JPS6123424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はブレードパツキングに関し、更に詳し
くは複数のストランド（紐）で組み上げられてな
るブレードパツキングに関する。

従来の技術 ブレードパツキングは各種のシール目的に対し
て工業では広汎に使用されている。代表的なパツ
キングは亜麻、ジユート、アスベスト、又はポリ
テトラフルオルエチレンなどの合成繊維で作られ
ている。この合成繊維は糸又はストランド（紐）
にされ、そして芯をなすコアストランドの囲りに
組まれたものである。そうした製品では代表的に
四角断面を有し、パツキングに沿つた軸方向には
にしんの骨模様の織組織を有している。そのよう
なパツキングの代表的な例は米国特許番号第
3646846号で開示されている。

発明が解決しようとする問題点 従来のブレードパツキングはシヤフトに巻かれ
ると、パツキングの繊維密度が一様にならないと
いう不都合がある。従来のブレードパツキングは
シヤフトに巻かれると、シヤフトに近い内径部に
あるパツキング繊維は圧縮され、そして外径部に
ある繊維は引つ張られる。その結果最初は四角断
面であつたパツキングが、不等辺四角形（梯形）
状となり、その形では外径部には内径部よりも大
きい漏洩通路が見られる。その上、この代表的な
ブレードパツキングのシール特性は静的であり、
シール作用を発揮するには実質的な圧縮が必要で
ある。漏洩をコントロールする目的でパツキング
を圧縮すれば、シヤフト上に大きな圧力を及ぼす
結果となり、パツキングから潤滑剤を押し出し、
パツキングをオーバーヒートし、その寿命が短か
くなり、更にシヤフトの損傷の原因ともなる。

従つて、本発明の主目的はシヤフト等に巻かれ
た時に、断面密度の均一性の良好なパツキングを
得ることであり、従つてシール作用のために必要
な圧縮力を少く出来、パツキングの寿命が長く、
シヤフトの損傷が少くすることに役立つものであ
る。又別の目的は回転するシヤフトと共に流体力
学的なシール性能と有し、更にシールのために必
要な圧縮を少くできることにある。本発明のもう
一つの目的は、普通の機械で簡単にしかも経済的
に製造可能なパツキングを作ることである。

問題点を解決するための手段 本発明のブレードパツキングは、一緒に組まれ
た複数のストランドから出来ていて、１方向に規
則的な渦巻き状の捩れを有する細長い組みひもを
形成するようになつている。

好ましい実施態様のブードパツキングでは、中
央コアストランドとその中央コアストランドの囲
りで等間隔に配置された複数個の外方コアストラ
ンドがある。外方コアストランドはパツキングに
沿つて一方向に螺旋状に延びている。ブレードス
トランドが外方コアストランドの上を回り、次に
隣接する外方コアストランドの下を通り、このと
きに前記隣接する外方コアストランドの上を回つ
ている２本のブレードストランドの間を通る。組
みひもの規則的捩れは、外方コアストランドの上
に回つたブレードストランドの隆起及び隣起間の
溝によつて形成されている。ブレードパツキング
は潤滑剤を含浸され、そして一般的な四角断面を
有する。実施態様では、パツキングは４本の外方
コアストランドと、外方コアストランドを回つて
組まれた２セツトの６本組みのブレードストラン
ドとがある。

実施例 以下図面に従つて本発明を詳述する。

第１Ａ図、第１Ｂ図及び第４図は本発明による
ブレードパツキングの構造を示している。図示の
ように、ブレードパツキング１０は中央コアスト
ランド１２と、複数の、図示の実施態様では４組
の外方コアストランド１４から成る。各コアスト
ランド１２，１４は選定されたパツキング用繊維
の複数の糸より構成される。各コアストランド１
２，１４を回つて複数のブレードストランド１６
が組まれる。

ブレードストランド１６は外方コアストランド
１４を回つて組みこまれるものであり、各ブレー
ドストランド１６はパツキング表面上で１本の外
方コアストランド１４の上を回つて延び、次に、
中央コアストランド１２に隣接して次に隣接する
外方コアストランド１４の下にと延び、さらに隣
りに外方コアストランド１４の上に延び、このパ
ターンをパツキング長手方向に沿つて続ける。全
てのブレードストランド１６は、単一の方向に螺
旋状に延びていて、パツキング表面上で平行なブ
レードストランド１６の螺旋模様を示す。

