JP2839618B2 - 吸湿性ポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性ポリエステル繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は吸湿性ポリエステル繊維に関する。更に、詳
細には特殊なポリオキシエチレン系ポリエーテルを配合
させたポリエステル繊維を減量処理してなる、吸湿性お
よびその耐久性に優れた吸湿性ポリエステル繊維に関す
る。
<従来技術> ポリエステルは多くの優れた特性を有するために合成
繊維として広く用いられている。しかしながら、ポリエ
ステル繊維は疎水性であるため、吸水性、吸湿性が要求
される分野での使用が制限されている。
従来、ポリエステル繊維に吸水性(液体状態の水を吸
収する性能)を付与する方法としては、実用上はポリエ
ステル繊維の表面に親水性皮膜を形成させる方法が主と
して採用されており、この他にポリエステル繊維に放電
処理を施す方法、ポリエステル繊維にアクリル酸やメタ
クリル酸等の親水性化合物をグラフト重合する方法、ポ
リエステル繊維の表面を薬品でエッチングする方法等が
提案されている。また、ポリエステル繊維を多孔質化す
ることによって毛細管現象を利用して吸水性を向上させ
る方法も提案されている。
一方、ポリエステル繊維に吸湿性(気体状態の水を吸
収する性能)を付与する方法については、これまで幾多
の研究がなされ、ポリアルキレングリコール共重合など
数多く提案されているが、ポリアルキレングリコール共
重合による吸湿性向上の効果は小さく、しかも耐熱性、
耐光性の低下が著しいため使用に耐えない。また、ポリ
エステル繊維にアクリル酸やメタクリル酸をグラフト重
合した後ナトリウム塩化することによって木綿と同等の
吸湿率を示す吸湿性ポリエステル繊維も提案されている
が、かかる繊維は吸湿性が洗濯によって容易に低下し、
染色堅牢度の低下も著しく、更に風合が硬くなる等多く
の欠点があり、実用に耐えない。
他方、特定のシュウ酸錯塩を配合させたポリエステル
未延伸糸をスチーム延伸することにより得られる毛管凝
縮能を有する多孔組織をもった吸湿性ポリエステル繊維
が提案されている(特開昭54−93121号公報)。しかし
ながら、このようにして得られるポリエステル繊維は、
該シュウ酸錯塩が容易に水に溶解するため、高圧染色や
洗濯によって吸湿性が容易に失われて実用に耐えない。
また、本発明者はかかる毛管凝縮型吸湿性ポリエステ
ル繊維の重要性に鑑み、これまでに幾つかの提案を行っ
た(特開昭60−15570号公報、特開昭60−167969号公
報、特開昭61−215770号公報、特開昭61−231221号公
報)。しかしながら、かかる毛管凝縮型ポリエステル繊
維によっても、微細孔形成剤が水溶性であるために、高
圧染色や洗濯による吸湿性の低下は否めない。
また、平均分子量が2万以上である高分子量のエチレ
ンオキシド共重合体約3〜30重量%と高分子材料約70〜
97重量%とからなる帯電防止組成物が知られており(特
開昭64−26674号公報)、エチレンオキシド共重合体の
共重合成分としてプロピレンオキシドのほか1,2−ドデ
シレンオキシド等が開示されている。しかしながら、こ
の方法ではかかる高分子量のエチレンオキシド共重合体
を用いるため、芳香族ポリエステルに適用した場合には
両者の溶融混和性が悪く、かかる組成物からなる繊維を
アルカリおよび/またはアミンで減量処理しても毛管凝
縮能を有する超微細孔構造は形成されず、充分な吸湿性
の初期性能が得られない。また上記公報に具体的に例示
されているエチレンオキシド共重合体は、いずれもラン
ダム共重合体であって水溶性乃至水分散性であるため、
高圧染色や洗濯による吸湿性の低下が顕著であり、実用
に耐えない。
以上述べたように、従来充分な耐高圧染色性および耐
洗濯性を有する毛管凝縮型の吸湿性ポリエステルは得ら
れておらず、その出現が強く望まれていた。
<発明の目的> 本発明の目的は上述したことから明らかなように、ポ
リエステル繊維に毛管凝縮能を有する特殊微細孔を付与
することによって、特に高相対湿度雰囲気下で優れた吸
湿性を呈すると共に該吸湿性が高圧染色や繰り返される
洗濯等に対して充分な耐久性を有し、特に着用した際に
顕著に優れた着用感を呈することができると共に、実用
品質を充分に満足する衣料製品を与えうる吸湿性ポリエ
ステル繊維を提供することにある。
本発明者は、上記した目的を達成しようとして、ポリ
オキシアルキレングリコールおよび/または有機スルホ
ン酸金属塩を配合したポリエステル繊維のアルカリ処理
やアミン処理による吸湿性の変化およびその高圧染色お
よび洗濯に対する耐久性について、アルキレン基の炭素
原子数、共重合組成および平均分子量等を異にする種々
のポリオキシアルキレングリコールと、化学構造やカチ
オン種等を異にする種々の有機スルホン酸塩とを使用し
て鋭意検討を行った。従来公知のポリオキシアルキレン
グリコール化合物、即ちポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチ
