JPS6128001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はOHC型エンジンに於けるラツシユア
ジヤスタの支持機構に関するものである。

従来OHC型エンジンでラツシユアジヤスタを
使用する場合、該アジヤスタの摺動部をシリンダ
ヘツド内に設けたものは知られているが、この場
合は構造、組付、加工等が複雑となる欠点があつ
た。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、ラツシユアジヤスタをロツカサポ
ート又はカムシヤフトベアリングキヤツプに摺動
可能に支持することにより、構造簡単なラツシユ
アジヤスタの支持機構を提供せんとするものであ
る。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第１図〜第４図は本考案の実施例を示し、１
は図示しないシリンダの上端部を形成するシリン
ダヘツドで、該シリンダヘツド１には燃焼室２と
シリンダヘツドポート３との間の連通を開閉制御
するバルブ４のバルブステム５が上下に摺動可能
に支持されている。このバルブ４はバルブステム
５の上端に固定されたスプリングリテーナ６とシ
リンダヘツド１の上端面に形成されたバネ座７と
の間に挿入されたバルブスプリング８により上方
に付勢されている。９はロツカアームで、その一
端９ａはバルブステム５の上端とバルブスプリン
グ８のバネ力により常時接しており、又他端９ｂ
とカムシヤフト１１のカム面１１ａとの間にはラ
ツシユアジヤスタ１２が介設されている。ラツシ
ユアジヤスタ１２は、カムシヤフト１１を押える
部材であるカムシヤフトベアリングキヤツプ２３
に設けた摺動穴内に上下動可能に挿入支持されて
いる。

またラツシユアジヤスタ１２は作動オイルをア
ジヤスタ内部に有する密封型、外部より作動オイ
ルの供給を受ける圧送型の何れも使用可能である
が、その１例を第１図について説明すると、１３
はアジヤスタボデーでその上端開口の軸穴をプラ
ンジヤ１４が上下方向に往復運動するように挿入
されている。１５はキヤツプでその上端面がロツ
カアーム９の端部９ｂに接しており、下端部はプ
ランジヤ１４の上端開口部内に嵌合し、該プラン
ジヤ１４と一体にアジヤスタボデー１３の軸穴内
を軸方向に移動するようになつている。又アジヤ
スタボデー１３の下端面はカムシヤフト１１のカ
ム面１１ａに当接している。

プランジヤ１４の内部にはキヤツプ１５の下端
面によりリザーバ１６が形成されると共に、プラ
ンジヤ１４の下端面とアジヤスタボデー１３の軸
穴底部により圧力室１７が形成されている。又プ
ランジヤ１４の下端部中心にはオイル通路１８が
形成されており、該オイル通路１８の下端面には
スプリング１９により押上げられているチエツク
バルブ２０があり、該チエツクバルブ２０はリザ
ーバ１６から圧力室１７へのみオイルの流通を許
容するものである。２１はアジヤスタボデー１３
の軸穴底部とプランジヤ１４の下端面との間に挿
入されてプランジヤ１４を上方に付勢しているプ
ランジヤリターンスプリングである。

次に以上の如く構成された実施例について作用
を説明する。図示しないエンジンが始動すると、
クランクシヤフトによりカムシヤフト１１が回動
を開始し、カムシヤフト１１のカム面１１ａに接
するラツシユアジヤスタ１２を介してロツカアー
ム９の一端部９ｂが押し上げられ、その結果他端
部９ａを介しバルブ４が押し下げられる。

次にカムシヤフト１１が更に回転すると、ロツ
カアーム９の一端９ａはスプリング８により上方
に付勢されているので他端９ｂはカム面１１ａに
追従して下る。従つてバルブ４は上昇してシリン
ダヘツドポート３と燃焼室２間の連通を閉じる。

この間ラツシユアジヤスタ１２内ではプランジ
ヤ１４が往復動し、オイルがリザーバ１６と圧力
室１７間を移動し、従来公知のラツシユアジヤス
タと同じく漏れオイルに対する補償を行なう。

