JPH0441107B2 - - Google Patents

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JPH0441107B2
JPH0441107B2 JP9049285A JP9049285A JPH0441107B2 JP H0441107 B2 JPH0441107 B2 JP H0441107B2 JP 9049285 A JP9049285 A JP 9049285A JP 9049285 A JP9049285 A JP 9049285A JP H0441107 B2 JPH0441107 B2 JP H0441107B2
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JP
Japan
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switch
brake
shoes
anchor
hole
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JP9049285A
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Shoichi Washizu
Takeshi Morijiri
Kazuo Kogure
Hideyuki Morimoto
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Subaru Corp
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Fuji Jukogyo KK
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車等のブレーキ装置、特に登坂路
での発進を容易に行えるようにしたブレーキ装置
に関する。
〔従来の技術及びそ問題点〕
例えば、実開昭55−43905号で開示されている
ブレーキ装置では、クラツチペダルを踏むことに
より、これと連動している弁装置を閉弁させ、登
坂路上にある自動車のホイールシリンダに液圧を
保持してブレーキを保持するようにしている。す
なわち、運転手はブレーキペダルから足を離して
も自動車を登坂路上で停止させておくことができ
るが、クラツチペダルは踏み込み続けておかねば
ならない。
そして発進するときには、クラツチペダルを
徐々に戻して、すなわち半クラツチの状態にして
アクセルペダルを踏んでエンジンの回転数を上
げ、自動車を発進させるようにしている。
以上のように自動車を登坂路上で停止する際に
はクラツチペダルを踏み込んで弁装置を閉弁さ
せ、クラツチペダルを発進時に戻すことにより開
弁させるのであるが、この弁装置とクラツチペダ
ルに関連する各種部材、例えばクラツチフエーシ
ングの摩耗等が生ずると、クラツチペダルの位置
に対して開弁するタイミングは一定であるもの
の、クラツチフエーシングを介してエンジンから
車輪へ発進のために充分な駆動力が伝達される時
期とはずれてくる。すなわち、駆動力が充分車輪
に伝達される前記ブレーキが解放されてしまうこ
とになる。
これは、上記従来のものでは、クラツチペダル
の位置が、クラツチ装置において所謂半クラツチ
状態となるような位置にあるとき、ブレーキを解
放するように設定しており、クラツチフエーシン
グが摩耗等してくると、上記半クラツチ状態とな
るような位置が変化し、この変化に応じて上記解
放時期を変化させることが行なわれないことが原
因として生ずる。
このように、車輪に充分な駆動力が伝達される
時期と、ブレーキが解放される時期とが、後者が
早く前者が遅くなるようずれてくると、登坂路で
発進する際、後方に移動して事故を発生させるこ
とになる。
上記問題に鑑みて自動車等の停止発進の際、車
輪又は車体の状態に応じて適正な動作を行うこと
ができるブレーキ装置を提供することを目的とし
て、LT型ドラムブレーキの一対のブレーキシユ