レングリコール、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピ
レン)グリコール、ポリ(オキシエチレン/オキシブチ
レン)グリコール、ポリ(オキシブチレン/オキシプロ
ピレン)グリコールおよび上記ポリオキシアルキレング
リコールの末端水酸基の少なくとも一方をエーテル結合
等の非エステル形成性有機基またはエステル結合、カー
ボネート結合等のエステル形成性有機基で封鎖さしめた
化合物等においては、親水性に優れるものは水溶性であ
り、水溶性が低下するに従って親水性が失われていくた
め、親水性と水不溶性という二律背反的な性質を合せ持
つポリオキシアルキレングリコール化合物は従来皆無で
あった。本発明者は、かかる状況に鑑みて親水性と水不
溶性という二律背反的な性質を合せ持つ新規なポリオキ
シエチレン系ポリエーテルの創生により上記目的を達成
せんとして、数多くの化合物を合成して試験を繰り返し
た結果、エチレンオキサイドと特定の高級オレフィンオ
キサイドとを共重合せしめることによって水不溶化せし
めたポリオキシエチレン系ポリエーテルにより上記目的
が達成できることを見出した。即ち、かかる高親水性と
水不溶性とを合せ持つポリオキシエチレン系ポリエーテ
ルを配合したポリエステル繊維にアルカリおよび/また
はアミンによる減量処理を施すことによって、該処理前
に比較して著しく増大した吸湿性を呈するようになると
共に、こうして得られた繊維は染色したり、洗濯を繰り
返しても吸湿性の低下が充分に小さいので衣料製品とし
て優れた着用快適感と実用品質を与えることができるこ
とを知った。
本発明はかかる知見に基づいて重ねて検討した結果完
成した。
<発明の構成> 本発明は、(a)芳香族ポリエステル100重量部に
(b)下記(i)および(ii)を同時に満足する水不溶
性のポリオキシエチレン系ポリエーテル0.2〜30重量部
を配合してなるポリエステル組成物よりなる繊維をアル
カリおよび/またはアミンで減量処理してなり、温度20
℃、相対湿度92%における吸湿率が3重量%以上である
吸湿性ポリエステル繊維に係るものである。
(i) 下記一般式(I)で表わされる非ランダム共重
合体型ポリオキシエチレン系ポリエーテルであること。
Z(CH2CH2O)R1OmR2 …(I) [式中、Zは1〜6の活性水素を有する分子量300以下
の有機化合物残基、R1は炭素原子数6以上の未置換また
は置換アルキレン基、R2は水素原子、炭素原子数1〜40
の一価の炭化水素基又は炭素原子数2〜40の一価のアシ
ル基、kは1〜6の整数、lはk×lが70以上となる整
数、mは1以上の整数を表わす。] (ii) 平均分子量が5000〜16000であること。
本発明でいう芳香族ポリエステルは、芳香環を重合体
の連鎖単位に有する芳香族ポリエステルであって、二官
能性芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
とジオールまたはそのエステル形成性誘導体との反応に
より得られる重合体である。
ここでいう二官能性芳香族カルボン酸としてはテレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカル
ボン酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、2,5−アセトラセンジカルボン酸、2,6−アセトラ
センジカルボン酸、4,4′−p−ターフェニルジカルボ
ン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、β−ヒドロキシエ
トキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等をあげることが
でき、特にテレフタル酸が好ましい。
これらの二官能性芳香族カルボン酸は2種以上併用し
てもよい。なお、少量であればこれらの二官能性芳香族
カルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸の如き二官能性脂肪族カルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き二官能性脂環族
カルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等を1
種または2種以上併用することができる。
また、ジオール化合物としてはエチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリ
メチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等および
それらの混合物等を好ましくあげることができる。ま
た、少量であればこれらのジオール化合物と共に両末端
または片末端が未封鎖のポリオキシアルキレングリコー
ルを共重合することができる。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲でトリ
