JPS6121301B2 - - Google Patents

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JPS6121301B2
JPS6121301B2 JP18797781A JP18797781A JPS6121301B2 JP S6121301 B2 JPS6121301 B2 JP S6121301B2 JP 18797781 A JP18797781 A JP 18797781A JP 18797781 A JP18797781 A JP 18797781A JP S6121301 B2 JPS6121301 B2 JP S6121301B2
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JP
Japan
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less
roll
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steel
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JP18797781A
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JPS5891160A (ja
Inventor
Yasutaka Okada
Kunihiko Yoshikawa
Tsutomu Sakashita
Tokio Yamamoto
Kyoshi Matsuya
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP18797781A priority Critical patent/JPS5891160A/ja
Publication of JPS5891160A publication Critical patent/JPS5891160A/ja
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、凝固途中鋳片内部の未凝固溶湯に
電磁撹拌を施して鋳片の品質を改善するにあたつ
て、電磁力がロールによつて遮られることなく鋳
片に有効に到達でき、強い撹拌力を発揮すること
ができる連続鋳造用非磁性鋼ロール及びその製造
方法に関するものである。 連続鋳造においては、取鍋からタンデイツシユ
へ注入された溶鋼は通常複数の鋳型へ分配供給さ
れ、鋳型で冷却されて、周囲に凝固殻が成長して
はいるが、内部に未凝固溶鋼を残留させたままの
状態で鋳型に続くサポートロール群に引抜かれ、
該サポートロール間を通過する間にサポートロー
ル群に介在配設されたスプレーノズルからの水冷
却を受けて完全に凝固した鋳片となるが、この場
合、溶鋼が鋳型に注入されてから完全に凝固する
までに鋳片が移動する距離、即ち鋳型内湯面から
サポートロール群の間に位置する完全凝固点に至
る距離は10〜15mにも達しているのが普通であ
り、このため鋳型から完全凝固に達するまでの間
の鋳片内部には極めて細長く伸びた未凝固溶鋼領
域が存在することとなり、これが鋳片の中心偏析
や軸心割れ等の品質欠陥の原因となつていた。 近年、このような問題点を改善すべく、電磁撹
拌技術の採用が一般化してきており、これによつ
て鋳片品質の著しい向上がなされてきた。この電
磁撹拌とは、サポートロール群の上流側の鋳型側
端と、下流側の鋳片の完全凝固点との間の適宜位
置に、鋳片側面に臨ませて電磁コイルを配設し、
鋳片内の未凝固溶鋼に鋳片側面に沿う水平方向又
は垂直方向への電磁力を与えてこれを撹拌し、鋳
片中心部の凝固組織の改善、中心偏析や軸心割れ
等の軽減を図るものである。 そして、この電磁撹拌を効果的に行なうために
は、電磁コイル設置位置近傍のロールの材質を非
磁性となして、電磁力がロールに遮断されず、鋳
片内未凝固溶鋼に有効に与えられるようにするこ
とが必要であるが、従来知られていた非磁性の鋼
素材(以下非磁性鋼という)を使用してサポート
ロールを構成した場合には、以下に示す如き難点
があつた。すなわち、 一般に、非磁性鋼はオーステナイト組織を有
するものであるが、この組織の鋼素材は降伏点
が低く、鋳塊のままロールに加工すると連続鋳
造操業中にロールに曲げ変形を生じ、鋳片のサ
ポートが不能となつて、その後の操業の続行が
不可能となる事態が発生する。 鋼素材を高強度化する方法として冷間加工を
