JPS6113645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築用ユニツト、殊に上方の開口さ
れた型形状のユニツトの吊り治具として有用な
足場兼用吊り治具に関するものである。

建築用ユニツト、特に床体と、床体の隅角部に
立設した４本の鋼製中空柱体とからなり、必要に
応じ壁体を設けた型形状のユニツトを吊り上げ
る場合、型形状のユニツトは柱体の上部は粱材
等によつて相互に結合されていないのでユニツト
の運搬、吊り上げ及び設置時にユニツトが変形す
る惧れがあつた。

また、上述の如き建築用ユニツトは、複数個を
組合わせて水平方向及び上下方向に相互に結合設
置されるが、これらの結合設置に際しては、安全
且つ広い足場があると結合設置作業が容易にな
る。

本考案は、ユニツトの運搬、吊り上げ及び設置
時にユニツトが変形したり、損傷を受けることを
未然に防止し得るようになすと共に、ユニツト同
士の結合設置作業等において足場となり且つこの
作業を容易にする足場兼用吊り治具を提供するも
ので、そのため本考案の吊り治具は、その主体
を、建築用ユニツトの上縁に取付けられる矩形の
鋼製フレームとして構成し、且つ該鋼製フレーム
の四隅に開口部を設けて該鋼製フレームにメツシ
ユ状鋼材を装着したものである。

以下、図面に示す実施例について本考案の足場
兼用吊り治具を説明する。

先ず、第１〜４図に示す実施例について説明す
ると、図面において符号１は本考案の吊り治具を
総称する。２は一対の縦枠３を同じく一対の横枠
４とから形成された矩形の鋼製フレーム、５は適
宜な間隔をあけて縦枠３に平行に上記フレーム２
の横枠４に架設したフレーム強補材、６（６ａ，
６ｂ，６ｃ及び６ｄ）は上記フレーム２の四隅に
それぞれユニツト結合作業用の開口部７（７ａ，
７ｂ，７ｃ及び７ｄ）を形成して上記フレーム２
に筋交いにかけ渡した枠材、８は多数本のエキス
パンドメタル等によつて形成されたメツシユ状鋼
材である。上記メツシユ状鋼材８は、縦枠３，横
枠４及び枠材６に熔接して上記フレーム２内に装
着してあり、その上に人が乗つて作業ができるだ
けの強度を有している。９は、吊り上げフツク挿
入孔１０は型ユニツトの柱体の頂端に設けたガ
イドピン１１′のガイドピン挿入孔１１及び吊り
フツク１２を有するユニツト連結部であり、該連
結部９は、その上面を上記フレーム２の四隅の下
面に接合し、且つ該連結部９の上面に垂直に設け
た固定片９′を上記フレーム２の横枠４の外側面
に接合して上記フレーム２の四隅に固着してあ
る。また、第４図において１３は、型ユニツト
で、床体１４と、床体１４の隅角部に立設した４
本の鋼製中空柱体１５とからなり、その一側面に
は壁体１６を取付けてある。

次に第５図に示す実施例について説明すると、
第５図に示す実施例は、ユニツトに連結される鋼
製フレームを略正方形となし、且つ開口部の一つ
を人が出入り可能な大きさとなした例で、同図に
おいて、６′は開口部７′を形成して縦枠３とフレ
ーム強補材５に横枠４と平行にかけ渡した開口部
形成枠材であり、上記開口部７′は人が出入りで
きる大きさとなしてある。この他、同図における
他の各符号は第１図における符号と共通である。

