JPS6120458B2 - - Google Patents

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JPS6120458B2
JPS6120458B2 JP3636380A JP3636380A JPS6120458B2 JP S6120458 B2 JPS6120458 B2 JP S6120458B2 JP 3636380 A JP3636380 A JP 3636380A JP 3636380 A JP3636380 A JP 3636380A JP S6120458 B2 JPS6120458 B2 JP S6120458B2
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JP
Japan
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valve element
seat
hole
clutch
valve
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JP3636380A
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Shoji Suzuki
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Nabco Ltd
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Publication of JPS5760923A publication Critical patent/JPS5760923A/ja
Publication of JPS6120458B2 publication Critical patent/JPS6120458B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両等の登坂路における発進のため
のブレーキ力制御装置に関するものである。
〔従来技術〕
従来、こういつたものの1つとしてブレーキマ
スタシリンダに接続される入口及びホイールシリ
ンダに接続される出口を設けた本体と、前記入口
と前記出口とを連絡して前記本体内に設けた孔
と、該孔内に収容され登坂路で自重により移動可
能な弁要素と、該弁要素の登坂路での移動方向に
対向して前記孔の前記入口側に設けられ前記弁要
素の着座により前記ホイールシリンダ側から前記
ブレーキマスタシリンダ側への液移動を禁止する
弁座と、クラツチの断続操作と連動して変位し前
記弁要素の前記弁座に対する着離座を制御可能な
可動部材とを備え、前記可動部材の一方への変位
に応じて前記弁要素を前記弁座に着座可能とし、
前記可動部材の他方への変位により前記弁要素を
前記弁座から離座するようにしたものがある。
(例えば実開昭55−43905号公報参照) これによれば、登坂路でブレーキ操作につづい
て行われるクラツチ遮断操作に応じて、可動部材
の一方への変位により弁要素が移動して弁座に着
座し、ブレーキマスタシリンダ側とホイールシリ
ンダ側との間が遮断されるので、ブレーキ操作解
除後にも上記ブレーキ操作によつてブレーキマス
タシリンダから供給された液圧がホイールシリン
ダ内に保持され、車両の停止状態が保たれる。そ
して、クラツチ接続操作に応じて、可動部材の他
方への変位により弁要素が弁座から離座してホイ
ールシリンダ内に保持されていた液圧が解放され
るので、者両の発進の際に、サイドブレーキ操作
を同時に行うことなく、アクセル操作とクラツチ
接続操作との2種の操作だけを行つて、登坂路で
車両を容易に発進させることができる。
〔本発明が解決しようとする問題〕
ところが、上述のものにおいては、弁要素が弁
座から離れてホイールシリンダ内の液圧が解放さ
れる時期が、登坂路の勾配または車両等の重量に
かかわらず一定で、クラツチを接続するべくクラ
ツチペダルが一定の位置まで復帰され、この操作
と連動して可動部材が一定量変位したときとなる
ため、登坂路の勾配に応じて最適な発進を行うこ
とができないという問題がある。すなわち、登坂
路の勾配が小または車両等の重量が小である場合
には、車両を発進させるに充分な駆動力がクラツ
チを介してエンジンから車輪に伝達される時期よ
りも液圧解放時が遅れ、駆動力がさらに大きくな