メリット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールの如きポリオールを使用することができる。
具体的な好ましい芳香族ポリエステルとしてはポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2
−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレ
ート等のほか、ポリエチレンイソフタレート・テレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート・イソプタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート・デカンジカルボキシ
レート等のような共重合ポリエステルをあげることがで
きる。なかでも機械的性質、成形性等のバランスのとれ
たポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレ
フタレートが特に好ましい。
かかる芳香族ポリエステルは任意の方法によって合成
される。例えばポリエチレンテレフタレートについて説
明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接
エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如き
テレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコ
ールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸
とエチレンオキサイドとを反応させるかして、テレフタ
ル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体
を生成させる第1段反応、次いでその生成物を減圧下加
熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段
の反応とによって容易に製造される。
本発明のポリエステル繊維を構成する組成物にあって
は、上記の芳香族ポリエステルに対して水不溶性のポリ
オキシエチレン系ポリエーテルを配合する。本発明でい
う水不溶性とは、純粋100g中に試料5gを入れて100℃で6
0分間撹拌処理した後、室温まで放冷し、次いでJIS規格
5種Aの紙を用いて自然過した際、90重量%以上が
別されるものをいう。
かかる水不溶性のポリオキシエチレン系ポリエーテル
としては、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチ
レンブロックを主鎖成分とし、該ポリオキシエチレン分
子鎖末端を特定のオキシアルキレン成分で封鎖した非ラ
ンダム共重合型のポリオキシエチレン系ポリエーテルが
好適に使用される。
ZCH2CH2OR1OmR2 …(I) 上記式中、Zは1〜6個の活性水素を有する分子量30
0以下の有機化合物の残基であり、メタノール、プロパ
ノール、ブタノール、フェノール、エチレングリコー
ル、ビスフェノールA、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノ
ールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトール等のヒドロキシル基含有化合物の残基および
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン等の1級および2級アミン類の残基等をあ
げることができ、なかでもヒドロキシル基含有化合物が
好ましい。R1は炭素原子数6以上の未置換アルキレン基
または置換アルキレン基であり、なかでも炭素原子数6
〜50の置換アルキレン基が好ましく、その中でも炭素原
子数6〜50のアルキルエチレン基がより好ましい。かか
るR1の特に好ましい具体例としては、シクロヘキシル
基、フェニルエチレン基、ヘキシルエチレン基、メチル
−ペンチルエチレン基、ヘプチルエチレン基、メチル−
ヘキシルエチレン基、炭素原子数12〜40のアルキルエチ
レン基等をあげることができる。また、R1は上記2種以
上の混合であってもよい。
R2は水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基
または炭素原子数2〜40の一価のアシル基であり、該炭
化水素基としてはアルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはヒド
ロキシアルキル基が好ましい。また該アシル基としてア
ルカノイル基、アルケノイル基、シクロアルキルカルボ
ニル基、アリールカルボニル基またはアルキルアリール
カルボニル基が好ましい。kはZの元になる有機化合物
が有する活性水素原子数に対応する1〜6の整数であ
る。lはk×lが70以上となる整数であることが必要で
あり、分子間または分子内で同一であっても異なっても
よい。k×lの値が70未満であるときには最終的に得ら
れるポリエステル繊維の吸湿性の初期性能および熱水耐
