JPS6056358B2 - ビデオ信号時間軸誤差補正回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ビデオディスク等の回転記録媒体から検出
されたカラービデオ信号の時間軸誤差を補正する回路に
関する。

ビデオディスク等の回転記録媒体を回転させつつ該記
録媒体に記録されたビデオ信号を検出する場合、回転記
録媒体の偏心或いは回転機構の回転ムラ等により、得ら
れるビデオ信号の時間軸に誤差が生じ、再生画像に悪影
響を及ぼすことは良く知られている。

特に、ビデオ信号力幼ラー情報を含むような場合、副搬
送波の周波数及び位相の誤差の許容範囲は非常に狭く、
かかる時間軸誤差は極力抑制されねばならない。回転記
録媒体の偏心による時間軸誤差の周波数成分は３０Ｈｚ
成分が支配的であり、従来は、この成分をバンドパスフ
ィルタでパースト信号の位相検出後の誤差信号より抜き
出し、別系統の閉ループ回路で補正していた。

しかし乍ら、この方式によると３０Ｈｚループがメイン
ループの特性に与える影響を小とするためにはバンドパ
スフィルタの選択度Ｑを高くする必要があり、フィルタ
の設計が難しくなる。また、大なる時間軸誤差がある場
合はフィルタの時定数及び閉ループの性質上ロックイン
するまでの時間が極めて長くなり、ある程度以上の時間
軸誤差に対してはほとんどロックインしなくなるという
欠点があつた。更に、線速度一定のＣＬＶディスクの様
に時間と共に支配的周波数成分が３０Ｈｚから低減の方
へ推移する場合はバンドパスフィルタの中心周波数を時
間と共に変化させる必要があり、この様なトラッキング
フィルタの設計は極めて難しく、温度特性等に対しても
不安定であるという欠点があつた。更にまた、補正し得
る時間軸誤差の上限も１５μＳｅｃ程度までであつた。
本発明の目的は、上記した欠点を除去しかつ補．正可能
な時間軸誤差の上限を拡大させたビデオ信号時間軸誤差
補正回路を提供することである。

本発明は、従来の３０Ｈｚ閉ループ系を除去し、その代
わりにビデオ信号に含まれた水平同期信号と基準水平同
期信号との位相差に応じた誤差信号を．検出し、該誤差
信号をパースト信号から得られたメインループの誤差信
号に加算しその和信号によりビデオ信号の時間軸誤差を
補正する方式である。以下、本発明を添付図面を参照し
て詳細に説明・する。図は本発明による一実施例のブロ
ック線図であり、入力端子１にはビデオディスク等の回
転記録媒体（図示せず）から検出されたビデオ信号が供
給される。このビデオ信号は、例えば、ＮＴＳＣ方式に
より構成されたカラー情報を含む合成ビデオ信号であり
、そのままＴ■受信機等の再生装置により映像に再生さ
れ得る。ところが、回転記録媒体を回転させつつビデオ
信号を検出する場合、記録媒体若しくはターンテーブル
の偏心、録画時の速度変動、記録媒体の製作時の歪み、
ターンテーブル駆動モータの回転ムラ等によつて、得ら
れるビデオ信号は時間軸誤差身を含むのが通常である。

この時間軸誤差を含んだままのビデオ信号を画像再生す
ると、画像のゆらぎ、カラーのみだれが生ずる。かかる
時間軸誤差を補正するために、本実施例においては、入
力端子１に加えられたビデオ信号をＣＣＤ等の可変遅延
素子を用いた可変遅延回路２に供給すると共に水平同期
分離回路３に供給する。