施す方法があるが、これは冷間加工の性格上、
大断面のロールには適用できない。 また、析出強化させた鋼素材として、米国の
ASTM規格のA−286が知られているが、これ
はNiを多量に含有させたものであつて極めて
高価であり、実用的ではない。 さらに、オーステナイト組織の鋼素材は、塩
素イオンを多量に含有する工業用水中において
応力腐食割れを発生しやすく、これは、鋳片冷
却用のスプレー冷却水に曝される雰囲気下で使
用されるサポートロールに使用する場合に極め
て不都合なことである。そして、前述のような
高強度化のための冷間加工を施すと応力腐食割
れ感受性がさらに高まるのに加えて、鋳片熱塊
に接したときにロール表面温度が上昇し、応力
腐食割れに対してより一層鋭敏化する。 このオーステナイト組織の鋼素材は、サポー
トロールとして使用する過程で炭化物が粒界に
析出して靭性が低下し、鋳片との接触による熱
応力を受けて割れをを生するおそれがある。 さらに、このオーステナイト組織の鋼素材は
熱伝導度が低く、しかも熱膨脹係数が高いの
で、同一の熱履歴により発生する熱応力は非オ
ーステナイト組織の鋼素材に比して大きく、こ
の点でもサポートロール素材としては不利であ
る。 このように、従来知られていた非磁性鋼による
ロールは種々の難点を有することから、電磁コイ
ル設置位置近傍のサポートロールとしての使用に
は適しておらず、このためやむを得ず、他の部分
のサポートロール同様、電磁コイル設置位置近傍
のサポートロールにも焼もどしマルテンサイト組
織又はフエライト組織を有する強磁性鋼のロール
を使用せざるを得ないのが現状であつた。従つ
て、電磁力がロールに遮断されて、鋳片内未凝固
溶鋼に対する十分な撹拌力が得られず、鋳片の品
質改善効果が低いうえ、電磁力を鋳片に付与する
ために強大な電力を必要とする等の不都合を未だ
逃れるに至つていなかつた。 本発明者等は、上述のような観点から、鋳片の
サポートのために十分な強度を有し、耐応力腐食
割れ性や強靭性にもすぐれており、しかも鋳片へ
の強い電磁撹拌力の付与を可能とし得る連続鋳造
用非磁性鋼ロールを得るべく、種々研究を重ねた
結果、以下(a)〜(d)に示す如き知見を得たのであ
る。すなわち、 a 鋳片を支持するためのサポートロールとして
使用された場合にロールが曲げ変形を起さない
ためには、ロール構成材料の強度が、0.2%耐
力で、スリーブ冷却方式のスリーブでは40Kg
f/mm2以上、またスリーブ冷却方式のアーバー
又は一体ロールでは45Kgf/mm2以上であること
が泌要であり、さらに引張強さが70Kgf/mm2
上であることも要求されるが、鋼中のC,Si,
sol.Al,P,S,Mn,C,Ni及びCuの組成成
分量の範囲をそれぞれ特定の値に調整するとと
もに、N,Mo、及びVによる固溶強化あるい
は析出強化を図るよう、これらの元素を添加し
てロールを溶製すれば、連続鋳造用サポートロ
ールとして使用可能な高強度の非磁性鋼ロール
が得られ、さらに、熱間加工及びその後の熱処
理の各条件を適切に設定することによつて、
Niの多量配合の如き手段を要することなく経
済的に降伏応力や、0.2%耐力、及び引張強さ
等の充分に高いものが得られるうえ、耐応力腐
食割れ性の高い非磁性鋼ロールが得られるこ
と。 b 鋼中のC成分量を低値に抑えることにより、
ロールの使用に伴う熱履歴を受けてロール表面
温度が上昇することによる炭化物のオーステナ
イト粒界への析出が抑制され、これによつてロ
ール使用による靭性の劣化が防止され、ロール
割れの発生や伝播が無くなること。 c 上述のように、耐応力腐食割れ性及びロール
使用に伴う靭性劣化の抑制等の観点から、鋼中
のC成分量を低値にすると、オーステナイト組
織の不安定化を生起することとなるが、これは
Mn,Ni,Cu等の成分元素の含有量を調整する
ことにより充分に防止できること。さらに、こ
れらの各成分元素は、安価なMnを多量に配合
することにより、高価なNi,Cuの配合を極力
抑えることができ、経済性の確保が行なえるこ
と。 d このように成分調整を行なつた鋼素材に、熱
間鍛造や熱間圧延等の熱間加工を施し、さら
に、これに続いて必要に応じて適当な熱処理を
施せば、上述のように強度が向上するほか、延
性、靭性、及び耐応力腐食割れ性をより一層向
上でき、ロールの割れ感受性がより低くなるこ
と。 したがつて、この発明は、上記知見に基いてな
されたものであつて、連続鋳造用ロールを、重量