ーの一端を戻しばねの付勢力に抗してドラムに向
つて押圧可能なホイールシリンダと、運転手操作
により液圧が発生するマスタシリンダとの間に、
通常は連通位置にあり指令に応じて遮断位置に切
換可能な電磁弁を設け、前記一対のブレーキシユ
ーの他端部が当接するアンカー部材を所定範囲で
移動可能とし、前記ドラムと前記一対のブレーキ
シユーとの間に作用する摩擦力の作用方向の変化
による前記アンカー部材の変位を検知して前記電
磁弁に指令を与えるスイツチを設け、前記アンカ
ー部材には、前記ホイールシリンダを固定するバ
ツクプレートに固定されるブロツクの孔に移動自
在に嵌合する軸状部分と、この軸状部分の両端側
に前記ブロツクに係合可能に形成された突部分と
を有するようにしたことを要旨とするブレーキ装
置が先に提案されている。
以上のブレーキ装置によれば、クラツチペダル
を踏み続けていなくても車両等の停止状態を維持
することができ、また、クラツチ板のような部材
が摩耗してもペダル操作と実際の車輪又は車体の
動きとのタイミングがずれるということがない。
また以上のブレーキ装置では、軸状部分の一方
の突部分にスイツチ作動ロツドを固定し、ブロツ
クの外面にスイツチを固定し、このスイツチの作
動子が上記のスイツチ作動ロツドと当接するよう
にしている。そして、軸状部分が一方向に変位し
たときにスイツチ作動ロツドが作動子を押圧して
スイツチを閉成するようにしている。然るに軸状
部分はブレーキシユーの大きな反力を受けるため
に、これらに寸法誤差や組立誤差があるとスイツ
チ作動ロツドや突部分が応力による大きく歪み、
場合によつてはスイツチが閉成すべきときに閉成
しない恐れが生ずる。また大きな歪みを幾度とな
く受けることにより遂にはこれら部材に損傷を生
じさせる恐れもある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記問題に鑑みてなされ、スイツチを
確実に閉成させ、またスイツチを閉成させるため
の各部材の機械的寿命を向上させることができ
る。ブレーキ装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、LT型ドラムブレーキの一対のシ
ユーの一端をリターンスプリングの付勢力に抗し
てドラムに向つて押圧可能なホイーシリンダと、
運転手操作により液圧を発生するマスタシリンダ
との間に、通常は連通位置にあり指令に応じて遮
断位置に切換可能な電磁弁を設けるとともに、前
記一対のシユーの他端間には、当該一対のシユー
の他端を支持し所定範囲で移動可能な摺動アンカ
ーと、前記ドラムと前記一対のシユーとの間に作
用する摩擦力の作用方向の変化による前記摺動ア
ンカーの変位を検知して前記電磁弁に指令を与え
るスイツチとを設け、前記摺動アンカーが、前記
ホイルーシリンダを固定するバツクプレートに固
定されるアンカー本体の貫通孔に摺動自在に嵌合
し、前記一対のシユーの他端が各々端部に当接す
る軸状部材であつて、該軸状部材が、その径方向
に突出し当該軸状部材の移動を所定範囲に制限可
能に前記アンカー本体に係合する突部を有してい
るブレーキ装置において、前記スイツチは、前記
アンカー本体に前記貫通孔と並設した凹所に、前
記突部と対向させて取り付けて、前記突部により
作動させるようにしたブレーキ装置、よつて達成
される。
〔作 用〕
自動車が登坂路でブレーキ作動により停止する
と、一方のシユーにより摺動アンカー、すなわち
軸状部材が一方向に移動させられる。この移動を
スイツチが検知して、電磁弁を閉弁させブレーキ
装置に液圧が保持される。自動車を発進させるべ
く、車輪に前進方向への回動力を加えるとシユー
は摺動アンカーを他方向へと移動させる。これを
スイツチが検知して、電磁弁を開弁させ、ブレー
キ装置の液圧が解放される。このようにして車輪
の状態に応じてブレーキを保持し、解放すること
ができる。
アンカー本体に軸状部材が嵌合する貫通孔に対
し凹所を並設し、これに軸状部材の端部にその径
方向に突出して形成される突部と対向させてスイ
