては、その
昇温速度量は特に制限はなく、通常50℃/hr―
500℃/hr程度で比較的短時間に焼成することが
可能である。 又、無機物を含むポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体の場合は熱分解ガスの発生及び収縮が
低減するため焼成はより一層容易になる。 以上の方法に従つて得られた炭素多孔体は、基
材となるポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体
の網状構造を構成する骨格がそのまま炭素骨格と
なつている少なくとも部分的にガラス状炭素より
なる網状炭素構造物であり、この多孔体は、孔径
分布が均一な連続気孔を有し気孔率が高く、耐酸
化性、耐薬品性に優れている。 また基材としてポリビニルアセタール系合成樹
脂多孔体を選定し、フエノール樹脂、フラン樹脂
等熱分解によりガラス状炭素に転化しうる樹脂と
組合せたことにより、焼成により得られる本発明
に係る炭素多孔体はポリビニルアセタール系合成
樹脂多孔体の網状構造をそのまゝ残し、上記フエ
ノール樹脂、フラン樹脂等と強固に一体化し、剛
性にして高強度のものとなる。 かかる優れた特性を有する炭素多孔体は、下記
の用途に好適である。即ち、気体中の粉塵や不純
物などの固体の分離、液体中の固体の分離等の各
種フイルター、特に耐蝕性または耐熱性の優れた
フイルターに適している。また、良好なる通気性
を活かした触媒担体として好適である。また、導
電性を利用し、多孔体に電流を流してパネルヒー
タとして利用することもできる。 更に、軽量構造材、断熱材、電池の電極、曝気
装置、化学吸着剤、面発熱体、電波シールド材等
に使用できる。 次に実施例により本発明をより具体的に説明す
る。 実施例 1 重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコ
ールを水に分散させ、次いで加熱溶解後60℃にな
つたところで所定の粒径の小麦粉澱粉の水分散液
を加えて均一に混合した。更に黒鉛粉末(325メ
ツシユ)を所定量加え撹拌しながら70〜80℃に加
熱した。この混合液を40℃に冷却後37%のホルマ
リン及び硫酸を加えて均一に混合し、ポリビニル
アルコール7%、澱粉4%、黒鉛0〜28%、ホル
マリン10%、硫酸10%からなる溶液を調整した。
該溶液を外径70mmφ、内径30mmφ、高さ300mmの
中空円筒状の型に流し込み60℃で18時間加熱した
後型より取り出し、水洗し澱粉及び未反応物を溶
出せしめ、黒鉛粉末を含む連続気孔を有するポリ
ビニルホルマール多孔体を得た。該多孔体の平均
孔径は100μであつた。 次に上記多孔体を固形分50%のレゾール樹脂の
メタノール溶液(群栄化学工業(株)製品:AP―
106GK)に浸漬し、遠心分離機にて過剰の溶液
を除去し、150℃の熱風循環乾燥機に30分間放置
して乾燥、硬化させた。レゾール樹脂の付着量は
50〜52%であつた。 得られた多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気
中、150℃/hrで900℃迄昇温し、同温度で1時間
保持した後冷却し、炭素多孔体を得た。該多孔体
の特性を第1表に示す。 第1表より明らかな如く、黒鉛粉末の含有量が
10%未満の場合は重量減少及び寸法変化が大き
く、得られた炭素多孔体は円筒形より歪だ形状と
なつた。又、黒鉛粉末の含有量が70%を越えると
強度がある高気孔率のポリビニルホルマール多孔
体を得ることが出来なかつた。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1と同様にして黒鉛の代りに硬化ノボラ
ツク繊維の粉末繊維(日本カイノール(株)製品KN
―10BT)を用いて円筒状のポリビニルホルマー
ル多孔体を得た。該多孔体の平均孔径は50μであ
つた。 次に上記多孔体に固形分40%のフラン樹脂(日
立化成工業(株):ヒタフラン302)のアセトン溶液
を用い実施例1と同様にしてフラン樹脂を40〜43
%付着させ、次いで実施例1と同様に焼成してガ
ラス状炭素からなる多孔体を得た。該多孔体の特
性を第2表に示す。
【表】 第2表より硬化ノボラツク繊維を含むポリビニ
ルホルマール多孔体は焼成時の重量保持率及び寸
法保持率が優れていることがわかる。 尚、硬化ノボラツク繊維を80%混合すると型へ
の流し込みが困難となり、孔径分布の均一な多孔
体が得られなかつた。 実施例 3 重合度1000、けん化度99%のポリビニルアルコ
ールを水に分散させ、次いで加熱溶解後60℃にな
つたところで所定の粒径の馬鈴薯澱粉の水分散液
を加えて均一混合し、撹拌しながら70〜80℃に加
熱した。この混合液を40℃に冷却後シリカ粉末
(250メツシユ)、ベンズアルデヒド及び硫酸を加
えポリビニルアルコール6%、澱粉4%、シリカ
粉末2.5%、ベンズアルデヒド10%、硫酸10%の
溶液を調整した。 該溶液を300×300×10mmの容器に注入し、60℃
で18時間加熱した後、型より取り出し水洗し澱粉
及び未反応物を溶出せしめシリカ粉末を含む連続
気孔を有する板状のポリビニルベンザール多孔体
を得た。該多孔体の平均孔径は25μであつた。 次に上記多孔体に固形分30%水溶性メラミン樹
脂(住友化学工業(株)製品:スミテツクスレジン
M3)を含浸し、過剰の溶液を遠心分離機で除去
した後150℃で1時間乾燥・硬化させた。メラミ
ン樹脂の付着量は23%であつた。 次に得られた多孔体に水溶性レゾール樹脂(住
友デユレズ(株)製品:PR961A)を所定量同様にし
て付着させた後、窒素雰囲気中1000℃迄3時間で
昇温し、同温度で1時間保持し、シリカ粉末を含
む炭素多孔体を得た。該多孔体の特性を第3表に
示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無機物又は炭素化し得る有機物を10〜70重量
    %含有する連続気孔を有するポリビニルアセター
    ル系合成樹脂多孔体に熱分解によりガラス状炭素
    に転化し得る樹脂又はそれを主成分とする樹脂を
    施与した後硬化し、非酸化性雰囲気中で焼成する
    ことを特徴とする炭素多孔体の製造法。 2 ポリビニルアセタール系合成樹脂多孔体がポ
    リビニルホルマール系合成樹脂多孔体又はポリビ
    ニルベンザール系合成樹脂多孔体である特許請求
    の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。 3 熱分解によりガラス状炭素に転化し得る樹脂
    がフエノール樹脂又はフラン樹脂である特許請求
    の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。 4 樹脂含浸後の合成樹脂多孔体中の熱分解によ
    りガラス状炭素に転化し得る樹脂の含有量が25〜
    90重量%である特許請求の範囲第1項に記載の炭
    素多孔体の製造法。 5 無機物が炭素、黒鉛、金属酸化物、炭化物、
    窒化物の粉末又は短繊維である特許請求の範囲第
    1項記載の炭素多孔体の製造法。 6 炭素化し得る有機物がセルロース、フエノー
    ル樹脂、フラン樹脂からなる粉末又は短繊維であ
    る特許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造
    法。 7 非酸化性雰囲気中で800℃以上に焼成する特
    許請求の範囲第1項記載の炭素多孔体の製造法。
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