JPS6364489B2 - - Google Patents
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Description
本発明は連続鋳造機に使用されるロールに関
し、特に鋳片の品質改善のために鋳片に電磁攪拌
を施す際に、電磁力を鋳片に有効に付与し得、強
い攪拌力を得ることができる非磁性のロールの製
造方法を提案するものである。 連続鋳造においては取鍋からタンデイツシユへ
注入された溶鋼は、通常複数の鋳型へ分配供給さ
れ、鋳型で冷却されて周囲に凝固殻が成長した鋳
片は内部に未凝固溶鋼を残留させたまま鋳型に続
くサポートロール群に引抜かれ、サポートロール
間を通過する間にサポートロール群に介在配設さ
れたスプレーノズルから水冷却を受けて完全に凝
固する。而して溶鋼が鋳型に注入されてから完全
に凝固する迄に鋳片が移動する距離、即ち鋳型内
湯面からサポートロール群における完全凝固点に
至る距離は10〜15mにも達するため未凝固溶鋼領
域が極めて細長く伸び、このため鋳片内部、特に
中心部に中心偏析、軸心割れ等の品質欠陥を発生
させる。これを改善すべく開発されたのが電磁攪
拌技術であり、これはサポートロール群における
その上流側の鋳型側端と下流側の鋳片の完全凝固
点との間の適宜位置に電磁コイルを鋳片側面に臨
ませて配設し、鋳片内の未凝固溶鋼に鋳片側面に
沿う水平方向又は垂直方向への電磁力を与えてこ
れを攪拌し、鋳片中心部の凝固組織改善及び中心
偏析、軸心割れ等の軽減を図るものである。 この電磁攪拌を効果的に行うためには、電磁コ
イル設置位置近傍のロールの材質を非磁性とし
て、電磁力がロールに遮断されず鋳片内の未凝固
溶鋼に有効に与えられるようにする必要がある
が、従来の非磁性の鋼素材(以下非磁性鋼とい
う)を使用してサポートロールを構成した場合は
以下に示す如き難点がある。非磁性鋼の変態組織
はオーステナイトであるが、この組織の鋼素材は
一般に降伏点が低く鋳塊のままロールに加工する
と操業中にロールが曲げ変形し、ロールサポート
が不能となり操業が不可能となる事態が発生す
る。鋼素材を高強度化する方法として冷間加工を
施す方法があるが、これは大断面のロールには適
用できない。また析出強化させた鋼素材として
ASTM規格のA―286があるが、これはNiを多量
に含有させたものであつて極めて高価であり、実
用的ではない。 またオーステナイト組織の鋼素材は塩素イオン
を多量に含有する工業用水中では応力腐食割れ
(所謂SCC)が発生しやすい。これは鋳片冷却用
のスプレー冷却水に曝される雰囲気下で使用され
るサポートロールとしては極めて不都合であり、
更に前述の高強度化によつてSCC感受性が高まつ
ているのに加えて、鋳片熱塊に接してロール表面
温度が上昇し、SCCに対してより一層鋭敏化する
という難点がある。更にまたこの鋼素材はサポー
トロールとして使用する過程で炭化物が粒界に析
出して靭性が低下し、鋳片との接触による熱応力
を受けて割れが発生する虞れがある。更にオース
テナイト組織の鋼素材は熱伝導度が低く、しかも
熱膨張係数が高いので、同一の熱履歴により発生
する熱応力は非オーステナイト組織の鋼素材に比
して大きくこの点でも不利である。 このように従来の非磁性鋼によるロールは種々
の難点を有するので電磁コイル設置位置近傍のサ
ポートロールとしては使用できないため、やむを
得ず他の部分のサポートロール同様、焼もどしマ
ルテンサイト組織又はフエライト組織を有する強
磁性のロールを使用することとせざるを得ず、従
つて電磁力がロールに遮断されて鋳片内未凝固溶
鋼に対する十分な攪拌力が得られないため、品質
改善効果が低く、また電磁力を鋳片に付与するた
めに強大な電力を必要とする等の不都合があつ
た。 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであ
つて、鋳片のサポートのために十分な強度を有
し、耐SCC性が高く強靭性であり鋳片に強い電磁
攪拌力を付与し得る非磁性ロールの製造方法を提
