JPS6129866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、波形採光板相互の継手部に使用し、
荷重を等分布にて受けることができ、水密接合が
でき、極めて簡易な構成の継手用波形ガスケツト
に関する。

〔従来の技術及びその問題点等〕

近時、省エネルギー政策の見地等より、構造物
の屋根または壁等に採光部を設けることが盛んに
行なわれている。該採光部を長手方向に適宜の長
さの波形採光板で葺成するのに、継手部の雨仕舞
を確実にしつゝ、振動等にて波形採光板が割れに
くいように継手部を構成することが要望されてい
る。ところが、簡易の構成で、施工性も勝れ、し
かも波形採光板を割れににくゝした継手用ガスケ
ツトは存在しなかつた。

〔問題点を解決するための手段〕 そこで考案者は、前記問題点等を解決すべく鋭
意、研究を重ねた結果、本考案を、波形帯部の上
面の適宜の頂部の幅方向略中央に突起を突出形成
し、その外の上面に、突起の幅よりも、少し大き
な幅の溝部を長手方向に形成し、突起と溝部とを
交互に連続させた継手用波形ガスケツトとしたこ
とにより、これを使つて、波形採光板相互の対向
する両端を支持して採光部を葺成すると、水密接
合ができるし、その施工が安全で、簡易且つ迅速
であり、強度的には波形受金具及び構造材で支持
するもので、本考案のガスケツト自体は偏平波形
のもので十分であり、価格も極めて安価にできる
し、その波形ゆえに、波形採光板自体及びこれに
加わる荷重を等分布で受けられ、波形採光板を著
しく破損しにくいものにでき、前記の問題点等を
解消したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図乃至第９図に基
づいて説明する。

１は波形帯部で、後述の波形採光板７の波形の
サインカーブと同等の波形が形成されている（第
１図、第５図、第７図参照）。その波形帯部１の
上面の適宜の頂部の幅方向略中央に、夫々突起
２，２，…が突出形成され（第１図、第５図、第
７図では頂部全体）、且つこの突起２，２，…を
設けた箇所の外の上面に、溝部３が長手方向に形
成されている。この溝部３の幅（第２図、第４図
において左右方向の幅）は、突起２の幅（第３図
において左右方向の幅）よりも少し大きく形成さ
れている。さらに、その突起２と溝部３とは交互
に連続している。

この溝部３を形成した波形帯部１と、突起２と
は硬質の合成ゴムまたは合成樹脂製の材質のもの
で一体成形され、これが継手用波形ガスケツト４
と称される。

また、その溝部３の断面は、第１図、第２図、
第５図に示すように、角形偏平Ｕ字状をなしてい
るが、蟻形に形成することもある（第４図参
照）。

４ａは貫孔で、突起２箇所より波形帯部１の下
面まで縦設されている。その貫孔２は施工時に穿
設することもある。

５は金属製の波形受金具で、前記波形帯部１と
略同形状をなし、この上に波形帯部１が固定され
る。

６ａはボルトで、その波形受金具５の波形の頂
部の適宜の突起２，２，…（図面では突起２全
体）にカシメ等で固着されている（第５図、第６
図参照）。そのボルト６ａが、前記貫孔４ａに嵌
入され、ボルト６ａの上端が突起２の上部に露出
するようにして、波形受金具５上に継手用波形ガ
スケツト４が固定されている（第５図参照）。

６ｂはナツト、７は透明状のガラス、合成樹脂
製の波形採光板で、その長手方向の長さ及び幅は
適宜な長さや幅に形成されている。８はシリコン
系またはウレタン系のシーリング材、９は押え座
金板、１０はカバーキヤツプ、１１は胴縁、母
屋、型材等の構造材である。