つてから液圧が解放されるため、車両はブレーキ
のひきずりを生じながら発進し、逆に、登坂路の
勾配を大または車両等の重量が大である場合に
は、車両を発進するに充分な駆動力が伝達される
時期よりも液圧解放時期が早く、駆動力不足にも
かかわらず液圧が解放されてしまうため、車両が
登坂路で後退するといつた問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み成されたものであつ
て、登坂路の勾配または車両等の重量に応じてブ
レーキ液圧の解放時期を変化させ、登坂路におけ
る発進を安全かつなめらかに行わせることを目的
とする。
〔本発明の手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、前記弁
座は、前記入口と前記孔とを連通する中心孔を形
成した筒状部が設けられ前記出口側に前記弁要素
が当接可能な支持部材と、前記筒状部の外周に嵌
着される環状の弾性変形可能な座部材とを有し、
前記座部材が、前記出口側で前記弁要素に密に弾
接可能であり前記入口側で前記孔の内壁に密に弾
接するとともに、当該部材の前記入口側を前記内
壁と前記支持部材とにより支持されるようにした
ものである。
〔手段の作用〕
こうすることにより、登坂路でブレーキ操作に
つづいて行われるクラツチ遮断操作に応じた可動
部材の変位により弁要素がまず座部材に当接し、
その後のブレーキ操作解除に応じて、弁要素は出
口側の液圧つまりホイールシリンダ内に保持され
た液圧を受けて押圧され、座部材に密に弾接する
とともに支持部材に当接する。こうした後、車両
を発進するべくクラツチ接続操作が行われ、その
操作に応じて可動部材が変位して弁要素を支持部
材から離す方向に移動させていくと、保持された
液圧の解放時期が登坂路の勾配または車両の重量
の大きさに応じて制御され、ブレーキが解除され
る。
すなわち、座部材の弁要素が弾接する出口側と
孔内壁に弾接する入口側との間の外面に保持され
ている出口側の液圧が作用し、その作用力は支持
部材の筒状部外周に向つており、しかも、座部材
は、入口側において孔内壁、支持部材により支持
されて入口側への変形を生じないので、弁要素が
支持部材から離れる方向に移動するとき、座部材
は、その外面に作用する出口側液圧の大きさに応
じた作用力によつて、出口側に向つて弁要素の移
動に追随するように変形させられる。そして、こ
の座部材の変形は、登坂路の勾配または車両等の
重量が大きくなることに比例して高くなる出口側
の液圧に応じて大となるため、可動部材が変位し
て弁要素が座部材と離れ弁座から離座する位置
は、登坂路の勾配または車両等の重量が大きくな
ればなる程支持部材から遠ざかる方向に変位す
る。従つてこれにより、登坂路の勾配または車両
等の重量が大きくなる程ブレーキ液圧の解放時期
が遅れ、ホイールシリンダ内に保持された液圧
が、クラツチの接続が進んで車輪に伝達される駆
動力が大きくなる時点で解放されるようになる。
〔本発明の効果〕
本発明は、前記手段を採ることによつて、上述
の如く登坂路の勾配または車両等の重量に応じて
ブレーキ液圧の解放時期を変化させ、登坂路にお
ける発進を安全かつ滑らかに行うことができるの
みならず、以下の如き効果を奏する。
すなわち、本発明は、登坂路の勾配または車両
等の重量が大きくなればなる程、車両を停止状態
に保つためにホイールシリンダ内に供給される液
圧が高くなるという現象に着目し、保持される液
圧の高さに応じて座部材を弁要素の移動に追随す
るように変形させて開弁位置を変形させているた
め、装置の構造を簡単にすることができ、クラツ
チ系統、アクセル系統等ブレーキ以外の装置に対
してその所期機能に影響を与えるような手段を付
加することなく、また、運転者の登坂路の勾配ま
たは車両等の重量に対する意識あるいは判断に関
係なく、登坂路の勾配または車両等の重量に応じ
て、適確かつ自動的にブレーキ液圧の解放時期が
変化するという格別の効果を奏する。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基き、本発明について
詳説する。
第1図は、本発明の一実施例である登坂路にお
いける発進のためのブレーキ力制御装置の側断面
図、第2図は、第1図ア―ア線の断面を含む制御
装置の設置要領を示す説明図、第3図は、第1,
2図の要部拡大断面図である。