供することを目的とする。 本発明に係る非磁性ロールの製造方法は、C:
0.15%以下,Si:1.0%以下,sol.Al:0.050%以
下,Mn:17.0乃至25.0%,Cr:6.0乃至11.51%,
Ni:3.0%以下,Cu:3.0%以下,N:0.05乃至
0.25%をNi濃度とCu濃度との和が3.0%以下とな
るように含有し、更にV:0.05乃至1.00%,Nb:
0.05乃至1.00%のうち1種又は2種の成分を含有
し、残部がFe及び不可避的不純物である鋼素材
を、断面減少率60%以上で熱間加工した後、900
℃以上に30分乃至15時間保持して熱処理すること
を特徴とする。 以下本発明を具体的に説明する。鋳片を支持す
るたのサポートロールとして使用された場合にロ
ールが曲げ変形を起こさないためには、ロールの
強度は、0.2%耐力が30Kgf/mm2以上、好ましく
は40Kgf/mm2以上、また引張強さが70Kgf/mm2以
上であることが必要である。本発明に係る非磁性
ロールの製造方法は後述する如くNによる固溶強
化を図り、またVとNbの1種又は2種を含有さ
せることにより夫々の成分元素による析出強化を
図り、更に熱間加工条件を適切に設定することに
よつてNiの多量配合の如き対応をとることなく
経済的に降伏応力,0.2%耐力及び引張強さ等の
ロールの強度を高めたものである。またロールの
C濃度を極力低値とし、熱間加工及びその後の熱
処理の各条件を適切に設定することによつて、炭
化物の析出を抑制し、耐SCC性を高めたものであ
る。更にC濃度を低値にすることにより、ロール
の使用に伴う熱履歴を受けて特にロール表面温度
が昇温し、炭化物がオーステナイト組織の粒界に
析出するのを抑制し、ロール使用による靭性の劣
化とこれによるロール割れ発生の防止を図つた。
更にまた上述の如く耐SCC性及びロール使用に伴
う靭性劣化の抑制等の観点からC濃度を低値にし
たためにオーステナイト組織が不安定になるのを
補償すべく、N,Mn,Ni,Cu等の成分元素を適
量含有せしめることにより鋼材組織のオーステナ
イト安定化を図つたものである。なおこれらの各
成分元素は安価なMnを多量に配合し、高価な
Ni,Cuの配合を極力回避して経済性を確保した。 以下前記したように各成分の濃度範囲を限定し
た理由について説明する。 Cはその濃度が0.15%を超えた場合は、ロール
使用中に受ける熱履歴によつてオーステナイト組
織の粒界に炭化物が析出し、これによりロールの
靭性が低下すると共にSCCに対する感受性が高ま
る。またC濃度の上昇は鋼素材の機械加工性を劣
化させ、ロールの成形加工が難しくなる。従つて
C濃度は0.15%以下であることが必要である。 NはC濃度を低値に抑えたことによるロールの
0.2%耐力等の強度の低下及びオーステナイト組
織の不安定化を補償するためにロールに含有せし
める。Nにより強度を確保しオーステナイト組織
を安定化させたロールはCにより強度の確保及び
オーステナイト安定化を図つたロールに比して、
ロール使用中に熱履歴を受けた場合でも靭性及び
耐SCC性が劣化する程度は極めて少い。上述の効
果を得るためにはN濃度は0.05%以上であること
が必要であり、これにより強度の確保及びオース
テナイトの安定化のために高価なNi,Cuを多量
に添加することを回避することができるが、N濃
度を0.25%を超えて溶製することは極めて難し
く、また溶製後に鋳込まれた鋼塊中にブローホー
ルによる欠陥を発生させる虞れがあり、更にNを
0.25%を超えて含有するロールはロール使用につ
れて熱履歴を受けた場合に窒化物を析出して靭性
を低下させる。このためN濃度は0.05乃至0.25%
である必要がある。 Si及びAlは脱酸剤として精錬の過程で溶鋼中
に添加されるが、Si濃度又はsol.Al濃度が夫々1.0
%又は0.050%を超えて添加してもその脱酸効果
は飽和し、逆に非金属介在物が増加してロールの
清浄度を悪化させ靭性を低下させるとともにロー
ル割れ発生の要因となる。従つてSi濃度及びsol.