久性、洗濯耐久性が不充分となる。また、k×lの値が
大きくなるに従って吸湿性およびその耐久性が共に向上
するが、この値が300を超えると最早著しい吸湿性およ
びその耐久性の向上は認められ難くなり、かえって該ポ
リオキシエチレン系ポリエーテルの水不溶化が困難にな
る傾向があるので、lとしてはk×lの値が300以下と
なる整数であるのが好ましい。k×lのより好ましい範
囲は80〜200の範囲である。mは1以上の整数であり、
分子間または分子内で同一であっても異なっていてもよ
いがZに結合したk個の分枝内でmはすべて1以上の整
数である必要がある。mが0である分枝が存在するとき
には、最終的に得られるポリエステル繊維の吸湿耐久性
が不充分になる。かかるポリオキシエチレン系ポリエー
テルを構成するCH2CH2O単位およびR2O単位の配列は、CH
2CH2O単位からなるポリオキシエチレンブロックが主鎖
を構成し、該ポリオキシエチレン分子鎖を構成し、該ポ
リオキシエチレン分子鎖末端にR1O単位が1単位でまた
は2単位以上のブロックを形成して局在化する配列をと
る必要がある。かかる特定の構造を取ることによっては
じめて、少量のR1O単位の導入で該ポリオキシエチレン
系ポリエーテルの高度な水不溶化を可能にすることがで
き、高度な吸湿性およびその耐久性の達成が可能にな
る。CH2CH2O単位とR1O単位とがランダムに配列している
場合は、本発明の目的は達成されない。
上記した水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテル
の分子量は5000〜16000の範囲である。分子量が5000未
満のときは前記R1O単位をいくら増やしても該ポリオキ
シエチレン系ポリエーテルの熱水,熱アルカリ,洗濯水
等への脱落を防止するのは困難であり、最終的に得られ
るポリエステル繊維の吸湿性およびその耐久性が共に不
充分となる。
分子量が16000を超えると該ポリオキシエチレン系ポ
リエーテルの芳香族ポリエステル中での溶融混和性が急
激に悪化し、分散性が不良化するので毛管凝縮能を有す
る超微細孔構造の形成が困難になり吸湿性が不充分にな
るばかりでなく、アルカリ減量速度が過大になり、視感
染色性が低下して充分な量の染料を染着せしめても視感
濃度が小さく(白っぽく見える)、また耐摩耗性も不良
となる(摩擦により繊維がフィブリル化して染色布が白
化する)。なかでも、該ポリオキシエチレン系ポリエー
テルの好ましい分子量範囲は5500〜14000である。
かかる非ランダム共重合型のポリオキシエチレン系ポ
リエーテルは、活性水素化合物にエチレンオキサイドを
反応させる第1段反応、次いでその生成物に炭素原子数
6以上のオレフィンオキサイドを反応させる第2段反応
および必要に応じてその生成物のヒドロキシ末端基を炭
化水素基もしくはアシル基で封鎖する第3段反応とによ
り合成することができる。かかるオレフィンオキサイド
としてはなかでもノネンオキサイド、シクロヘキセンオ
キサイド、炭素原子数12〜40のα−オレフィンオキサイ
ドが特に好ましい。
上記のポリオキシエチレングリコール系ポリエーテル
の特に好ましい具体例を下記の表に示す。
第1表で示した化合物におけるR2のH以上の具体例と
してはR2=−CH3,−C2H5,−CH2C6H5,−C12H25,−C
18H37,−C18H35,−C11H23CO−,C17H33CO−,C17H35CO−
等が好ましい。かかるポリオキシエチレン系ポリエーテ
ルは、1種のみ単独で使用しても2種以上を併用しても
よい。
かかる水不溶性のポリオキシエチレン系ポリエーテル
の配合量は前記芳香族ポリエステル100重量部に対して
0.2〜30重量部の範囲である。好ましくは1.0〜20重量部
の範囲であり、なかでも3.0〜10重量部の範囲が特に好
ましい。0.2重量部より少ないときは親水性が不足して
充分な吸湿性を呈することができない。また、30重量部
より多くしても最早吸湿性の一層の向上効果は認められ
ず、かえって得られる組成物の機械的性質、耐熱性、耐
光性が損なわれるようになる。
本発明のポリエステル繊維を構成する組成物には、更
に吸湿性を向上させるために有機または無機のイオン性
化合物を配合することができ、こうすることは好ましい
ことである。なかでも有機イオン性化合物が好ましく、
かかる有機イオン性化合物としては、例えば、下記一般
式(II)、(III)で示されるスルホン酸金属塩および
スルホン酸第4級ホスホニウム塩を好ましいものとして
あげることができる。
RSO3M …(II) 式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル基または炭素
原子数7〜40のアリール基、Mはアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属を示す。上記式(II)においてRがアル
キル基のときはアルキル基は直鎖状であってもまたは分
枝した側鎖を有していてもよい。MはNa,K,Li等のアル
カリ金属またはMg,Ca等のアルカリ土類金属であり、な