第1乃至3図に於いて、登坂路における発進の
ためのブレーキ力制御装置は、全体を1で示され
ており、この装置1は、本体2に車両等の前進方
向に向けて段付孔3を穿設しており、この段付孔
3と連通して段付孔3に対して垂直方向の孔4が
穿設してある。(なお、第1,2図の左方を車両
等の前進方向とする。) 孔4にはカム軸5が回転自在に挿入されてお
り、このカム軸には、段付孔3の孔4に対する開
口端に対向する部位に、偏心して減径されたカム
6が設けられている。このカム6を狭む同一直経
部分に2つの密封部材7及びバツクアツプリング
8が各々装着してあり、配管系の一部を構成する
カム室9が区画されている。カム軸5の下端部に
は凹所10が設けてあり、カム軸5と孔4の閉鎖
端との間の容積を大きくし、他方カム軸5の上端
部は、減径して孔4外方に突出する接続部11と
されており、この接続部11には、略三角形状を
呈する回動部材12がナツト13及びワツシヤ1
4を用いて取付けてある。
この回動部材12は、第2図を参照すると、一
端側でワイヤ15が接続され(詳細形状・構造は
図示を略している。)、クラツチレリーズアーム1
6の揺動に対応して、他端側の車体との間に張設
した解放ばね17の張力により或は張力に抗して
カム軸5とともに回動可能になつている。
また、カム軸5は、孔4の開口端に設けた摺動
装置18により、孔4から抜けるのを防止される
とともに、回動時の摺動を案内されている。摺動
装置18は、鍔付筒状を呈する合成樹脂製で低摩
擦の摺動部材19と、バツクアツパ20と、スト
ツパ21とから成つている。
他方、段付孔3の大径孔部分には、自重で移動
可能な球状の弁要素22を内装したボールガイド
23が嵌着してあり、段付孔3に螺着した蓋24
と、蓋24とボールガイド23との間に設けた弾
性片25付きワツシヤ26とによつて段部27に
当接する図示の位置にある。ボールガイド23内
面には、軸方向の溝23′が多数形成してあり、
また、段部27側端部には上記弁要素22が着座
可能な弁座組立体28が嵌着されている。
この弁座組立体28は、第3図を参照すると、
ゴム製の環状を呈する座部材29と、この座部材
29が組付けられる筒状部を設けた支持部材30
とから成つている。座部材29には、ボールガイ
ド23の壁が嵌合する溝31が外周に、支持部材
30の半径方向の突起32が嵌合する溝33が内
周に各々形成され、溝33に突起32を嵌着して
座部材29と支持部材30とを組付け、更にこの
組付けた弁座組付体28を、溝31にボールガイ
ド23の壁端を嵌着してボールガイド23と一体
的に組付けている。更に、座部材29には、段付
孔3の中間径部の内面との間の隙間を密封するた
めの突部34が設けてあり、他方、支持部材30
には、内孔35を穿設し、また、段付孔3の段部
36に当接可能な板部37が形成してある。これ
らの支持部材30と座部材29との接合面には、
支持部材30の左方側外周部分において左方に向
つて順次小径となるテーパ状、特に円錐状の傾斜
接合面38,39が各々形成してある。また、座
部材29の左端は、支持部材30の左端よりも左
方側に位置し、弁要素22が弁座組立体28に着
座する際、まず座部材29に接触し、、弁要素2
2を右方に付勢する作用力が増大すると、座部材
29を変形させつつ支持部材30の左端に当接す
るようにしている。
第1,2図に戻つて更に説明すると、このよう
な弁座組立体28の支持部材30との間に軽いば
ね40を張設して、プランジヤ41が段付孔3の
小径部に移動可能に嵌合している。プランジヤ4
1は、ばね40の付勢力によりカム軸5のカム6
に当接している。また、プランジヤ41には、外
周に軸方向の溝42を多数形成しているととも
に、左方側には、弁座組立体28を貫通してボー
ルガイド23内に突出し、弁要素22に当接可能
な小径部43が形成してある。
その他、装置1において、44は、カム室9を
ブレーキ用マスタシリンダ45の液圧発生室(図
示せず)に連絡する配管46を接続する第1接続
孔、47は、段付孔3の大径部内を前輪ブレーキ
のホイールシリンダ48に連絡する配管49のた
めの第2接続孔、50は、段付孔3の大径部内を
後輪ブレーキのホイールシリンダ51に連絡する
配管52のための第3接続孔を各々示し、53防
塵用ブーツ、54は装置1を車体に取付けるため
のボルト等(図示せず)を挿入するための穴、5
5はブレーキペダルを各々示す。
