JP2001115233A - 溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法

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JP2001115233A
JP2001115233A JP29779799A JP29779799A JP2001115233A JP 2001115233 A JP2001115233 A JP 2001115233A JP 29779799 A JP29779799 A JP 29779799A JP 29779799 A JP29779799 A JP 29779799A JP 2001115233 A JP2001115233 A JP 2001115233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐溶接低温割れ性と耐応力腐食割れ性に優れた
SM570級以上の鋼板を得る。 【解決手段】質量%にて、C:0.06〜0.12%、
Si:0.03〜0.30%、Mn:0.6〜2.0
%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜
0.035%、Ti:0.005〜0.03%、sol.A
l:0.002〜0.08%、N:0.006%以下、
Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜
0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%を
含み、かつ下記式(1)で表されるPcm(溶接割れ感受
性指数)が0.16〜0.22および下記式(2)で表
されるGが21〜43を満足する化学組成を有する。 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B・・・・式(1) G=420C-4Mn+50Cr-3Ni-20Mo-3V+0.04(t-6) ・・・・・・・・・式(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアンモニア
や硫化水素を貯蔵するための圧力容器などの溶接性と耐
応力腐食割れ性を必要とする溶接構造物に用いられる高
強度鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アンモニアや硫化水素などを貯蔵
する圧力容器などに用いられる鋼板においても高強度化
がますます要求されるようになってきており、60キロ
級(SM570級)の厚鋼板などが一部使用されてい
る。上記分野において60キロ級の鋼板は、焼入れ、焼
戻しによって製造されており、溶接後の応力除去焼鈍を
おこなっても中心部において強度不足が生じないような
成分設計がなされている。
【0003】しかしながら板厚が厚い場合には、従来の
焼入処理ではどうしても板厚中心部における焼入性が不
足しがちになり、それゆえ板厚中心部における焼入性を
確保しようとすると、表層部においては強度が過剰にな
るという問題があった。アンモニアや硫化水素による応
力腐食割れは、鋼材の硬度によって感受性が変化するこ
とが知られており、硬度が高い程、割れが発生し易くな
る。このような環境において応力腐食割れが発生しない
限界硬度としてビッカース硬度で230以下という値が
経験的に知られている。焼入れ、焼戻処理で製造される
従来鋼板では、板厚の断面硬度分布は中心部が低く、表
層部ほど高い値となり、表層部でのビッカ−ス硬度を2
30以下に抑制することは不可能であった。従って応力
腐食割れを考慮しなければならない環境では板厚に限界
があったり、限られた環境でしか使用できなかった。
【0004】この問題を解決するために特開平1−96
329号公報にはC量を0.05%未満にまで低下させ
た耐硫化物応力腐食割れ性に優れた56kgf/mm2以上の
溶接構造用鋼の製造方法が開示されている。同法によれ
ば鋼材の最高硬度をHv230以下に抑制することが示
されているが、炭素量を0.05%未満にまで低減した
成分系にしているため、56kgf/mm2以上の強度を得る
には室温近傍まで焼入し、その後焼戻処理をおこなう必
要があった。
