JPS60802Y2 - ガス炊飯器の保温装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガス火力により炊飯し電熱装置により保温す
る形式のガス炊飯器の保温装置に関する。

この形式のガ子炊飯器としては、実公昭５４−１５８０
５号公報に開示のものか公知である。

これは、二重蓋構造を伴用するもので、外釜に断熱材か
らなる保温層を設けてこの保温層内に電熱装置を内蔵さ
せ、炊飯完了後の保温を行うようにしたものである。

この従来のものでは、炊飯釜が外釜によって包囲されて
、しかも、外釜の底部に熱板を配した構成を採用するこ
とから、保温効果に優れているものの、炊飯時の効率に
おいて劣る欠点がある。

ガスバーナの火力が直接炊飯釜に伝わらないからである
。

かかる欠点を解消するものとして、炊飯釜の底部を直接
熱焼室側に露出させ、ガスバーナの火力が直接炊飯釜に
達するものをすでに提案した。

この形式のガス炊飯器では、炊飯釜の底部より上方は保
温層により包まれて、この保温層内に電熱装置が組み込
まれ、炊飯完了後はこの保温層と電熱装置とにより保温
されることとなる。

ところが、この形式のガス炊飯器では、炊飯時の効率は
向上するものの、長時間保温していると米飯に異臭が発
生する。

この原因について鋭意検討した結果、この異臭の原因は
、この形式のガス炊飯器においては、炊飯器の底部側が
保温中に空冷されやすく、この部分の温度が一定温度以
下に置かれることによるものである、ことが判明した。

本考案は、このような、炊飯釜底部を熱焼室側に露出さ
せ、炊飯釜の胴部及び上部を保温層により包囲すると共
にこの保温層に内蔵した電熱装置により加熱保温する形
式のガス炊飯器において、長時間保温における米飯から
の異臭の発生を防止するため、炊飯釜の底部の温度を高
められるようにすることをその課題とする。

上記課題を解決するための本考案の技術的手段は、・炊
飯釜の胴部を包囲する保温層の中程に電熱線を巻回させ
ると共にその上方近傍にＴＲ３を配し、さらに、前記保
温層の下端部に複数の正温度特性抵抗素子を互いに回転
対称位置となるように内蔵し、前記ＴＲ３と発熱線の直
列回路と前記二つの正温度特性抵抗素子を並列接続した
ことである。

本考案の上記技術手段は次のように作用する。

発熱線は胴部の保温層の中程に位置する。

従って、炊飯完了後の保温時において、この発熱線から
、炊飯釜の底部側への熱移動も十分に行なわれる。

また、保温層の一部で底部側に最接近した位置、すなわ
ち、保温層下端には、発熱体としての正温度特性抵抗素
子が配設されているから、これによっても炊飯釜の底部
側が加熱保温される。

さらに、この正温度特性抵抗素子は低温度域において発
熱量が大きい特性を有するから、この点からも、炊飯釜
の底部側の冷えすぎによる不都合が防止できる。

本考案は上記構成であるから、次の特有の効果を有する
。

炊飯釜の底部の空冷による冷え過ぎが防止され、これに
もとずく異臭の発生が防止できる。

また、炊飯釜の底部が燃焼室に露出した状態においても
上記した作用から、炊飯釜内の保温温度の均一化が図れ
る。

さらに、正温度特性抵抗素子は対称位置に設けられてい
るから、平面的にも、温度むらが生じない。

次に、ＴＲ３は長期使用によってその作動温度が上昇す
る傾向にあるが、正温度特性抵抗素子は逆に発熱量が低
下傾向となるため、保温用電熱装置の総発熱量が長期使
用によっても、安定したものとなる。

以下、本考案の実施例を第１図、第２図の実施例に従っ
て説明する。

第１図に於いて、１は炊飯釜で、炊飯用諸装置を内蔵す
る下部枠２上に配設される上部枠３の筒状の保温層４内
に取出し可能に収容載置され、その底部は、下部枠２と
前記保温層下端間に形成される燃焼室５に露出し、主バ
ーナ６に対向する。

前記保温層は断熱材料を充填しているが、該保温層の内
周面となる内胴７の中程には電熱線８及びＴＲ５（サー
マルリードスイッチ）９が添設されており、さらに、保
温層４下端近傍にも同様に一対の正温度特性抵抗素子１
０，１０が直径線上に添設されている。

他方、炊飯釜１及び上部枠３に蓋体１１が被冠しており
、該蓋体は片開き式て開・閉可能であると共にその内部
に断熱材料を充填して保温層１２とし、さらに、その下
面内部に電熱線１３を添設して炊飯釜１の上方の保温を
図っている。

また、１４は中蓋で炊飯釜１の上端開放部を閉塞すべく
その上端に内嵌されると共に中央部で蓋体１１と取外し
可能に連結され、該蓋体と一体的に開・閉される。

上記した各部の電気的諸装置は、第２図に示す如く配線
され、電熱線８，１３及び正温度特性抵抗素子１０，１
０はそれぞれ並列接続されており、電熱線８への回路中
にこれと直列にＴＲ３９を挿入した構成となっている。

上記実施例の保温式ガス炊飯器では、炊飯は主バーナ６
のガス火力により進行し、炊飯完了後は保温層４，１２
及び電気的諸装置により加熱保温されるが、この時の温
度制御はＴＲ３９及び正温度特性抵抗素子１０，１０に
より行なわれる。

この内、前記正温度特性抵抗素子は炊飯釜１の底部近傍
を加熱すべく作用し、しかも、これら抵抗素子は低温度
域に於いて発熱量が犬きい特性を有する。

従って、燃焼室５に露出することから最も温度降下しや
すい炊飯釜１底部近傍が合理的に加熱保温されることと
なり、従来の如き異臭の発生等が未然に防止される。

次に、ＴＲ５９は長期使用によってその制御温度（作動
温度）が上昇する傾向にあるが、正温度特性抵抗素子１
０，１０の抵抗は増大して発熱量は低下傾向にある。

従って、これら発熱制御装置を組み合せた本考案実施例
の場合にはこれら傾向が相殺されて保湿度が長時間にわ
たって安定的に制御されることとなり、保温性能の安定
したものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図はその電気配線
図であり、図中、 １・・・・・・炊飯釜、４・・・・・・保温層、８・・
・・・・電熱線、１０・・・・・・正温度特性抵抗素子
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炊飯釜底部を燃焼室側に露出させ、炊飯釜の胴部及び上
   部を保温層により包囲すると共にこの保温層に内蔵した
   電気装置により加熱保温する形式のガス炊飯器において
   、炊飯釜の胴部を包囲する保温層の中程に電熱線を巻回
   させると共にその上方近傍にＴＲ３を配し、さらに、：
   前記保温層の下端部に複数の正温度特性抵抗素子を互い
   に回転対称位置となるように内蔵し、前記ＴＲ５と発熱
   線の直列回路と前記二つの正温度特性抵抗素子を並列接
   続したガス炊飯器の保温装置。