JPS6113772B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱風加熱方式のパン造機に関する。

従来、この種パン造機としては加熱槽内に混練
槽を着脱可能に設けるとともに該加熱槽の上下に
シーズヒータを配設した構成のものが供されてい
る。しかし、斯る従来構造のものは、混練槽で１
回に混練したパン材料を加熱槽内に２段に収納し
て１度に発酵をさせることは可能であるが、焼成
時にシーズヒータの輻射熱を利用するために発酵
終了後のパン材料を加熱槽内に２段に収納して１
度に焼き上げることは困難であり、従つて、焼成
を複数回に分けて行なわねばならないから、製作
時間が長く掛り、例えば家族全員で焼きたてのパ
ンを食べたい場合に一度に焼成できるパンの個数
が少なくて不便であるといつた事情がある。そこ
で、シーズヒータに代えて加熱槽内に熱風を供給
して該熱風により焼成する方式にすれば、加熱槽
内にパン材料を複数段に並べて焼成を行なうこと
ができるから、例えば発酵を終了したパン材料の
全部を一度の焼成工程で焼き上げることも可能と
なる。

ところが、上記した熱風方式にすると撹拌装置
を駆動するためのモータとフアンを駆動するため
のモータとを要するから、重量が重くなるととも
に製作コストが高くなる欠点がある。

本発明は上記事情に鑑みてなされてものであ
り、その目的は、１個のモータによつて混練槽の
撹拌体及びフアンを駆動する構成とすることによ
つて、軽量でしかも安価に製作できるパン造機を
提供するにある。

以下本発明の一実施例について図面を参照して
説明する。１は偏平箱状の基体で、これの上部に
前面に開閉可能な扉２を備えた加熱槽３が配設さ
れている。４は加熱槽３の底部中央に配設された
支持装置で、これの上部に混練槽５が着脱可能に
設けられている。６は混練槽５の底部に回転自在
に支持された混練軸で、これの上端部には撹拌体
としての羽根７が装着され、下端部には軸継手８
が固着されている。９は支持装置５に回転自在に
支持された駆動軸で、これの上端には軸継手８に
噛合連結される軸継手１０が固着され且つ下端部
にはプーリ１１が固着されている。１２は加熱槽
３の後方部に位置するように基体１の上面に固着
した両軸形のモータで、これの回転軸１２ａの下
端に該回転軸１２ａが一方向回転たる矢印ａ方向
に回転された時のみ回転力を伝達する一方向クラ
ツチ１３を介して駆動プーリ１４を嵌着した軸１
４ａが取着され、駆動プーリ１４とプーリ１１と
の間にはＶベルト１５が張設されている。１６は
シロツコ形のフアンで、これは回転軸１２ａの上
端に該回転軸１２ａが他方向たる反矢印ａ方向に
回転された時のみ回転力を伝達する一方向クラツ
チ１７を介して連結されている。１８はフアン１
６を囲繞するとともに吐出口部１８ａを加熱槽３
の側壁部に連結させたフアンケーシング、１９は
加熱槽３の上部に設けられた吸入口３ａとフアン
ケーシング１８の吸入部１８ｂとを連通する吸入
ダクト、２０はフアンケーシング１８の吐出口部
１８ａ内に配設された熱源としての電気ヒータ、
２１は吐出口部１８ｂの出口部分に配設された拡
風板、２２はフアンケーシング１８及びモータ１
２を被うカバーである。尚、２３は扉２の閉塞時
には閉塞方向に、開放時には開放方向に付勢する
トグルばねであり、また、２４は「混練」と「焼
成」を切換えるスイツチ、２５はタイマ、２６は
サーモスイツチで、これらスイツチ２４、タイマ
２５、サーモスイツチ２６は基本１の前面板１ａ
に取着されている。そして、第３図に示す電気回
路図において、２７，２８は電源端子、２９はコ
ンデンサである。而して、図示はしないが、加熱
槽３内には発酵用の低電力のヒータと、該加熱槽
３内を発酵温度にコントロールする別個のサーモ
スイツチとが設けられている。

