JPS6119758B2 - - Google Patents

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JPS6119758B2
JPS6119758B2 JP57186085A JP18608582A JPS6119758B2 JP S6119758 B2 JPS6119758 B2 JP S6119758B2 JP 57186085 A JP57186085 A JP 57186085A JP 18608582 A JP18608582 A JP 18608582A JP S6119758 B2 JPS6119758 B2 JP S6119758B2
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Japan
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polyester
formula
fiber
acid
water
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JP57186085A
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JPS5976971A (ja
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Motoyoshi Suzuki
Osamu Wada
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6119758B2 publication Critical patent/JPS6119758B2/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は吸水性の効果が極めて優れ、しかもそ
の効果の耐久性が著しく優れたポリエステル繊維
及びその製造法に関するものである。 ポリエステル繊維は多くの優れた特性を有して
いるが、ポリエステル自体が疎水性であるため木
綿、麻等の天然繊維に比較して吸水性,吸湿性が
著しく劣る重大な欠点がある。 ポリエステル繊維の上記欠点を改良すべく、親
水性化合物を共重合する方法、親水性化合物を配
合する方法等が種々行なわれているが、いまだ充
分ではない。 一方、ポリエステル繊維の単繊維表面に親水性
樹脂の皮膜を形成させる後加工技術として、例え
ばポリエチレングリコールが共重合されたポリエ
チレンテレフタレート等の如きポリエーテルポリ
エステルブロツク共重合体の水分散液を付着、熱
固定する方法、ポリエチレンジメタタリレートを
ラジカル重合、紫外線重合又は電子線重合せしめ
る方法等が提案されている。しかしながら、これ
らは疎水性繊維の表面のみに親水性樹脂皮膜を形
成させるものであり、両者の親和性が不良である
ため、洗濯耐久性に限界があるばかりでなく、抱
水率や湿潤知覚限界(湿つたと感じ得る抱水率)
を高める効果は全く得られない。 かかる後加工技術を繊維の表面に徴細孔を有す
るポリエステル繊維に適用した場合、投錨効果に
よつて洗濯耐久性が良くなることが特公昭46−
17584号公報、特開昭49−102993号公報、特開昭
50−160600号公報で示されているが、その効果は
高々洗濯回数30回程度の洗濯耐久性を示すに過ぎ
ず、その上抱水率や湿潤知覚限界を向上せしめる
効果も少ない。 他方、本発明者は既に特開昭56−20612号公
報、特開昭57−11212号、特開昭57−139516号公
報で開示した通り、少なくとも一部が連通してい
る徴細孔をもつポリエステル繊維を提案した。か
かる提案によつて、抱水率や湿潤知覚限界は著し
く向上するものの、吸水速度及びその洗濯耐久性
の点で木綿に比較して劣ることは否めない。 このように従来、木綿に匹敵する吸水速度と抱
水率並びにそれらの半恒久的な洗濯耐久性を有す
るポリエステル繊維は得られなかつた。 本発明者は、ポリエステル繊維が本来有してい
るイージーケア性、ウオツシユアンドウエア性,
形態安定性,高モジユラス,熱セツト性等の優れ
た物性を保ちつつ、木綿に匹敵する吸水速度と抱
水率並びにそれらの半恒久的な洗濯耐久性を有す
るポリエステル繊維を提供せんとして、特開昭56
−20612号公報,特開昭57−11212号公報,特開昭
57−139516号公報で開示された少なくとも一部が
連通している徴細孔を有するポリエステル繊維を
