JPS6112107Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スクリーン印刷装置、さらに詳し
くは、混成集積回路IC等を構成する誘電体基板
等に対し、平面電極や短絡電極を塗布する回転方
式のスクリーン印刷装置に関するものである。

回転方式のスクリーン印刷装置は第１図に示す
ように、シルク製等のスクリーン１と、このスク
リーン１の上部に配置した回転軸２に取付けられ
た回転アーム３と、このアーム３の先端に取付け
られたスキージゴム４と、スキージゴム４の回動
途中に設けられ、回動通過するスキージゴム４の
先端に銀のようなペイント５を塗布するドラム等
で構成されたペイント供給手段６とで構成され、
スクリーン１の下部に誘電体基板等の被印刷物７
をターンテーブル等によつて間歇的に供給すると
共に、スクリーン１にはこの被印刷物７に対応し
た印刷パータン１ａが設けられ、回動するスキー
ジゴム４がスクリーン１上を摺動したとき、パタ
ーン１ａの部分だけペイント５が透過し、被印刷
物７の表面にペイントを塗布して平面電極を形成
したり、スクリーン上面からペイント５を流し落
して、被印刷物７の側面に短絡電極を形成したり
するものである。

ところで従来のスクリーン印刷装置におけるス
キージゴム４は第１図に示すように、一枚のプレ
ートによつて形成されていたため、ペイントを塗
布する面積が広がつたり、短絡電極を形成する部
分が二個所以上ある場合や、表裏面の短絡すべき
電極間隔が広い場合、均一な厚みでペイントが塗
布できなかつたり、完全な短絡電極を得ることが
できないという問題がある。

即ち、第２図は被印刷物７に対して二個所の短
絡電極８と８′をそれぞれ被印刷物７の表裏面か
ら塗布した場合を例示しており、塗布を行なう
と、スキージゴム４に付着しているペイント５は
第２図左側に位置する最初のエツジＡにほとんど
塗布された電極８が形成され、反対のエツジＢに
至るまでには短絡に必要な量がなくなつて不完全
な電極８′となるからである。

なお、短絡電極８と８′は被印刷物７を反転さ
せることによつて両側の面から交互に塗布し、エ
ツジ部において両側をドツキングさせようとする
ものである。

上記のような不都合を解消する対策として、ス
キージゴムにペイントの供給量を多くすることが
考えられるが、このような方法であると最初のエ
ツジＡに付着するペイント量が必要以上に多くな
り、ペイントの垂れ、汚れの原因となるだけで反
対側のエツジＢまで塗布量を残すことができず、
しかも高価なペイントを無駄にすることにもな
る。

この考案は、上記のような点にかんがみてなさ
れたものであり、銀ペイントの塗布印刷がスクリ
ーンのパターン全体に均一となり、しかも従来困
難であつた電極間の短絡を容易になしえ、ペイン
ト消費量の削減をはかることができるスクリーン
印刷装置を提供することを目的とする。

この考案の構成は、回動アームの先端に取付け
たスキージゴムの先端を回転方向の前部に位置す
るものほど短かくなるよう複数に分割された階段
状に形成させ、このスキージゴムの回転センター
を、スクリーンにおけるパターンのスキージゴム
の回動方向前方端部の直上かそれよりも回転方向
の前方位置に配置し、全体に均一な印刷膜厚を得
ることができるようにしたものである。

以下、この考案を添付図面の第３図乃至第５図
にもとづいて説明する。

第３図のように、回動アーム３の端部に取付け
たスキージゴム１１の先端が回転方向の前部に位
置するものほど短かくなるよう複数の階段状に分
割されている。

図示の場合、分割の形成は、一枚のゴム板の先
端に三条の切目を先端から途中に達するように施
して四枚の片１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄに
分割し回転方向の後部に位置する片１１ａから最
前部の片１１ｄに向けて順次短くしたものであ
る。

前記四枚の片１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ
とスクリーン１との接触関係は、第３図に示され
るようにスキージゴム１１が回転軸２のセンター
Ｏの中心に回動するので最長の片１１ａがスクリ
ーン１の点イに、その他の片１１ｂ，１１ｃ，１
１ｄが点ロ，ハ，ニに所定の間隔を存して順次接
触し、各片の先端に塗布された銀ペイントが被印
刷物７の上面における前部と後部で均一な塗布が
行なえるようになつている。