Al濃度の上限値は夫々1.0%及び0.050%である。 Mnは安価にオーステナイト組織を安定になし
得る成分元素であり、N,Ni,Cu同様ロールを
非磁性にするために必要なものである。本発明に
係る非磁性ロールはC濃度を低値に抑えたためC
によるオーステナイト安定化効果は期待できず、
Mnを多量に含有せしめる必要があり、十分なオ
ーステナイト安定化効果を得るためにはMn濃度
は17.0%以上であることを要する。17.0%未満で
はロールの透磁率μが上昇する。またMn濃度が
25.0%を超えた場合はSCC発生の虞れがある。従
つてMn濃度は17.0乃至25.0%であることが必要
である。 Crはロールの固溶強化に有効な成分元素であ
り、その強度を上昇させるべく配合されるが、
Cr濃度が11.5%を超えて配合してもその効果は飽
和し、逆にオーステナイト組織の替りにδ―フエ
ライト組織が生成して透磁率μが上昇する。一方
Cr濃度が6.0%未満である場合は、工業用水中に
おいてロール周面の腐食速度が上昇するので、ロ
ール使用中にロール周面に銹が発生し易くなり、
ロール周面の平滑度を悪化させるという不都合が
ある。結局Cr濃度は6.0乃至11.5%であることが
必要である。 Ni及びCuはロールのオーステナイト組織を安
定化し、また耐食性を向上させ得る成分元素であ
るが、上述の如くC濃度が0.15%以下、Mn濃度
が17.0乃至25.0%である場合には、Ni及びCuをい
ずれもその濃度が3.0%以下となるように添加す
ることにより、オーステナイト組織を十分安定化
し得、ロールを非磁性にすることができる。Cu
濃度が3.0%を超えた場合は鋼素材の熱間加工性
が悪化するので、Cu濃度は3.0%以下、好ましく
は1.5%以下に抑えるのが望ましい。またNi濃度
とCu濃度との和が3.0%を超えた場合は、ロール
の耐食性は向上するが耐SCC性が悪化するので好
ましくなく、Ni+Cuは3.0%以下とする必要があ
る。従つてNi及びCuの濃度はいずれも3.0%以
下、但しNi+Cuが3.0%以下であることを要す
る。 V及びNbはロールの析出強化に有効な成分元
素であり、特に引張強さを大きく上昇させること
なく0.2%耐力を著しく上昇させ得ることに特徴
を有しており、更に0.2%耐力の上昇による伸び、
絞り及び靭性の低下の程度が低く、この点でもロ
ールの強化に有効である。V及びNbのいずれに
ついても、その濃度が0.05%未満では析出強化の
効果が小さく、また1.00%を超えた場合は伸び、
絞り等の延性及びシヤルピー試験における吸収エ
ネルギ等の靭性及び耐SCC性を著しく低下させる
という問題があり、特にNbは熱間加工性をも劣
化させる等の難点がある。従つてV又はNbの濃
度はいずれも0.05乃至1.00%であることが必要で
ある。 なお溶鋼の溶製過程においてP濃度及びS濃度
が夫々0.030%以下及び0.010%以下となるように
調整することが好ましい。けだしP及びSの濃度
が低いほど熱間加工性及び靭性が向上するから、
後述する如く鋼素材に熱間加工を施す際に有利で
あるからである。特にPはロール使用に伴う熱履
歴を受けた場合にその靭性を劣化させ易い。また
S濃度を0.005%以下に抑えた場合は極めて良好
な熱間延性が得られ、鋼素材の熱間加工性が向上
し強加工も可能となる。 次に熱間加工及び熱処理の条件について説明す
る。これらの熱間加工及び熱処理により非磁性ロ
ールの強度、延性、靭性及び耐SCC性が高められ
る。まず熱間加工については60%以上の断面減少
率とする必要がある。断面減少率を60%以上とし
たのは、ロールを高強度とした上で高い延性及び
靭性を得るためである。また熱間加工における仕
上温度は900℃以上であるのが好ましい。これは
ロールの延性及び靭性をより一層高めるととも
に、耐SCC性を向上させるためであり、仕上温度
が900℃未満である場合は熱間加工中に炭化物又
は窒化物が析出してSCC発生を助長するからであ
る。 また熱間加工後に鋼素材に施す熱処理は、熱処
理温度を900℃以上とする必要がある。これは900
℃未満の場合はロールの耐SCC性が低いからであ
るが、特に前述した如く熱間加工時の仕上温度が
900℃未満であつて耐SCC性が劣化した鋼素材に
ついても、熱間加工後に900℃以上にて熱処理す
ることにより、熱間加工にて析出した炭化物又は
窒化物が母材に固溶し、耐SCC性の良好なロール
とすることができる。鋼素材をこの熱処理温度に
保持する時間は30分乃至15時間であることが必要
である。けだし30分未満の場合はロール中心部ま
で十分昇温させることが難しく熱処理による耐
SCC性向上効果が得られないからであり、また15
時間を超えた場合はその効果が飽和し、逆にロー
ルの強度が低下するからである。 次に本発明の実施例を本発明の濃度範囲に属し