また、第2図に於いて、56はクラツチペダ
ル、57は、クラツチペダル56とクラツチレリ
ーズアーム16との間に配設したクラツチワイ
ヤ、58はエンジン、59はトランスミツシヨン
装置を各々示し、60は、クラツチレリーズアー
ム16を含むクラツチ装置を示す。なお、これら
の装置等は、説明をわかり易くするために模式的
に示している。
更にクラツテ装置60は、エンジン58ととも
に回転するフライホイール61、フライホイール
61との間にクラツチデイスク62を位置して設
けたプレツシヤープレート63、アーム16の揺
動に応じて軸上を移動するブロツク64、プレー
ト63とブロツク64との間に配置したダイヤフ
ラムスプリング65等々の部材を備え、通常よく
知られている型式のものであり、詳細な説明は略
す。
なお、図中aで示す点は、各ペダル及びアーム
の揺動中心或はスプリング65の支点を示し、b
で示す点は、ワイヤと各部材との接続点であり、
66は、ワイヤ16の移動を案内するワイヤガイ
ド、67はOリングである。
こうした装置1の作用等について以下に示す。
今、運転手がブレーキ操作及びクラツチ操作を
行つておらず、車両を適当な速度で走行させてい
るとする。
この状態で、カム軸5は、解放ばね17の付勢
力により解放位置に戻つている。すなわち、プラ
ンジヤ41の一端がカム6に当接しかつ他端の小
径部43が弁座組立体28を越えてボールガイド
23内部に突出し、車両が登坂路を走行していて
も弁要素22が弁座組立体28に着座しないよう
弁要素22と当接可能になつている。この際、各
ホイールシリンダ48,51は装置1内部に形成
される通路及び配管等を経てマスタシリンダ45
に連通し、かつマスタシリンダ45が不作動であ
るから無圧となつている。他方、クラツチ装置6
0に於いては、クラツチペダル56が不作動位置
に戻つているので、クラツチデイスク62は、ダ
イヤフラムスプリング65の最大負荷を受けてフ
ライホイール61とプレツシヤープレート63と
の間に狭持され、フライホイール61及びプレツ
シヤープレート63の両車と摩擦係合している。
この状態では、ダイヤフラムスプリング65の最
大負荷がクラツチ62に作用しているため、完全
なクラツチ接続状態になつている。
次いで、踏切り等に接近し、運転手がブレーキ
ペダル55を踏み込むと、マスタシリンダ1内で
発生した液圧は、配管46、第1接続孔44、カ
ム室9、溝42、弁組立体28の内孔35、ボー
ルガイド23の溝23′を順次介して、第2及び
第3接続孔47,50から各ホイールシリンダ4
8,51に伝達され、車両にブレーキがかかり、
減速し始める。
車両が充分に減速すると、運転手はブレーキペ
ダル55を踏み込んだままクラツチペダル56を
踏み込む。すると、クラツチペダル56の点aを
中心とする揺動(若しくは回動、以下単に揺動と
記す。)によつて、クラツチワイヤ57を介在し
てクラツチレリーズアーム16は点aを中心とし
て揺動し、クラツチ装置60に於いては、ブロツ
ク64が左方に移動してダイヤフラムスプリング
65を押圧し、ダイヤフラムスプリング65は点
aを支点として撓み、プレツシヤープレート63
をフライホイール61から遠ざけるように変形し
て、クラツチデイスク62のプレツシヤープレー
ト63及びフライホイール61との摩擦係合を完
全に解除し、所謂クラツチ切断状態となる。他
方、これと同時的に、クラツチレリーズアーム1
6の揺動により、ワイヤ15を介在して、装置1
の回動部材12が第2図に於いて時計回り方向に
解放ばね17の付勢力に抗して回動する。この回
動部材12の回動によつてカム軸5が回動し、カ
ム6とプランジヤ41とが摺動しつつカム6が変
位するにつれてばね40の付勢力によつてプラン
ジヤ41が右方に移動し、遂には、弁要素22が
弁座組立体28に着座できるように、小径部43
が充分に右方に位置するまでプランジヤ41が移
動する。この際、弁要素22は、車両の走行する
登坂路の傾斜に応じて座部材29に当接するが、
着座力は自重に基く作用力だけであるので、第3
図に破線で示すの如く、座部材29にのみ当接
している。
その後車両が完全に停止し運転手がブレーキペ
ダル55から足を外すと、弁要素22と弁座組立
体28との接触部を境界としてはマスタシリンダ
45側の圧力は解放されるが、各ホイールシリン
ダ48,51側の圧力は解放されず、ブレーキを