【0005】また、溶接性の観点からは溶接性に優れた
鋼板の製造方法が特開平1−149923号公報に記さ
れているが、同法においても熱延後直接150℃以下ま
で水冷により焼入れしたのち、更に焼戻しするプロセス
が必須であり、圧延後水冷ままで供せられる鋼板はなか
った
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、予熱なしで
溶接しても、耐溶接低温割れ性(以下、「溶接性」とい
う)に優れ、なおかつ焼戻処理を行わなくても硫化物あ
るいはアンモニアなどの環境下において使用することの
できる耐応力腐食割れ性に優れたSM570級以上の鋼
板ならびに鋼板の製造法を供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)の溶接性と耐応力腐食割れ性に優れた鋼板ならび
に(2)のその製造方法にある。
【0008】(1)質量%にて、C:0.05〜0.1
2%、Si:0.03〜0.30%、Mn:0.6〜
2.0%、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.00
6〜0.035%、Ti:0.005〜0.03%、so
l.Al:0.002〜0.08%、N:0.006%以
下、Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:
0〜0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002
%、残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式
(1)で表されるPcm(溶接割れ感受性組成)が0.1
6〜0.22および下記式(2)で表されるGが21〜
43を満足する化学組成を有することを特徴とする溶接
性と耐応力腐食割れ性に優れた高強度鋼板。
【0009】 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B・・・・・式(1) G=420C-4Mn+50Cr-3Ni-20Mo-3V+0.04(t-6) ・・・・・・・・・・・式(2) (式中の元素記号は、鋼中におけるそれぞれの元素の質
量%で表示した含有量を、tは鋼板の板厚(mm)を表
す。) (2)上記(1)に規定する化学組成を有する鋼片を、
熱間圧延するに際し、1000〜1200℃に加熱し、
900℃以下での累積圧下率が50%以上となる圧延を
おこなったのち、下記式(3)を満足する仕上温度T1
となる条件で圧延した後、680〜400℃の温度域を
下記式(4)を満足する冷却速度V1(℃/秒)で冷却
する。
【0010】 T1(℃)≦0.06×t2+710・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(3) V1(℃/秒)≧12×10-2×T1-80・・・・・・・・・・・・・・・ 式(4) (式中のtは、mmで表示した仕上げ板厚を、T1は、℃
で表示した仕上温度を表す。) 本発明者等は、前述のような観点から、溶接性および耐
応力腐食割れ性に優れた鋼板およびその製造方法を検討
した。その結果を要約すると下記の通りである。
【0011】1)溶接性は化学組成によって決定される
ものであり、20℃において、湿度が60%である一般
的な大気中を模擬した環境での溶接をベースとした場
合、Pcm(溶接割れ感受性組成)の値を0.22以下に
する必要がある。
【0012】2)さらにこのような成分条件のもとで、
耐応力腐食割れ性を改善するためには、表層部のビッカ
−ス硬度(Hv)は230以下が良い。そのためには、
熱延後の冷却過程での冷却速度の最も大きい表層部と最
も小さな中心部におけるマルテンサイト変態の開始温度
の差が小さければ良い。
【0013】3)具体的には、マルテンサイトが生成す
る表層部の変態点を上げ、初析フェライト変態が起こる
中心部の変態開始温度を下げるためには、鋼全体の焼入
性を増加させて中心部におけるフェライト組織の生成を
抑制した上で、表層部マルテンサイトの変態開始点を上
昇させねばならない。マルテンサイト変態の開始点(M
s点)は含有されるC量と合金量の増加によって低下す
るが、硬度に影響するのはC量のみであり、C量の低減