水平同期分離回路３で分離された水平同期信号は位相比
較回路４の一方の入力端に供給される。位相比較回路４
の他方の入力端には基準の水平同期信号を発生する分周
回路５の出力が供給される。分周回路５は後述する基準
信号となる３．５８ＭＨｚの周波数信号を発生する基準
周波数発生回路６の出力を分周して上記基準水平同期信
号を出力する。位相比較回路４は水平同期信号と基準水
平同期信号との位相を比較して位相差に応じた誤差信号
を出力する。この誤差信号は増幅器７を通り１５．７５
ＫＨｚのノッチフィルタ８に加えられる。このノッチフ
ィルタ８は水平同期信号に同期したノイズ成分を除去す
る目的を有するもので、このノッチフィルタ８がない場
合は１５．７５ＫＨｚのパターンノイズによつて可変遅
延回路２が動作するため再生画面上に特有の色むらを生
じる。ノッチフィルタ８の出力はドロップアウト（ＤＯ
）補正回路９を通り、コンデンサＣを介して加算回路１
０の一方の入力端に供給される。コンデンサＣは美補正
回路９の出力が加算回路１０の他方の入力端に供給され
るパースト信号から得られる誤差信号との間で■レベル
相互の干渉が生じないようにコンデンサカップリングと
し交流成分のみ通過させるものである。加算回路１０の
出力は可変遅延回路２を駆動する駆動回路１１に供給さ
れる。駆動回路１１は可変遅延回路２にＣＣＤを用いた
場合には電圧制御発振器（■ＣＯ）とクロックドライバ
ーの回路となり、ビデオ信号の時間軸誤差の補正を行な
うべく可変遅延回路２の遅延量を該時間軸誤差を相殺す
る方向に変化させる。以上述べた回路が水平同期信号比
較による開ループ補正回路であるが、この開ループ回路
のみではどの様に回路を調整しても原理的に分離された
水平同期信号の精度以上には補正が行なわれず、パース
ト信号の位相精度まで補正を行なうためには以下に説明
する閉ループによる微調整回路が必要となる。しかし、
この開ループ補正回路は振幅の大きな時間軸誤差の補正
に極めて有効であつて、該時間軸誤差を以下に述べる閉
ループ補正回路のダイナミックレンジ内に圧縮する効果
を有する。次に、パースト信号比較による閉ループ回路
について説明する。可変遅延回路２の出力はバンドパス
フィルタ１２を通過して不要な周波数成分を除去し、増
幅器１３によつて必要レベルまで増幅されて出力端子１
４に供給されると共に同期信号分離回路１５及びパース
トゲート回路１６に加えられる。

ゲートパルス発生回路１７は同期信号分離回路１５で分
離された同期信号に応じてパースト信号の存在するタイ
ミングでゲートパルスを発生してパーストゲート回路１
６に供給する。よつて、パーストゲート回路１６におい
てビデオ信号からカラーパースト信号が抜き出される。
抜き出されたパースト信号はコンパレータ回路１８によ
りＴＴＬレベルに変換されて位相比較回路１９の一方の
入力端に供給される。位相比較回路１９の他方の入力端
にはコンパレータ回路２０によりＴＴＬレベルに変換さ
れた基準周波数発生回路６の出力すなわち３．５８ＭＨ
ｚの基準信号が供給される。位相比較回路１９の出力す
なわち誤差信号は３．５８ＭＨｚのノッチフィルタを含
む増幅器２１により必要レベルまで増幅されてサンプル
ホールド回路２２に加えられ、該サンプルホールド回路
２２において水平同期区間ホールドされる。サンプリン
グパルス発生回路２３はパースト信号の存在する時のみ
サンプリングパルスを発生する様に構成された回路であ
る。サンプルホールド回路２２の出力はサーボ系におけ
る位相誤差を補正する位相補正回路２４に供給され、位
相補正された出力は加算回路１０の他方の入力端に加え
られる。かかる閉ループ回路においてはパースト信号の
位相変化に着目しているためにその補正精度はパースト
信号の位相精度まで高めることができる。従つて、補正
後のビデオ信号は通常のカラーテレビで再生する場合に
充分な程度まで残留時間誤差が圧縮されている。以上の
構成により、ビデオ信号の時間軸誤差を補正できるので
あるが、水平同期信号分離回路３で分離された再生同期
信号中にいわゆるドロップアウトが存在すると位相比較
後の誤差信号中に極めて急峻なスパイクノイズが生ずる
ために再生画像が不安定となり画面が不鮮明になる。従
つて、ドロップアウトが発生した時にこれを補償する回
路を組み合わせることは、実用的観点から望ましい。こ
こで、ドロップアウトとはビデオディスク上のゴミ等に
よる検出ビデオ中の無信号状態をいう。本実施例におい
ては、例えば増幅器７の出力を入力とするドロップアウ
ト（ＤＯ）検出回路２５で位相比較後の誤差信号からド
ロップアウトを検出する。そして、（１）補正回路９に
おいて（１）検出回路２５の出力に応じてドロップアウ
トが存在する間前値ホールドしてドロップアウトによる
影響が画面に生じない様にしている。また、スピンドル
サーボ系において水平同期信号の位相比較によりスピン
ドルの回転速度制御が行なわれているが、この水平同期
信号の位相比較による誤差信号を前述した開ループ誤差
信号として用いることにより水平同期信号分離回路３、
位相比較回路４等を省略することができる。