前記スキージゴム１１の各片１１ａ，１１ｂ，
１１ｃ，１１ｄがスクリーン１の各点イ，ロ，
ハ，ニに接触するよう、第３図に示す如くスキー
ジゴム１１の回転中心となる回転軸２のセンター
Ｏが、スクリーン１のパターン１ａにおけるスキ
ージゴムの回動方向前方端部の直上かそれよりも
回転方向の前方位置に配置されている。

上記スキージゴム１１における各片１１ａ，１
１ｂ，１１ｃ，１１ｄの長さは、センターＯを中
心とした半径が、スクリーン１の各点イ，ロ，
ハ，ニで接触するように決定すればよい。

またスキージゴム１１の先端分割は、図示のよ
うな四分割に限定されるものではなく、スクリー
ン１のパターン１ａによつて決定される印刷部の
長さ、その電極面積、形状、用途に応じて分割数
を決定すればよい。

さらにスキージゴム１１のスクリーン１に対応
する接触圧力の調整は極めて重要であり、第３図
のように最短の片１１ｄが点二の位置でスクリー
ン１に接触するように位置決をする必要がある。

この考案の印刷装置は上記のような構成であ
り、スクリーン１のパターン直下に誘電体基板等
の被印刷物７を押当てた状態で、回転軸２を第３
図矢印方向に回転させ、ドラムとの接触によつて
各片１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄの先端に銀
ペイントが付着したスキージゴム１１がスクリー
ン１のパターン１ａ上を摺動し、各点イ，ロ，
ハ，ニの位置において被印刷物７に対して銀ペイ
ントを塗布することになる。

上記のような銀ペイントの塗布を被印刷物７の
反転により両面に施すと、第５図に示すように、
被印刷物７の両面に平面電極１２，１２が形成さ
れるとともに、側面に短絡電極１３が形成される
ことになる。

被印刷物７の両面および両端において等しい量
の銀ペイントが塗布されるので、電極１２，１２
の膜厚が均一のなるとともに、それらの完全な短
絡が行なえる。

なお実施例は平面塗りとともに被印刷物の端部
において銀ペイントを塗布した短絡塗りを同時に
実施するものについて示したが、平面塗りのみ、
あるいは短絡塗りのみを行うようにすることもで
きることはいうまでもない。

以上のように、この考案によると、回動によつ
てスクリーン上を摺動するスキージゴムの先端
を、回転方向の前部に位置するものほど短かくな
るよう複数に分割した階段状に形成し、スキージ
ゴムの回転センターをパターンの前方端部の直上
か、それよりも前方に配置したので、以下に列挙
するような効果がある。

(1) 被印刷物に対し、全体に均一なペイント膜厚
を得ることができる。

(2) 均一なペイント膜厚により美しい仕上りが得
られ、ペイントの極部的な垂れや汚れがない。

(3) ペイント膜厚が鮮明に印刷されるため、品質
的に安定する。

(4) ペイントの使用に無駄がなく、高価なペイン
トの消費量削減をはかることができる。

(5) ペイントを全体に均等塗布できるので、従来
と略同じペイント量で、従来実施することがで
きなかつた短絡塗りや平面塗りが実施できる。

(6) ペイントを全体に均等塗布できるので、塗布
面積を大幅に拡大することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスクリーン印刷装置を示す縦断
正面図、第２図は同上によつて短絡塗りが施され
た被印刷物の側面図、第３図はこの考案のスクリ
ーン印刷装置の塗布状態を説明するための縦断正
面図、第４図は同上に用いるスキージゴムの斜視
図、第５図は同上によつて短絡塗りが施された被
印刷物の側面図である。 １……スクリーン、１ａ……パターン、２……
回転軸、３……回動アーム、５……銀ペイント、
６……ドラム、７……被印刷物、１１……スキー
ジゴム、１２……平面電極、１３……短絡電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に位置する被印刷物に対する所定の印刷パ
   ータンを備えたスクリーンと、このスクリーンの
   上部に配置した回転軸に取付けられた回動アーム
   と、この回動アームの先端に取付けられ下方位置
   で先端がスクリーン上を摺動するスキージゴム
   と、前記スキージゴムの回動途中に設けられ通過
   するスキージゴムの先端にペイントを供給するペ
   イント供給手段とで構成され、前記スキージゴム
   は、先端が回転方向の前部に位置するものほど短
   かくなるよう複数に分割された段階状に形成さ
   れ、このスキージゴムの回転センターがスクリー
   ンの印刷パータンにおけるスキージゴムの回転方
   向前方端部の直上かそれよりも回転方向の前方位
   置に配置されていることを特徴とするスクリーン
   印刷装置。