JP4207334B2 - 溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばアンモニアや硫化水素を貯蔵するための圧力容器などの溶接性と耐応力腐食割れ性を必要とする溶接構造物に用いられる高強度鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アンモニアや硫化水素などを貯蔵する圧力容器などに用いられる鋼板においても高強度化がますます要求されるようになってきており、60キロ級(SM570級)の厚鋼板などが一部使用されている。上記分野において60キロ級の鋼板は、焼入れ、焼戻しによって製造されており、溶接後の応力除去焼鈍をおこなっても中心部において強度不足が生じないような成分設計がなされている。
【0003】
しかしながら板厚が厚い場合には、従来の焼入処理ではどうしても板厚中心部における焼入性が不足しがちになり、それゆえ板厚中心部における焼入性を確保しようとすると、表層部においては強度が過剰になるという問題があった。アンモニアや硫化水素による応力腐食割れは、鋼材の硬度によって感受性が変化することが知られており、硬度が高い程、割れが発生し易くなる。このような環境において応力腐食割れが発生しない限界硬度としてビッカース硬度で230以下という値が経験的に知られている。焼入れ、焼戻処理で製造される従来鋼板では、板厚の断面硬度分布は中心部が低く、表層部ほど高い値となり、表層部でのビッカ−ス硬度を230以下に抑制することは不可能であった。従って応力腐食割れを考慮しなければならない環境では板厚に限界があったり、限られた環境でしか使用できなかった。
【0004】
この問題を解決するために特開平1−96329号公報にはC量を0.05%未満にまで低下させた耐硫化物応力腐食割れ性に優れた56kgf/mm2以上の溶接構造用鋼の製造方法が開示されている。同法によれば鋼材の最高硬度をHv230以下に抑制することが示されているが、炭素量を0.05%未満にまで低減した成分系にしているため、56kgf/mm2以上の強度を得るには室温近傍まで焼入し、その後焼戻処理をおこなう必要があった。
【0005】
また、溶接性の観点からは溶接性に優れた鋼板の製造方法が特開平1−149923号公報に記されているが、同法においても熱延後直接150℃以下まで水冷により焼入れしたのち、更に焼戻しするプロセスが必須であり、圧延後水冷ままで供せられる鋼板はなかった
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、予熱なしで溶接しても、耐溶接低温割れ性(以下、「溶接性」という)に優れ、なおかつ焼戻処理を行わなくても硫化物あるいはアンモニアなどの環境下において使用することのできる耐応力腐食割れ性に優れたSM570級以上の鋼板ならびに鋼板の製造法を供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)の溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた鋼板ならびに(2)のその製造方法にある。
【0008】
(1)質量%にて、C:0.05〜0.12%、Si:0.11〜0.30%、Mn:0.6〜2.0%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜0.035%、Ti:0.005〜0.03%、sol.Al:0.002〜0.08%、N:0.006%以下、Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%、残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式(1)で表されるPcm(溶接割れ感受性組成)が0.16〜0.22および下記式(2)で表されるGが21〜43を満足する化学組成を有することを特徴とする溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B・・・・・式(1)
G=420C-4Mn+50Cr-3Ni-20Mo-3V+0.04(t-6) ・・・・・・・・・・・式(2)
(式中の元素記号は、鋼中におけるそれぞれの元素の質量%で表示した含有量を、tは鋼板の板厚(mm)を表す。)
【0009】
(2)質量%にて、C:0.05〜0.12%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.6〜2.0%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜0.035%、Ti:0.005〜0.03%、 sol.Al :0.002〜0.08%、N:0.006%以下、Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%、残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式(1)で表されるP cm (溶接割れ感受性組成)が0.16〜0.22および下記式(2)で表されるGが21〜43を満足する化学組成を有する鋼片を、熱間圧延するに際し、1000〜1200℃に加熱し、900℃以下での累積圧下率が50%以上となる圧延をおこなったのち、下記式(3)を満足する仕上温度Tとなる条件で圧延した後、680〜400℃の温度域を下記式(4)を満足する冷却速度V(℃/秒)で冷却する。
