JPS6033294Y2 - 内燃機関における排気浄化用等の二次空気通路の接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 （１）産業上の利用分野 本考案は内燃機関において、機関本体のシリンダヘッド
とへラドカバー間に跨って形成される、排気浄化用等の
二次空気通路の接続装置に関する。

（２）従来の技術 シリンダヘッドと、そのシリンダヘッド上に着脱可能に
結合されるヘッドカバーとにそれぞれ排気浄化用等の二
次空気通路を形成し、それらの二次空気通路の相対向す
る開口端間を中空円筒状接続部材を介して接続し、シリ
ンダヘッドからヘッドカバーを分離した際には、前記接
続部材が常にシリンダヘッド側に残存するようにして、
前記接続部材の脱落、紛失の惧を解消するとともに組立
等の作業性を向上させるようにしたものが従来より知ら
れている（実開昭５２−１４３５１７号公報参照）。

（３） 考案が解決しようとする問題点前記従来のも
のでは、ヘッドカバー分離時に接続部材を常にヘッド側
に残存させるために、接続部材の下端をシリンダヘッド
側の二次空気通路の開口端に直接圧入して固定している
ので、■その圧入固定手段の採用によりそれだけ組立が
面倒となりコストが嵩む、◎一旦圧入した接続部材をシ
リンダヘッドより再び取外すことが容易でなく、それら
の間に介装したシール部材の交換が面倒である、０接続
部材の肉厚分だけ二次空気通路開口端の有効通路面積が
減少する、等の不具合がある。

本考案は、前記従来のものの不具合を生じることなく接
続部材をシリンダヘッド側に保持できるようにした、内
燃機関における排気浄化用等の二次空気通路の接続装置
を提供することを目的とする。

Ｂ 考案の構成 （１１問題点を解決するための手段 前記目的を遠戚するために本考案は、シリンダヘッド側
の二次空気通路の開口端には第１の接続凹部が、また前
記へラドカバー側の二次空気通路の開口端には前記第１
の接続凹部よりも小径の第２の接続凹部がそれぞれ形成
され、前記接続部材は、前記第１の接続凹部にＯＩＪン
グを介して嵌合する大径部と、前記第２の接続凹部にＯ
リングを介して嵌合する小径部とを両端に有する、段付
の中空円筒状に形成されることを特徴としている。

（２）作用 接続部材の大径部とシリンダヘッド側の大径の第１接続
凹部との間に作用する、大径のＯＩＪソングよる摩擦抵
抗力は、同接続部材の小径部とへラドカバー側の小径の
第２接続凹部との間に作用する、小径のＯリングによる
摩擦抵抗力よりも当然に大きくなるから、ヘッドカバー
をシリンダヘッドから分離した際には接続部材を常にシ
リンダヘッド側に残存、保持させることができる。

接続部材の小径部および大径部は、両二次空気通路の開
口端に直接嵌合するのではなく、それら開口端に設けた
接続四部に嵌合するから、その嵌合に起因した前記開口
端の有効通路面積の減少を最少限に抑えることができる
。

ヘッドカバーの分離時において、シリンダヘッド上に突
出する接続部材の小径部に万一外力が作用しても、その
外力を、接続部材大径部と第１接続凹部との比較的広い
嵌合面で無理なく受止めることができる。

（３）実施例 以下、図面により本考案を自動二輪車用内燃機関に実施
した１実施例について説明すると、第１図において自動
二輪車Ｖの車体フレームＦ上部には燃料タンクＴおよび
シートＳが支承され、またその前、後には前、−後車輪
Ｗｆ、Ｗγが支承されており、それらによって囲まれる
空間Ｃ内において、車体フレームＦには後車輪Ｗγの駆
動用内燃機関Ｅが搭載されている。

