JPS591608Y2 - 飯びつ兼用炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は炊飯はもとより炊飯後のご飯を長時間にわた
って適正保温状態に維持し得るようにした飯びつ兼用炊
飯器に関するものである。

外釜内に単に内釜を収納し、この内釜を加熱して炊飯を
行う電気炊飯器は周知である。

一方、炊き上がった飯を移し入れてから、これをサーミ
スタ等の半導体ヒータによって保温するいわゆる電子ジ
ャーなるものが知られるようになった。

前者は炊飯ヒータを内釜の外底部に位置させて、熱効率
のよい炊飯方式として炊飯を主体としたものである。

もちろん保温を行うべく保温ヒータを前記同様に設けて
内釜の外底部から加熱するようにしたものもあるが、断
熱が考慮されておらないところへ長時間保温をさせると
内釜の底すなわち保温ヒータに近い部分の飯が変質して
著しくまずくなる傾向になるので保温時間は短く制御し
なければならず、しかも断熱処理が施されていないので
保温を続けても、次々と熱が逃散してしまい保温時間の
長さおよびその効果には有効性が少ないものであった。

また保温ヒータを内釜の外底部の位置でなく側面に設け
たものもあるが、前記同様に断熱処理が施されていない
ので、長時間保温の点で難点があり、いずれにしても在
来の炊飯器は炊飯を主体にした考え方に立って実施され
ているに過ぎないものである。

後者は、サーミスタ等の半導体ヒータを外釜の側面に取
り付けてこの半導体ヒータのみによって飯の腐敗しない
７０℃前後で保温し、かつヒータ自身の特性で一定の温
度制御を行っており、そして外釜の周囲には発泡合成樹
脂を現場発泡によって充填密封して断熱性を向上させて
いるが、専ら炊飯器によって炊き上がった飯を移し変え
て保温のみを主体として行っているものである。

従って保温性はよいが、炊飯はもちろん不能であり、−
たん飯を移す手間がかかると共に、移した際に飯の温度
が炊飯完了時の温度より低下するので半導体ヒータによ
る加熱の初期の立ち上がりが良好とは云えないのである
。

また、冷えた飯を保温状態にする場合には、４５〜５０
℃の腐敗温度範囲での経過時間が長く不都合である。

いずれにしても、ジャーは保温のみを主体とした考えに
立った構成されているのであって、現在依然として炊飯
は炊飯器によって、また保温はいわゆる電子ジャーによ
って夫々独立して専用に行うだけの状態である。

この考案はかかる点に着目して、炊飯はもとより保温も
有効に行うことの出来る飯びつ兼用炊飯器を提供するも
のである。

以下この考案を図示実施例について説明すると、１は円
筒状のケース、２はこのケースの内側に設けた外釜、３
はケース１の底を覆う底板、４は外釜２の内底部に設け
た環状の炊飯ヒータ、５は外釜２内に着脱自在に収納し
た内釜で、その外底面６は炊飯ヒータ４に接し、上面開
放周縁７は外釜２の上面開放周縁８の上に位置している
。

９は内釜５の上面を着脱自在に覆う中フタ、１０はこの
中フタの中央部に穿設した蒸気孔、１１は一端をケース
１の上部外壁に枢支されて中フタ９を含む内釜５の上面
を開閉自在に覆う外フタで、この上面にケース１の外壁
の一部と係脱自在に係合する掛は金１２を有したバンド
ル１３を設けている。

１４は外フタ１１の下面に取り付けられ、外フタの閉合
時、中フタ９を含ぬ内釜５の上面を閉塞する補助フタ、
１５は一端をこの補助フタに固着されて中フタ９上の空
間に開放し、他端を外フタ１１を貫通して外部に開放し
た蒸気抜き弁、１６は外フタ１１の内部に装填したグラ
スウール等の繊維系断熱材、１７は外フタ１１内に設け
た保温ヒータ、１８は外釜２の外周面とケース１内周面
との間に装填したグラスウール等の繊維系断熱材、１９
は外釜２の外底面とケースの内底面との間に装填した前
記と同じくグラスウール等の繊維系断熱材である。

２０は外釜２の外周面上方部に設けた保温ヒータ、２１
は内釜５の外底面中央部に当接した温度調節器で、炊飯
完了時における内釜５の急激な温度上昇を感知して炊飯
ヒータ４への通電を遮断する作用を威す。

そして、前記各保温ヒータ１７，２０は前記炊飯ヒータ
４への通電が断たれた後に通電され加熱を開始するよう
になっている。

なお、２２は断熱材１９の略中夫に設けた抜き穴で、温
度調節器２１などの結線用に便を威すようになっている
。

以上の構成において、炊飯ヒータ４によって内釜５を加
熱すると、内釜５内に発生した蒸気は中フタ９の蒸気孔
１０を抜けて蒸気抜き弁１５に集まり、これを経て外部
に放出される。

炊飯が完了すると、炊飯ヒータ４は切れ、保温ヒータ１
７，２０に通電されて加熱され、外フタ１１方向および
内釜５の周面方向から保温される。

この時炊飯ヒータ４の余熱が相当あって内釜５としては
その略全面から保温作用を受けることとなる。

一方、余分な蒸気は炊飯中と同様に蒸気孔１０から蒸気
抜き弁１５を経て排外される。

そして保温時間の経過に伴い、蒸気抜き弁１５が貫通し
ている外フタ１１はこの貫通部を介して徐々に冷やされ
、水滴を生ずる傾向になるが、この外フタ１１内には保
温ヒータ１７を配しであるので、この保温ヒータ１７の
加熱により水滴の付着が極力防止されるとともに、部分
的な冷えが防止され、外フタ１１全体より内釜５内に対
してバランスよく保温作用を行うこととなる。

この考案は以上のように、炊飯ヒータで炊飯し、保温ヒ
ータで保温させ、しかも断熱材で少なくとも内釜の側面
と上面を包囲するようにしているので、炊飯はもとより
、炊飯完了後、長時間にわたって適正保温状態を維持し
得ることができ、従来単独で行っていた不具合を一挙に
解消することができるものである。

また内釜内で発生した蒸気のほとんどを保温ヒータを配
した断熱性の外フタを貫通した蒸気抜き弁より外部へ排
出するようにしたので、外フタの断熱性能に何ら悪影響
を与えることがなく、かつ外フタ内面への水滴の発生も
可及的に防止できる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案になる飯びつ兼用炊飯器の一実施例を
路線で示した縦断面図、第２図は断熱材の斜視図、第３
図は要部拡大断面図である。 図中 １はケース、２は外釜、４は炊飯ヒータ、５は内
釜、１１は外フタ、１８．１９は断熱材、２０は保温ヒ
ータである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースと、このケースの内側に設けた外釜と、この外釜
   内に着脱自在に納めた内釜と、この内釜の上面を開閉自
   在に覆う外フタと、この外フタの内部および上記ケース
   と外釜間に装填した断熱材と、上記内釜の外底面を加熱
   する炊飯ヒータと、上記外釜の外周上方部および外フタ
   内に設けられた保温ヒータと、上記外フタを貫通して外
   気と内釜内とを連通させる蒸気抜き弁とを備えてなる飯
   びつ兼用炊飯器。