によって表層マルテンサイトの硬度を低下させる必要が
ある。また、冷却過程において表層部をマルテンサイ
ト、中心部をベイナイトとするためには、ある範囲の冷
却速度で冷却することが好ましく、これは板厚によって
影響される。
【0014】4)さらにより望ましい特性を得るには冷
却開始温度も重要である。鋼板の板厚が厚くなり、大き
な冷却速度が得られない場合には冷却開始温度を高める
ことが望ましい。これにより望ましい圧延の仕上温度が
板厚によって決定されることになる。
【0015】5)また、鋼板の金属組織の基本となるベ
イナイト組織に対する熱間圧延および加速冷却条件の影
響を鋭意検討した結果、化学成分、熱延条件ならびに熱
延後の冷却条件を制御することによって、焼戻処理を行
わなくても溶接性と耐応力腐食割れ性とに優れた鋼板を
得ることが可能となる。
【0016】上記のように化学成分を限定し、さらにそ
の熱延条件を最適化することにより、溶接性と耐応力腐
食割れ性に優れた鋼板を焼戻処理なしに製造することが
可能となるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】(1)鋼の化学組成 まず鋼の化学組成の限定理由について説明する。
【0018】C:0.05〜0.12% Cは強度上昇に有効な元素であり、そのためには0.0
5%以上必要である。一方、耐応力腐食割れ性および溶
接低温割れ性から上限を0.12%とする。しかし望ま
しい上限は0.11%さらに望ましくは0.10%であ
る。
【0019】Si:0.03〜0.30% Siは脱酸に有効な元素なので、同じく強力な脱酸剤で
あるAlの歩留まり向上のために添加する。Siは強度
上昇に有効である。それらの効果を得るには、0.03
%以上が必要である。しかし、0.30%を超えると溶
接熱影響部の靭性を低下させるとともに溶接時の低温割
れを助長するため上限を0.30%とする。望ましい上
限は0.27%、さらに望ましくは0.25%である。
【0020】Mn:0.6〜2.0% Mnは強度上昇に有効な元素であり、その効果を得るに
は0.6%以上必要である。しかし2.0%を超えると
靱性と溶接性が劣化するため上限を2.0%とする。強
度、靱性および溶接性のすべてについてより高度の性能
を確保するためには上限を1.7%、さらには1.5%
とすることが望ましい。
【0021】Mo:0.05〜0.5% Moは焼入性を高め、かつ加速冷却温度域での変態を抑
制するのに有効である。このためには0.05%以上必
要である。しかしながら0.5%を超えると靱性が劣化
しかつ溶接低温割れ性も劣化するため上限を0.5%と
する必要がある。望ましい添加範囲は0.1〜0.3
%、さらに望ましくは0.15〜0.2%である。
【0022】Nb:0.006〜0.035% Nbは固溶状態において鋼の焼入性を向上させ、かつ強
度も高めるとともに圧延加工によって導入された転位を
保存集積し、その集積された転位がベイナイトの粒径単
位であるラス長さ等を著しく微細化するので必須の元素
である。そのためには0.006%望ましくは0.01
%以上必要である。しかし、0.035%をこえると連
続鋳造時にスラブの表面にひび割れが発生する場合があ
るので上限を0.035%とする。望ましい上限は0.
025%である。
【0023】Ti:0.005〜0.03% Tiは固溶強化および析出強化によって鋼の強度を上昇
させるのみならず、スラブ加熱時のオーステナイト粒の
成長を抑制するので、圧延加工のみによって結晶粒を微
細化しにくい厚肉鋼板のベイナイト粒のラス長さを微細
化し靱性の改善に有効である。そのためには0.005
%以上必要である。また溶接熱影響部の結晶粒が粗大化
するのを防止し、硬度低下を防止するので、溶接熱影響
部の靱性向上および割れ防止に有効である。またNb含
有鋼の場合、微量TiはNbによって助長される連続鋳
造スラブ表面のひび割れを抑制するのに有効である。し
かしながら、Tiが0.03%を超えると靱性が劣化す
るので上限を0.03%とする。
【0024】sol Al:0.002〜0.08% Alは強力な脱酸効果を有し、さらに結晶粒の微細化の
ためにも有効であるので0.002%以上が必要であ
る。しかし過量のsol.Alは靱性等の低下を招くので0.
