JPS6040338Y2 - キヤブオ−バ−型自動車のシ−ト構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キャブオーバ−型自動車のシート構造に関す
る。

特に、本考案は、シートの少なくとも一部を移動させる
ことによってシート部の面積を拡張し、ベッド、荷物置
き等の多目的に使用できるようになったシート構造に関
する。

キャブオーバ−型自動車において、たとえば運転助手席
のシートを、シート部面積が拡張可能な構成にして、該
シートを多目的に使用できるようにするものが知られて
いる。

（特開昭５５−２２５５７号公報参照）この場合、シー
ト部面積の拡張は、シートの一部を移動させることによ
って行なわれるが、この移動操作を自動車の走行中に行
なったりすると、乗員に思わぬ危険を生ずる恐れがある
。

したがって、本考案の目的は、シートの少くとも一部を
移動してシート部の拡張を行なうようになったキャブオ
ーバ−型自動車のシート構造において、自動車の走行中
にはシートの移動操作が行ない得ないようにすることで
ある。

すなわち、本考案のシート構造は、シートボトムが前後
方向に移動可能にフロア部に取付けられ、前方に移動し
たシートボトムの後方空間に、シートバックの少くとも
一部を移動させて、該シートボトムと並べて配置するこ
とにより、シート部面積を拡張できるようになっており
、シートボトムとフロア部との間には、該シートボトム
を後方位置にロックするロック装置が設けれ、該ロック
装置を解除するための操作部材は、自動車扉が閉じられ
た状態ではロック解除操作ができないように配置されて
いる。

本考案においては、シートボトムを前方に動かす操作は
、扉を開いたときにのみ可能となるので、自動車走行中
のシート移動操作が防止される。

以下、本考案の一実施例を図について説明する。

第１図は、本考案を実施したキャブオーバー型自動車の
キャビン部の概略を示すもので、キャビン１は、そのフ
ロアパネル２がエンジン３及びラジェータ４の上方に位
置するように配置されている。

キャビン１内には、ステアリング装置５及び変速レバー
６が通常の通り配置され、フロアパネル２は変速レバー
６の後方で段状に高くなってシート取付部２ａを構成し
ている。

シート取付部２ａにおいて、フロアパネル２にはエンジ
ン点検用量ロアが形成され、該開ロアを覆うように、フ
ロアパネル２にはエンジンカバー８が開閉自在に取付け
られる。

エンジンカバー８は、後縁からフロアパネル２にヒンジ
８ａにより取付けられ、前縁にはロック用フック９が設
けられ、このフック９に、フロアパネル側のロック装置
１０が係合スる。

エンジンカバー８上には、第２図に示す構成のシート１
１が取付けられる。

このシート１１は、シートボトム１２とシートバック１
３とからなり、シートバック１３は、上下に２分割され
てアッパーシートバック１３ａとロワーシートバック１
３ｂにより構成される。

シートボトム１２は、前後に移動自在に取付けられる。

この目的で、シートボトム１２とエンジンカバー８との
間には適当なレール機構が設けられる。

エンジンカバー８上には、その後端付近の両側に、シー
トバックヒンジブラケット１９が取付けられ、このブラ
ケット１９にはシートバックフレーム３４の下端が、ヒ
ンジピン３５により、前後方向傾動自在に取付けられる
。

アッパーシートバック１３ａは、シートバックフレーム
３４の上端に固定され、該アッパーシートバック１３ａ
の後面には、シートバック１３をキャビン１の後壁にロ
ックするためのロック装置３６が設けられている。

ロワーシートバック１３ｂは、ロック装置３７により、
切り離し自在にシートバックフレーム３４に取付けられ
ている。

したがって、シートボトム１２を前方に移動させ、該シ
ートボトム１２の後方にロワーシートバック１３ｂを並
置することにより、シート部の面積を拡張することがで
きる。

シートボトム１２を後方位置にロックするために、ロッ
ク機構が設けられる。

このロック機構は、シートバックヒンジブラケット１９
の一方に設られたロック解除用操作ロッド２０を包含す
る。

また、エンジンカバー８上にはロックブラケット２１が
取付けられ、このロックブラケット２１上に、フック２
３が、垂直ピン２２より水平面内で回転自在なように取
付けられる。