ツチを取付けているので、各部材に多少の寸法誤
差や組立誤差があつても、スイツチは軸状部材の
移動により直接閉成されので、その閉成は確実で
ある。またシユーにより各部分は大きな応力を受
けるが、これにより大きく歪む部分はなく、機械
的寿命を向上させることができる。更にスイツチ
をアンカー本体内に取り付けるようにしたので、
摺動アンカーの周辺を簡素化することができる。
〔実施例〕
まず、本発明の実施例を説明する前に、本発明
の作動原理及び基本的構成について第1図を参照
して説明する。
第1図において自動車は坂道Sを矢印F方向に
走行しているものとする。従つて車輪1は矢印A
方向に回転している。公知のように車体側に固定
されたバツクプレート3にはホイールシリンダ2
が固定されており、これに一対の弓形のシユー4
a,4bの上端部が枢着されている。また下端部
は摺動アンカー6の両端部26a,26bに当接
している。摺動アンカー6はバツクプレート3に
固定されたアンカー本体7の貫通孔に摺動自在で
あり、両端部26a,26bにおいてその径方向
に突出して形成される突部6a,6bがアンカー
本体7に当接することにより摺動アンカー6の右
方往動位置及び左方往動位置が規制される。図で
は左方往動位置が示されている。第2図に明示さ
れるようにスイツチ本体8はアンカー本体7内に
収容され、一方の端部26bの突部6bはスイツ
チ作動子9に当接している。作動子9は図示せず
とも本体8内のばねにより左方に付勢されてお
り、図示の状態ではオフとなつている。
シユー4a,4bの上端部分は上側リターンス
プリング10aにより内側に向つて付勢されてお
り下側部分はそれぞれ一端部をアンカー本体7の
中央突部7aに係止させた一対の下側リターンス
プリング10b,10cによつて内側に付勢され
ている。右側の下側リターンスプリング10cの
ばね力は左側の下側リターンスプリグ10bのば
ね力により大きく、これにより摺動アンカー6の
他方の端部26aの突部6aが図示するようにア
ンカー本体7に当接する方向に常時付勢してお
り、シユー4a,4bが自動車走行時にガタツキ
によりスイツチが誤作動するのを防止している。
以上のように構成されるブレーキはいわゆる
LT型ドラムブレーキと呼ばれ、一方のシユー4
aはリーデイングシユーと呼ばれ、他方のユー4
bはトレーリングシユーと呼ばれる。今、自動車
を停止させるべく図示しないブレーキペダルを踏
み込むとホイールシリンダ2に圧液が供給され、
シユー4a,4bのブレーキライニングが車輪1
と共に回転するドラム5に圧接される。シユー4
a,4bとドラム5との間にはドラム5の回転方
向(矢印A方向)とは逆方向に摩擦力が生じ、こ
れによりブレーキ力が得られるのであるが、摩擦
力と同じ大きさで反対方向の反力が矢印B,Cで
示すようにブレーキ反力として作用し、リーデイ
ング側シユー4aは、ホイールシリンダ2内のピ
ストンからの押圧力と反力Bとが合算されて摺動
アンカー6の他端部26aに当接し、トレーリン
グシユー4bはその差で一端部26bに当接す
る。また、リーデイング側シユー4aはセルフサ
ーボ作用によりより強く他端部26aに当接する
ようになる。これにより摺動アンカー6を図にお
いて左方に押す力の方が大きいので、摺動アンカ
ー6は図示の左方往動位置をとり続け、スイツチ
8はオフのままである。
自動車が停止し、クラツチを切ると重力作用に
より車輪1は矢印Aとは反対方向に回動力を受け
る。すなわち、自動車を低地へ移動させようとす
るバツクトルクを受ける。シユー4a,4bとド
ラム5との間に働らく摩擦力の方向は逆転し、矢
印B又はCの方向になるが、その大きさはトレー
リング側シユー4b側の方が大きくなり摺動アン
カー6は図において右方へと摺動し、右方往動位
置をとる。これによりスイツチ8の作動子9は押
圧され「オン」となる。この「オン」信号で後述
する電磁弁が閉弁し、マスタシリンダ側とホイー
ルシリンダ2側とは遮断され、ブレーキペダルか
ら足を離してもブレーキが保持されることにな