かでもLi,Na,Kが好ましい。かかるスルホン酸金属塩は
1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用して
もよい。好ましい具体例としてはステアリルスルホン酸
ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素原子数の平均が14
であるアルキルスルホン酸ナトリウム混合物、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ハード型、ソフト
型)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ハード
型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシ
ウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができる。
RSO3PR1R2R3R4 …(III) 式中、Rは上記式(II)におけるRの定義と同じであ
り、R1,R2,R3およびR4はアルキル基またはアリール基で
なかでも低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基
が好ましい。かかるスルホン酸第4級ホスホニウム塩は
1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用して
もよい。好ましい具体例としては炭素原子数の平均が14
であるアルキルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、
炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラ
フェニルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるア
ルキルスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸
テトラフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、
ドデシルベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホス
ホニウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができ
る。
無機のイオン性化合物としてはヨウ化カリウム、塩化
ナトリウム、塩化カルシウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チ
オシアン酸セシウム等を好ましいものとしてあげること
ができる。
かかる有機または無機のイオン性化合物は1種でも、
2種以上併用してもよい。その配合量は、芳香族ポリエ
ステル100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲が好ま
しい。0.05重量部未満では吸湿性改善の効果が小さく、
10重量部を越えると繊維の機械的性質を損なうようにな
る。なかでも0.5〜7重量部の範囲が特に好ましい。
前記水不溶性のポリオキシエチレン系ポリエーテルお
よび必要に応じて上記有機および/または無機のイオン
性化合物を配合するには、任意の方法が採用され、また
両者は同時にまたは任意の順序で芳香族ポリエステルに
配合することができる。即ち、芳香族のポリエステルの
成形が終了するまでの任意の段階、例えば芳香族ポリエ
ステルの重縮合反応開始前、重縮合反応途中、重縮合反
応終了時であってまだ溶融状態にある時点、粉粒状態、
紡糸段階等において、両者を予め溶融混合してから添加
しても、2回以上に分割添加しても、両者を予め別々に
芳香族ポリエステルに配合した後、紡糸前等において混
合してもよい。更に、重縮合反応中期以前に添加すると
きは、グリコール等の溶媒に溶解または分散させて添加
してもよい。
なお、本発明のポリエステル繊維を構成する組成物に
は、酸化防止在、紫外線吸収剤を配合してもよく、こう
することは好ましいことである。その他、必要に応じて
難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤、その他の添加剤
等を配合してもよい。
本発明のポリエステル組成物を繊維にするには、任意
の製糸条件が何等の支障なく採用することができる。例
えば、500〜2500m/分の速度で溶融紡糸し、延伸、熱処
理する方法、1500〜5000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸
と仮撚加工とを同時にまたは続いて行う方法、5000m/分
以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省
略する方法等任意の製糸条件が採用される。
かくして得られる本発明の繊維は中空部を有しない中
実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であっても