【0010】
1(℃)≦0.06×t2+710・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(3)
1(℃/秒)≧12×10-2×T1-80・・・・・・・・・・・・・・・ 式(4)
(式中のtは、mmで表示した仕上げ板厚を、T1は、℃で表示した仕上温度を表す。)
本発明者等は、前述のような観点から、溶接性および耐応力腐食割れ性に優れた鋼板およびその製造方法を検討した。その結果を要約すると下記の通りである。
【0011】
1)溶接性は化学組成によって決定されるものであり、20℃において、湿度が60%である一般的な大気中を模擬した環境での溶接をベースとした場合、Pcm(溶接割れ感受性組成)の値を0.22以下にする必要がある。
【0012】
2)さらにこのような成分条件のもとで、耐応力腐食割れ性を改善するためには、表層部のビッカ−ス硬度(Hv)は230以下が良い。そのためには、熱延後の冷却過程での冷却速度の最も大きい表層部と最も小さな中心部におけるマルテンサイト変態の開始温度の差が小さければ良い。
【0013】
3)具体的には、マルテンサイトが生成する表層部の変態点を上げ、初析フェライト変態が起こる中心部の変態開始温度を下げるためには、鋼全体の焼入性を増加させて中心部におけるフェライト組織の生成を抑制した上で、表層部マルテンサイトの変態開始点を上昇させねばならない。マルテンサイト変態の開始点(Ms点)は含有されるC量と合金量の増加によって低下するが、硬度に影響するのはC量のみであり、C量の低減によって表層マルテンサイトの硬度を低下させる必要がある。また、冷却過程において表層部をマルテンサイト、中心部をベイナイトとするためには、ある範囲の冷却速度で冷却することが好ましく、これは板厚によって影響される。
【0014】
4)さらにより望ましい特性を得るには冷却開始温度も重要である。鋼板の板厚が厚くなり、大きな冷却速度が得られない場合には冷却開始温度を高めることが望ましい。これにより望ましい圧延の仕上温度が板厚によって決定されることになる。
【0015】
5)また、鋼板の金属組織の基本となるベイナイト組織に対する熱間圧延および加速冷却条件の影響を鋭意検討した結果、化学成分、熱延条件ならびに熱延後の冷却条件を制御することによって、焼戻処理を行わなくても溶接性と耐応力腐食割れ性とに優れた鋼板を得ることが可能となる。
【0016】
上記のように化学成分を限定し、さらにその熱延条件を最適化することにより、溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた鋼板を焼戻処理なしに製造することが可能となるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(1)鋼の化学組成
まず鋼の化学組成の限定理由について説明する。
【0018】
C:0.05〜0.12%
Cは強度上昇に有効な元素であり、そのためには0.05%以上必要である。一方、耐応力腐食割れ性および溶接低温割れ性から上限を0.12%とする。しかし望ましい上限は0.11%さらに望ましくは0.10%である。
【0019】
Si:0.11〜0.30%
Siは脱酸に有効な元素なので、同じく強力な脱酸剤であるAlの歩留まり向上のために添加する。Siは強度上昇に有効である。それらの効果を得るために0.11%以上とする(ただし、製造方法に関しては0.03%以上とする。)。しかし、0.30%を超えると溶接熱影響部の靭性を低下させるとともに溶接時の低温割れを助長するため上限を0.30%とする。望ましい上限は0.27%、さらに望ましくは0.25%である。
【0020】
Mn:0.6〜2.0%
Mnは強度上昇に有効な元素であり、その効果を得るには0.6%以上必要である。しかし2.0%を超えると靱性と溶接性が劣化するため上限を2.0%とする。強度、靱性および溶接性のすべてについてより高度の性能を確保するためには上限を1.7%、さらには1.5%とすることが望ましい。
【0021】
Mo:0.05〜0.5%
Moは焼入性を高め、かつ加速冷却温度域での変態を抑制するのに有効である。このためには0.05%以上必要である。しかしながら0.5%を超えると靱性が劣化しかつ溶接低温割れ性も劣化するため上限を0.5%とする必要がある。望ましい添加範囲は0.1〜0.3%、さらに望ましくは0.15〜0.2%である。
【0022】
Nb:0.006〜0.035%
Nbは固溶状態において鋼の焼入性を向上させ、かつ強度も高めるとともに圧延加工によって導入された転位を保存集積し、その集積された転位がベイナイトの粒径単位であるラス長さ等を著しく微細化するので必須の元素である。そのためには0.006%望ましくは0.01%以上必要である。しかし、0.035%をこえると連続鋳造時にスラブの表面にひび割れが発生する場合があるので上限を0.035%とする。望ましい上限は0.025%である。
【0023】
Ti:0.005〜0.03%
Tiは固溶強化および析出強化によって鋼の強度を上昇させるのみならず、スラブ加熱時のオーステナイト粒の成長を抑制するので、圧延加工のみによって結晶粒を微細化しにくい厚肉鋼板のベイナイト粒のラス長さを微細化し靱性の改善に有効である。そのためには0.005%以上必要である。また溶接熱影響部の結晶粒が粗大化するのを防止し、硬度低下を防止するので、溶接熱影響部の靱性向上および割れ防止に有効である。またNb含有鋼の場合、微量TiはNbによって助長される連続鋳造スラブ表面のひび割れを抑制するのに有効である。しかしながら、Tiが0.03%を超えると靱性が劣化するので上限を0.03%とする。