る。クラツチペダルはニユートラル位置で足から
離したまゝでよい。
自動車を発進させる場合には、クラツチペダル
を半クラツチの状態に踏み込んで、アクセルペダ
ルを踏むと車輪1すなわちドラム5に矢印A方向
に駆動トルクが伝達される。これによりシユー4
a,4bとドラム5との間の摩擦力は再び逆転
し、矢印B,Cで示すようなブレーキ反力がシユ
ー4a,4bに作用し、摺動アンカー6は左方へ
と移動し、図示の左方往動位置をとる。すなわ
ち、スイツ8は「オフ」となり、図示しない電磁
弁は開弁し、マスタシリンダ側とホイールシリン
ダ2側とは連通状態となる。かくしてホイールシ
リンダ2の液圧はマスタシリンダ側に解放され、
ブレーキはゆるめられ、自動車は発進する。
次に第2図を参照してアンカー本体7の内部構
造の詳細につき説明する。
本実施例の摺動アンカー6は一対の軸状部材1
3a,13bから成り、アンカー本体7の中心貫
通孔12に摺動自在に嵌合している。アンカー本
体7はボルト11aによりバツクプレート3に固
定されている。
アンカー本体7には更に中心貫通孔12と平行
に凹所15が形成され、こゝにスイツチ8が嵌合
しており、U字状の止め具19をスイツチ8本体
の溝に係合させることによりアンカー本体7に対
しシールリング17を介して固定される。スイツ
チ作動子9はスイツチ8本体内のばねにより左方
へと付勢されており、スイツチ8本体に対し摺動
自在になつている。シールリング17によりスイ
ツチ8本体内にごみや水が侵入して本体内の接点
に付着するのを防止している。スイツチ8からの
リード線14は凹所15と連通して形成された通
孔16を通つて外部に導出される。通孔16内は
モールドで充填するようにしてもよい。
スイツチ8の作動子9は一方の軸状部材13b
の突部6b(摺動アンカー6の一方の端部26b)
のと当接しており、図示の状態ではスイツチ8は
オフである。また、摺動アンカー6の両端部26
a,26bとアンカー本体7の両端部との間には
ゴムブーツ18a,18bが張設され、アンカー
本体7内にごみや水が侵入するのを防止してい
る。
第3図は第2図のアンカー本体7の内部構造の
変形例を示すもので、第2図に対応する部分につ
いては同一の符号を付すものとする。
本変形例でもアンカー本体7′には中心貫通孔
12及びこれと平行な凹所15′が形成され、軸
状部材13a,13bは摺動自在に中心貫通孔1
2に嵌合しており、スイツチ8′は凹所15′に嵌
合して、止め具19によりアンカー本体7′に対
し固定されているのであるが、防水、防塵のため
の構造が第2図と異なる。すなわち、本変形例で
はスイツチ8′の作動子にゴムキヤツプ20が嵌
着しており、これによりスイツチ8′本体内の接
点がごみ及び水から保護される。またゴムキヤツ
プ20のゴム弾性が防振作用を行なつてスイツチ
作動子が走行時に振動して摩耗するということが
防止される。更に、摺動アンカー6の両突部6
a,6bとアンカー本体7′の中心貫通孔12の
両端部との間にゴムブーツ21a,21bが張設
され、中心貫通孔12内への水及びごみの侵入を
防止している。
以下、本発明の実施例によるブレーキ装置全体
について第4図を参照して説明する。なお、第1
図に対応する部分については同一の符号を付し、
その詳細な説明は省略する。
第4図においてタンデムマスタシリンダ31に
はブレーキペダル32が結合され、その第1液圧
発生室は管路33を介して前輪34のホイールシ
リンダに接続される。この前輪34にはデイスク
ブレーキが採用される。第2液圧発生室は管路3
5、後に詳述する弁装置36、管路37、電磁弁
38及び管路39を介して後輪40のホイールシ
リンダ2に接続される。第4図では第1図と比べ
図を簡略化するために回転体は省略されている。
第4図において、電線路は一点鎖線で示される
が、スイツチ8に接続される一方の電線路にはバ
ツテリのプラス端子41、イグニツシヨンスイツ
チ42、リレー43が接続され、他方の電線路に
は上述の電磁弁38のソレノイド48、作動表示