ない非磁性鋼と対比して説明する。第1表は本発
明にて規定した濃度範囲の鋼素材(イ),(ロ)とこの範
囲外の磁性鋼(従来と記す)(ハ),(ニ)について、
夫々各成分元素の濃度を示したものである。これ
らの鋼素材(イ),(ロ)及び(ハ),(ニ)について、第2表
「熱間鍛造条件」欄記載の如く各条件にて熱間鍛
造し、或はこの熱間鍛造の後「熱処理」欄記載の
如く熱処理を施した。そしてこれら熱間鍛造し或
は熱間鍛造後熱処理した鋼材1〜8について、い
ずれも0.2%耐力及び引張強さ等の強度、伸び及
び絞り等の延性、シヤルピー衝撃試験における吸
収エネルギによる靭性並びに透磁率μを測定し、
更に耐SCC性試験を行つてこれらの結果を第2表
に記載した。なおシヤルピー衝撃試験による吸収
エネルギの測定においては、上述の如く熱間鍛造
等を施した鋼材に加えて、熱間鍛造又は熱処理の
後、ロール使用中に受ける熱履歴を想定して600
℃に100時間保持することにより時効処理した鋼
材についても吸収エネルギを測定し、ロール使用
後の靭性の劣化について調査した。また耐SCC性
試験は鋼材をU字型に曲げた状態で塩素イオンを
500ppm含有する50℃の水溶液中に1カ月間(720
時間)浸漬して行つた。「耐SCC性」欄中〇は
SCCが発生しなかつた場合、×はSCCが発生した
場合である。成分濃度,熱間鍛造条件及び熱処理
条件をいずれも前記範囲に限定した本発明に係る
鋼材1,2は、ロール曲げ変形に対する抵抗力の
強さの指標となる0.2%耐力及び引張強さがいず
れも夫々40Kgf/mm2以上及び75Kgf/mm2以上と曲
げ変形の発生を抑制する上で十分な強度を有して
おり、また延性及び靭性についても良好であり、
更に耐SCC性試験においてもSCCの発生は皆無で
あつた。また透磁率μも従来の非磁性鋼同様十分
低値を示している。更に600℃に100時間保持して
時効処理した場合にも靭性の劣化は軽微であり、
なお良好な靭性を保持している。 これに対し成分濃度が前記範囲内にあるが(鋼
素材(イ),(ロ))、熱間鍛造条件及び熱処理条件が前
記範囲から外れた場合は、延性,靭性及び耐SCC
性の点で問題がある。即ち鋼素材(イ)の組成を有す
るが熱間鍛造の断面減少率が33%と低い場合(鋼
材5)、又は鋼素材口の組成を有するが熱処理を
施さなかつた場合(鋼材4)若しくは熱処理温度
が850℃と低い場合(鋼材5)は、延性及び靭性
に十分な値が得られず、また耐SCC性試験におい
てSCCが発生した。更に時効処理後の靭性の劣化
も著しい。 一方従来の非磁性鋼の成分濃度を有する鋼素材
(ハ),(ニ)は、鋼素材(ハ)についてはC濃度が前記範囲
より高く、またCr濃度が低いため、鋼素材(ハ)を
前記範囲の条件で熱間鍛造及び熱処理した場合
(鋼材6,7)でも、その靭性は極めて低く、ま
た熱間鍛造及び熱処理条件を種々選別しても耐
SCC性試験におけるSCCの発生を抑制することが
できなかつた。また鋼素材(ニ)についてはN濃度が
前記範囲より低いため、これを熱間鍛造及び熱処
理して得た鋼材8は0.2%耐力が極めて低く、ロ
ール使用中においてロールの曲げ変形が発生する
虞れがある。 以上詳述した如く本発明方法に係る非磁性ロー
ルは、C,Si,sol.Al,Mn,Cr,Ni,Cu,N,
V,Nb等の各成分の濃度を主として強度,靭性,
耐SCC性及び透磁率の点から検討して限定し、熱
間加工条件及び熱処理条件を同様に検討し最適な
条件を設定して製造されるものであるから、サポ
ートロールとしての十分な強度と靭性とを有し、
しかもロール使用中における靭性劣化が少く、ま
た耐SCC性が高く、更に透磁率が極めて低く電磁
コイルの電磁力を鋳片内溶鋼の攪拌に有効に寄与
させ得て内部品質が優れた鋳片を製造させ得る
等、本発明は電磁攪拌操業用の非磁性ロールの製
造に優れた効果を奏するものである。
し、特に鋳片の品質改善のために鋳片に電磁攪拌
を施す際に、電磁力を鋳片に有効に付与し得、強
い攪拌力を得ることができる非磁性のロールの製
造方法を提案するものである。 連続鋳造においては取鍋からタンデイツシユへ
注入された溶鋼は、通常複数の鋳型へ分配供給さ
れ、鋳型で冷却されて周囲に凝固殻が成長した鋳
片は内部に未凝固溶鋼を残留させたまま鋳型に続
くサポートロール群に引抜かれ、サポートロール
間を通過する間にサポートロール群に介在配設さ
れたスプレーノズルから水冷却を受けて完全に凝
固する。而して溶鋼が鋳型に注入されてから完全
に凝固する迄に鋳片が移動する距離、即ち鋳型内
湯面からサポートロール群における完全凝固点に
至る距離は10〜15mにも達するため未凝固溶鋼領
域が極めて細長く伸び、このため鋳片内部、特に
中心部に中心偏析、軸心割れ等の品質欠陥を発生
させる。これを改善すべく開発されたのが電磁攪
拌技術であり、これはサポートロール群における