ベースに鋭意検討を行なつた。 その結果、驚くべきことに、徴細孔形成剤とし
て上記公報で開示した化合物の中で下記一般式 〔式中、M及びM′は金属、nは1又は2、R
は水素原子又はエステル形成性官能基を示す。〕 で表わされる化合物を用いて得た微孔性ポリエス
テル繊維の場合に限つて、親水性樹脂皮膜を形成
せしめる処理を施すことによつて、上記目的が達
成でき、木綿に匹敵する吸水性能を半恒久的に有
するポリエステル繊維を得ることができることを
知つた。 この理由については明らかではないが、微細孔
による投錨効果以外に、繊維中に残存する上記の
微細孔形成剤として使用した特定化合物と親水性
樹脂皮膜との何らかの相互作用によるものと推察
される。本発明はかかる知見に基づいて更に検討
を重ね完成した。 即ち、本発明は少なくとも一部が連通している
微細孔を有し且つ下記一般式 〔式中、M及びM′は金属、nは1又は2、R
は水素原子又はエステル形成性官能基を示す。〕 で表わされる化合物を含有するポリエステル繊維
の内部表面に親水性樹脂皮膜を固着せしめてなる
吸水性ポリエステル繊維及びその製造法に係るも
のである。 本発明における基体ポリエステル繊維を添付の
写真により説明する。第1図は本発明の基体とな
るポリエステル繊維を2400倍に拡大した電子顕微
鏡写真である。第1図より明らかなように本発明
の基体ポリエステル繊維には、主として直径0.01
〜3μの微細孔が均一に分散しており、しかもそ
れらの微細孔の一部が外表面から中空部への貫通
孔となつている。本発明者の数多くの検討結果に
よれば、本発明のポリエステル繊維が木綿に匹敵
する吸水性能及びその半恒久的な洗濯耐久性を発
現するためには、基体ポリエステル繊維がかかる
少なくとも一部が連通している微細孔を有するこ
とが必要である。微細孔が連通しているか否か
は、繊維横断面を3000倍程度に拡大して観察する
ことができる。特に、ポリエステル繊維が中空繊
維である場合に、微細孔の繊維外表面から中空部
までの連通状態を確認する最も簡便で容易な方法
として、長さ数センチメートルの単糸を通常の光
学顕微鏡で観察しながら、この単糸の中程に水
(染色水であればより好ましい)を1滴たらす試
験をあげることができ、その水が中空部に達する
か否かにより容易に微細孔の連通状況を確認でき
る。 本発明の基体ポリエステル繊維が有する微細孔
は、該繊維の横断面に散在し、繊維軸方向に配列
し且つその大きさは直径が0.01〜3μm、その長
さが該直径の50倍以下であることが望ましい。こ
の微細孔の直径が0.01μm未満であると吸水性の
効果が低下し易く、直径が3μmを超えると充分
な繊維強度が得られ難い。また、微細孔の長さが
その直径の50倍を超えて長くなると繊維の強度及
び耐フイブリル性が低くなるので好ましくない。 上記ポリエステル繊維は中実繊維であつても、
中空繊維であつてもよく、またその横断面におけ
る外形や中空部の形状はいずれも任意でよく、円
形であつても異形であつてもよい。 本発明の基体ポリエステル繊維は上記微細孔を
有すると共に下記一般式 で表わされる化合物を含有しなければならない。 上記式中、M及びM′は金属であり、Mとして
はアルカリ金属、周期律表第族金属、Mn1/2,
Co1/2が好ましく、なかでもLi,K,Ca1/2,Mg
1/2が特に好ましい。M′としてはアルカリ金属,
アルカリ土類金属が好ましく、なかでもLi,
Na,Kが特に好ましい。M及びM′は同一でも異
なつていてもよい。nは1又は2である。Rは水
素原子又はエステル形成性官能基であり、エステ
ル形成性官能基としては−COOR′(但し、R′は
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフエニ
ル基)又は−CO〔−O(CH2lpOH(但し、l
は2以上の整数、pは1以上の整数)等が好まし
い。 かかる化合物の好ましい具体例としては、3−
カルボメトキシベンゼンスルホン酸Na−5−カ
ルボン酸Li,3−カルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸K−5−カルボン酸K,3−カルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸Ca1/2,
3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸Na−5
−カルボン酸Mg1/2,3−ヒドロキシエトキシカ
ルボニルベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン
酸Mg1/2,3−カルボキシベンゼンスルホン酸
Na−5−カルボン酸Mn1/2,3−ヒドロキシエ
トキシカルボニルベンゼンスルホン酸Na−5−
カルボン酸Zn1/2,ベンゼンスルホン酸Na−3,
5−ジ(カルボン酸Li)、ベンゼンスルホン酸Na
−3,5−ジ(カルボン酸K),ベンゼンスルホ
ン酸Na−3,5−ジ(カルボン酸Ca1/2),ベン
ゼンスルホン酸Na−3,5−ジ(カルボン酸Mg
1/2)等をあげることができる。 前記化合物のポリエステル繊維中の存在量は、
ポリエステルを構成する酸成分に対して0.05モル
%以上であることが望ましい。この量が0.05モル
%未満であると吸水性の洗濯耐久性が不充分とな
り易い。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレング
リコール、すなわちエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール及びヘキサメチレング
リコールから選ばれた少なくとも一種のグリコー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステルを
対象とする。かかるポリエステルは、その酸成分
であるテレフタル酸の一部を他の二官能性カルボ
ン酸で置きかえてもよい。このような他のカルボ
ン酸としては例えばイソフタル酸,5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸,ナフタリンジカルボン
酸,ジフエニルジカルボン酸,ジフエノキシエタ
ンカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸,p
−オキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン
酸,セバシン酸,アジピン酸,蓚酸の如き二官能
性脂肪族カルボン酸,1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等を
あげることができる。またポリエステルのグリコ
ール成分の一部を他のグリコール成分で置きかえ
てもよく、かかるグリコール成分としては主成分
以外の上記グリコール及び他のジオール化合物、
例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール,
ネオペンチルグリコール,ビスフエノールA,ビ
スフエノールSの如き脂肪族,脂環族,芳香族の
ジオール化合物,ポリオキシアルキレングリコー
ル等があげられる。 かかるポリエステルは任意の製造法によつて得
ることができる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レートについて説明すれば、テレフタル酸とエチ
レングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の
低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
エステル交換反応せるか又はテレフタル酸とエチ
レンオキサイドとを反応させるかして、テレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第1段反応,次いでかかる生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合
反応させる第2段の反応とによつて容易に製造さ
れる。 前記した少なくとも一部が連通している微細孔
を有し、且つ前記化合物を含有するポリエステル
繊維は、例えば特開昭57−11212号公報,特開昭
57−139516号公報で開示された方法で製造され
る。即ち、その代表的な例としては、ポリエステ
ルに微細孔形成剤として前記化合物を、ポリエス
テルを構成する酸成分に対して0.3〜15モル%と
なる範囲の量配合せしめて得たポリエステル組成
物を常法によつて溶融紡糸して繊維となし、しか
る後得られた繊維をアルカリ化合物の水溶液で処
理してその少なくとも2重量%を溶出することに
よつて得られる。 本発明における親水性樹脂皮膜としては、親水
性を呈する樹脂皮膜であれば特に限定する必要は
ないが、前記化合物を含有する微孔性ポリエステ