ランプ50、パーキングスイツチ51、ドアスイ
ツチ52及びブザー53が接続されている。
リレー43のソレノイド43aにはリバース・
スイツチ46及びバツテリのプラス端子47が接
続されている。リバース・スイツチ46は後進用
ギアに切り換えると閉閉じ、ソレノイド43aが
励磁されて可動接点は固定接点44側に切り換え
られる。リバース・スイツチ46が開いている場
合には、可動接点は固定接点45に図示するよう
に接続されている。
図示の状態でイグニツシヨンスイツチ42が閉
じ第1図で説明した作用で摺動アンカー6が図示
の位置から右方に移動するとスイツチ8が閉じ、
バツテリのプラス端子41から電流が電磁弁38
のソレノイド48及び作動表示ランプ50に流れ
る。
電磁弁38は2位置電磁切換弁であつて、ソレ
ノイド48に通電しないときには、ばね49の働
らきでDの位置をとり、管路37と39とを連通
させているが、ソレノイド48に通電するとEの
位置をとり、管路37と39とを非連通とする。
パーキングスイツチ51は駐車ブレーキを作動
させていないときには図示のように閉じており、
作動させると開くように構成されている。ドアス
イツチ52はドアが閉つているときには図示のよ
うに開いており、ドアを開けると閉じるように構
成されている。従つて、後輪40内に設けられる
スイツチ8が閉じているときに駐車ブレーキを作
動させないでドアを開くとブザー53が鳴るよう
になつている。
次に弁装置36の詳細について説明する。
その弁本体60は段付孔61を有し、これにシ
ールリングを装着した段付ピストン62が摺動自
在に嵌合している。段付ピストン62の両側には
マスタシリンダ圧室64,65が形成され、これ
らは通孔68,66、管路35,67,33を介
して常時、マスタシリンダ31側と連通してい
る。段付ピストン62はばね62により左方に付
勢され、通常は左側端壁の突起60aに当接して
図示する位置をとつている。
段付ピストン62の小径部には径方向に貫通孔
69が形成され、更にこれに連通して軸方向に段
付孔70が形成されている。段付孔70の大径孔
部には弁球72がばね71により付勢されて配設
されており、通常は図示するように傾斜段部70
aと当接している。すなわち、傾斜段部70aは
弁座として働らいている。また、段付ピストン6
2の右端面にはリング状のゴム板73が貼着され
ており、弁本体60の内側右端壁に対向してお
り、この右端壁に形成された通孔74と同心的と
なつている。段付ピストン62が右方に移動して
ゴム板73が通孔74の周囲の壁面60bに当接
するとマスタシリンダ圧室64と通孔74との連
通は遮断される。すなわち壁面60bは弁座とし
て働らく。然しながら、マスタシリンダ圧室64
からの圧液は段付ピストン62の貫通孔69軸方
向の段付孔70の小径部を通り弁球72を開弁さ
せて通孔74を通つて管路37側へと流入するこ
とができる。この逆方向への流れは禁止される。
すなわち、弁球72、ばね71及び弁座としての
傾斜段部70aは逆止弁を構成する。
本発明の実施例は以上のように構成されるが、
次にこの作用、効果などについて説明する。
今、自動車は坂道を登つており、停止すべくブ
レーキペダル32を踏み込んだものとする。な
お、第4図においてイグニツシヨンスイツチ42
は閉じているが、その他のスイツチ、各部材は図
示の状態にある。
マスタシリンダ31からの圧液は管路33を通
つて前輪34のホイールシリンダに供給されると
共に管路35、弁装置36の通孔68、マスタシ
リンダ圧室64通孔74、管路37、電磁弁38
(スイツチ8はオフのまゝであるのでソレノイド
48は励磁されておらずDの位置にある)、管路
39を通つて後輪40のホイールシリンダ2に供
給される。弁装置36内では段付ピストン62は
両側のマスタシリンダ圧室64,65から液圧を
受けるが、一方のマスタシリンダ圧室65側の受
圧面積がより大きいので、この受圧面積差による
右方への液圧力がばね63のばね力に打ち勝つと
段付ピストン62は右方へと移動し、先端のゴム
