JPS604853Y2 - 自動二輪車等のサイドカバ−取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車等のサイドカバー取付装置の改良に
関するものである。

従来のこの種のサイドカバー取付装置においては、サイ
ドカバーの内面にこれと直角な方向に指向する突起を突
設し、車体側のフレームまたは燃料タンク等にこれと嵌
合する側方へ開口した孔部を形成し、同孔部に前記突起
を押込んで係合することによりサイドカバーを固定して
いた。

このような構造のサイドカバー取付装置においては、サ
イドカバーの自重は前記突起と孔部との係合で支持され
るもの）、サイドカバーの面に対して直角な外側方の力
に対しては、前記突起と孔部との間に生ずる摩擦力によ
りサイドカバーは保持されているため、簡単に外れ易か
った。

またこれを改良するために燃料タンク下部に板状の突起
を設けて、サイドカバー側に前記突起と嵌合する孔を設
けたものもあったが、該嵌合孔はサイドカバー裏面に設
けられており、取付は方向からは見えず、車体前後方向
での前記突起と前記嵌合孔との位置決めは手探りで行わ
ざるを得ないため、取付けに非常に手間を要し、また前
記突起が板状であるためサイドカバーを垂直に上方へ持
ち上げて嵌合させなければならなかった。

本考案はこのような不都合を解消した自動二輪車等のサ
イドカバー取付装置の改良に係り、その目的とする処は
、燃料タンクとサイドカバーの接合面の精度を出すため
に、タンクにサイドカバーを係合する構造において、そ
の係合部の加工が容易であり、しかも組付けが簡単な取
付は装置を提供することにある。

以下第１図ないし第１・１図に図示した本考案の一実施
例について説明する。

１は自動二輪車の燃料タンクで、同燃料タンク１の後方
にシート２が配設されている。

また前記燃料タンク１の下方にはフレーム３が配設され
、同フレーム３の下部から斜後上方に指向してバックス
テー４が設けられており、燃料タンク１の後部、シート
２、フレーム３およびバックステー４で囲まれた車体側
面部が、後記サイドカバー５により覆われるようになっ
ている。

さらにサイドカバー５は略逆台形状に形成され、同サイ
ドカバー５の下辺部略中夫にロック装置６のキー操作ボ
ディ７が一体に設けられ、同キー操作ボディ７にキー操
作部材８が旋回自在に嵌装されている。

しかして前記キー操作部材８にはキーが挿入されうるキ
一孔９が設けられ、第９図および第１１図に図示される
ように、前記キー操作ボディ７とキー操作部材８との間
隙にコイルスプリング１０が介装されており、同コイル
スプリング１０のばね力によりキー操作部材８は第１１
図において反時計方向へ旋回賦勢されるようになってい
る。

前記キー操作部材８の先端にはピン１１が直角に突設さ
れている。

また前記フレーム３には、ステー１２がネジ１３により
装着され、同ステー１２に円筒状軸受部１４が予め一体
に固着され、同円筒状軸受部１４には、案内切欠き１５
が形成され、同案内切欠き１５は、時計回り螺旋方向に
指向した案内縁１６と同案内縁１６の基端側に反時計方
向へ指向した係止縁１７とを備えており、前記キー操作
部材８を円筒状軸受部１４に挿入した際に、前記ピン１
１が前記案内縁１６に案内されながら、コイルスプリン
グ１０のばね力に抗して時計方向へ旋回された後、同コ
イルスプリング１０のばね力により係止縁１７に□ピン
１１が係合されるようになっている。

さらにキー操作ボディ７の切欠き７ａには、第９図に図
示されるようにＵ字状に切欠かれた波状スプリング１８
が上方から下方人嵌装され、サイドカバー５の孔にキー
操作ボデ゛イアは旋回しないように固定される。

また円筒状軸受部１４の底部にはゴム等の弾性部材２７
が設けられており、ロック装置６のセット時（ピン１１
が係止縁１７に係合された時）にキー操作ボディ７およ
びキー操作部材８のがたが防止されるようになっている
。

また前記サイドカバー５の上方前部内面には先端が球状
の突起１９が上方へ指向して突設されており、一方燃料
タンク１の後部下端で、かつ同タンク１の側面近傍に位
置して、前部係止片２０が一体に固着され、同係止片２
０の孔２１にはゴム等の弾性体グロメット２２が嵌装さ
れており、前記突起１９は係止片２０の孔２１にグロメ
ット２２を介して嵌脱自在に係合されるようになってい
る。

さらに前記サイドカバー５の上方後端にも先端が球状の
突起２３が突設され、他方バックステー４の後方上端に
は係部係止片２４が一体に固着され、同係止片２４の孔
２５にも弾性体グロメット２６が嵌装されており、前記
突起２３は係止片２４の孔２５にグロメット２６を介し
て嵌脱自在に係合されるようになっている。

第１図ないし第１１図に図示の実施例は前記したように
構成されているので、サイドカバー５の突起２３を後部
係止片２４のグロメット２６に嵌挿し、次に同サイドカ
バー５の突起１９を前記係止片２０のグロメット２２に
嵌挿し、最後にキー操作部材８の先端を円筒状軸受部１
４に押込めば、同キー操作部材８の先端のピン１１が円
筒状軸受部１４の案内縁１６に案内されながら、コイル
スプリング１０のばね力に抗して旋回され、係止縁１７
に達した時にコイルスプリング１０の賦勢力によりピン
１１が係止縁１７に係合されてロック装置６がロックさ
れ、かくしてサイドカバー５が車体に一体に取付けられ
る。