ル繊維と組み合せた場合、吸水性能とその洗濯耐
久性を特異的に大きくする効能を有する点から、
ポリエーテル系樹脂からなる皮膜を特に好ましい
ものとしてあげることができる。かかるポリエー
テル系樹脂としては、例えポリエーテルポリエス
テルブロツク共重合体,ポリエーテルセグメント
含有ビニル共重合体を例示できる。かかるポリエ
ーテルポリエステルブロツク共重合体としては、
テレフタル酸及び/又はイソフタル酸,アルキレ
ングリコール及びポリオキシアルキレングリコー
ルからなるポリエーテルポリエステルブロツク共
重合体が好ましく、例えばテレフタル酸−アルキ
レングリコールポリオキシアルキレングリコー
ル,テレフタル酸−イソフタル酸−アルキレング
リコール−ポリオキシアルキレングリコール,テ
レフタル酸−アルキレングリコール−ポリオキシ
アルキレングリコールモノエーテル,テレフタル
酸−イソフタル酸−アルキレングリコール−ポリ
オキシアルキレングリコールモノエーテル等のブ
ロツク共重合体をあげることができ、かかるブロ
ツク共重合体は通常テレフタレート単位:イソテ
レフタレート単位=100:0〜50:50(モル比)
が好ましく、なかでもテレフタレート単位:イソ
フタレート単位=90:10〜50:50(モル比)が特
に好ましい。またブロツク共重合体は通常テレフ
タレート単位+イソフタレート単位:ポリオキシ
アルキレングリコール単位=1〜15:1が好まし
い。なおブロツク共重合体の製造に用いるアルキ
レングリコールにはエチレングリコール,プロピ
レングリコール,テトラメチレングリコール,デ
カメチレングリコール等の炭素数が2〜10のアル
キレングリコールが含まれ、ポリオキシアルキレ
ングリコールには通常平均分子量が400〜10000、
好ましくは平均分子量600〜6000のポリエチレン
グリコール,ポリエチレングリコール・ポリプロ
ピレングリコール共重合体,ポリエチレングリコ
ール・ポリテトラメチレングリコール共重合体,
ポリプロピレングリコール等の他、ポリエチレン
グリコール,ポリプロピレングリコール等のモノ
メチルエーテル,モノエチルエーテル,モノフエ
ニルエーテル等が含まれる。 また、ブロツク共重合体の平均分子量は使用す
るポリオキシアルキレングリコールの分子量にも
よるが、通常2000〜20000、好ましくは3000〜
10000である。 上記のポリエーテルセグメント含有ビニル重合
体とは、例えば一般式 〔式中、R1及びR2は水素原子又はメチル基で
あり、R1とR2とは同一でも異なつていてもよ
い。Xは2価の有機基である。a,b,c,dは
a,cが5〜500で0≦b<a,0≦d<cであ
る。〕 で示されるように1分子中に2個以上のアクリル
基又はメタクリル基を有するポリオキシアルキレ
ングリコールのビニル単量体を繊維上で重合せし
めて得られる重合体であり、かかるビニル単量体
の好ましい具体例としては、 等をあげることができる。 本発明の、ポリエステル繊維においては前記し
た基体ポリエステル繊維の内部表面に上記した親
水性樹脂皮膜が固着されてなる。ここでいう内部
表面とは、繊維の横断面における外形に基づく外
部表面に対して、繊維内部に存在するすべての表
面を意味し、具体的には繊維表面に存在する微細
孔壁面、繊維内部に存在する微細孔壁面及び連通
孔壁面を指す。更に中空繊維の場合には中空部の
壁面を含む。本発明にあつてはかかる繊維内部表
面のみならず繊維の外部表面にも上記の親水性樹
脂皮膜が固着されたポリエステル繊維を排除する
ものでない。しかしながら、繊維の外部表面に固
着した親水性皮膜は洗濯等により脱落する傾向が
あるので、半恒久的な吸水性付与には寄与し難
く、本発明の必要要件ではない。 上記の内部表面に前記親水性樹脂の皮膜を形成
させるのには格別な方法を採用する必要はなく、
従来公知の浸漬法,パツド法,パツドスチーム
法,スプレー法,ラジカル重合法,紫外線重合
法,放射線重合法,電子線重合法,プラズマ重合
法等が任意に用いられる。ポリエーテルポリエス
テルブロツク共重合体の好ましい付与方法として
は、例えばポリエーテルポリエステルブロツク共
重合体を分散液又は溶液となし、必要に応じて界
面活性剤,塩類,PH調整剤等を添加して調整した
処理液中に前記の基体ポリエステル繊維を浸漬
し、処理液を加熱昇温することによつて、ブロツ
ク共重合体の微細な凝集体粒子を形成させて繊維
の外部及び内部表面に均一に付着せしめる方法、
基体ポリエステル繊維にブロツク共重合体の分散
液又は溶液を塗付した後加熱処理する方法等をあ