板73が弁座としての壁面60bに着座する。以
後、マスタシリンダ31からの圧液はマスタシリ
ンダ圧室64、貫通孔69、段付孔70を通り、
弁球72を開弁させて、後輪40のホイールシリ
ンダ2側に供給される。
両輪34,40にブレーキがかけられ自動車は
減速する。後輪40においてはシユー4a,4b
がドラム5(矢印R方向に回転している)に圧接
し、これとの間に摩擦力が発生するが、第1図で
説明したようにリーデイング側のシユー4aに働
らくブレーキ反力の方が大きく摺動アンカー6は
図示の左方往動位置をとつたまゝである。すなわ
ち、スイツチ8はオフのまゝであるので、電磁弁
38のソレノイド48は非励磁のまゝであり、D
の位置をとり続ける。
自動車が坂道で停止すると車輪と共に回転して
いたドラム5には走行していたときとは反対方向
の回動力が生じ、ドラム5とシユー4a,4bと
の間に働らく摩擦力がそれまでとは逆転する。こ
れによりトレーリング側のシユー4bへのブレー
キ反力の方が大きくなり、摺動アンカー6は右方
へと押動され、右方往動位置をとる。摺動アンカ
ー6の突部6bによりスイツチ8の作動子9が押
し込まれる。スイツチ8はオンし、電磁弁38の
ソレノイド48は励磁され、電磁弁38はEの位
置に切換えられる。かくしてマスタシリンダ31
側とホイールシリンダ2側とは遮断される。この
状態で運転手がブレーキペダル32への踏力を解
除すると、前輪34のホイールシリンダからはブ
レーキ液はマスタシリンダ31に還流するが、電
磁弁38は遮断状態にあるので、後輪40のホイ
ールシリンダ2からはブレーキ液は還流せず、
こゝに圧液が保持される。これにより自動車は坂
道で停止状態を維持することができる。なお、弁
装置36内ではマスタシリンダ31の液圧が段付
ピストン62への右方への液圧力がばね63のば
ね力より小さくなるほど低下すると、図示の位置
へと移動し、ゴム板73は弁座としての壁面60
bから離座して管路37側とマスタシリンダ圧室
64とは自由連通とされるが、すでに電磁弁38
は遮断状態にあるので、後輪40のブレーキ力保
持には何ら関係しない。クラツチはニユートラル
の状態に切り換えられ、従来はブレーキ力を保持
するためにクラツチペダルを踏み続けていなけれ
ばならなかつたが、本実施例ではペダルから足を
離しておくことができる。
電磁弁38のソレノイド48が励磁されると共
に作動表示ランプ50が点灯し、運転手は電磁弁
が作動してブレーキ力が保持されていることを認
識することができる。
然しながら、運転手はこれを無視して、もしく
は忘れて駐車ブレーキをかけずに運転席を離れ、
車外に出ることが考えられる。本実施例ではこの
ような場合にはブザー53が鳴り、運転手に警告
を発する。すなわち、パーキングスイツチ51は
閉じたまゝで、ドアを開くとドアスイツチ52が
閉じ、ブザー53に通電される。駐車ブレーキを
かけた場合にはパーキングスイツチ51は開くの
でブザー53は鳴らない。
自動車を発進させるべく、ギアを切り換えクラ
ツチペダルを半クラツチの状態にして、アクセル
ペダルを踏むと、後輪40のドラム5に駆動力が
伝達され、ドラム5とシユー4a,4bとの間の
摩擦力は再び反転し、リーデイング側のシユー4
aへのブレーキ反力の方が大きくなつて摺動アン
カー6は左方へと押動され、図示の位置をとる。
スイツチ8はオフし、電磁弁38のソレノイド4
8への通電は断たれる。電磁弁38は再びDの位
置をとり、マスタシリンダ31側とホイールシリ
ンダ2側とは連通させられる。ホイールシリンダ
2内に保持されていた圧液は図示の状態にある弁
装置36を通つてマスタシリンダ31に還流す
る。かくしてブレーキは解放され、自動車は発進
する。
なお、坂道で停止した後、積極的に後退したい
場合があ。この場合には、後退用にギアを切り換
えるとリバース・スイツチ46が閉じ、リレー4
3が励磁される。これによりその可動接点は他方
の固定接点44側に切換えられる。これにスイツ
チ8への通電は断たれ、電磁弁38はDの位置を