〔作用〕

まず、本考案品の継手用波形ガスケツト４を使
つて、採光壁を施工する場合について述べると、
構造材（胴縁）１１にボルト６ａ付波形受金具５
を溶接等にて固着し、該波形受金具５の外面に継
手用波形ガスケツト４を固定させる。或は、該継
手用波形ガスケツト４は、第５図に示すように、
波形受金具５に予め固定させておくこともある。
そして、波形採光板７の長手方向を垂直状にし、
この下端を、継手用波形ガスケツト４の突起２に
て支持し、且つ波形帯部１の波形外面に当接する
ようにし、その上端も、上方位置の継手用波形ガ
スケツト４の波形帯部１の波形外面に当接するよ
うにし、この上側または下側位置に同様に波形採
光板７をセツトし、このようにして、上下位置と
なつた波形採光板７，７の突き合わせ状部の僅か
の間隔（突起２の厚さ）から溝部３内にシーリン
グ材８を充填し、且つ突き合わせ状部の突起２箇
所に押え座金板９を被覆し、ここに突出したボル
ト６ａにナツト６ｂを螺着し、波形採光板７，７
の継手部を施工する（第７図乃至第９図参照）。
また、波形採光板７を採光屋根として葺成する場
合にも、本考案の継手用波形ガスケツト４を使用
できることは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案においては、波形帯部１の上面の適宜の
頂部の幅方向略中央に突起２，２，…を突出形成
し、その外の上面に、突起２の幅よりも、少し大
きな幅の溝部３を長手方向に形成し、突起２と溝
部３とを交互に連続させた継手用波形ガスケツト
としたことにより、第１に採光壁葺成時に確実且
つ安全な施工ができ、第２に極めて良好な水密接
合が可能となるし、第３に波形採光板７を破損し
にくい支持ができる等の多くの効果を奏する。

これらの効果について詳述すると、まず、本考
案の継手用波形ガスケツトにて、採光壁として
の、波形採光板７，７の対向する両端の継手部の
支持部材として構成すると、その施工時に、その
突起２にて波形採光板７の重量を支持しつゝ取付
ができ、高所等でも取扱いが簡単で、波形採光板
７を落下させる危険もなく、安全且つ確実に施工
できる。これは簡単なことのように思慮される
が、高所での作業には極めて大きな効果がある。
また、波形採光板７を、突起２に当接させつつ施
工できることで、波形採光板７の位置決め等のセ
ツトが簡易且つ迅速にできる利点もある。

また、本考案では、突起２の幅よりも、少し大
きな幅の溝部３を形成し、突起２と溝部３とを交
互に連続させたことにより、その溝部３にシーリ
ング材８を充填させることで、波形採光板７，７
の継手部を水密接合できる。具体的には、その波
形採光板７，７の端面のみならず、突起２の幅よ
りも、少し大きな幅の溝部３にて、波形採光板
７，７の端寄りの少し裏側までもシーリング材８
にて水密処理がなされることとなり、水密処理が
２面に亘ることで、水密性を確実にできる効果が
ある。さらに、このような継手は、突き合わせと
なり、従来のように多く存在した重合継手に比較
して極めて施工性の勝れたものにできる。

また、本考案の継手用波形ガスケツト４は、主
に、偏平波形部で構成され、価格的にも安価であ
るが、その波形面にて、波形採光板７自体及びこ
れに加わる荷重を等分布で受けることができ、波
形採光板７を著しく破損しにくいような取付がで
きる。また、その荷重の強度的支持は、構造材１
１や、波形受金具５によるものであるが、本考案
品は、介在用のガスケツトとして、継手部に前述
のように、極めて有用な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は第１図−
線端面図、第３図は第１図−矢視断面図、
第４図は第２図の別の実施例の端面図、第５図は
本考案品をボルト付波形受金具に固定した斜視
図、第６図は第５図−線端面図、第７図は本
考案品を使つての、波形採光板による採光壁の継
手部を構成した斜視図、第８図、第９図は第７図
の縦断側面図である。 １……波形帯部、２……突起、３……溝部、４
……継手用波形ガスケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 波形帯部の上面の適宜の頂部の幅方向略中央に
   突起を突出形成し、その外の上面に、突起の幅よ
   りも、少し大きな幅の溝部を長手方向に形成し、
   突起と溝部とを交互に連続させたことを特徴とし
   た継手用波形ガスケツト。