その上流側の鋳型側端と下流側の鋳片の完全凝固
点との間の適宜位置に電磁コイルを鋳片側面に臨
ませて配設し、鋳片内の未凝固溶鋼に鋳片側面に
沿う水平方向又は垂直方向への電磁力を与えてこ
れを攪拌し、鋳片中心部の凝固組織改善及び中心
偏析、軸心割れ等の軽減を図るものである。 この電磁攪拌を効果的に行うためには、電磁コ
イル設置位置近傍のロールの材質を非磁性とし
て、電磁力がロールに遮断されず鋳片内の未凝固
溶鋼に有効に与えられるようにする必要がある
が、従来の非磁性の鋼素材(以下非磁性鋼とい
う)を使用してサポートロールを構成した場合は
以下に示す如き難点がある。非磁性鋼の変態組織
はオーステナイトであるが、この組織の鋼素材は
一般に降伏点が低く鋳塊のままロールに加工する
と操業中にロールが曲げ変形し、ロールサポート
が不能となり操業が不可能となる事態が発生す
る。鋼素材を高強度化する方法として冷間加工を
施す方法があるが、これは大断面のロールには適
用できない。また析出強化させた鋼素材として
ASTM規格のA―286があるが、これはNiを多量
に含有させたものであつて極めて高価であり、実
用的ではない。 またオーステナイト組織の鋼素材は塩素イオン
を多量に含有する工業用水中では応力腐食割れ
(所謂SCC)が発生しやすい。これは鋳片冷却用
のスプレー冷却水に曝される雰囲気下で使用され
るサポートロールとしては極めて不都合であり、
更に前述の高強度化によつてSCC感受性が高まつ
ているのに加えて、鋳片熱塊に接してロール表面
温度が上昇し、SCCに対してより一層鋭敏化する
という難点がある。更にまたこの鋼素材はサポー
トロールとして使用する過程で炭化物が粒界に析
出して靭性が低下し、鋳片との接触による熱応力
を受けて割れが発生する虞れがある。更にオース
テナイト組織の鋼素材は熱伝導度が低く、しかも
熱膨張係数が高いので、同一の熱履歴により発生
する熱応力は非オーステナイト組織の鋼素材に比
して大きくこの点でも不利である。 このように従来の非磁性鋼によるロールは種々
の難点を有するので電磁コイル設置位置近傍のサ
ポートロールとしては使用できないため、やむを
得ず他の部分のサポートロール同様、焼もどしマ
ルテンサイト組織又はフエライト組織を有する強
磁性のロールを使用することとせざるを得ず、従
つて電磁力がロールに遮断されて鋳片内未凝固溶
鋼に対する十分な攪拌力が得られないため、品質
改善効果が低く、また電磁力を鋳片に付与するた
めに強大な電力を必要とする等の不都合があつ
た。 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであ
つて、鋳片のサポートのために十分な強度を有
し、耐SCC性が高く強靭性であり鋳片に強い電磁
攪拌力を付与し得る非磁性ロールの製造方法を提
供することを目的とする。 本発明に係る非磁性ロールの製造方法は、C:
0.15%以下,Si:1.0%以下,sol.Al:0.050%以
下,Mn:17.0乃至25.0%,Cr:6.0乃至11.51%,
Ni:3.0%以下,Cu:3.0%以下,N:0.05乃至
0.25%をNi濃度とCu濃度との和が3.0%以下とな
るように含有し、更にV:0.05乃至1.00%,Nb:
0.05乃至1.00%のうち1種又は2種の成分を含有
し、残部がFe及び不可避的不純物である鋼素材
を、断面減少率60%以上で熱間加工した後、900
℃以上に30分乃至15時間保持して熱処理すること
を特徴とする。 以下本発明を具体的に説明する。鋳片を支持す
るたのサポートロールとして使用された場合にロ
ールが曲げ変形を起こさないためには、ロールの
強度は、0.2%耐力が30Kgf/mm2以上、好ましく
は40Kgf/mm2以上、また引張強さが70Kgf/mm2以
上であることが必要である。本発明に係る非磁性
ロールの製造方法は後述する如くNによる固溶強
化を図り、またVとNbの1種又は2種を含有さ
せることにより夫々の成分元素による析出強化を
図り、更に熱間加工条件を適切に設定することに
よつてNiの多量配合の如き対応をとることなく
経済的に降伏応力,0.2%耐力及び引張強さ等の
ロールの強度を高めたものである。またロールの
C濃度を極力低値とし、熱間加工及びその後の熱
処理の各条件を適切に設定することによつて、炭
化物の析出を抑制し、耐SCC性を高めたものであ
る。更にC濃度を低値にすることにより、ロール
の使用に伴う熱履歴を受けて特にロール表面温度
が昇温し、炭化物がオーステナイト組織の粒界に
析出するのを抑制し、ロール使用による靭性の劣
化とこれによるロール割れ発生の防止を図つた。
更にまた上述の如く耐SCC性及びロール使用に伴
う靭性劣化の抑制等の観点からC濃度を低値にし
たためにオーステナイト組織が不安定になるのを
補償すべく、N,Mn,Ni,Cu等の成分元素を適