前記サイドカバー５の取付けの際、突起１９を前記係止
片２０のグロメット２２に嵌挿するが、内部に干渉物が
あり、同サイドカバー５を斜め方向より入れなければな
らない場合でも、前記突起１９の先端部が球状なので、
どの方向からでも、何らの支障なく嵌装することができ
、またサイドカバー５側に突起１９を設けた）め、車体
前後方向の位置決めも容易にでき、取付けが容易になっ
た。

また燃料タンク１側に突起を突設するのは、向燃料タン
ク１は鋼板製であるため、加工が容易ではないが、サイ
ドカバー５側に突起１９を設けた）め、たとえば同サイ
ドカバー５を樹脂材で一体成型すれば、容易に突起１９
を形成するごとができる。

前記サイドカバー５を車体に装着後、図示されないキー
をロック装置６のキ一孔９に挿入し、コイルスプリング
１０のばね力に抗して時計方向へ旋回した後、サイドカ
バー５の下端を外方へ引き出すと、ロック装置６がアン
ロックされる。

そしてロック装置６がアンロックされた状態において、
サイドカバー５の前部を下方へ引下すと、燃料タンク１
の前部係止片２０のグロメット２２より突起１９が外さ
れる。

その後、さらにサイドカバー５を前方へ移動させると、
突起２３が後部係止片２４のグロメット２６より外され
、かくしてサイドカバー５を車体から取外すことができ
る。

このようにサイドカバー５を取外す場合には、キーを必
要とし、このキーをキ一孔９に挿入して旋回しなければ
、ロック装置６のロックをアンロックすることができな
いため、サイドカバー５およびこのサイドカバー５で覆
われる空間内の物の盗難が未然に防止される。

第１２図ないし第１３図に図示する実施例は、突起１９
．２３をそれぞれ一体戒型した樹脂材からなるサイドカ
バー５を図示したものである。

このようにサイドカバー５と一体戒型によって突起１９
．２３を形威すれば、複雑な形状でも容易に製作するこ
とができ、製作コストが低減できる。

本考案では、車体中間部の上方に燃料タンクと該燃料タ
ンクの下方より後方に向って伸びるサイドカバーを備え
た自動二輪車において、サイドカバーを着脱しようとす
る者の視野に隠されるサイドカバー内面側には、同サイ
ドカバー内面より内方へ離れて上方へ指向する先端部球
状の突起を一体に設けたため、サイドカバー着脱者はサ
イドカバーに邪魔されることなくこの突起上端部を視認
しつつ、前記燃料タンクに設けられた孔に前記突起を接
近させることができ、サイドカバーの組付けを極めて容
易に確実に遂行することができる。

また加工が容易なサイドカバー側に突起を形威し、設計
の自由度が少なく加工が容易でない燃料タンクには単に
孔を形成するだけでよいため、加工性を向上させて容易
に製作することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係る自動二輪車等のサイドカバー取付
装置の一実施例を図示した分解斜視図、第２図はその取
付は状態における側面図、第３図は第２図の■−■線に
沿って截断した縦断側面図、第４図は第２図の背面図、
第５図は第２図の前方上部の縦断正面図、第６図は第５
図のＶＩ−ＶＩ線に沿って截断した縦断面図、第７図は
ロック装置における円筒状軸受部の斜視図、第８図はそ
の展開図、第９図はロック装置の縦断側面図、第１０図
は第９図の要部平面図、第１１図は第９図のＸＩ−ＸＩ
線に沿って截断した縦断面図、第１２図は他の実施例に
おけるサイドカバーの斜視図、第１３図はその取付状態
における前方上部の横断面図である。 １・・・・・・燃料タンク、２・・・・・・シート、３
・・・・・・フレーム、４・・・・・・バックステー、
５・・・・・・サイドカバー、６・・・・・・ロック装
置、７・・・・・・キー操作ボディ、８・・・・・・キ
ー操作部材、９・・・・・・キ一孔、１０・・・・・・
コイルスプリング、１１・・・・・・ピン、１２・・・
・・・ステー、１３・・・・・・ネジ、１４・・・・・
・円筒状軸受部、１５・・・・・・案内切欠き、１６・
・・・・・案内縁、１７・・・・・・係止縁、１８・・
・・・・波状スプリング、１９・・・・・・突起、２０
・・・・・・前部係止片、２１・・・・・・孔、２２・
・・・・・弾性体グロメット、２３・・・・・・突起、
２４・・・・・・後部係止片、２５・・・・・・孔、２
６・・・・・・弾性体グロメット、２７・・・・・・弾
性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体中間部の上方に燃料タンクと該燃料タンクの下方よ
   り後方に向って伸びるサイドカバーを備えた自動二輪車
   において、前記サイドカバーの内面上部に、該サイドカ
   バー内面より内方へ離れて上方へ指向する先端部球状の
   突起を一体に設け、該突起と嵌脱自在に嵌合する孔を前
   記燃料タンクに設けたことを特徴とするサイドカバー取
   付装置。