%で、 C:0.15%以下、 Si:1.0%以下、 sol.Al:0.10%以下、 Mn:17.0〜25.0%、 Cr:10.0〜15.0%、 P:0.030%以下、 S:0.010%以下、 N:0.03〜0.25%、 を含有するとともに、 Ni:1.0〜3.0%、 Cu:1.0〜3.0%、 のいずれか一方又は両方を、両者の和が3.0%以
下の範囲で含有し、さらに必要により、 Mo:0.3〜1%、 V:0.1〜0.8%、 の1種以上をも含み、 Fe及び不可避不純物:残り、 から成る成分組成で構成することにより、非磁性
で、高強度で、かつ割れに対する抵抗性の高いも
のとしたことに特徴を有するとともに、さらに、
上記組成の鋼素材を、断面減少率60%以上で熱間
加工し、これに次いでさら必要に応じて900〜
1180℃の温度に30分〜15時間保持することから成
る熱処理を施すことによつて、連続鋳造用ロール
として好適な非磁性鋼ロールを製造するようにし
たことに特徴を有するものである。 なお、上記本発明の非磁性鋼ロールとは、一体
型の鋳造ロールあるいは鍛造ロールはもちろんの
こと、通常のスリーブ・アーバー方式のロール及
びスリーブとアーバー間を水冷する方式のロール
等、あらゆる種類の連続鋳造用ロールを指すもの
であることはいうまでもないことである。 ただし、上記各ロールの種類、及びスリーブや
アーバー等の部材毎に、所要の特性には相違があ
るので、加工及び熱処理方法はそれぞれに応じて
最適な条件を選ぶのが望ましい。 ついで、この発明の連続鋳造用非磁性鋼ロール
及びその製造方法において、ロールを構成する各
組成成分量、熱間加工時の断面減少率、及び熱処
理温度と保持時間の範囲を上述の通りに限定した
理由を説明する。 ア C C成分の含有量が0.15重量%を越えると、ロ
ール使用中に受ける熱履歴によつてオーステナ
イト組織の結晶粒界に炭化物が析出し、これに
よりロールの靭性が低下すると共に、応力腐食
割れに対する感受性も高まるようになる。ま
た、C含有量の上昇は、鋼素材の機械加工性を
劣化させ、ロールの成形加工を困難にする。こ
のようなことから、C含有量を0.15重量%以下
と限定した。 イ N N成分は、C含有量を低値に抑えたことによ
るロールの0.2%耐力等の強度の低下及びオー
ステナイト組織の不安定化を補償するために含
有せしめるものである。Nにより強度を確保
し、オーステナイト組織を安定化させたロール
は、Cにより強度を確保し、かつオーステナイ
ト安定化を図つたロールに比して、ロール使用
中に熱履歴を受けた場合でも靭性及び耐応力腐
食割れ性が劣化する程度が極めて低い。そし
て、このような効果を得るためには、N含有量
は0.03重量%以上であることが必要であり、こ
れによつて、強度の確保及びオーステナイトの
安定化のために高価なNi,Cuを多量に添加す
ることを回避することもできるようになるので
あるが、一方、N含有量が0.25重量%を越える
ように鋼を溶製することは極めて難しく、また
溶製後に、鋳込まれた鋼塊中にブローホールに
よる欠陥を発生させるおそれがあり、さらに、
0.25重量%を越えてNを含有するロールは、ロ
ールの使用につれて熱履歴を受けた場合に窒化
物を析出して靭性の低下をきたすこととなる。
このようなことから、N含有量を、0.03〜0.25
重量%と限定した。 ウ Si、及びAl Si及びAl成分は、脱酸剤として精錬の過程で
溶鋼中に添加されるが、Si含有量又はsol.Al含
有量がそれぞれ1.0重量%又は0.10重量%を越
えるような量で添加してもその脱酸効果にそれ
以上の向上はみられず、逆に非金属介在物が増
加してロールの清浄度を悪化させて靭性を低下
させるようになるとともに、ロール割れ発生の
原因となる。このようなことから、Si含有量及
びsol.Al含有量をそれぞれ1.0重量%以下及び
0.10重量%以下と限定した。 エ Mn Mn成分には、安価にオーステナイト組織を
安定化する作用があり、NiやCuと同様にロー
ルを非磁性にするために必要な元素である。 この発明の非磁性ロールはC含有量を低値に
抑えたために、Cによるオーステナイト安定化
効果は期待できず、Mnを多量に含有せしめる
必要があり、十分なオーステナイト安定化効果
を得るためにはMn含有量が17.0重量%以上で
あることが必要である。Mn含有量が17.0重量
%未満ではロールの透磁率μが上昇して、非磁
性が損なわれるようになる。一方その含有量が
25.0重量%を越えると、応力腐食割れ発生のお
それが生ずるようになることから、Mn含有量
