JPS6033771Y2 - 農用牽引車における田植機のリフト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は乗用型の農用牽引車の後部に田植機を装着し
てこれを上下動するリフト装置に関するものである。

従来、実開昭５５−３１７１４号公報に示された通り、
走行用のギヤーボックスの前側上部にエンジンを、左右
両側に前輪を設け、その上に操縦用のバンドルと後側上
部に操縦座席を設け、ギヤーボックスの左右両側に後方
下方に向うチェンケースを設けて、これに後輪を装着す
る乗用型の農用牽引車は公知であった。

しかし、この農用牽引車の後側にリンク機構で田植装置
を上下動可能に設けるとき、このリンク機構を作動する
油圧シリンダ装置はチェンケースの高さよりも上側位で
前後方向に横設する構成になっていた。

ところが、この従来装置の場合、確かに油圧シリンダー
装置を泥水上から守るにあたっては全体がチェンケース
よりも高い位置にあるために有効であったが、それだけ
機体重心が高位になることと、田植機の上下作動時に油
圧シリンダーが上下に揺動するために、伝動装置やその
他の部材に油圧シリンダ装置が邪魔にならないように配
設しなければならずメンテナンスが悪くなる欠点があっ
た。

この考案は、上記の従来装置のもつ欠点を解消すること
を目的とし、次の技術的手段を講じた。

即ち、この考案は、 １ギヤーボツクス１の前側にエンジン台２を取付けてそ
の上にエンジン３を搭載し、ギヤーボックス１の左右両
側にバンドル５で操向されると共に伝動回転される前輪
２８．２８を設け、ギャーボックス１の後側上部に運転
座席７を架設し、後輪３２．３２をギヤーボックス１の
左右両側に基部を固着されて後方下方へ長く延ばされた
チェンケース３０．３０の後端側に軸承した農用牽引車
において、この農用牽引車の前記チェンケース３０．３
０の前後方向中間部上方に基部が枢着されて後方へ延び
るリンク１０．１１を介して田植装置９を装着し、この
リンク機構を回動して田植装置９を上下動ならしめる油
圧シリンダー装置１２を、前方下部から後方上方へ向け
て前記チェンケース３０．３０と側面視で交錯する状態
に配設して油圧シリンダーの下端部側が前記チェンケー
ス３０．３０で側面遮へいされ、油圧ピストンの先端側
がチェンケース３０．３０よりも上方へ突出するよう構
成してなる農用牽引車における作業機のリフト装置ヨの
構成とした。

この考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明すると、
第１図において、車体のほぼ中央部には、ギヤーボック
ス１が設けられ、このギヤーボックス１の前方にはエン
ジン台２が延出され、このエンジン台２上にエンジン３
が搭載されている。

前記ギヤーボックス１上方には、運転席４が設けられ、
この運転席４にはバンドル５、チェンジレバー６および
座席７が具備されている。

前記座席７は垂直リンクフレーム８の上端に固着され、
リンクフレーム８には田植装置９を昇降可能に車体に連
結するための１０．１１が枢着され、リンク１１の基端
部には油圧シリンダ装置１２の先端が取付けられ、その
基端は前記ギヤーボックス１の後部に取付けられている
。

そして、前記田植装置９は、田面に接するフロート１３
、このフロート１３の後部上方に設けられる植付体１４
、および前方に傾斜して設けられ、左右に往復移動する
ようにした苗載せ台１５等からなっている。

前記ギヤーボックス１の前部に形成された鼻部１ａには
、第２図に示すようにステアリング軸１６の下端が挿入
され、ステアリング軸１６の下端には、ステアリングピ
ニオン１７が固着され、このピニオン１７はステアリン
グギヤー１８に噛合し、このステアリングギヤー１８は
ステアリングシャフト１９に固着され、シャフト１９の
上下端は鼻部１ａ内に回動自在に支持されている。

前記ステアリングシャフト１９の下部には左右に突出す
るステアリングアーム２０が固着され、このアーム２０
にサイドクラッチロッド２１の一端が固着され、その他
端はサイドクラッチアーム２２の一端に固着され、アー
ム２２の他端はシャフト２３に固着されている。

このシャフト２３にはシフタ２４が固着され、シフタ２
４がバンドル５の動きに応じて左右に移動すると、エン
ジン３からの駆動力が後輪駆動軸２５に伝導されたり、
切られたりする。

前記ギヤーボックス１の本体の前後には、前輪駆動軸２
６および後輪駆動軸２５が適宜の間隔を配して配設され
、前記前輪駆動軸２６は、ギヤーボックス１の側部から
左右の突出し、この前輪駆動軸２６はキングピン軸２７
に連結され、このキングピン軸２７の下端に前輪２８が
支持され、前輪駆動軸２６のギヤーボックス外突出部分
およびキングピン軸２７はファイナルケース２９に収納
支持されている。