かけたままに保持される。この際、弁要素22は
ホイールシリンダ側が高圧、マスタシリンダ側が
低圧であることから液圧差によつて着座力が増し
弁要素22は支持部材30に当接する第3図に破
線で示すの位置まで微動する。
ここまでの操作で、車両は運転手がクラツチペ
ダル56を踏み込んでいることにより停止状態に
ある。
次いで、運転手が車両を発進させる場合につい
て説明する。
今、上記の如く、クラツチペダル56のみを踏
み込んで車両を停止状態から発進させるには、運
転手がアクセルペダル(図示せず)を踏み込み、
エンジン58の回転数を若干高くしつつ、クラツ
チペダル56を除々に不作動位置(復帰位置)側
に戻す。すると、クラツチ切断時とは逆向きにク
ラツチレリーズ16が揺動し、クラチデイスク6
2がフライホイール61及びプレツシヤープレー
ト63にダイヤフラムスプリング65の最大負荷
の一部の作用力を受けて摩擦係合する所謂半クラ
ツチ状態となる。また、装置1に於いては、回動
部材12が反転計回り方向に回動し、これに応じ
てカム6が変位して、プランジヤ41を左方に移
動させてその小径部43を弁要素22に当接さ
せ、弁要素22は弁座組立体28から離座し、液
圧が解放され始める。
これによつて、車輪(駆動車輪)はエンジン5
8からクラツチ装置60を介在して駆動力が伝達
されるとともに、各ホイールシリンダ48,51
に保持されていた液圧がマスタシリンダ45側に
解除されることにより、車輪に対して負荷したブ
レーキ力が徐々に減少し、遂には、車両は登坂路
で発進する。
こうした登坂路での発進の際、上述の装置1に
於いては、発進前にホイールシリンダ48,51
側に保持される液圧が、登坂路の傾斜度合すなわ
ち勾配、或は、車両の総重量等に比例して大きく
なることに着目し、弁要素22が弁座組立体28
から完全に離座する時期を、上記保持される液圧
が高い程遅らせている。
すなわち、第3図で説明すると、車両が停止状
態にあるとき、弁要素22は座部材29及び支持
部材30の両者に接触するの位置に位置する
が、プランジヤ41が左方に移動して離座させら
れる場合には、前述したの位置で離座するので
はなく、液圧を受圧して変形する座部材29の働
きで、両部材29,30より若干離れた位置すな
わち破線で示すの位置で離座する。(なお、第
3図における寸法関係は、説明の都合上誇張して
記載している。) これは、マスタシリンダ45側の圧力が解放さ
れ、ホイールシリンダ48,51側の圧力が保持
されている状態で弁要素22を弁座組立体28か
ら離座させるとき、座部材29には、突部34
と、座部材29と弁要素22との接触部との間の
うち、ボールガイド23側に位置する表面には高
液圧を受圧し、反対側のほぼ支持部材30に接触
しているため、特に座部材29の左半部での変形
が生じ、弁要素22と支持部材30との間に生ず
る隙間に入り込もうとすることから、及び、座部
材29の半径方向内方への変形力は、座部材29
及び支持部材30の傾斜接合面38,39の存在
により、左方側にせり出そうという補助的現象を
生ぜしめることから、座部材29は弁要素22に
向つて変形し、前述の如く離座位置が変化するの
である。すなわち、弁要素22が弁座組立体28
から離座する位置は、ホイールシリンダ48,5
1側の圧力が低圧になる程第3図の位置に近づ
き、高くなるほど離れてゆくのである。
こうした圧力に比例して離座する位置が変化す
ると、クラツチ装置60に於いては、プレツシヤ
ープレート63に作用するダイヤフラムスプリン
グ65の作用力が変化し、クラツチデイスク62
の摩擦係合が変化する。すなわち、液圧が高くな
る程離座する時期が遅れ、そのときのクラツチデ
イスク62の摩擦係合力は大となる。
従つて、上述の実施例では、登坂路における発
進の擦、登坂路の勾配、或は、車両総重量等が大
になる程、ブレーキ液圧の解放時期を遅らせ、ブ
レーキ液圧が解放される時点でのクラツチ装置6
0を介して車輪に伝達される駆動力を大とし、勾
配或は重量等に則した適正な発進を行えるもので
ある。
上述の実施例では、弁座組立体の座部材をホイ
ールシリンダに保持される液圧の高さに応じた作
用力によつて弁要素と支持部材との間に入り込む
ように、また左側にせり出すように変形させて、
座部材を弁要素に向つて変形させるようにし、液
圧の解放時期をホイールシリンダに保持される液
圧の高さに応じて変化するようにしているため、