【0024】
sol Al:0.002〜0.08%
Alは強力な脱酸効果を有し、さらに結晶粒の微細化のためにも有効であるので0.002%以上が必要である。しかし過量のsol.Alは靱性等の低下を招くので0.08%以下とする。
【0025】
N:0.006%以下
Nは、存在すると母材および溶接部の靱性を低下させるので低い方がよい。0.006%を超えると著しく靱性が劣化するので0.006%以下とする。
【0026】
Cu:0〜0.6%以下
Cuは添加しなくてもよい。Cuは強度上昇に有効なので特に高強度化を図る場合には添加しても良い。しかし、0.6%を超えると靱性を劣化させるので、添加する場合でも0.6%以下とする。靱性を劣化させずに強度を確保するには、0.2〜0.4%とすることが望ましい。
【0027】
Ni:0〜0.8%
Niは含まなくてもよい。しかしNiは靱性を改善しCuを添加した鋼材の割れを防止するのに有効なので、Cuを含む場合にはCu含有量の1/2以上を含むことが望ましい。0.8%を超えると添加コストが高くなるので上限を0.8%とする。
【0028】
Cr:0〜0.8%
Crは無添加でも良い。しかしCrは焼入性を向上させ、強度上昇に有効なので板厚が厚い場合やより高強度が必要な場合は含ませた方が良い。含ませる場合は、0.1%以上とすることが望ましい。しかし0.8%を超えると靱性を劣化させるので上限を0.8%とすることが必要である。
【0029】
V:0〜0.08%以下
Vは無添加でも良い。しかし焼入性向上には、0.01〜0.05%程度含有させるのが望ましい。0.08%を超えると靭性を劣化させるため、上限を0.08%とする必要がある。
【0030】
B:0.002%
Bは含有させなくても良い。しかしBは焼入性の向上とそれに伴う強度の上昇に有効なので板厚の増大や強度上昇が必要な場合は含ませる。その場合、0.0005%以上が望ましい。しかし、0.002%を超えると溶接性と靱性が劣化するので、0.002%を上限とする必要がある。
【0031】
不純物:
不純物のうち、Pは0.01%以下とすることが望ましい。0.01%を超えると、凝固する際に生成する偏析部に濃縮し、靱性と溶接性を劣化させる。
【0032】
Sは、0.007%以下とすることが望ましい。0.007%を超えると、偏析部に粗大なMnSを生成し、溶接低温割れの起点や水素性欠陥の起点となる。
【0033】
その他の不純物は通常の精錬により得られるレベルまで減少させるのがよい。
【0034】
cm(溶接割れ感受性組成):0.16〜0.22
化学組成が上記に述べた値であっても、前記、式(1)で表されるパラメータPcm値が0.22を超えると、一般大気中で常温において溶接した場合、低温割れを生じるのでPcm値は0.22以下とする。一方、Pcmの値が0.16未満では、強度が不足するので、0.16以上とした。
【0035】
G:21〜43
前記、式(2)で表されるパラメータGは含有元素の含有量および板厚によって決定される値である。このパラメータGを規定することによって、鋼板の表層部および中心部の変態開始温度を近づけることができ、表層部と中心部の硬度差を小さくすることができる。具体的には、パラメータGの値が21未満の場合は、表層部と中心部の硬度差は小さくなるが、表層においても本発明で目指すところのSM570級以上の鋼板の強度を満足しなくなる。一方、Gの値が43を超える場合には、表層部と中心部の硬度差が大きくなり、表層部におけるビッカース硬度(Hv)を230以下とすることができなくなる。したがってパラメータGの値は21〜43とする必要がある。Gの望ましい下限値は23さらには27であり、望ましい上限値は41さらには40である。
【0036】
(2)熱間圧延条件
次に熱間圧延条件について説明する。
【0037】
鋼片加熱温度については、加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するために1200℃以下が望ましい。一方、圧延中の結晶粒の微細化および圧延後の析出強化に有効なNbを固溶させるために1000℃以上が好適である。
【0038】
圧延温度については、後に述べる冷却速度とともに十分に管理されることが望ましく、本発明では板厚によって決定される仕上温度と冷却速度の特定の組み合わせによってより望ましい性能が得られる。オーステナイトの粒内からフェライトを核発生させ、かつベイナイトラスの成長を抑えるためには高密度の転位の存在が望ましく、そのためにはγの未再結晶温度域で50%以上の圧延を行うとよい。本発明にあるNb添加鋼が上記加熱温度で製造された場合、未再結晶温度域は900℃以下となる。
【0039】
さらに圧延の仕上温度(T1)は圧延後の冷却との関係において、管理されることが望ましく、仕上板厚(t)によって規定される温度T2(= 0.06×t2+710)以下とするのがよい。仕上温度がT2を超える場合には、未再結晶γ域での転位の集積が不十分となることがある。
【0040】
次に冷却速度(V1)については、仕上温度T1によって決定される速度V2(=12×10-2×T1-80)以上とするのがよい。冷却速度がV2に満たない場合には焼入効果がやや弱まり望ましい強度が得にくい。