とり、後輪40のホイールシリンダ2の圧液はマ
スタシリンダ31側に還流する。よつて自動車は
自由に後退することができる 以上では自動車が坂道で停止する動作の通常の
場合を説明したが、坂道の傾斜角や自動車の車体
の懸架機構によつては急ブレーキをかけると後輪
40のスイツチ8がオン状態に維持されない場合
も考えられる。弁装置36はこのような場合に対
処するために設けられている。
すなわち、上述の場合には急ブレーキをかける
と自動車はいわゆるノーズダイブ現象が生じ、車
体の後輪側は地面から浮き上がるような姿勢にな
る。その後、揺り戻しにより沈み込み、そして再
び揺り戻しによりノーズダイブする。最初のノー
ズダイブではスイツチ8はオフのまゝであるが、
揺り戻しの沈み込みでオンとなる。然しながら、
更に次のノーズダイブでスイツチ8はオフとな
る。スイツチ8は自動車の停止と共に安定にオン
とはならない。結局、殆んど前輪側のバツクトル
クで自動車が停止状態を維持することになる(ブ
レーキペダル32は踏んだまゝ)ので、充分に時
間が経つた後ではスイツチ8はオンするとは限ら
ない。弁装置36はこのような事態に対処するた
めに設けられている。
すなわち、急ブレーキをかけた後、ブレーキペ
ダル32への踏力を解除すると前輪34のホイー
ルシリンダの圧液は管路33を通つてマスタシリ
ンダ31に還流し始める。然しながら、弁装置3
6においては段付ピストン62は未だ右方に移動
したまゝで、ゴム板73が弁座としての壁面60
bに着座しているので、後輪40のホイールシリ
ンダ2からマスタシリンダ31側に圧液が還流す
るのが遅れる。この遅れの間に車輪の後退傾向に
よる前輪34のバツクトルクの付与割合は減少
し、後輪40のそれは増加して後輪40のスイツ
チ8がオンとなり、以後これを持続する。
スイツチ8のオンの後、弁装置36において段
付ピストン62の右方への液圧力が管路67側の
液圧低下と共に左方への液圧力とばね63のばね
力との和より小さくなつて左方へ移動し始め、図
示の位置をとる。管路37側とマスタシリンダ圧
室64とは自由連通とされるが、電磁弁38はす
でに閉弁状態となつているので、後輪40のホイ
ールシリンダ2からは圧液はマスタシリンダ31
側に還流することなくブレーキ力は保持される。
発進は上述の場合と同様にして行われる。
以上、本発明の実施例について説明したが、勿
論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
例えば、以上の実施例では坂道で停止時に後輪
40にブレーキ力を更に増大させることはできな
いが、電磁弁38に並列にマスタシリンダ31側
からホイールシリンダ2側への方向を順方向とす
る逆止弁を接続すれば、更に増大させることが可
能となる。
また以上の実施例では後輪40にのみブレーキ
を保持するようにしたが、これではブレーキ力が
不足である場合には、前輪34にもブレーキで保
持するようにしてもよい。この場合には、すでに
提案されているように後輪のブレーキ液圧を受
け、これにより閉弁する弁装置をマスタシリンダ
と前輪との間に設ければよい。この弁装置として
は例えば実施例に示す弁装置36がそのまゝ適用
可能である。すなわち、マスタシリンダ31から
の管路35を直接、電磁弁38に接続し、管路3
3を弁装置36の通孔68に接続し、通孔74を
前輪34のホイールシリンダに接続し、後輪40
へホイールシリンダ2を更に弁装置36の通孔6
6に接続するようにすればよい。
また、以上の実施例におけるパーキングスイツ
チ51の代わりにクラツチスイツチを用いてもよ
い。この場合、クラツチペダルを踏むと開くスイ
ツチである。
また以上の実施例では下側リターンスプリング
10b,10cの一端部をアンカー本体7の中央
突部7aに止着させて、シユー4a,4bの下端
部を内側に付勢するようにしたが、従来のように
一個の下側リターンスプリングをシユー4a,4
bの下端部間に張設し、更にシユー4a,4bの
ガタツキによりスイツチ誤作動防止用のスプリン