げることができる。なお、かかるブロツク共重合
体の分散媒又は溶媒としては、流動パラフイン,
クロロホルム,ベンジルアルコール,メタノー
ル,アセトン,ジオキサン等の非水系媒質を用い
ることもできるが、水を用いるのが最も好まし
い。 また、ポリエーテルセグメント含有ビニル重合
体の好ましい付与方法としては、例えば、ポリエ
ーテルセグメント含有ビニル単量体の水溶液に過
硫酸アンモニウム,過硫酸カリウム,過酸化水
素,過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を添加
し、繊維上で加熱重合せしめる方法、水溶液を繊
維に付着後加熱された蒸気中で加熱する方法等を
あげることができる。 上記した親水性樹脂の繊維に対する付着量は
0.05〜7.0重量%の範囲とするのが適当である。
樹脂が繊維に対して0.05%未満では繊維の内部表
面に均一な皮膜を形成することが難かしく、逆に
7.0重量%を超えると繊維の風合が硬くなり品質
的に好ましくない。 本発明は繊維の表面及び内部に特殊な微細孔を
有し且つ特定の化合物を含有するポリエステル繊
維を使用し更に繊維の内部表面に親水性樹脂を固
着せしめることによつて、木綿に匹敵する吸水性
能を半恒久的に有するポリエステル繊維を与える
ものである。本発明のポリエステル繊維によれば
その抱水率が従来のポリエステル繊維の水準を大
幅に上回り木綿に近い水準に改善されており、汗
を吸い上げ、トランスポートする速度は木綿より
も遠いため肌の上に汗を残さず、また吸汗しても
繊維自身の物理特性は変わらず、曲げ硬さの低下
も、透湿性の低下も起さないので、木綿のような
べとつきが起こらず、快適な着心地が得られる。
また、運動後木綿のように長く続く冷え感を感ず
ることがなく、更に乾燥速度が速く、湿潤知覚限
界が高いので、早く乾燥したという感覚が得られ
る。更に、肌に直接着用しても肌に対する刺激感
がない上、特殊な微細孔構造をもつため優れた保
温性と抗ピル性が得られる。 なお、本発明のポリエステル繊維には必要に応
じて任意の添加剤、例えば触媒,着色防止剤,耐
熱剤,難燃剤,螢光増白剤,艶消剤,着色剤,無
機微粒子等が含まれていてもよい。 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示し、
得られる繊維の吸水性,吸湿性は以下の方法で測
定した。 (i) 吸水速度試験法(JIS−L1018に準ず) 繊維を布帛になし、この布帛をアニオン性洗
剤ザブ(花王石鹸社製)の0.3%水溶液で家庭
用電気洗濯機により40℃で30分の洗濯を所定回
数繰返し、次いで乾燥して得られる試料を水平
に張り、試料の上1cmの高さから水滴を1滴
(0.04c.c.)滴下し、水が完全に試料に吸収され
反射光が観測されなくなるまでの時間を測定す
る。 (ii) 抱水率測定法 布帛を乾燥して得られる試料を水中に30分以
上浸漬した後家庭用電気洗濯機の脱水機で5分
間脱水する。乾燥試料の重量と脱水後の試料の
重量から下記式により求めた。 抱水率=脱水後の試料重量−乾燥試料重量/乾燥試料重
量(%) 実施例 1 ベンゼンスルホン酸Na−3,5−ジ(カルボ
ン酸Mg1/2)をポリマー中に1%(テレフタル酸
成分に対して0.67モル%)分散せしめた極限粘度
0.64のポリエチレンテレフタレートを作成し、こ
のポリマーから常法によつて溶融紡糸、延伸を行
なつて75デニール/24フイラメントで中空率20%
の中空糸を得た。 この中空糸をメリヤス編地になし、常法により
精練,プリセツトを施した後、減量率が20%にな
るように3%の水酸化ナトリウム水溶液で沸騰温
度にて処理した。 このアルカリ処理布の単繊維を電子顕微鏡で
2400倍に拡大した写真が第1図であり、連通した
微細孔構造を有していた。また、このアルカリ処
理布の一部を灰化後、高周波アルゴンプラズマ分
光分析装置(米国ジヤーレル アツシユ社製)を
用いて行なつたMgの定量分析から、0.5%(テレ
フタル酸成分に対して0.33モル%)のベンゼンス
ルホン酸Na−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)
が該繊維中に残存していた。 この布帛をテレフタル酸/イソフタル酸/エチ
レングリコール/ポリエチレングリコールブロツ
ク共重合体(テレフタレート単位/イソフタレー
ト単位=80/20,テレフタレート単位+イソフタ
レート単位/ポリエチレングリコール単位=2.2/
