JPS6126097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一台の車輌の車室内に前席用冷房ユ
ニツトと後席用冷房ユニツトの２個の冷房ユニツ
トを持つ車輌用冷房装置の改良に関するものであ
る。

従来のこの種冷房装置の電気回路図を第１図に
示す。

第１図において、Ａはプラス供給部、Ｂ，Ｃ，
Ｄは各々前席用冷房ユニツトの操作スイツチ、風
量制御用抵抗、ブロアモータを示す。またＨ・
Ｉ・Ｊは後席用冷房ユニツトの操作スイツチ、風
量制御用抵抗、ブロアモータを示す。

Ｅは前席用冷房ユニツトに設けたサーモスタツ
ト、Ｆは圧縮機の運転を制御する周知のマグネツ
トクラツチ、Ｋは後席用冷房ユニツト側の冷媒の
流れを断続制御する電磁弁、Ｇは電磁開閉器、Ｌ
はアースを示している。

しかしながら、このような構成では、圧縮機と
連結されたマグネツトクラツチＦは、前席用冷房
ユニツトに設けたサーモスタツトＥによつて制御
されるため、後部座席温度が十分に下がつていな
くとも、マグネツトクラツチＦがOFFする場合
が多く、後部座席では冷房効果が十分に発揮でき
ないという不具合があつた。

本考案は、上記従来の欠点を解消するもので、
後部座席を設定通りに冷房できる冷房装置を提供
するものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面の
第２図、第３図を参考に説明する。

まず、第２図により冷凍サイクルについて説明
する。

同図において、１は圧縮機、２は凝縮器、３は
前席用冷房ユニツト、４は後席用冷房ユニツト、
５はドライヤーレシーバ、６は前席用冷房ユニツ
トの入口側に設けた冷媒の流れを断続する電磁弁
（以下単に電磁弁と称す）であり、これらによつ
て冷凍サイクルが形成されている。

次に第３図によつて電気回路について説明す
る。

同図において、７は前席用冷房ユニツト３の操
作スイツチであり、フアンモータ１０のスピード
を抵抗８により２段階に切替えできるものであ
る。この操作スイツチ７の可動接片ａはプラス供
給部９に、またその風量切換接点で低速接点ｂ，
高速接点ｃは抵抗８を介して、前席用冷房ユニツ
ト３のフアンモータ１０に接続されており、この
フアンモータ１０の他端はアース１１に接続され
ている。また前記操作スイツチ７の開閉接点ｄは
前席冷房ユニツトのサーモスタツト１２を介して
電磁開閉器１３の可動接片ｅに接続されている。
前記電磁開閉器１３の常閉接点ｆはマグネツトク
ラツチ１４を介しアース１１に、常開接点ｇは、
前席冷房ユニツトの入口側に設けた電磁弁６を介
してアース１１にそれぞれ接続されている。１６
は後席用冷房ユニツト４の操作スイツチで、その
可動接片ｈはプラス供給部９に、低速接点ｉ、高
速接点ｊは抵抗１７を介して後席用冷房ユニツト
４のフアンモータ１８にそれぞれ接続されてお
り、このフアンモータ１０の他端はアース１１に
接続されている。また前記操作スイツチの開閉接
点Ｋは電磁開閉器１３の励磁コイルに接続され、
更にダイオード１９、後席用冷房ユニツト４に設
けたサーモスタツト２０を介して前記マグネツト
クラツチ１４に接続されている。また電磁開閉器
１３の励磁コイルの他方はアース１１に接続され
ている。

上記構成において、前席冷房ユニツト３の操作
スイツチ７のみONにすると、開閉接点ｄ、サー
モスタツト１２、電磁開閉器１３の常閉接点ｆを
通してマグネツトクラツチ１４に通電される。

したがつて、前席冷房ユニツト３に設けたサー
モスタツト１２により、マグネツトクラツチ１４
が断続通電される。

次にこの状態で後席冷房ユニツト４の操作スイ
ツチ１６をON投入すると、電磁開閉器１３の励
磁コイルに通電され、電磁弁６は前席サーモスタ
ツト１２によつて、またマグネツトクラツチ１４
は後席サーモスタツト２０によつてそれぞれ断続
通電される。

このように前席の温度制御は前席冷房ユニツト
３の入口側に設けた電磁弁６の断続開閉により、
後席の温度制御はマグネツトクラツチ１４の断続
通電により、冷房能力を自由に設定できる。

上記実施例より明らかなように、本考案の車輌
用冷房装置は、一台の車輌の車室内に前席用冷房
ユニツトと後席冷房ユニツトの２個の冷房ユニツ
トを具備し、各冷房ユニツトにサーモスタツトを
設け、また前席用冷房ユニツトにサイクル断続用
電磁弁を設け、前席用冷房ユニツトの操作スイツ
チのみON投入した時は、前席用冷房ユニツトに
設けたサーモスタツトにより、マグネツトクラツ
チを断続通電し、前後席両冷房ユニツトの操作ス
イツチをともにON投入した時は、前席冷房用ユ
ニツトに設けたサーモスタツトにより前記電磁弁
を断続通電し、後席用冷房ユニツトに設けたサー
モスタツトによりマグネツトクラツチを断続通電
するようにしたもので、前後席ともに自由に設定
の温度にすることができ、これにより後部座席温
度が十分下がつていなくとも、マグネツトクラツ
チがOFF動作して後部座席では冷房効果が十分
に発揮できないという従来の欠点も解消でき、さ
らに後席冷房ユニツトを単独にも操作できる等、
種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す車輌用冷房装置の電気回
路図、第２図は本考案の一実施例における車輌用
冷房装置の冷媒回路図、第３図は同冷房装置の電
気回路図である。 ３……前席用冷房ユニツト、４……後席用冷房
ユニツト、６……電磁弁、７……前席冷房ユニツ
ト操作スイツチ、１２，２０……サーモスタツ
ト、１４……マグネツトクラツチ、１６……後席
用冷房ユニツト操作スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一台の車輌の車室内に前席用冷房ユニツトと、
   後席用冷房ユニツトの２個の冷房ユニツトを具備
   した車輌用冷房装置において、前記各冷房ユニツ
   トに、車室内温度を制御するサーモスタツトを設
   け、さらに前席用冷房ユニツトにサイクル断続用
   電磁弁を設け、前席用冷房ユニツトの操作スイツ
   チのみON投入した時は、前席用冷房ユニツトに
   設けたサーモスタツトにより、圧縮機の運転を制
   御するマグネツトクラツチを断続運転し、また前
   部および後部用冷房ユニツトの両操作スイツチを
   ON投入した時は、前記前席用冷房ユニツトに設
   けたサーモスタツトにより前記電磁弁を断続開閉
   し、あわせて後席用冷房ユニツトに設けたサーモ
   スタツトによりマグネツトクラツチを断続運転す
   るようにした車輌用冷房装置。