量含有せしめることにより鋼材組織のオーステナ
イト安定化を図つたものである。なおこれらの各
成分元素は安価なMnを多量に配合し、高価な
Ni,Cuの配合を極力回避して経済性を確保した。 以下前記したように各成分の濃度範囲を限定し
た理由について説明する。 Cはその濃度が0.15%を超えた場合は、ロール
使用中に受ける熱履歴によつてオーステナイト組
織の粒界に炭化物が析出し、これによりロールの
靭性が低下すると共にSCCに対する感受性が高ま
る。またC濃度の上昇は鋼素材の機械加工性を劣
化させ、ロールの成形加工が難しくなる。従つて
C濃度は0.15%以下であることが必要である。 NはC濃度を低値に抑えたことによるロールの
0.2%耐力等の強度の低下及びオーステナイト組
織の不安定化を補償するためにロールに含有せし
める。Nにより強度を確保しオーステナイト組織
を安定化させたロールはCにより強度の確保及び
オーステナイト安定化を図つたロールに比して、
ロール使用中に熱履歴を受けた場合でも靭性及び
耐SCC性が劣化する程度は極めて少い。上述の効
果を得るためにはN濃度は0.05%以上であること
が必要であり、これにより強度の確保及びオース
テナイトの安定化のために高価なNi,Cuを多量
に添加することを回避することができるが、N濃
度を0.25%を超えて溶製することは極めて難し
く、また溶製後に鋳込まれた鋼塊中にブローホー
ルによる欠陥を発生させる虞れがあり、更にNを
0.25%を超えて含有するロールはロール使用につ
れて熱履歴を受けた場合に窒化物を析出して靭性
を低下させる。このためN濃度は0.05乃至0.25%
である必要がある。 Si及びAlは脱酸剤として精錬の過程で溶鋼中
に添加されるが、Si濃度又はsol.Al濃度が夫々1.0
%又は0.050%を超えて添加してもその脱酸効果
は飽和し、逆に非金属介在物が増加してロールの
清浄度を悪化させ靭性を低下させるとともにロー
ル割れ発生の要因となる。従つてSi濃度及びsol.
Al濃度の上限値は夫々1.0%及び0.050%である。 Mnは安価にオーステナイト組織を安定になし
得る成分元素であり、N,Ni,Cu同様ロールを
非磁性にするために必要なものである。本発明に
係る非磁性ロールはC濃度を低値に抑えたためC
によるオーステナイト安定化効果は期待できず、
Mnを多量に含有せしめる必要があり、十分なオ
ーステナイト安定化効果を得るためにはMn濃度
は17.0%以上であることを要する。17.0%未満で
はロールの透磁率μが上昇する。またMn濃度が
25.0%を超えた場合はSCC発生の虞れがある。従
つてMn濃度は17.0乃至25.0%であることが必要
である。 Crはロールの固溶強化に有効な成分元素であ
り、その強度を上昇させるべく配合されるが、
Cr濃度が11.5%を超えて配合してもその効果は飽
和し、逆にオーステナイト組織の替りにδ―フエ
ライト組織が生成して透磁率μが上昇する。一方
Cr濃度が6.0%未満である場合は、工業用水中に
おいてロール周面の腐食速度が上昇するので、ロ
ール使用中にロール周面に銹が発生し易くなり、
ロール周面の平滑度を悪化させるという不都合が
ある。結局Cr濃度は6.0乃至11.5%であることが
必要である。 Ni及びCuはロールのオーステナイト組織を安
定化し、また耐食性を向上させ得る成分元素であ
るが、上述の如くC濃度が0.15%以下、Mn濃度
が17.0乃至25.0%である場合には、Ni及びCuをい
ずれもその濃度が3.0%以下となるように添加す
ることにより、オーステナイト組織を十分安定化
し得、ロールを非磁性にすることができる。Cu
濃度が3.0%を超えた場合は鋼素材の熱間加工性
が悪化するので、Cu濃度は3.0%以下、好ましく
は1.5%以下に抑えるのが望ましい。またNi濃度
とCu濃度との和が3.0%を超えた場合は、ロール
の耐食性は向上するが耐SCC性が悪化するので好
ましくなく、Ni+Cuは3.0%以下とする必要があ
る。従つてNi及びCuの濃度はいずれも3.0%以
下、但しNi+Cuが3.0%以下であることを要す
る。 V及びNbはロールの析出強化に有効な成分元
素であり、特に引張強さを大きく上昇させること
なく0.2%耐力を著しく上昇させ得ることに特徴
を有しており、更に0.2%耐力の上昇による伸び、
絞り及び靭性の低下の程度が低く、この点でもロ
ールの強化に有効である。V及びNbのいずれに
ついても、その濃度が0.05%未満では析出強化の
効果が小さく、また1.00%を超えた場合は伸び、
絞り等の延性及びシヤルピー試験における吸収エ
ネルギ等の靭性及び耐SCC性を著しく低下させる
という問題があり、特にNbは熱間加工性をも劣
化させる等の難点がある。従つてV又はNbの濃
度はいずれも0.05乃至1.00%であることが必要で
ある。 なお溶鋼の溶製過程においてP濃度及びS濃度
