JPS6117501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は紙葉類放出機の紙葉類収納箱に関す
るものである。

一般に銀行等に設置された現金自動支払機、両
替機等の紙葉類放出機は、顧客の指令に応答して
作動し、要求された枚数の紙弊を、前記放出機本
体に着脱自在に装着された紙葉類収納箱から順次
一枚づつ繰り出して、所定の場所に放出するよう
に構成されている。そして、前記紙葉類放出機は
店頭またはオンラインによつて店外に置かれてい
るのが一般的であるため支払準備紙幣はあらかじ
め紙葉類収納箱内に装填しておき、この紙葉類収
納箱を紙葉類放出機迄持運んでこれにセツトする
ようになつている。また、紙葉類収納箱を持運ぶ
途中などでこの収納箱内の紙幣の抜取りを防止す
るために、紙葉類収納箱は一種の金庫にしておく
必要があり、放出機本体から取外した時は自動的
に紙幣の繰出口の前蓋が施錠状態になされ、装着
した状態にのみ前蓋を開放し得るようになされて
いる。

しかし、従来この種の紙葉類収納箱は放出機本
体内の側壁に設けられたカムに沿つて前蓋の開閉
ローラが移動させられて、前蓋が開閉されるよう
になされている。そのため、放出機本体から収納
箱を引き出して前蓋が閉じられるときに、前記開
閉ローラがカム溝から若干離間されるため、前蓋
が確実に密着閉鎖されず前記離間された分だけ遊
びが生じていた。従つて、前蓋を閉塞する係止爪
にロツク機構の係止片が円滑に係止されず、しか
も前記前蓋の遊び分だけガタが生じる等の欠点が
あつた。

この考案は上記欠点を解消することを目的とす
るものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図において、符号１は紙葉類放出
機であつて、この紙葉類放出機１は紙幣が収納さ
れた紙葉類収納箱２から吸引軸１ｃにより紙幣を
順次一枚づつ吸引して繰出し、この繰出された紙
幣を搬送ベルト１ｄにより積車１ｅに搬送し、そ
の後一時堆積所１ｆに紙幣を積み重ねて支払口に
払出すように構成されている。そして、前記紙葉
類放出機１には前記収納箱２をセツトする収納部
が設けられていて、この収納部の側壁には前記収
納箱２の前蓋３を開閉するための第１および第２
の開閉カム１ａ，１ｂが設けられている。そして
前記紙葉類収納箱２の前側つまり収納箱２が紙葉
類放出機本体１に挿入させる側には、前蓋３が軸
４を中心に回動可能に取付けられている。この前
蓋３の上部でかつ収納箱２の両外側には前記カム
１ａ，１ｂに沿つて移動される回動ローラ５が回
転可能に取付けられている。また、前記前蓋３の
下部でかつ収納箱２の内側には係止爪６が突設さ
れていて、この係止爪６は紙葉類収納箱２内に設
けられた係止機構７の係止片７ｃに係止されるよ
うに構成されている。そして、更に前記前蓋３の
内側には補助係合体８が取付けられていて、この
補助係合体８は、断面略Ｕ字状でかつ弾性屈曲す
る板ばねであつて、その基端部が前蓋３に固定さ
れ、その先端すなわち自由端が山形に折曲されて
折曲部８ａとなつている。また、収納箱２の側壁
には、係止体９が突設されており、この係止体９
は、前蓋３の閉塞方向への旋回の途中から閉塞直
前までの区間で、折曲部８ａの先端側に前蓋３の
旋回方向に対して傾斜させて設けた先端側傾斜面
８ｂを当接させて補助係合体８を弾性変形させ、
閉塞直前から閉塞までの区間で、前記先端側傾斜
面８ｂと反対方向に傾斜した基端側傾斜面８ｃを
当接させて、補助係合体８の復元力を受けるよう
になつている。なお、この係止体９は、前記先端
側、基端側傾斜面８ｂ，８ｃとの係合を円滑にす
るため、回転可能のローラで構成されている。

なお、図中１０，１１は紙葉類収納箱２を放出
機本体にセツトする際紙葉類収納箱を円滑に移動
させるためのローラであつて、１２は紙葉類収納
箱２を前記ローラ１１に至る間支持し案内するた
めのガイドであつて機枠の両側に対向して設けら
れたものである。