よく、また繊維の横断面における外形や中空部の形状は
円形であっても異形であってもよいが、特に吸湿速度が
大きくなる点で断面変形比が 以上である異形断面繊維であるのが好ましい。ここで断
面変形比(cm-1)は繊維横断面における輪郭線の長さ
(cm)を繊維横断面の断面積(cm2)で除した値であ
り、dは単繊維デニールを示す。また、中空繊維の場合
における上記繊維横断面における輪郭線の長さは、外周
輪郭線と中空部の内周輪郭線との合計長さとして算出す
るものとなる。
更に本発明の繊維は、前記した水不溶性のポリオキシ
エチレン系ポリエーテルを配合したポリエステル組成物
を鞘成分とし、未変性ポリエステルを芯成分とする芯鞘
型複合繊維であっても、上記ポリエステル組成物を芯成
分とし、未変性ポリエステルを鞘成分とする芯鞘型複合
繊維であっても、上記組成物と未変性ポリエステルとか
らなる2層またはそれ以上の多層のサイド・バイ・サイ
ド型複合繊維であってもよい。
かくして得られるポリエステル繊維に吸湿性を付与す
るには、必要に応じて延伸熱処理または仮撚加工等を施
した後、または更に布帛にした後、アルカリおよび/ま
たはアミンで減量処理する。ここでいうアルカリとは水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどの如くポリエステル繊維を加水分解するものを
指す。なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特
に好ましい。また、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド等の如きアルカリ減量促進剤を適宜使用することが
できる。アルカリ減量処理は上記アルカリの水溶液に浸
漬処理するかまたはアルカリの水溶液をパッド/スチー
ム処理すること等により容易に行うことができる。かか
るアルカリの水溶液の濃度は、アルカリの種類、処理条
件等によって異なるが、通常0.01〜40重量%の範囲が好
ましく、特に0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温
度は常温〜160℃の範囲が好ましい。
また、ここでいうアミンとはポリエステル繊維を分解
する性質を有するものであれば如何なるものでもよい
が、代表的なものとしてはモノメチルアミン、モノエチ
ルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i
−ブチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールア
ミン等で代表されるアルキルアミン類、アニリン等で代
表される芳香族アミン類、ヒドラジンハイドレート等で
代表されるヒドラジンをあげることができる。これらの
アミンは通常水溶液や水分散液として好ましく用いるこ
とができ、その濃度は対象のポリエステル繊維の組成等
により適宜調整すればよい。処理温度は通常10〜50℃で
行うのが好ましい。一般にアミン類は沸点が低いので処
理温度は高くできず、また温度が高くなると分解速度が
速くなりすぎる傾向があり再現性に問題が起りやすくな
る。
かかるアルカリおよび/またはアミン処理による減量
率は、所期の吸湿率が得られるように適宜選べばよい
が、トータル減量率が繊維重量に対して2重量%以上の
範囲にするのが好ましい。
更に、本発明においてはアルカリ処理とアミン処理と
を併用することができ、この場合特にアミン処理に次い
でアルカリ処理するのがよい。その理由は、アミン処理
では繊維の表面および内部に拡散浸透するアミンによっ
て繊維内部までほぼ一様にアミン分解が進行するのに対
して、アルカリ処理では繊維の表面から順次アルカリ分
解が進行することにある。従ってアミン処理によって繊
維表面および内部にある程度空隙を作って表面積を増加
させた後、アルカリ処理を行うことによってアルカリ処
理における効率が著しく向上し、吸湿率の増大効果をよ
り顕著に得ることができる。
本発明のポリエステル繊維は、かくして温度20℃、相
対湿度92%における吸湿率が3重量%以上であるように
することができ、こうすることによって本発明の目的で
ある快適な着用感を達成することができる。この吸湿率
が3重量%未満であるときには、着用感の優れた衣料製
品を得ることができない。
<発明の効果> 本発明の吸湿性ポリエステル繊維は特定の水不溶性の
ポリオキシエチレン系ポリエーテルを配合したポリエス
テル組成物よりなり、該ポリオキシエチレン系ポリエー
テルが高親水性と水不溶性という二律背反的な性質を有
するために、該繊維をアルカリおよび/またはアミンで
減量処理することによって高い吸湿性を具備せしめるこ
とができるのみならず、該吸湿性が高圧染色や繰り返さ
れる洗濯等に対して充分な耐久性を有する。かかる優れ
た耐久吸湿性が発現する理由については充分な確証はな
いものの、上記アルカリおよび/またはアミンによる減
量処理によって毛管凝縮能をもった微細孔が多数形成さ
れ、かつ該細孔壁が上記ポリオキシエチレン系ポリエー