08%以下とする。
【0025】N:0.006%以下 Nは、存在すると母材および溶接部の靱性を低下させる
ので低い方がよい。0.006%を超えると著しく靱性
が劣化するので0.006%以下とする。
【0026】Cu:0〜0.6%以下 Cuは添加しなくてもよい。Cuは強度上昇に有効なの
で特に高強度化を図る場合には添加しても良い。しか
し、0.6%を超えると靱性を劣化させるので、添加す
る場合でも0.6%以下とする。靱性を劣化させずに強
度を確保するには、0.2〜0.4%とすることが望ま
しい。
【0027】Ni:0〜0.8% Niは含まなくてもよい。しかしNiは靱性を改善しC
uを添加した鋼材の割れを防止するのに有効なので、C
uを含む場合にはCu含有量の1/2以上を含むことが
望ましい。0.8%を超えると添加コストが高くなるの
で上限を0.8%とする。
【0028】Cr:0〜0.8% Crは無添加でも良い。しかしCrは焼入性を向上さ
せ、強度上昇に有効なので板厚が厚い場合やより高強度
が必要な場合は含ませた方が良い。含ませる場合は、
0.1%以上とすることが望ましい。しかし0.8%を
超えると靱性を劣化させるので上限を0.8%とするこ
とが必要である。
【0029】V:0〜0.08%以下 Vは無添加でも良い。しかし焼入性向上には、0.01
〜0.05%程度含有させるのが望ましい。0.08%
を超えると靭性を劣化させるため、上限を0.08%と
する必要がある。
【0030】B:0.002% Bは含有させなくても良い。しかしBは焼入性の向上と
それに伴う強度の上昇に有効なので板厚の増大や強度上
昇が必要な場合は含ませる。その場合、0.0005%
以上が望ましい。しかし、0.002%を超えると溶接
性と靱性が劣化するので、0.002%を上限とする必
要がある。
【0031】不純物:不純物のうち、Pは0.01%以
下とすることが望ましい。0.01%を超えると、凝固
する際に生成する偏析部に濃縮し、靱性と溶接性を劣化
させる。
【0032】Sは、0.007%以下とすることが望ま
しい。0.007%を超えると、偏析部に粗大なMnS
を生成し、溶接低温割れの起点や水素性欠陥の起点とな
る。
【0033】その他の不純物は通常の精錬により得られ
るレベルまで減少させるのがよい。
【0034】Pcm(溶接割れ感受性組成):0.16〜
0.22 化学組成が上記に述べた値であっても、前記、式(1)
で表されるパラメータPcm値が0.22を超えると、一
般大気中で常温において溶接した場合、低温割れを生じ
るのでPcm値は0.22以下とする。一方、Pcmの値が
0.16未満では、強度が不足するので、0.16以上
とした。
【0035】G:21〜43 前記、式(2)で表されるパラメータGは含有元素の含
有量および板厚によって決定される値である。このパラ
メータGを規定することによって、鋼板の表層部および
中心部の変態開始温度を近づけることができ、表層部と
中心部の硬度差を小さくすることができる。具体的に
は、パラメータGの値が21未満の場合は、表層部と中
心部の硬度差は小さくなるが、表層においても本発明で
目指すところのSM570級以上の鋼板の強度を満足し
なくなる。一方、Gの値が43を超える場合には、表層
部と中心部の硬度差が大きくなり、表層部におけるビッ
カース硬度(Hv)を230以下とすることができなく
なる。したがってパラメータGの値は21〜43とする
必要がある。Gの望ましい下限値は23さらには27で
あり、望ましい上限値は41さらには40である。
【0036】(2)熱間圧延条件 次に熱間圧延条件について説明する。
【0037】鋼片加熱温度については、加熱時のオース
テナイト結晶粒の粗大化を防止するために1200℃以
下が望ましい。一方、圧延中の結晶粒の微細化および圧
延後の析出強化に有効なNbを固溶させるために100
0℃以上が好適である。
【0038】圧延温度については、後に述べる冷却速度
とともに十分に管理されることが望ましく、本発明では
板厚によって決定される仕上温度と冷却速度の特定の組
み合わせによってより望ましい性能が得られる。オース
テナイトの粒内からフェライトを核発生させ、かつベイ
ナイトラスの成長を抑えるためには高密度の転位の存在
が望ましく、そのためにはγの未再結晶温度域で50%
以上の圧延を行うとよい。本発明にあるNb添加鋼が上
記加熱温度で製造された場合、未再結晶温度域は900
℃以下となる。
【0039】さらに圧延の仕上温度(T1)は圧延後の
冷却との関係において、管理されることが望ましく、仕
上板厚(t)によって規定される温度T2(= 0.06×t2
+710)以下とするのがよい。仕上温度がT2を超える場
合には、未再結晶γ域での転位の集積が不十分となるこ
とがある。
【0040】次に冷却速度(V1)については、仕上温
度T1によって決定される速度V2(=12×10-2×T1-8