次に、上記の如く構成された紙葉類収納箱２を
紙葉類放出機本体１に着脱する場合について説明
する。まず、紙葉類収納箱２を紙葉類放出機本体
１のガイド１１に載せて挿入し押し進めると、第
３図に示すように収納箱２内に設けられた係止機
構７が紙葉類放出機本体に固定されたカム７ａに
より、まず予備係止片７ｂが解除され、次に主係
止片７ｃが第２図中実線で示すように上方に押し
上げられて、前蓋３に設けられた係止爪６のロツ
クが解除される。次に、前記収納箱２が更に押し
込まれて、前蓋３の回動ローラ５が放出機本体１
の開閉カム１ａ，１ｂに沿つて下方に動かされる
と、前蓋３が軸４を中心に時計方向に回動する。
このときに、前蓋３の補助係合体８が前記前蓋３
の回動力により伸直するように弾性屈曲して、収
納箱２の係止体９から係合が解除される。そして
更に、収納箱２が押し込まれると、前蓋３が略90
゜ぐらい開放されて、収納箱２が紙葉類放出機本
体１にセツトされる。

そして、次にこの収納箱２を引き出す場合につ
いて説明する。まず、収納箱２が引き出される方
向に動かされて、前蓋３の回動ローラ５が開閉カ
ム１ａ，１ｂのＡ点に到達するまでは前蓋３が開
放された状態で移動してくる、次に前記収納箱２
を前蓋３の回動ローラ５がＢ点（図中実線で示す
位置）まで移動すると、前蓋３が徐々に閉鎖され
るように回動される。そして、第２図Ｂ点に達す
る前に、先端側斜面８ｂが係止体９に当接して補
助係合体８を下方へ弾性変形させ、その後、第２
図Ｂ点に達して基端側傾斜面８ｃが係止体９に当
接すると、補助係合体８が復元してその復元力に
より前蓋３が閉塞方向に付勢され、第２図右側に
鎖線で示す如き閉塞状態になる。そして、前記収
納箱２が放出機本体１から引き出された状態のと
きには、前記補助係合体８が係止体９に係止さ
れ、この補助係合体８の弾性力により前蓋３が密
着閉鎖され、更に係止爪６が係止機構７の係止片
７ｃに係合されて収納箱２が確実にロツクされ
る。

以上詳細に説明したように、この考案によれ
ば、収納箱の前蓋の内側に弾性的に係合する補助
係合体を設けると共に、収納箱内に前記補助係合
体が係止される係止体を設けたことにより、収納
箱を放出機本体に着脱する場合、特に収納箱を引
き出してその前蓋が閉鎖される際には、前蓋を前
記補助係合体の弾性力により確実に密着閉鎖する
ことができ、従つて前蓋の係止爪を係止機構の係
止片に円滑かつ容易に係止することができる等の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は紙葉類放出機の概略側面図、第２図は
紙葉類収納箱の前蓋が開閉される状態を示した縦
断側面図、第３図は係止機構を示した側面図、第
４図はカム７ａの平面図である。 １……紙葉類放出機、１ａ……第１のカム、１
ｂ……第２のカム、２……紙葉類収納箱、３……
前蓋、６……係止爪、７……係止機構、８……補
助係合体、８ａ……折曲部、８ｂ……先端側傾斜
面、８ｃ……基端側傾斜面、９……係止体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙葉類放出機に引出し可能に挿入される紙葉類
   収納箱において、該紙葉類収納箱の挿入方向前面
   に、該収納箱前部の開口を開閉する前蓋を水平軸
   を中心として旋回動作可能に設け、該前蓋にその
   側方に突出する部材を設け、前記紙葉類放出機の
   内側部に、前記部材に当接して、紙葉類収納箱の
   押し込み方向への移動を前記前蓋の開放方向への
   変位に変換する第１のカムを設けるとともに、紙
   葉類収納箱の引き出し方向への変位を前記前蓋の
   閉塞方向への変位に変換する第２のカムを設け、
   該前蓋の内側に、弾性変形可能な補助係合体の基
   端部を固着し、前記紙葉類収納箱内に、前蓋の閉
   塞方向への旋回の途中から閉塞までの区間で前記
   補助係合体に接触する係止体を設けてなり、前記
   補助係合体の先端には、山形の折曲部が形成さ
   れ、該折曲部の先端側には、前蓋の旋回方向に対
   して傾斜し、かつ旋回の途中から閉塞直前までの
   区間で係止体に当接して補助係合体を係止体から
   離れる方向へ弾性変形させる先端側傾斜面が形成
   され、前記折曲部の基端側には、先端側傾斜面と
   反対方向に傾斜し、かつ閉塞終了までの区間で前
   記係合体に当接して補助係合体の復元力により前
   蓋を閉塞方向に向けて付勢する基端側傾斜面が形
   成されたことを特徴とする紙葉類放出機の紙葉類
   収納箱。