グを一方のシユー4aとバツクプレート3との間
に張設するようにしてもよい。
また、第2図及び第3図に示されるようにスイ
ツチ8を取り付けるための凹所15,15′は中
央貫通孔12に関し、バツクプレート3側とは反
対側に形成されたが、同一側に形成するようにし
てもよい。この場合にはリード線14を直接、バ
ツクプレート3の内側空間に導出することができ
る。
また以上の実施例では、スイツチ8はその作動
子99が一方の突部6bにより押動されたときに
閉成するものとしたが、凹所15をリーデイン
グ・シユー4a側に形成し、こゝにスイツチを取
り付けて、通常は他方の突部6aにより作動子が
押し込まれており、摺動アンカー6がリーデイン
グ・シユー4a側に移動したときに突部6aによ
る押圧から開放されて突出し、これにより閉成す
るようなスイツチ構成としてもよい。
また以上の実施例ではスイツチ8が閉成したと
きに電磁弁38を遮断位置に切り換える回路構成
としたが、スイツチの構成、取付位置によつては
スイツチ8が閉成したときに電磁弁38を遮断位
置に切り換える回路構成としてもよい。
また以上の実施例では摺動アンカー6は2つの
軸状部材13a,13bから成るものとしたが、
これらを一体化したような部材、もしくは一つの
部材から成るようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明のブレーキ装置によれ
ば、クラツチペダルを踏み続けていなくても車両
等の停止状態を維持することができ、またクラツ
チ板のような部材が摩耗してもペダル操作と実際
の車輪又は車体の動きとのタイミングがずれると
いうことがないという効果を奏しながら、閉成す
べきときにスイツチを確実に閉成させ、しかもス
イツチと関連する各部分の機械的寿命を向上させ
ることができ、アンカー部材の周辺を簡素化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の作動原理及び基本的構成を説
明するための坂道上にある車輪の概略側面図、第
2図は第1図におけるアンカー本体の内部構造の
詳細を示す拡大断面図、第3図は第2図の変形例
を示す拡大断面図、及び第4図は本発明の実施例
によるブレーキ装置の全体を示す配管系統図であ
る。 なお図において、1…車輪、4a,4b…シユ
ー、5…ドラム、6…摺動アンカー、6a,6b
…突部、8…スイツチ、15,15′…凹所、3
8…電磁弁、26a,26b…端部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 LT型ドラムブレーキの一対のシユーの一端
    をリターンスプリングの付勢力に抗してドラムに
    向つて押圧可能なホイールシリンダと、運転手操
    作により液圧を発生するマスタシリンダとの間
    に、通常は連通位置にあり指令に応じて遮断位置
    に切換え可能な電磁弁を設けるとともに、前記一
    対のシユーの他端間には、当該一対のシユーの他
    端を支持し所定範囲で移動可能な摺動アンカー
    と、前記ドラムと前記一対のシユーとの間に作用
    する摩擦力の作用方向の変化による前記摺動アン
    カーの変位を検知して前記電磁弁に指令を与える
    スイツチとを設け、前記摺動アンカーが、前記ホ
    イールシリンダを固定するバツクプレートに固定
    されるアンカー本体の貫通孔に摺動自在に嵌合
    し、前記一対のシユーの他端が各々端部に当接す
    る軸状部材であつて、該軸状部材が、その径方向
    に突出し当該軸状部材の移動を所定範囲に制限可
    能に前記アンカー本体に係合する突部を有してい
    るブレーキ装置において、前記スイツチは、前記
    アンカー本体に前記貫通孔と並設した凹所に、前
    記突部と対向させて取り付けて、前記突部により
    作動させるようにしたブレーキ装置。
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