前記後輪駆動軸２５の両端部はギヤーボックス１の左右
後部に固着され、門型に配置されたチェノケース３０．
３０内に挿入され、その挿入端にスプロケット３１が固
着され、チェンケース３０．３０の後端部に後輪３２．
３２が支持されている。

そして、この左右のチェンケース３０，３０と前記油圧
シリンダ装置１２とが側面視で交錯する状態にあり、シ
リンダの基部側は該左右のチェンケース３０．３０で遮
へいされ、ピストン先端はチェンケース３０．３０の上
縁よりも上方へ突出るよう構成されている。

前記両部動軸２５．２６間の中央上方位置には入力軸２
２が配設され、これら３軸２５，２６゜３３はほぼ正三
角形をなすような位置に設けられている。

前記入力軸３３に変速機構が取付けられ、この変速機構
は、変速レバー６、サイドクラッチ軸３４、クラッチシ
ャフト３５およびこシャフト３５上の各種変速歯車の位
置を移動せしめるためのシフタ３６等からなっている。

そして、入力軸３３の端部には従動プーリ３７が取付け
られ、この従動プーリ３７とエンジン３の駆動プーリ３
８間は無端伝導ベルト３９で連結され、ベルト３９の中
間にはテンションプーリ４０が当接されている。

したがって、エンジン動力は駆動プーリ３８から従動プ
ーリ３７を経て入力軸３３に入力され、この入力軸３３
の回転は変速機構を介して前輪駆動軸２６および後輪駆
動軸２５に伝達される。

なお、変速レバー６と並設されているレバーは株間レバ
ー４１であり、その下端は株間シフタ４２に係合してい
る。

以上述べた実施例の通り、田植装置９を牽引車にリンク
１０．１１で装着して、これを上下動ならしめ油圧シリ
ンダ装置１２が左右のチェノケース３０．３０間でその
シリンダの基部側が側面視において遮へいされ、チェン
ケース３０．３０と側面視で交錯される構成であるため
に機体の重心が従来装置に比較して下がり、しかもシリ
ンダ装置の長さ全体が前後方向で上下動しないために他
の部品等に干渉する度合が少なくてメンテナンスが良好
となり、しかもピストン先端側がチェンケース３０．３
０の上縁よりも突出する構造であるためにリンクとの組
付は等には何ら支障がない。

以上、この考案は前記の構成としたから、油圧シリンダ
装置がチェンケースの上側で前後方向に横倒し状になつ
いるものに比べて車体の重心を下げ得ると共に、田植装
置を上下作動するときに油圧シリンダ装置が回動しても
、チェンケース内に前後方向に回動する構造となるため
チェンケースに沿った状態で回動するものに比較して他
の部材に干渉する度合が少なくなりメンテナンスが良好
となるほか、油圧シリンダ装置のピストン先端はチェン
ケース上縁よりも上方へ突出するためにリンク機構側へ
の組付けや分解作業を容易にできる作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示したもので、第１図は側
面図、第２図はギヤーボックスの側断面図、第３図はギ
ヤーボックスの伝動軸の関係位置を示した側断面面図で
ある。 図中記号、１はギヤーボックス、２はエンジン台、３は
エンジン、７は運転座席、９は田植装置、１０．１１は
リンク、１２は油圧シリンダ装置、２Ｂは前輪、３０は
チェンケース、３２は後輪を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ギヤーボックス１の前側にエンジン台２を取付けてその
   上にエンジン３を搭載し、ギヤーボックス１の左右両側
   にバンドル５で操向されると共に伝動回転される前輪２
   ８．２８を設け、ギヤーボックス１の後側上部に運転座
   席７を架設し、後輪３２．３２をギヤーボックス１の左
   右両側に基部が固着されて後方下方へ長く延ばされたチ
   ェンケース３０．３０の後端側に軸承した農用牽引車に
   おいて、この農用牽引車の前記チェンケース３０．３０
   の前後方向中間部上方に基部が枢着されて後方へ延びる
   リンク１０．１１を介して田植装置９を装着し、このリ
   ンク機構を回動して田植装置９を上下動ならしめる油圧
   シリンダ装置１２を、前方下部から後方上方へ向けて前
   記チェンケース３０．３０と側面視で交錯する状態に配
   設して油圧シリンダーの下端部側が前記チェンケース３
   ０．３０で側面遮へいされ、油圧ピストンの先端側がチ
   ェンケース３０．３０よりも上方へ突出するように構成
   してなる農用牽引車における作業機のリフト装置。