以上詳述した如く、本発明によれば水平同期信号の位相
比較により粗調整回路とパースト信号の位相比較による
微調整回路とを併用したために補正し得る誤差範囲を大
幅に拡大できた。

現状で３０μＳｅｃ程度の時間軸誤差の補正を行なうこ
とができたが、ＣＣＤ等により構成された可変遅延回路
のダイナミックレンジ或いは開ループ誤差信号のダイナ
ミックレンジを増大すれば更に大なる時間軸誤差を補正
することが可能である。なお、開ループ誤差信号が交流
結合されているので開ループ系の■ドリフトは閉ループ
系に影響を与えない。また、開ループ系のゲインのドリ
フトは帰還アンプ等を採用することにより小さくおさえ
られるために長期間の安定動作が期待てきる。また、水
平同期信号と基準水平同期信号との位相差に応じた誤差
信号から水平同期信号に同期したノイズ成分および直流
成分を除去するようにしたので、当該ノイズ成分に起因
する再生画面上の色むらが生ずることがないと共に、２
つの誤差信号間のＤＣレベル相互の干渉が生じることも
ない。

【図面の簡単な説明】

図は本発明によソー実施例のブロック線図である。 主要部分の符号の説明、２・・・可変遅延回路、３・・
・水平同期信号分離回路、４，１９・・・位相比較回路
、６・・・基準周波数発生回路、９・・・ドロップアウ
ト補正回路、１０・・・加算回路、１６・・・パースト
ゲート回路、２２・・・サンプルホールド回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転記録媒体に記録したビデオ信号を該記録媒体を
   回転させつつ検出するビデオ信号検出手段と、基準周波
   数発生回路と、前記ビデオ信号に含まれたバースト信号
   と前記基準周波数発生回路の出力との位相差に応じた出
   力を発生する第１の位相比較回路と、前記第１の位相比
   較回路の出力に応じて前記ビデオ信号の時間軸誤差を補
   正する可変遅延手段とを含むビデオ信号時間軸誤差補正
   回路であつて、前記ビデオ信号に含まれた水平同期信号
   と前記基準周波数発生回路の出力より分周された基準信
   号との位相差に応じた出力を発生する第２の位相比較回
   路と、前記第２の位相比較回路の出力信号から前記水平
   同期信号に対応した周波数成分を除去するノッチフィル
   タと、前記第１の位相比較回路の出力と前記第２の位相
   比較回路の出力のうち直流成分を除去した信号とを加算
   しその和信号を前記可変遅延手段に供給する加算回路と
   を有することを特徴とするビデオ信号時間軸誤差補正回
   路。 ２ 回転記録媒体に記録したビデオ信号を該記録媒体を
   回転させつつ検出するビデオ信号検出手段と、基準周波
   数発生回路と、前記ビデオ信号に含まれたバースト信号
   と前記基準周波数発生回路の相比較回路と、前記第１の
   位相比較回路の出力に応じて前記ビデオ信号の時間軸誤
   差を補正する可変遅延手段とを含むビデオ信号時間軸誤
   差補正回路であつて、前記ビデオ信号に含まれた水平同
   期信号と前記基準周波数発生回路の出力より分周された
   基準信号との位相差に応じた出力を発生する第２の位相
   比較回路と、前記第２の位相比較回路の出力信号から前
   記水平同期信号に対応した周波数成分を除去するノッチ
   フィルタと、前記第２の位相比較回路の出力からドロッ
   プアウトを検出して該ドロップアウト発生期間出力を発
   生するドロップアウト検出回路と、前記ドロップアウト
   検出回路の出力に応じて前記第２の位相比較回路の出力
   の該ドロップアウトによる変動分を補正するドロップア
   ウト補正回路と、前記第１の位相比較回路の出力のうち
   直流成分を除去した信号と前記ドロップアウト補正回路
   の出力とを加算しその和信号を前記可変遅延手段に供給
   する加算回路とを有することを特徴とするビデオ信号時
   間軸誤差補正回路。