【0041】
【実施例】
本発明の構成は上記の通りであるが、以下に実施例について説明する。
【0042】
供試鋼板は、表1に示す化学組成を有する鋼を常法により溶製、鋳造し得られた鋼片を表2に示す製造条件に従い、加工熱処理を行ったものである。なお板厚は10〜38mmである。これらの鋼片の表面と板厚中央との中間位置(厚さ方向に(1/4)t位置)から試験片を採取し、引張試験を実施し、引張強度をTS(1/4)と表示した。また、同位置から採取した試験片について遅れ破壊試験を実施した。遅れ破壊試験では、3%NaCl水溶液中に電位差1.5Vのもと200時間浸漬し、破断する応力を測定した。求められた応力と引張試験での降伏応力との比を、限界応力比として求めた。さらに、2mmVノッチシャルピー衝撃試験を−40℃でおこない、吸収エネルギー(v-40)を測定した。
【0043】
【表1】
Figure 0004207334
【0044】
【表2】
Figure 0004207334
【0045】
化学組成、製造法および試験性能を表3および表4に示す。
【0046】
【表3】
Figure 0004207334
【0047】
【表4】
Figure 0004207334
【0048】
表3に示すとおり、本発明例(A〜H)は、予熱処理が無い場合でもTS(1/4):570MPa以上が得られ、限界応力比:0.9以上、v-40:200J以上を満足した。一方、比較例(I〜P)は、TS(1/4)、限界応力比、v-40、予熱温度のいずれか1つ以上の特性が目標値を満足していない。
【0049】
さらに、表4において、本発明の製造方法で規定する製造条件を満足する試験番号18,19,20,21の鋼板は、限界応力比:1以上、靭性も、v-40:250以上となり、その特性は特に優れている。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係わる鋼板およびその製造方法で得られる鋼板は、焼戻処理を行わなくても溶接性と応力腐食割れ性に優れている。従って、例えばアンモニアや硫化水素を貯蔵するための圧力容器などの溶接性と耐応力腐食割れ性を必要とする溶接構造物に用いられる高強度鋼として適している。

Claims (2)

  1. 質量%にて、C:0.05〜0.12%、Si:0.11〜0.30%、Mn:0.6〜2.0%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜0.035%、Ti:0.005〜0.03%、sol.Al:0.002〜0.08%、N:0.006%以下、Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%、残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式(1)で表されるPcm(溶接割れ感受性組成)が0.16〜0.22および下記式(2)で表されるGが21〜43を満足する化学組成を有することを特徴とする溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板。
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B・・・・・式(1)
    G=420C-4Mn+50Cr-3Ni-20Mo-3V+0.04(t-6) ・・・・・・・・・・・式(2)
    (式中の元素記号は、鋼中におけるそれぞれの元素の質量%で表示した含有量を、tは鋼板の板厚(mm)を表す。)
  2. 質量%にて、C:0.05〜0.12%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.6〜2.0%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜0.035%、Ti:0.005〜0.03%、 sol.Al :0.002〜0.08%、N:0.006%以下、Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%、残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式(1)で表されるP cm (溶接割れ感受性組成)が0.16〜0.22および下記式(2)で表されるGが21〜43を満足する化学組成を有する鋼片を、熱間圧延するに際し、1000〜1200℃に加熱し、900℃以下での累積圧下率が50%以上となる圧延をおこなったのち、下記式(3)を満足する仕上温度Tとなる条件で圧延した後、680〜400℃の温度域を下記式(4)を満足する冷却速度V(℃/秒)で冷却することを特徴とする溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板の製造方法。
    T1(℃)≦0.06×t+710・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(3)
    V1(℃/秒)≧12×10−2×T-80・・・・・・・・・・・・・・・ 式(4)
    (式中のtは、mmで表示した仕上げ板厚を、Tは、℃で表示した仕上温度を表す。)
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