が夫々0.030%以下及び0.010%以下となるように
調整することが好ましい。けだしP及びSの濃度
が低いほど熱間加工性及び靭性が向上するから、
後述する如く鋼素材に熱間加工を施す際に有利で
あるからである。特にPはロール使用に伴う熱履
歴を受けた場合にその靭性を劣化させ易い。また
S濃度を0.005%以下に抑えた場合は極めて良好
な熱間延性が得られ、鋼素材の熱間加工性が向上
し強加工も可能となる。 次に熱間加工及び熱処理の条件について説明す
る。これらの熱間加工及び熱処理により非磁性ロ
ールの強度、延性、靭性及び耐SCC性が高められ
る。まず熱間加工については60%以上の断面減少
率とする必要がある。断面減少率を60%以上とし
たのは、ロールを高強度とした上で高い延性及び
靭性を得るためである。また熱間加工における仕
上温度は900℃以上であるのが好ましい。これは
ロールの延性及び靭性をより一層高めるととも
に、耐SCC性を向上させるためであり、仕上温度
が900℃未満である場合は熱間加工中に炭化物又
は窒化物が析出してSCC発生を助長するからであ
る。 また熱間加工後に鋼素材に施す熱処理は、熱処
理温度を900℃以上とする必要がある。これは900
℃未満の場合はロールの耐SCC性が低いからであ
るが、特に前述した如く熱間加工時の仕上温度が
900℃未満であつて耐SCC性が劣化した鋼素材に
ついても、熱間加工後に900℃以上にて熱処理す
ることにより、熱間加工にて析出した炭化物又は
窒化物が母材に固溶し、耐SCC性の良好なロール
とすることができる。鋼素材をこの熱処理温度に
保持する時間は30分乃至15時間であることが必要
である。けだし30分未満の場合はロール中心部ま
で十分昇温させることが難しく熱処理による耐
SCC性向上効果が得られないからであり、また15
時間を超えた場合はその効果が飽和し、逆にロー
ルの強度が低下するからである。 次に本発明の実施例を本発明の濃度範囲に属し
ない非磁性鋼と対比して説明する。第1表は本発
明にて規定した濃度範囲の鋼素材(イ),(ロ)とこの範
囲外の磁性鋼(従来と記す)(ハ),(ニ)について、
夫々各成分元素の濃度を示したものである。これ
らの鋼素材(イ),(ロ)及び(ハ),(ニ)について、第2表
「熱間鍛造条件」欄記載の如く各条件にて熱間鍛
造し、或はこの熱間鍛造の後「熱処理」欄記載の
如く熱処理を施した。そしてこれら熱間鍛造し或
は熱間鍛造後熱処理した鋼材1〜8について、い
ずれも0.2%耐力及び引張強さ等の強度、伸び及
び絞り等の延性、シヤルピー衝撃試験における吸
収エネルギによる靭性並びに透磁率μを測定し、
更に耐SCC性試験を行つてこれらの結果を第2表
に記載した。なおシヤルピー衝撃試験による吸収
エネルギの測定においては、上述の如く熱間鍛造
等を施した鋼材に加えて、熱間鍛造又は熱処理の
後、ロール使用中に受ける熱履歴を想定して600
℃に100時間保持することにより時効処理した鋼
材についても吸収エネルギを測定し、ロール使用
後の靭性の劣化について調査した。また耐SCC性
試験は鋼材をU字型に曲げた状態で塩素イオンを
500ppm含有する50℃の水溶液中に1カ月間(720
時間)浸漬して行つた。「耐SCC性」欄中〇は
SCCが発生しなかつた場合、×はSCCが発生した
場合である。成分濃度,熱間鍛造条件及び熱処理
条件をいずれも前記範囲に限定した本発明に係る
鋼材1,2は、ロール曲げ変形に対する抵抗力の
強さの指標となる0.2%耐力及び引張強さがいず
れも夫々40Kgf/mm2以上及び75Kgf/mm2以上と曲
げ変形の発生を抑制する上で十分な強度を有して
おり、また延性及び靭性についても良好であり、
更に耐SCC性試験においてもSCCの発生は皆無で
あつた。また透磁率μも従来の非磁性鋼同様十分
低値を示している。更に600℃に100時間保持して
時効処理した場合にも靭性の劣化は軽微であり、
なお良好な靭性を保持している。 これに対し成分濃度が前記範囲内にあるが(鋼
素材(イ),(ロ))、熱間鍛造条件及び熱処理条件が前
記範囲から外れた場合は、延性,靭性及び耐SCC
性の点で問題がある。即ち鋼素材(イ)の組成を有す
るが熱間鍛造の断面減少率が33%と低い場合(鋼
材5)、又は鋼素材口の組成を有するが熱処理を
施さなかつた場合(鋼材4)若しくは熱処理温度
が850℃と低い場合(鋼材5)は、延性及び靭性
に十分な値が得られず、また耐SCC性試験におい
てSCCが発生した。更に時効処理後の靭性の劣化
も著しい。 一方従来の非磁性鋼の成分濃度を有する鋼素材
(ハ),(ニ)は、鋼素材(ハ)についてはC濃度が前記範囲
より高く、またCr濃度が低いため、鋼素材(ハ)を
前記範囲の条件で熱間鍛造及び熱処理した場合
(鋼材6,7)でも、その靭性は極めて低く、ま
た熱間鍛造及び熱処理条件を種々選別しても耐