を17.0〜25.0重量%と限定した。 オ Cr Cr成分は、ロールを構成する鋼の固溶強化
に有効な元素であり、ロールの強度を上昇させ
るべく添加するものであるが、その含有量が
15.0重量%を越えても前記効果にそれ以上の向
上がみられず、逆にオーステナイト組織の代り
にδ−フエライト組織が生成して透磁率μが上
昇し、非磁性が損なわれることとなり、かつ靭
性も劣化するようになる。一方、その含有量が
11.5重量%以下になると、特に、10.0重量%を
下まわる含有量では、工業用水中においてロー
ル周面の腐食速度が上昇することとなり、ロー
ル使用中にロール周面に銹が発生しやすくな
り、ロール周面の平滑度を悪化させるようにな
るうえ、所要の0.2%耐力を得ることができな
くなることから、その含有量を10.0〜15.0重量
%と限定した。 カ Ni及びCu Ni及びCu成分は、ロールを構成する鋼のオ
ーステナイト組織を安定化し、また耐食性を向
上させ得る元素であるが、上述のように、C含
有量を0.15重量%以下低くし、Mn含有量を
17.0〜25.0重量%と高めた場合には、Ni及びCu
の含有量をいずれも3.0重量%以下とすること
によつて、オーステナイト組織を十分に安定化
することができ、ロールを非磁性にすることが
できる。また、Cu含有量が3.0重量%を越えた
場合は、鋼素材の熱間加工性が悪化することか
らも、Cu含有量を3.0重量%以下に抑えるのが
適当である。そして、NiとCuの含有量の和が
3.0重量%を越えた場合には、ロールの耐食性
は向上するが耐応力腐食割れ性が悪化するので
好ましくなく、NiとCuとの含有量の総和を3.0
重量%以下とする必要がある。一方、Ni及び
Cuの含有量がそれぞれ1.0重量%未満になる
と、オーステナイトは不安定になり、透磁率は
上昇し、しかも靭性に劣化を来たすようになる
ことから、Ni及びCuの含有量を、それぞれ1.0
〜3.0重量%と限定し、Ni及びCuの両者が一緒
に含まれる場合でも、その含有量の和を3.0重
量%以下と限定した。 キ P P成分は、熱間加工性及び靭性に悪影響を及
ぼす元素であり、その含有量が0.03重量%を越
えた場合には、特に、ロール使用に伴う熱履歴
を受けたときに靭性の著しい劣化を来たすよう
になることから、その含有量を0.03重量%以下
と限定した。P含有量をこのように低く抑えた
ことによつて、良好な連続鋳造用ロールを得る
ことができるのである。 ク S S成分も、熱間加工性及び靭性に悪影響を及
ぼす元素であるが、その含有量を0.010重量%
以下に抑えた場合には極めて良好な熱間延性が
得られるようになり、鋼素材の熱間加工性が向
上して強加工も可能になることから、その含有
量を0.010重量%以下と限定した。 ケ Mo、及びV Mo及びV成分には、ともに鋼を強化する作
用があるが、その含有量がそれぞれ0.3重量%
未満及び0.1重量%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方、Mo及びVの含有量が
それぞれ1.0重量%及び0.8重量%を越えた場合
には、耐応力腐食割れ性が低下するようになる
ことから、Moの含有量を0.3〜1.0重量%と、
Vの含有量を0.1〜0.8重量%と限定した。 このように、この発明の非磁性ロールは、
C,Si,sol.Al,P,S,Mn,Cr,Ni,Cu,
N,Mo、及びVがそれぞれ前述の組成成分量
範囲となるように溶製したものであるが、さら
にロールの強度、延性、靭性、及び耐応力腐食
割れ性をより一層向上させるために、このよう
な成分組成の鋼素材に熱間加工を施すか、この
熱間加工に続いて熱処理を施すのが好ましい。 コ 熱間加工時の断面減少率60% スリーブ冷却方式のロールにおけるアーバ
ー、又は一体ロールをも考慮して、それ相応の
高強度を確保した上に、高い延性及び靭性を得
るためには、熱間加工の際の断面減少率を60%
以上とする必要があることから、加工の度合を
このような範囲に限定した。 なお、熱間加工における仕上げ温度は900℃
以上であるのが好ましい。これは、ロールの延
性及び靭性をより一層高めるとともに、耐応力
腐食割れ性を向上させるためであり、仕上げ温
度が900℃未満であると、熱間加工中に炭化物
又は窒化物が析出して応力腐食割れ発生を助長
する場合があるからである。 サ 熱処理温度900〜1180℃ 熱間加工後に鋼素材に熱処理を施すことは、
スリーブ冷却方式のロールのスリーブの製造に
適した方法であり、特に割れ感受性が低くな
る。この場合の熱処理温度が900℃未満の場合