0)以上とするのがよい。冷却速度がV2に満たない場合
には焼入効果がやや弱まり望ましい強度が得にくい。
【0041】
【実施例】本発明の構成は上記の通りであるが、以下に
実施例について説明する。
【0042】供試鋼板は、表1に示す化学組成を有する
鋼を常法により溶製、鋳造し得られた鋼片を表2に示す
製造条件に従い、加工熱処理を行ったものである。なお
板厚は10〜38mmである。これらの鋼片の表面と板厚
中央との中間位置(厚さ方向に(1/4)t位置)から試験
片を採取し、引張試験を実施し、引張強度をTS(1/4)
と表示した。また、同位置から採取した試験片について
遅れ破壊試験を実施した。遅れ破壊試験では、3%Na
Cl水溶液中に電位差1.5Vのもと200時間浸漬
し、破断する応力を測定した。求められた応力と引張試
験での降伏応力との比を、限界応力比として求めた。さ
らに、2mmVノッチシャルピー衝撃試験を−40℃で
おこない、吸収エネルギー(v-40)を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】化学組成、製造法および試験性能を表3お
よび表4に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表3に示すとおり、本発明例(A〜H)
は、予熱処理が無い場合でもTS(1/4):570MPa
以上が得られ、限界応力比:0.9以上、v-40:20
0J以上を満足した。一方、比較例(I〜P)は、TS
(1/4)、限界応力比、v-40、予熱温度のいずれか1つ
以上の特性が目標値を満足していない。
【0049】さらに、表4において、本発明の製造方法
で規定する製造条件を満足する試験番号18,19,2
0,21の鋼板は、限界応力比:1以上、靭性も、v
-40:250以上となり、その特性は特に優れている。
【0050】
【発明の効果】本発明に係わる鋼板およびその製造方法
で得られる鋼板は、焼戻処理を行わなくても溶接性と応
力腐食割れ性に優れている。従って、例えばアンモニア
や硫化水素を貯蔵するための圧力容器などの溶接性と耐
応力腐食割れ性を必要とする溶接構造物に用いられる高
強度鋼として適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA11 AA14 AA16 AA19 AA21 AA22 AA23 AA31 AA35 AA36 BA01 CA02 CB02 CC02 CC03 CD03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%にて、C:0.05〜0.12%、
    Si:0.03〜0.30%、Mn:0.6〜2.0
    %、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.006〜
    0.035%、Ti:0.005〜0.03%、sol.A
    l:0.002〜0.08%、N:0.006%以下、
    Cu:0〜0.6%、Ni:0〜0.8%、Cr:0〜
    0.8%、V:0〜0.08、B:0〜0.002%、
    残部はFeおよび不純物からなり、かつ下記式(1)で
    表されるPcm(溶接割れ感受性組成)が0.16〜0.
    22および下記式(2)で表されるGが21〜43を満
    足する化学組成を有することを特徴とする溶接性と耐応
    力腐食割れ性に優れた高強度鋼板。 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B・・・・・式(1) G=420C-4Mn+50Cr-3Ni-20Mo-3V+0.04(t-6) ・・・・・・・・・・・式(2) (式中の元素記号は、鋼中におけるそれぞれの元素の質
    量%で表示した含有量を、tは鋼板の板厚(mm)を表
    す。)
  2. 【請求項2】請求項1に規定する化学組成を有する鋼片
    を、熱間圧延するに際し、1000〜1200℃に加熱
    し、900℃以下での累積圧下率が50%以上となる圧
    延をおこなったのち、下記式(3)を満足する仕上温度
    1となる条件で圧延した後、680〜400℃の温度
    域を下記式(4)を満足する冷却速度V1(℃/秒)で
    冷却することを特徴とする溶接性と耐応力腐食割れ性に
    優れた高強度鋼板の製造方法。 T1(℃)≦0.06×t2+710・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(3) V1(℃/秒)≧12×10-2×T1-80・・・・・・・・・・・・・・・ 式(4) (式中のtは、mmで表示した仕上げ板厚を、T1は、℃
    で表示した仕上温度を表す。)
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