勾配、重量等に応じて適確かつ自動的に液圧解放
時期が変化し、勾配、重量等の大小に応じて適正
な登坂路における発進を行えるという絶大な効果
を奏する。そしてまた、座部材と弁要素とが接触
し、後に支持部材に接触して弁座組立体に着座
し、かつまた、座部材と支持部材とに傾斜接合面
を設けるという極めて簡単な構造であるため、製
作上も好都合である。
また、上記の効果を奏するため、弁要素の移動
を案内するボールガイドに弁座組立体を装着して
おり、弁座組立体に対する弁要素の軸心を極めて
精度良く調合できるようにしている。
更に、上述の座部材及び支持部材に於いて、座
部材が支持部材より0.3mm乃至0.7mm程度弁要素側
に端部が位置するようにし、或は、座部材のゴム
硬度をHs60乃至80、特にHs65乃至75に設定すれ
ば、より上記効果を達成できる。特にゴム硬度に
ついては、あまり低硬度にすると喰われ等が生じ
耐久性に難があり、あまり高硬度にすると変形不
足が生じる(上記硬度はJIS規格による。)。
更に、上述の例では、回動部材を回動させるに
あたり、ワイヤを介在してクラツチレリーズアー
ムと連動させているため、クラツチペダルと連動
させる場合に比して弁要素の離座を精度良く行な
え、また、液圧作動型の場合にも同様にして行な
える。
以上述べた如く、本発明によれば、勾配、車両
総重等に応じた適正な発進を行える登坂路におけ
る発進のためのブレーキ力制御装置を得ることが
できるものである。
なお、本発明は図例に限定されることなく実施
可能である。すなわち、図例では、装置1は、前
後輪全てのホイールシリンダに液圧を保持するよ
うにしているが、液圧を保持するホイールシリン
ダを前輪側のみ、或は後輪側のみとしたり、更に
は、最近多く使用されている所謂X配管の一方の
系統若しくは双方の系統とすることも可能であ
る。更に、装置1のその他の細部の形状等につい
ても装置1を取付ける実車に応じて適当に変更可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例のブレーキ力制御
装置の側断面をブレーキ配管系とともに示す図、
第2図は、第1図ア―ア線の断面をクラツチ作動
装置系とともに示す図、第3図は、第1,2図の
要部を拡大して示す図である。 1……ブレーキ力制御装置、6……カム、22
……弁要素、28……弁座組立体、29……座部
材、30……支持部材、41……プランジヤ、4
5……ブレーキ用マスタシリンダ、48……前輪
ブレーキのホイールシリンダ、51……後輪ブレ
ーキのホイールシリンダ、55……ブレーキペダ
ル、56……クラツチペダル、57……クラツチ
ワイヤ、60……クラツチ装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ブレーキマスタシリンダに接続される入口及
    びホイールシリンダに接続される出口を設けた本
    体と、前記入口と前記出口とを連絡して前記本体
    内に設けた孔と、該孔内に収容され登坂路で自重
    により移動可能な弁要素と、該弁要素の登坂路で
    の移動方向に対向して前記孔の前記入口側に設け
    られ前記弁要素の着座により前記ホイールシリン
    ダ側から前記ブレーキマスタシリンダ側への液移
    動を禁止する弁座と、クラツチの断続操作と連動
    して変位し前記弁要素の前記弁座に対する着離座
    を制御可能な可動部材とを備え、前記可動部材の
    一方への変位に応じて前記弁要素を前記弁座に着
    座可能とし、前記可動部材の他方への変位により
    前記弁要素を前記弁座から離座するようにした登
    坂路における発進のためのブレーキ力制御装置に
    おいて、前記弁座は、前記入口と前記孔とを連通
    する中心孔を形成した筒状部が設けられ前記出口
    側に前記弁要素が当接可能な支持部材と、前記筒
    状部の外周に嵌着される環状の弾性変形可能な座
    部材とを有し、前記座部材が、前記出口側で前記
    弁要素に密に弾接可能であり前記入口側で前記孔
    の内壁に密に弾接するとともに、当該座部材の前
    記入口側を前記内壁と前記支持部材とにより支持
    される登坂路における発進のためのブレーキ力制
    御装置。
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