ブラケット２１上にはガイデピン２４が植設され、この
ガイドピン２４に操作部材２６がスロット２５を介し係
合する。

操作部材２６は、操作ロッド２０の末端に固定されてい
る。

第５図に示す図に示すように、ブラケット２１に設けた
耳部２１ａとフック２３との間にスプリング２７が張設
され、該フック２３は、第５図において反時計方向に付
勢される。

フック２３は、先端にフック溝２３ａを有し、このフッ
ク１２３ａがシートボトム１２のフレーム１５に植設し
たピン２８に係合し、シートボトム１２を後退位置にロ
ックする。

操作部材２６は、フック２３側に突出する爪部２９を有
し、第５図において左方に引かれたとき、フック２３の
後端の直立耳部２３ｂに、該爪部２９が係合して、フッ
ク２３をスプリング２７の力に抗して時計方向に回動さ
せ、フック２３をピン２８との係合から外す。

操作ロッド２０は、スプリング３０により、第５図の右
方向に付勢され、常時は爪部２９はフック２３から離れ
て位置する。

第４図に示すように、フック２３及びピン２８は、左右
に離れて２個設けられ、これらのフック２３は互に連動
するようにワイヤー３１により連結されている。

第６図に示すように、フック部材２３の先端のフック溝
２３ａは、この後側の縁に、前方に突出するカム状突起
３２を有する。

このため、操作部材２６によりフック２３が時計方向に
回動させられてフックＲ２３ａからピン２８が離脱する
とき、ピン２８はカム状突起３２により前方に押される
。

したがって、シートボトム１２も前方に押し出され、そ
の状態で操作ロッド２０を放して、フック２３がスプリ
ング２７の作用によりロック位置に戻されても、ピン２
８はフック１２３ａに係合せず、フック溝２３ａより前
方のフック先端部に当るため、シートボトム１２を前方
に押して移動させることが可能になる、この構造は、操
作ロッド２０を引きながら同時にシートボトム１２を前
方に押さねばならないちいう従来のロック機構の不便を
解消できる利点を持つ。

フック２３の先端にはフック機構２３ａの側に傾斜縁３
３が形成されており、シートボトム１２が後退させられ
たとき、ピン２８がこの斜面３３に当って、フツり２３
ご反時計方向に回動させる。

したがって、シートボトム１２が、後退位置に動かされ
たとき、ピン２８は自動的にフック２３のフック溝２３
ａに係合する。

第５図に示すように、シート１１の側方に位置する扉５
６は、操作用ロッド２０と対向する位置にあり、扉５６
が閉じた状態では、操作用ロッド２０の先端が該扉５６
と干渉して、操作用ロッド２０を図に想像線２０ａで示
すロック解除位置まで引けないように配置されている。

したがって、扉５６を閉じたままでは、シートボトム１
２を前方へ動かす操作ができない。

自動車の走行中には、扉５６は閉じた状態に維持される
ので、上述の配置により、走行中のシートの移動操作が
阻止され、乗員の危険が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシート構造を備えたキャブオーバ−型
自動車のキャビン部を示す断面図、第２図はシート構造
の一例を示す斜視図、第３図は第２図のシート構造を移
動状態で示す斜視図、第４図はシートボトム部の平面図
、第５図はシートボトムロック機構の平面図、第６図は
フック部を示す平面図、第７図は第５図のロック機構の
斜視図である。 １・・・・・・シート、１２・・・・・・シートボトム
、１３・・・・・・シートバック、１３ａ・・・・・・
アッパーシートバック、１３ｂ・・・・・・ロワーシー
トバック、２０・・・・・・操作ロッド、２３・・・・
・・フック、２８・・・・・・ロックピン、５６・・・
・・・扉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロア部に前後方向移動自在に配置されたシートボトム
   と、シートボトムの後方に位置するシートバックとから
   なるキャブオーバ−型自動車のシート構造において、前
   方に移動したシートボトムの後方空間にシートバックの
   少なくとも一部を移動させて該シートボトムと並べて配
   置できるようになっており、前記シートボトムとフロア
   部との間に該シートボトムを後方位置にロックするロッ
   ク装置が設けられ、該ロック装置の解除を行なう操作部
   材が前記シート側部と自動車扉との隙間内に、その操作
   方向が自動車扉と衝合する方向に向けて突設されており
   、該自動車扉が閉状態にあるときには、前記操作部材の
   軌道と、前記扉が干渉することにより前記ロック装置の
   解除操作が不能になったことを特徴とするキャブオーバ
   −型自動車のシート構造。