には、ロールの耐応力腐食割れ性が低く、しか
も靭性にも良好な値が得られないが、一方、
1180℃を越えると、強度が低下してロールに曲
りが生ずるようになることから、その温度を
900〜1180℃と限定した。なお、前述したよう
に、熱間加工時の仕上げ温度が900℃未満であ
つて耐応力腐食割れ性が劣化した鋼素材につい
ても、熱間加工後に900℃以上にて熱処理する
ことにより、熱間加工にて析出した炭化物又は
窒化物が母材に固溶し、耐応力腐食割れ性の良
好なロールとすることができる。 シ 加熱保持時間30分〜15時間 熱処理の際の加熱保持時間を30分未満とした
場合には、ロールの中心部まで十分昇温させる
ことが難しく、熱処理による耐応力腐食割れ性
向上効果が得られない。一方、15時間を越えて
も、その効果にそれ以上の向上がみられず、逆
にロールの強度が低下することから、その保持
時間を30分〜15時間と限定した。 つぎに、この発明を実施例により比較例を対比
しながら説明する。 第1表は、本発明の連続鋳造用ロールの鋼素材
A〜Lと、従来知られていた非磁性鋼M〜Yにつ
いて、それぞれその化学成分組成を示したもので
ある。これらの鋼素材A〜L、及びM〜Yについ
て、第2表「熱間加工条件」欄記載の通りの条件
にて熱間鍛造を施し、その一部については、この
熱間加工に引続いて、第2表「熱処理」欄記載の
通りの条件にて熱処理を施した。そして、これら
熱間鍛造し、或は熱間鍛造後熱処理した鋼材A〜
Yについて、いずれも、0.2%耐力及び引張り強
さ等の強度、伸び及び絞り等の延性、シヤルピー
衝撃試験における吸収エネルギーによる靭性、並
びに非磁性の程度を知るための透磁率μを測定
し、さらに耐応力腐食割れ性試験を行なつた。そ
して、これらの結果を第2表に併せて記載した。 なお、シヤルピー衝撃試験による吸収エネルギ
ーの測定においては、上述の通り熱間鍛造等を施
した鋼材に加えて、熱間鍛造又は熱処理の後、ロ
ール使用中に受ける熱履歴を想定して600℃に100
時間保持することにより時効処理した鋼材につい
ても吸収エネルギーを測定し、ロール使用後の靭
性の劣化について調査した。また、耐応力腐食割
れ性試験は、鋼材をU字型に曲げた状態で塩素イ
オンを500ppm含有する50℃の水溶液中に1ケ月
間(720時間)浸漬して行なつた。第2表「耐応
力腐食割れ性」欄中、〇印は応力腐食割れが発生
しなかつた場合、×印は応力腐食割
【表】
【表】
【表】 れが発生した場合を示すものである。 第2表に示した結果からも、化学組成、熱間鍛
造条件、及び熱処理条件を、いずれも前記所定範
囲に限定した本発明に係る試料No.1〜14の鋼材
は、ロール曲げ変形に対する抵抗力の強さの指標
となる0.2%耐力及び引張り強さが、いずれもそ
れぞれ40Kgf/mm2以上及び75Kgf/mm2以上と、曲
げ変形の発生を抑制する上で十分な強度を有して
いることが明らかであり、また延性及び靭性につ
いても良好であつて、さらに耐応力腐食割れ性試
験においても、応力腐食割れの発生は階無であつ
たことが明白である。また、透磁率μも、従来の
非磁性鋼同様、1.02以下という十分な低値を示し
ている。さらに、600℃に100時間保持して時効処
理した場合にも靭性の劣化は軽微であり、なお良
好な靭性を保持していることも確認できた。 一方、試料No.15及び16の比較材は、その化学成
分組成は本発明のものと同様の範囲にあるが、試
料No.15については熱間加工時の断面減少率が低い
ものであり、試料No.16については熱間加工後の熱
処理温度の低いものである。そして、この比較材
15のものは十分な0.2%耐力が得られず、比較材
16のものは応力腐食割れを発生する結果となつて
いる。 また、本発明材に比べて、C含有量が高いか、
Mn,P,S,Ni,Cu,Cr,Mo,V,N等の含
有量が所定範囲よりはずれている従来材17〜29の
ものは、強度が低いか、熱間加工中に割れが生じ
るか、透磁率が1.02を越える程度にまで上昇して
非磁性が損なわれているか、あるいは応力腐食割
れを発生しており、連続鋳造用非磁性ロールとし
ては不適当なものであることがわかる。 上述のように、この発明によれば、十分な強度
と靭性とを有し、しかもロール使用中における靭
性劣化が少なく、また耐応力腐食割れ性も高い連
続鋳造用非磁性ロールをコスト安く得ることがで
き、連続鋳造鋳片の電磁撹拌操業に対しても何ら
悪影響を与えることなく、品質の優れた鋳片の製
造を可能にできるなど、工業上有用な効果がもた
らされるのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.15%以下、 Si:1.0%以下、 sol.Al:0.10%以下、 Mn:17.0〜25.0%、 Cr:10.0〜15.0%、 P:0.030%以下、 S:0.010%以下、 N:0.03〜0.25%、 を含有するとともに、さらに、 Ni:1.0〜3.0%、 Cu:1.0〜3.0%、 のいずれか一方又は両方を、両者の和が3.0%以
    下の範囲で含有し、 Fe及び不可避不純物:残り、 (以上重量%)から成る鋼で構成されたことを特
    徴とする連続鋳造用非磁性鋼ロール。 2 C:0.15%以下、 Si:1.0%以下、 sol.Al:0.10%以下、 Mn:17.0〜25.0%、 Cr:10.0〜15.0%、 P:0.030%以下、 S:0.010%以下、 N:0.03〜0.25%、 を含有するとともに、 Ni:1.0〜3.0%、 Cu:1.0〜3.0%、 のいずれか一方又は両方を、両者の和が3.0%以
    下の範囲で含有し、さらに、 Mo:0.3〜1.0%、 V:0.1〜0.8%、 の1種以上をも含み、 Fe及び不可避不純物:残り、 (以上重量%)から成る鋼で構成されたことを特
    徴とする連続鋳造用非磁性鋼ロール。 3 C:0.15%以下、 Si:1.0%以下、 sol.Al:0.10%以下、 Mn:17.0〜25.0%、 Cr:10.0〜15.0%、 P:0.030%以下、 S:0.010%以下、 N:0.03〜0.25%、 を含有するとともに、 Ni:1.0〜3.0%、 Cu:1.0〜3.0%、 のいずれか一方又は両方を、両者の和が3.0%以
    下の範囲で含有し、 Fe及び不可避不純物:残り、 (以上重量%)から成る鋼素材を、断面減少率60
    %以上で熱間加工することを特徴とする連続鋳造
    用非磁性鋼ロールの製造方法。 4 C:0.15%以下、 Si:1.0%以下、 sol.Al:0.10%以下、 Mn:17.0〜25.0%、 Cr:10.0〜15.0%、 P:0.030%以下、 S:0.010%以下、 N:0.03〜0.25%、 を含有するとともに、 Ni:1.0〜3.0%、 Cu:1.0〜3.0%、 のいずれか一方又は両方を、両者の和が3.0%以
    下の範囲で含有し、 Fe及び不可避不純物:残り、 (以上重量%)から成る鋼素材を、断面減少率60
    %以上で熱間加工し、次いで900〜1180℃の温度
    に30分〜15時間保持することから成る熱処理を施
    すことを特徴とする連続鋳造用非磁性鋼ロールの
    製造方法。
JP18797781A 1981-11-24 1981-11-24 連続鋳造用非磁性鋼ロ−ル及びその製造方法 Granted JPS5891160A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18797781A JPS5891160A (ja) 1981-11-24 1981-11-24 連続鋳造用非磁性鋼ロ−ル及びその製造方法

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18797781A JPS5891160A (ja) 1981-11-24 1981-11-24 連続鋳造用非磁性鋼ロ−ル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5891160A JPS5891160A (ja) 1983-05-31
JPS6121301B2 true JPS6121301B2 (ja) 1986-05-26

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JP18797781A Granted JPS5891160A (ja) 1981-11-24 1981-11-24 連続鋳造用非磁性鋼ロ−ル及びその製造方法

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JPH0341B2 (ja) * 1986-05-09 1991-01-07 Takeshi Ootsuka
JPH08112107A (ja) * 1994-10-13 1996-05-07 Yutaka Mito 靴中敷

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