テルにより主として構成されるためであると推量され
る。かくして本発明のポリエステル繊維は優れた耐久吸
湿性を呈するとともに、ポリエステル繊維の特徴である
速乾性やイージーケア性も保持されるので放湿性にも優
れている。このため、気体状態の水が衣服内から外界へ
吸湿−放湿機構を通して円滑に往来する結果、衣服内湿
度が低く保たれて極めて快適な着用感が得られる。
また、本発明のポリエステル繊維は実用上必要な程度
の強度や耐フィブリル性等の糸物性を有し、抗ピル性も
改善されている。
なお、本発明のポリエステル繊維には、必要に応じて
適宜の親水化後加工等を施すことができる。かかる親水
化後加工としては、例えばテレフタル酸および/または
イソフタル酸若しくはそれらの低級アルキルエステル、
低級アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコ
ールからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合
体の水性分散液で処理する方法、アクリル酸、メタクリ
ル酸等の親水性モノマーをグラフト重合した後、ナトリ
ウム塩化する方法等が好ましく採用できる。
<実施例> 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中の部お
よび%はそれぞれ重量部および重量%を示し、得られる
ポリエステル繊維の吸湿率測定および耐久性を調べるた
めの洗濯処理は下記の方法によった。
(1)吸湿率測定法 試料の絶乾重量と所定の温度および相対湿度における
重量とから下記式により求めた。
(2)洗濯処理 家庭用洗濯機(ナショナルNA−680L)を用い、新酵素
ザブ(花王製)2g/溶液を30(浴比1:30)入れ、試
料をいれて40℃で10分間、自動渦巻き水流にて洗濯す
る。その後脱水し、40℃の温水30(浴比1:30)で5分
間湯洗、脱水し、次いでオーバーフロー水洗を10分間行
い脱水した。上記洗濯を1回処理とし、これを必要な回
数繰返した。
(3)希釈溶液粘度 水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルの希釈溶
液粘度は、ASTM D2857に従って毛管粘度計を用いて、25
℃の温度においてトルエン100g当たり0.25gの濃度で測
定した。
実施例1〜4 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60
部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.066モル%)および整色剤として酢酸コバ
ルト4水塩0.009(テレフタル酸ジメチルに対して0.007
モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下
で4時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメ
タノールを系外に留去しながらエステル交換反応させ
た。エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸トリ
メチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対して0.080モ
ル%)および消泡剤としてジメチルポリシロキサンを0.
024部加えた。次いで10分後に三酸化アンチモン0.04部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加
し、同時に過剰のエチレングリコールを追出しながら24
0℃まで昇温した後、重合缶に移した。次いで下記化学
(但し、jは18〜28の整数で平均21、lは平均値として
約115、mは平均値として10である) で表わされる、平均分子量11838,希釈溶液粘度0.19の水
不溶性のポリオキシエチレン系ポリエーテルを第1表記
載の量添加し、引続いて1時間かけて760mmHgから1mmHg
まで減圧し、同時に1時間30分かけて240℃から280℃ま
で昇温した。1mmHg以下の減圧下で重合温度280℃で更に
2時間重合した時点で酸化防止剤としてサイアノックス
1790(アメリカン・サイアナミッド社製)0.1部および
マークAO−412S(アデカ・アーガス化学社製)0.3部を
真空下添加し、その後更に30分間重合した。得られたポ
リマーの極限粘度は0.640〜0.648であり、軟化点は261
〜262℃の範囲であった。このポリマーを常法によりチ
ップ化した。
このチップを常法により乾燥し、孔径0.3mmの円形紡
糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して285℃で溶融紡
糸し、次いで得られる延伸糸の伸度が30%になるような
延伸倍率で80℃の加熱ローラー160℃のプレートヒータ
ーとを使って延伸熱処理して75デニール/24フィラメン
トの延伸糸を得た。
得られた延伸糸をメリヤス編地となし、常法により精
錬、プリセット(180℃×45秒)して編地Aを得た。ま