以上のような構成からなる本考案の足場兼用吊
り治具の一使用態様を第４図に基づいて説明する
と、本考案の吊り治具１は、先ず型ユニツト１
３の四隅に立設した４本の鋼製中空柱体１５の頂
端上部に、それぞれ連結部９を載置固定する。即
ち、それぞれ連結部９のガイドピン挿入孔１１に
ガイドピン１１′を挿入し、次いで連結部９の吊
り上げフツク挿入孔１０を通して吊り上げフツク
（図示せず）を各柱体１５の頂端にそれぞれ設け
たフツク螺入孔（図示せず）に螺入して連設部９
を鋼製中空柱体１５の上部に固定することによ
り、吊り治具１を型ユニツト１３の上部に固定
する。そして、４個の吊り上げフツクにそれぞれ
懸吊ワイヤー（図示せず）を掛け、この懸吊ワイ
ヤーを介してクレーン（図示せず）により型ユ
ニツト１３は吊り上げられ所定位置に設置され
る。ユニツト設置後懸吊ワイヤーを吊り上げフツ
クから外す。その後、吊り治具１は、メツシユ状
鋼材が装着されているため、型ユニツト１３と
該型ユニツト１３に水平方向に隣接する別のユ
ニツトとの結合設置作業や水平方向に隣接するユ
ニツトの上に上階ユニツトを設置する作業等にお
いて足場として利用され、また、四隅には開口部
が設けてあるため、メツシユ状鋼材は結合設置作
業に支障を来たさない。この結合設置作業は、第
５図に示す如く、吊り治具１の開口部７′を人の
出入が可能な大きさとなすことにより、一層円滑
に行ない得る。

而して、吊り治具１は、所要の役目を終了した
後、吊り上げフツクを外してから、懸吊ワイヤー
を吊りフツク１２に掛けて吊り上げられ、型ユ
ニツト１３から取り外され、別のユニツトに用い
られる。尚、吊り治具１を取付けた型ユニツト
１３の上に上階ユニツトを設置する際には、その
設置の前に吊り治具１は取り外しておく必要があ
ることは言う迄もない。

叙上の如く、本考案の足場兼用吊り治具は、建
築用ユニツトの上部に取付けられる矩形の鋼製フ
レームを主体とし、該フレーム内の四隅に開口部
を設けて該フレームにメツシユ状鋼材を装着して
あるから、本考案の吊り治具によれば、建築用ユ
ニツトの運搬、吊り上げ及び設置時にユニツトが
変形したり損傷を受けることを未然に防止できる
上に、隣接するユニツトとの結合作業等において
足場となり、且つこれらの場合作業を容易にする
効果を有し、更に雨天時においてユニツトをシー
トで被覆した場合、メツシユ状鋼材によりシート
の上に雨水等が溜まるのを防止することができる
等の効果も併有しており、ユニツトを構成する柱
体の上部が粱材等により相互に結合されていない
型ユニツト、殊に床体と、床体の隅角部に立設
した４本の鋼製中空柱体とからなるユニツトの結
合作業に用いて卓越した効果を発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図はその要部を示す拡大平面図、第３図はその断
面図、第４図は第１図に示す本考案治具を型ユ
ニツトに取付けた状態を示す斜視図、第５図は本
考案の他の実施例を示す平面図である。 １……吊り治具、２……鋼製フレーム、３……
縦枠、４……横枠、５……フレーム強補材、６
（６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ）及び６′……枠材、７
（７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ）及び７′……開口部、
８……メツシユ状鋼材、９……ユニツト連結部、
９′……固定片、１０……吊り上げフツク挿入
孔、１１……ガイドピン挿入孔、１１′……ガイ
ドピン、１２……吊りフツク、１３……型ユニ
ツト、１４……床体、１５……鋼製中空柱体、１
６……壁体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 建築用ユニツトの運搬、吊り上げ及び設置時
   に、該建築用ユニツトの上部に連結される治具
   であつて、矩形の鋼製フレームと、該鋼製フレ
   ームの四隅の小なくとも一つに開口部を設けて
   上記鋼製フレームに装着したメツシユ状鋼材と
   を具備してなる、足場兼用吊り治具。 (2) 上記開口部のうち一つが人が出入りできる程
   度の大きさとなしてある実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の足場兼用吊り治具。