或る外方コアストランド１４の上を回つてそれ
を通りすぎたブレードストランド１６は、これが
次の外方コアストランド１４の下を通るときに該
次の外方コアストランド１４の上に回つたブレー
ドストランド１６の間を延びている。その結果、
ブレードストランド１６が外方コアストランド１
４の上を通過する時に形成される隆起１８とこれ
らの隆起間の溝１９により主要ブレードパターン
が現われる。外方コアストランド１４はブレード
ストランド１６が延びている螺旋方向とは反対の
方向に、パツキング表面に沿つて螺旋状に延び、
且つ隆起部１８溝を１９形成しているブレードス
トランド１６とともにブレードストランド１６の
螺旋方向とは反対の主要ブレードパターンの規則
的な螺旋状の捩れを有する組みひもを形成する。

上述のようなブレードパツキング１０を作るた
めに、第２図に示したような普通の組機が使用さ
れる。組機２０は、図示しない供給源から連続し
ているコアストランド１２，１４が、中を通るよ
うになつている複数の筒体芯材供給用筒棒２４，
２６を備えている。中央コアストランド１２用の
筒棒２４はテーブル２２の中心位置にある。外方
コアストランド１４用の４個の筒棒２６はテーブ
ル上に等間隔で配置されている。組機２０のテー
ブル２２の表面上には３個のキヤリヤー・トラツ
ク（走行部）２８，３０，３２がある。トラツク
２８は中央筒棒２４の囲りで４個の筒棒２６の内
側に延びているほぼ四角形の形状をしている。ト
ラツク３０と３２は相互に対角線状で交叉して延
びていて、一方のトラツク３０は対角線上で対向
する位置の２個の筒棒２６の外側に延びていて、
他方のトラツク３２は残りの対角線上で対向する
位置の２個の筒棒２６の外側に延びている。第２
図では１個のみを示したが、複数個のキヤリヤー
３４が各トラツク内にあつて、ブレードストラン
ド１６のボビン３５をそのトラツクに沿つて搬送
する。第３図に明らかなように、６個のキヤリヤ
ー３４が各トラツク３０，３２に使用され、各キ
ヤリヤー３４はトラツクに沿つて等間隔に配置さ
れていて、各トラツクで等しいパターンで配置さ
れている。全てのキヤリヤー３４は第３図で矢印
にて示した反時計方向に動くようになつている。
四角形をしたトラツク２８はこの場合使用されな
い。このようにして、筒棒２４からは連続してい
る中央コアストランド１２が、筒棒２６からは連
続している４本の外方コアストランド１４が、そ
して各トラツク３０，３２の上のキヤリヤー３４
からは６本のブレードストランド１６が引き出さ
れ、普通の方法で組み操作が実施され、その組ま
れたストランドはコンデンサー（集結器）３６を
通つて延び、出来上つたブレードパツキングが巻
取りホイル３８で巻き取られる。

ブレードパツキング１０は第１Ａ図及び第４図
に示したように最初は概して円形断面を有する。
組織から取り出された後で、ブレードパツキング
１０は普通行なわれているように潤滑剤に含浸さ
れる。その後で、ブレードパツキングは普通行な
われている方法で第１Ｂ図に示したように四角い
断面形状にと圧縮される。

使用に際しては、ブレードパツキング１０は第
５図に示したように軸４０の囲りに巻き付けられ
る。この時に本発明のブレードパツキングの断面
的密度は従来のブレードパツキングに比べてその
均一性が良好である。ブレードパツキングの断面
形状は装着の間中比較的に四角のままに維持され
る。従つて、パツキングによる適切なシール作用
を生ぜしめるために要求される締め付け具４２の
締め付け力を小さくすることができる。その結
果、軸４０との摩擦によつてパツキングが熱を持
つことが少なくなる。潤滑剤はうまく保有され、
パツキングの寿命は長く、そして軸４０の損耗は
少くなる。