次に以上のように構成した本実施例の作用につ
いて説明する。まず、混練槽５を支持装置４上に
セツトしてパンの原料である小麦粉、水、塩等を
収納し、次いで、スイツチ２４を「混練」側に切
換え且つタイマ２５をセツト操作するとタイマ２
５及びスイツチ２４の接片（ｃ−ａ）間を介して
モータ１２が通電され回転軸１２ａが矢印ａ方向
に回転されることにより一方向クラツチ１３を介
して駆動プーリ１４が駆動され、Ｖベルト１５、
プーリ１１、駆動軸９、軸継手１０及び８、混練
軸６を順に介して羽根７が回転駆動されて混練槽
５内の小麦粉等が混練される。この時、回転軸１
２ａの回転方向が矢印ａ方向であるために一方向
クラツチ１７は回転力を伝達せず、従つてフアン
１６は非回転状態を呈する。このようにして混練
を終了したパン生地は混練槽５とともに加熱槽３
から取出され所定の形状となされ受皿３０上に並
べられ、第２図に二点鎖線で示すように加熱槽３
内に収納される。この後に加熱槽３は発酵に好適
な温度に加熱されパン生地中のイースト菌が活発
に作用して発酵が行なわれる。発酵が終了した
ら、スイツチ２４を「焼成」側に切換え且つタイ
マ２５を所定時間にセツトし且つサーモスイツチ
２６を所定温度にセツト操作すると、タイマ２５
及びスイツチ２４の接片（ｃ−ｂ）間を介してモ
ータ１２及び電気ヒータ２０が通電され、モータ
１２の回転軸１２ａが反矢印ａ方向に回転される
ことにより一方向クラツチ１７を介してフアンケ
ーシング１８内に吸入された空気が電気ヒータ２
０の周囲を通過して熱風化された後に矢印ｂで示
すように送風され、該熱風で以つて受皿３０上の
発酵を終了したパン材料が焼成される。

このように構成した本実施例によれば、モータ
１２に回転軸１２ａが矢印ａ方向に回転する時の
み回転力を伝達する一方向クラツチ１３と、回転
軸１２ａが反矢印ａ方向に回転する時のみ回転力
を伝達する一方向クラツチ１７とを設けているか
ら、混練時において羽根７が駆動される時にはフ
アン１６が駆動されず、焼成時においてフアン１
６が駆動される時には駆動軸９、軸継手１０が駆
動されず、従つて混練時に加熱槽３内に無用の風
が生じず、焼成時に軸継手１０に手指を触れて怪
我をする等の虞れも生じない。

尚、一方向クラツチ１３，１７としては既製の
ワンウエイクラツチの他にスプリングクラツチ等
を利用できるが、一方向クラツチ１３，１７は必
要に応じて設けるようにすればよい。

本発明は以上説明したように、熱風により焼成
する方式であるから加熱槽内にパン材料を複数段
に並べて一度に焼成できることは勿論、１個のモ
ータによつて混練槽の撹拌体及びフアンを駆動す
る構成としたから、軽量でしかも安価に製作でき
るパン造機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであり、第
１図は斜視図、第２図は縦断面図、第３図は電気
回路図である。 図面中、３は加熱槽、５は混練槽、７は羽根
（撹拌体）、１２はモータ、１３及び１７は一方向
クラツチ、１６はフアン、２０は電気ヒータ（熱
源）である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱槽と、この加熱槽内に配設された混練槽
   と、前記加熱槽内に熱風を供給する熱源及びフア
   ンと、前記混練槽の撹拌体及び前記フアンを駆動
   する１個のモータとを具備してなるパン造機。 ２ モータの一方向回転により撹拌体のみが駆動
   され、モータの他方回転によりフアンのみが駆動
   されることを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載のパン造機。