1,ポリエチレングリコール分子量=1000,ブロ
ツク共重合体の平均分子量6000)の10%水性分散
液4%owf,染料スミカロンネービーブル−S−
2GL6%owf,分散剤デイスパーVG1g/,PH調
整剤酢酸0.2c.c./かなる組成の処理浴に浴比
1:30,処理浴温度130℃,処理時間60分なる条
件で染色と同時に親水処理を実施した。次いで常
法に従つて還元洗浄を実施し、仕上温度180℃,
仕上時間45秒の仕上セツトを施した。 この親水加工布帛の吸水性能を親水加工前の布
帛の吸水性能と比較して第1表に示した。 実施例 2 実施例1で得た減量率20%のアルカリ処理布に
下記パツド液を付着後(ピツクアツプ量32%)、
ただちに100℃飽和蒸気で5分間の蒸熱処理を行
なつた。 パツド液組成 蒸熱処理後、未反応の加工剤を除去するために
湯洗を実施した。 この親水加工布帛の吸水性能は第1表に示す通
りであつた。 実施例3及び4 実施例1及び2において微細孔形成剤として使
用したベンゼンスルホン酸Na−3,5−ジ(カ
ルボン酸Mg1/2)に代えて、3−カルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸Naを微
細孔形成剤として使用し、このものをポリマー中
に2%(テレフタル酸成分に対して1.28モル%)
となるように分散せしめた極限粘度0.64のポリエ
チレンテレフタレートを作成した。次いでこのポ
リマーから常法によつて溶融紡糸,延伸を行なつ
て75デニール/36フイラメントの中実糸を得た。
以下実施例1および実施例2と同様にして製編,
精練,プリセツト,アルカリ減量,親水加工,洗
浄及び仕上セツトを行なつた。 結果は第1表に示す通りであつた。 比較例1及び2 実施例1及び2において微細孔形成剤として使
用したベンゼンスルホン酸Na−3,5−ジ(カ
ルボン酸Mg1/2)に代えて、リン酸モノメチルジ
Naを微細孔形成剤として使用し、このものをポ
リマー中に1%(テレフタル酸成分に対して1.24
モル%)となるように分散せしめた極限粘度0.64
のポリエチレンテレフタレートを作成した。以下
実施例1及び実施例2と同様にして紡糸,延伸,
製編,精練,プリセツト,アルカリ減量,親水加
工,洗浄及び仕上セツトを行なつた。 結果は第1表に示す通りであつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基体ポリエステル繊維を2400
倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも一部が連通している微細孔を有し
    且つ下記一般式 〔式中、M及びM′は金属、nは1又は2、R
    は水素原子又はエステル形成性官能基を示す。〕 で表わされる化合物を含有するポリエステル繊維
    の内部表面に親水性樹脂皮膜を固着せしめてなる
    吸水性ポリエステル繊維。 2 親水性樹脂がポリエーテルポリエステルブロ
    ツク共重合体である特許請求の範囲第1項記載の
    吸水性ポリエステル繊維。 3 少なくとも一部が連通している微細孔を有し
    且つ下記一般式 〔式中、M及びM′は金属、nは1又は2、R
    は水素原子又はエステル形成性官能基を示す。〕 で表わされる化合物を含有するポリエステル繊維
    を親水性樹脂の溶液又は分散液で処理することを
    特徴とする吸水性ポリエステル繊維の製造法。 4 親水性樹脂の溶液又は分散液がポリエーテル
    ポリエステルブロツク共重合体の水溶液又は水分
    散液である特許請求の範囲第3項記載の吸水性ポ
    リエステル繊維の製造法。 5 基体ポリエステル繊維が、ポリエステルに下
    記一般式 〔式中、M及びM′は金属、nは1又は2、R
    は水素原子又はエステル形成性官能基を示す。〕 で表わされる化合物を配合したポリエステル組成
    物を溶融紡糸した後アルカリ化合物の水溶液で処
    理してその少なくとも2重量%を溶出せしめて得
    られるポリエステル繊維である特許請求の範囲第
    3項又は第4項記載の吸水性ポリエステル繊維の
    製造法。
JP57186085A 1982-10-25 1982-10-25 吸水性ポリエステル繊維及びその製造法 Granted JPS5976971A (ja)

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