たプリセット後3.5%の水酸化ナトリウム水溶液により
沸騰温度で処理して減量率20%の編地Bを得た。
次いで編地Aおよび編地Bを純粋にて130℃で60分間
熱水処理(染色処理のモデル)した後、常法にしたがっ
てファイナルセット(160℃×45秒)した。
得られた編地Aおよび編地Bを用いて、洗濯0回(L0
と称する)および洗濯25回繰返し(L25と称する)後の
吸湿性を温度20℃、相対湿度92%において評価した。結
果を第1表に示す。
実施例5 実施例3において使用した水不溶性のポリオキシエチ
レン系ポリエーテルに代えて、下記化学式 (但し、jは10〜12の整数で平均11、lは平均値として
約180、mは平均値として3である) で表わされる、平均分子量9126,希釈溶液粘度0.17の水
不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを使用する以
外は実施例3と同様に行い、第1表の結果を得た。
実施例6 実施例3において使用した水不溶性のポリオキシエチ
レン系ポリエーテルに代えて、下記化学式 (但し、jは10〜12の整数で平均11、lは平均値として
約100、mは平均値として20である) で表わされる、平均分子量8454,希釈溶液粘度0.15の水
不溶性のポリエーテルを使用する以外は実施例3と同様
に行い、結果は第1表に示す通りであった。
実施例7 実施例2において、新たにイオン性化合物として炭素
原子数が8〜20で平均炭素原子数が14であるアルキルス
ルホン酸ナトリウムの2部を、重合反応の減圧過程にお
いて真空度が3mmHgに到達した時点から10分後に真空下
に添加する以外は実施例3と同様に行った。結果を第1
表に示した。
実施例8 実施例7においてイオン性化合物として使用したアル
キルスルホン酸ナトリウムに代えて、ドデシルベンゼン
スルホン酸テトラブチルホスホニウムを使用する以外は
実施例7と同様に行い、第1表の結果を得た。
実施例9 実施例8において行ったアルカリ減量処理に代えて40
%のモノエチルアミン水溶液によるアミン減量処理を30
℃の恒温下で行う以外は実施例8と同様に行った。結果
を第1表に示す。
実施例10 実施例8において行ったアルカリ減量処理に代えて、
まず40%モノエチルアミン水溶液中30℃の恒温下でアミ
ン処理して減量率を5%とした後、十分に水洗を行い、
引続いて1.0%の水酸化ナトリウム水溶液により沸騰温
度で処理してトータル減量率が20%になるようにアルカ
リ処理を行う以外は実施例8と同様に行った。結果を第
1表に示す。
実施例11 実施例8において使用した水不溶性のポリオキシエチ
レン系ポリエーテルに代えて水溶性の平均分子量8000の
ポリオキシエチレングリコールを用いる以外は実施例8
と同様に行った。結果は第1表に示す通りであった。
比較例2 実施例8において使用した水不溶性のポリオキシエチ
レン系ポリエーテルとして下記化学式 (但し、jは18〜28の整数で平均21、lは平均値として
約270、mは平均値として8である) で表わされる、平均分子量17306、希釈溶液粘度0.25の
水不溶性のポリオキシエチレン系ポリエーテルを使用し
た。その結果を第2表に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中条 昇 京都府城陽市寺田今堀52―70 (56)参考文献 特開 平3−45712(JP,A) 特開 平2−77466(JP,A) 特開 平2−269762(JP,A) 特開 平2−160866(JP,A) 特開 昭55−90618(JP,A) 特開 昭61−179318(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 11/00 - 11/84 D01F 6/92

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)芳香族ポリエステル100重量部に
    (b)下記(i)および(ii)を同時に満足する水不溶
    性のポリオキシエチレン系ポリエーテル0.2〜30重量部
    を配合してなるポリエステル組成物よりなる繊維をアル
    カリおよび/またはアミンで減量処理してなり、温度20
    ℃、相対湿度92%における吸湿率が3重量%以上である
    吸湿性ポリエステル繊維。 (i) 下記一般式(I)で表わされる非ランダム共重
    合体型ポリオキシエチレン系ポリエーテルであること。 Z(CH2CH2O)R1OmR2 …(I) [式中、Zは1〜6の活性水素を有する分子量300以下
    の有機化合物残基、R1は炭素原子数6以上の未置換また
    は置換アルキレン基、R2は水素原子、炭素原子数1〜40
    の一価の炭化水素基又は炭素原子数2〜40の一価のアシ
    ル基、kは1〜6の整数、lはk×lが70以上となる整
    数、mは1以上の整数を表わす。] (ii) 平均分子量が5000〜16000であること。
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