JPS6124229B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車におけるインストルメント
パネルの取付構造に関し、特にインストルメント
パネルと車体との結合部分における取付構造の改
良に係るものである。

一般にインストルメントパネルを車体に固定す
る構造としては、車体ボデイサイドにインストル
メントパネル取付用ブラケツト（以下ブラケツト
と称する。）をボルト締め等により固定し、この
ブラケツトにインストルメントパネルを載置して
ボルト締めすることにより行なつていた。ところ
で、ブラケツトとインストルメントパネルとは金
属同志の結合であるため機関振動、走行振動等に
よつてインストルメントパネルが振動し、この振
動により金属こすれ音が発生し、これが乗員に不
快感を与え、車輌品質を損なうものであつた。こ
のため、ブラケツトのインストルメントパネル取
付面側に両面接着テープによりワツシヤを取りつ
け、上記異音の発生を防止しているが、ブラケツ
トやインストルメントパネルの成形時に付着した
油脂分その他の異物により接着テープの接着力が
低下し、小さな外力、例えばインストルメントパ
ネル取付位置調整の際にインストルメントパネル
を多少ズラしたり、又元に戻したりといつた微少
な外力によつて簡単にワツシヤが剥落してしまう
虞れがあり、何らかの解決策が望まれているとこ
ろである。

一方、ブラケツトの取付部位附近にはインスト
ルメントパネルの各種計器類、照明器類に接続さ
れるワイヤハーネスが存在し、上記ブラケツトの
端面によりハーネス類が損傷する虞れがありブラ
ケツトに何らかの端末処理を施さなければならな
いというのが実状である。

この発明は以上述べた実状を勘案してなされた
もので、ハーネス類の損傷を防止すると共にブラ
ケツトとインストルメントパネル間の異音の発生
を防止したインストルメントパネル取付構造の提
供を目的とする。かかる目的を達成するために、
本願発明の要旨とするところは、インストルメン
トパネル取付用ブラケツトにハーネス類損傷防止
用の樹脂製プロテクターを取りつけ、このプロテ
クターに上記ブラケツトとインストルメントパネ
ルとの間に介在するワツシヤ部を一体に延設した
取付構造にある。

以下、図面に示す実施例にもとづいてこの発明
の構成を説明する。

第１図ないし第４図において１は車体ボデイサ
イドの構造部材であるところのダツシユサイドパ
ネルの内側面にボルト締めされ、インストルメン
トパネル２を載置してボルト締めにより固定する
部材であるインストルメントパネル取付用ブラケ
ツト（以下、単にブラケツトと称する。）を示
し、該ブラケツト１の裏側端面は、ダツシユボー
ド側に集中存在するワイヤハーネス類をブラケツ
ト１のいわゆる末端面で損傷することを防止する
ために樹脂プロテクター３によつて覆われてい
る。上記ブラケツト１は、車体ボデイサイドの構
成部材であるところのダツシユサイドパネルにボ
ルト締め等により固定されるベース部１ａとイン
ストルメントパネル２を構成し取付け固定するた
めに前記ベース部１ａからほぼ直角方向に延びる
取付面部１ｂ、およびこの取付面部１ｂに穿設さ
れたボルト挿通孔１ｃとから構成され、前記プロ
テクター３と係合する端部には立ち上りフランジ
が設けられている。又、塩化ビニール、ポリプロ
ピレン等の合成樹脂よりなる前記プロテクター３
は、前記ブラケツト１のベース部１ａの裏側端部
を覆うプロテクターベース部４と該ベース部４の
端部から一体に延設されブラケツト１とインスト
ルメントパネル２との間に介在するワツシヤ部５
とから構成されている。そして前記プロテクター
ベース部４には上下３箇所において、ブラケツト
１のフランジ部に係着する取付爪４ａが形成され
る一方、上記ワツシヤ部５は、本体５ａと該本体
５ａの一般面に穿設されたボルト挿通孔５ｂおよ
び前記本体５ａの延設端部に形成されブラケツト
１の取付面部１ｂ端に係止するフツク片５ｃとか
らなつている。

次に本願発明の取付に関して簡単に説明する
と、まづ、車体組立工程において、ブラケツト１
を車体のダツシユサイドパネル内側にボルト締め
で固定し、次いで、その後の艤装工程においてプ
ロテクター３をブラケツト１に固定し、該ブラケ
ツト１にインストルメントパネル２を載置しボル
ト締めで固定する。

なお、プロテクター３をブラケツト１に取付け
るにはプロテクター３のベース部４をブラケツト
１のフランジに取付爪４ａが引掛るまで押し込み
固定し、次にワツシヤ部５の本体５ａを折り曲げ
てフツク５ｃによりブラケツト１の取付面部１ｂ
の表側端に係止する。

なお、図示はしないがワツシヤ部５を予め、ブ
ラケツト１の取付面部１ｂに沿うように延設する
こともできる。

以上説明したようにこの発明は、インストルメ
ントパネル取付け用ブラケツトにハーネス類損傷
防止用の樹脂製プロテクターを取りつけ、このプ
ロテクターに上記ブラケツトとインストルメント
パネルとの間に介在するワツシヤ部を一体に延設
した構成としたため、次のような効果を得ること
ができる。

(イ) 樹脂製プロテクターによりハーネスを保護す
るとともにインストルメントパネルとブラケツ
トとの間に、前記プロテクターと一体に形成さ
れたワツシヤ部が介在するため金属同志のこす
れ音が発生することなく異音の発生を防止で
き、乗員に不快感を与えることがないので、車
輌品質の向上が図れる。

(ロ) ワツシヤ部はプロテクターと一体になりブラ
ケツトへの取付けに両面テープ等を使用しない
構成となつているため、ブラケツトやインスト
ルメントパネルに油脂分等が付着していても剥
落することなく取付安定性に優れる。

(ハ) プロテクターとワツシヤを一体成形としたの
で、構造が簡単でかつ、プロテクターの取付も
爪によつてなすため、取付が容易であるため堅
牢であるとともに原価コストの低減を図りう
る。

上記共通の効果に加えて、ワツシヤ部の延設端
にフツクを設ける実施例にあつては、フツクによ
りワツシヤ部がブラケツトの取付面部にしつかり
と固定されるので取付安定性に更に優れたものと
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本願発明の取付状態を示す斜視図、
第２図ａは本願発明に係るプロテクターの一実施
例の斜視図、第２図ｂはブラケツトの斜視図、第
３図および第４図はそれぞれ第２図に示すプロテ
クターの正面図および側面図である。 １……インストルメントパネル取付用ブラケツ
ト、１ｂ……取付面部、２……インストルメント
パネル、３……プロテクター、５……ワツシヤ
部、５ｃ……フツク片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インストルメントパネルをブラケツトを介し
   て車体に固定する構造において、前記ブラケツト
   にブラケツト端面を覆うワイヤハーネス類損傷防
   止用樹脂プロテクターを取りつけ、該プロテクタ
   ーにインストルメントパネルとブラケツトとの間
   に介在するワツシヤ部を一体に延設してなるイン
   ストルメントパネルの取付構造。 ２ ワツシヤ部の延設端にはブラケツトのインス
   トルメントパネル取付面部端に係止するフツク片
   が形成されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のインストルメントパネルの取付構
   造。