以上詳細に説明した如く本考案は、作動中バル
ブクリアランスを零に保ち、漏れオイルに対する
補償機能を有する従来公知のラツシユアジヤスタ
を、一端が機関燃焼室とシリンダヘツドポートと
の間の連通を制御するバルブのバルブステム上端
に常時接し、カムシヤフトの回転により揺動する
ロツカアームの他端と、該カムシヤフトのカム面
との間に介設すると共に、前記ラツシユアジヤス
タのアジヤスタボデーがカムシヤフトベアリング
キヤツプに支持穴を設け、該支持穴にラツシユア
ジヤスタのアジヤスタボデイが摺動可能に支持さ
れるようにしたので、従来のシリンダヘツド内に
ラツシユアジヤスタの摺動部を設けたもののよう
に構造、組付、加工等が複雑となるような欠点は
なく、従来のシリンダヘツドの構造は変えること
なく、ロツカサポート又はカムシヤフトベアリン
グキヤツプを変えるだけでよいから構造も簡単
で、コスト低下を計ることができるものである。

また本考案は、アジヤスタボデーをカムシヤフ
トのベアリングキヤツプ内に摺動自在に支持する
ようにしたため、エンジンのシリンダヘツド以下
の構成は変更する必要がなく、種々なタイプのエ
ンジン（シリンダヘツド以下の構成を変更するこ
となく）に適用できる。

更に従来の各ベアリングキヤツプにアジヤスタ
ボデー支持部を一体的に設ければ足り、ボデー支
持用の部材を別に設ける必要がない。また本考案
は各ラツシユアジヤスタ（１気筒つき吸気弁と排
気弁用の２個）を支持するベアリングキヤツプを
１部材にて形成したものであるので、この１部材
にオイル通路を形成すれば、別体のロツカーサポ
ートに夫々オイル通路を形成する必要がない。

また本考案におけるカムシヤフトは、シリンダ
ヘツドの上面とベアリングキヤツプとの接合面に
より支持され、カムシヤフトのカム面に係合する
ラツシユアジヤスタが、ベアリングキヤツプに配
設される。そこでカムシヤフトのジヤーナル潤滑
用オイル通路に連通する様に、ベアリングキヤツ
プに供給通路を設け、該供給通路を介してラツシ
ユアジヤスタに作動オイルが供給される。この様
に本考案では従来のオイル通路、つまりカムシヤ
フトのジヤーナル潤滑用オイル通路を利用するこ
とができるので、ラツシユアジヤスタの装着に際
してのオイル供給通路の加工は、ベアリングキヤ
ツプの加工だけでよい。従つて、従来の様に、シ
リンダヘツドにオイル供給通路を加工する必要が
なくなるので、加工面で非常に有利となる。ま
た、シリンダヘツドに通路加工用に肉厚をもたせ
る必要もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すラツシユアジヤ
スタ支持機構を備えた内燃機関のバルブ機構を示
す側断面図、第２図は第１図のＣ〜Ｃ断面図、第
３図は第２図のＤ矢視図、第４図は第２図及び第
３図のＥ〜Ｅ断面図である。 図の主要部分の説明、１……シリンダヘツド、
３……シリンダヘツドポート、４……バルブ、５
……バルブステム、９……ロツカアーム、１１…
…カムシヤフト、１１ａ……カム面、１２……ラ
ツシユアジヤスタ、１３……アジヤスタボデー、
２３……カムシヤフトベアリングキヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロツカーアームを介してカムシヤフトの回転に
   よりバルブを開閉制御するOHCタイプの動弁系
   に装着され、該動弁系に生じる間隙を自動調整す
   るラツシユアジヤスタに於いて、シリンダヘツド
   上に配設される前記カムシヤフトを１部材から成
   るベアリングキヤツプにて固定し、該ベアリング
   キヤツプに支持穴を設け、該支持穴にラツシユア
   ジヤスタのアジヤスタボデイを摺動可能に支持す
   ると共に、オイル供給通路を前記ベアリングキヤ
   ツプ内に形成したことを特徴とするラツシユアジ
   ヤスタの支持機構。