規則的に一方向の螺旋状のブレードの捩れから
は更に別の利点が得られる。外方コアストランド
１４の位置の間に存在する溝１９によつて、軸の
表面に流路が形成されて、さらに付加的にパツキ
ング潤滑剤を提供する。他方、組みひもの隆起部
１８及び溝１９によつて形成される螺旋は第５図
に点線１９で示したように軸４０の回転方向４４
に対して一定の向きを有し、実際的な漏洩に逆う
ような予め定められた方向４２に流体を押し戻す
ポンプ作用を有することになる。組みひもの螺旋
は、捩れ即ち隆起部１８及び溝１９とともに一定
の向きを有し、軸４０に相対する表面では第５図
に破線２１で示したように、軸４０の軸線に対し
て鋭角をなして延び、軸４０の回転方向に対向す
るように向き、且つ流体の流れを防止したい側の
軸の端部即ち第５図に点線の矢印４６で示された
方向によつて示される軸の端部に向いている。流
体はそこからの流体の流れを防止したいと望む側
の軸端部、或いはそこへ向かつて押出したい側の
軸端部へ向かつてポンプ作用を受ける。この流体
力学的シール作用の特徴によりシールのために必
要な押え圧力が上述の利点とともにさらに低減さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図は本発明によるブレードパツキングの
切口断面を含む斜視図、第１Ｂ図は第１Ａ図のパ
ツキングの含浸されて四角断面形状に形成された
斜視図、第２図はパツキングを作るために使用さ
れる組機の説明的斜視図、第３図は第２図の組機
のキヤリヤーテーブルの拡大説明平面図、第４図
はパツキングを形成するストランドの組み方を部
分的に示しているパツキングの斜視図、第５図は
回転軸上にパツキングを使用しているスタツフイ
ングボツクスの断面図である。 １０……ブレードパツキング、１２……中央コ
アストランド、１４……外方コアストランド、１
６……ブレードストランド、２０……組機、２２
……キヤリヤーテーブル、２４；２６……芯材供
給用筒棒、３５……ボピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中心軸線の周りに配され軸方向に延びる複数
   の外方コアストランドと、該外方コアストランド
   を回つて一緒に組まれた複数のブレードストラン
   ドとから成り、前記外方コアストランドが前記中
   心軸線の回りに螺旋状に延びて前記ブレードスト
   ランドとともに前記中心軸線の回りを一方向に螺
   旋状に延びる規則的な渦巻き状捩れを有する組み
   ひもを形成し、前記ブレードストランドが前記外
   方コアストランド及び前記規則的な渦巻状捩れに
   対して角度をなす一螺旋方向で前記外方コアスト
   ランドの上を回つて延びることを特徴とするブレ
   ードパツキング。 ２ 中央コアストランドが前記複数の外方コアス
   トランドの中心部を軸方向に延び、前記外方コア
   ストランドがその回りに等間隔で配置されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   ブレードパツキング。 ３ 各ブレードストランドが、或る外方コアスト
   ランドの上を回つて延び、且つ次に隣接する外方
   コアストランドの下を該次に隣接する外方コアス
   トランドの上を回つて延びるブレードストランド
   の間を通つて延びて、従つて、前記螺旋状に延び
   ている外方コアストランドの上に突出部が出来、
   その突出部間には溝が構成されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のブレ
   ードパツキング。 ４ 外方コアストランドが４本あり、該外方コア
   ストランドを回つて組まれるブレードストランド
   が６本組で２セツトあることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項から第３項のいずれか１項に記載
   のブレードパツキング。 ５ 該パツキングはほぼ四角断面を有することを
   特徴とする特許請求の範囲第１項から第４項のい
   ずれか１項に記載のブレードパツキング。 ６ 該ブレードパツキングが潤滑剤を含浸させて
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第５項のいずれか１項に記載のブレードパツキン
   グ。 ７ 前記ブレードストランドが前記規則的な渦巻
   き捩れの延びる方向とは反対の渦巻き方向に延び
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項から第
   ６項のいずれか１項に記載のブレードパツキン
   グ。