SCC性試験におけるSCCの発生を抑制することが
できなかつた。また鋼素材(ニ)についてはN濃度が
前記範囲より低いため、これを熱間鍛造及び熱処
理して得た鋼材8は0.2%耐力が極めて低く、ロ
ール使用中においてロールの曲げ変形が発生する
虞れがある。 以上詳述した如く本発明方法に係る非磁性ロー
ルは、C,Si,sol.Al,Mn,Cr,Ni,Cu,N,
V,Nb等の各成分の濃度を主として強度,靭性,
耐SCC性及び透磁率の点から検討して限定し、熱
間加工条件及び熱処理条件を同様に検討し最適な
条件を設定して製造されるものであるから、サポ
ートロールとしての十分な強度と靭性とを有し、
しかもロール使用中における靭性劣化が少く、ま
た耐SCC性が高く、更に透磁率が極めて低く電磁
コイルの電磁力を鋳片内溶鋼の攪拌に有効に寄与
させ得て内部品質が優れた鋳片を製造させ得る
等、本発明は電磁攪拌操業用の非磁性ロールの製
造に優れた効果を奏するものである。
【表】
−は含有せず 単位は重量%
【表】
↑は上欄と同値 −は処理せず ○は割れ無 ×
は割れ発生
は割れ発生
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.15%以下、Si:1.0%以下、sol.Al:
0.050%以下、Mn:17.0乃至25.0%、Cr:6.0乃至
11.51%、Ni:3.0%以下、Cu:3.0%以下、N:
0.05乃至0.25%をNi濃度とCu濃度との和が3.0%
以下となるように含有し、更に V:0.05乃至1.00%,Nb:0.05乃至1.00%のう
ち1種又は2種の成分を含有し、残部がFe及び
不可避的不純物である鋼素材を、断面減少率60%
以上で熱間加工し、次いで900℃以上に30分乃至
15時間保持して熱処理することを特徴とする非磁
性ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56036785A JPS57152451A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Nonmagnetic roll and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56036785A JPS57152451A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Nonmagnetic roll and its manufacture |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57152451A JPS57152451A (en) | 1982-09-20 |
JPS6364489B2 true JPS6364489B2 (ja) | 1988-12-12 |
Family
ID=12479428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56036785A Granted JPS57152451A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Nonmagnetic roll and its manufacture |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57152451A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5481118A (en) * | 1977-12-12 | 1979-06-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Nonmagnetic steel excellent in mechanical properties |
-
1981
- 1981-03-13 JP JP56036785A patent/JPS57152451A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5481118A (en) * | 1977-12-12 | 1979-06-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Nonmagnetic steel excellent in mechanical properties |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57152451A (en) | 1982-09-20 |
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