第２図において機関本体１のシリンダヘッド２には、そ
の後半部にピストン３上の燃焼室４に連通ずる吸気ポー
ト５が、またその前半部に前記燃焼室４に連通ずる排気
ポート６が形成され、前記吸気ポート５は、機関本体１
の後面に開口し、また排気ポート６は、機関本体１の前
面に開口している。

吸気ポート５には機関本体１の後方に配設されるキャブ
レタ７、エアクリーナ８等の吸気系が接続され、また前
記排気ポート６には排気管９、マフラー１０等の排気系
が接続され、マフラー１０の途中には排気浄化用触媒コ
ンバータ１１が介装されている。

またシリンダヘッド２には通常のように吸、排気ポート
５． ６の、燃焼室４側開口端を開閉する、吸、排気弁
１２．１３が設けられ、それらは弁ばね１４と動弁機構
１５との協働によって開閉作動される。

前記シリンダヘッド２の上部には、パツキン材１６を介
してヘッドカバー１７が被着されている。

ヘッドカバー１７の上面には、排気脈動正６動式のリー
ド弁装置りが設けられる。

リード弁装置りの弁面１８は、取付ボルトｂによりヘッ
ドカバー１７の上面左右中央部に形成した取付面１９上
にパツキン２０を介して固着されている。

弁面１８内には左右一対のり−ド弁２１が並設され、そ
れらのリード弁２１の上方にはそれらに対応する左右の
上流室２２が形成・され、また各リード弁２１の下方に
はそれらに対応する左右の下流室２３が形成されている
。

各リード弁２１の弁座体２４は、断面コ字状の耐熱弾性
パツキン材２５を介して弁面１８に支持され、各弁座体
２４には第４，５図に示すように弁孔２６が穿設され、
各弁孔２６を介して各上流室２２と各下流室２３とが連
通されている。

各弁座体２４の、前記下流室２３に対面する下面にはリ
ード座面２７が形成され、このリード座面２７に、前記
各弁孔２６をそれぞれ開閉し得るリード２８が重合され
、さらにその上にこのリード２８の開度を制限するリー
ドストッパ２９が重合され、それらリード２Ｂおよびリ
ードストッパ２９の基端は弁座体２４に止めねじ３０に
よって止着される。

弁面１８には左右の上流室２２に通じる流入口３１が開
口される。

左右の上流室２２を区画する隔壁３２の自由端縁３２′
は先細り状に形成されて前記流入口３１の中心部に臨ん
でおり、この隔壁３２の先細り状端縁３２′と、弁面１
８の壁面とによって、前記流入口３１を左右の上流室２
２に分岐連通させる分岐路３４１．３４゜が形成される
。

そして流入口３１からの二次空気は前記分岐路３４１．
３４□によって分けられ左右の上流室２２に分流される
。

前記流入口３１には、オリフィス５０を設けた接続管４
０を介して二次空気導入管３５が接続され、この二次空
気導入管３５は、その途中に空気制御弁３６を介して前
記エアクリーナ８の空気清浄室内に連通されている。

前記空気制御弁３６は従来公知のもので、内燃機関Ｅの
運転時に吸気系内の吸気負圧に応動して開閉される。

前記へラドカバー１７には、その前面に沿ってそれと一
体に２本の第２二次空気通路３７が形成され、これらの
通路３７は排気ポート６に向ってそれぞれ延びている。

各第２二次空気通路３７の上端は下流室２３の流出口３
３に連通され、その下端は、前記へラドカバ−１７の下
面に開口している。

またシリンダヘッド２には、その上面に開口し排気ポー
ト６に連通ずる第に次空気通路３８が形成される。

第１二次空気通路３８の開口端には円筒状の大径の接続
凹部４３が形成され、また第２二次空気通路３７の開口
端には小径の接続凹部４６が形成される。

前記大径および小径の接続凹部４３．４６は後に詳述す
る接続部材３９を介して接続され、排気ポート６内に生
じる排気脈動圧によって生じる吸引力はリード弁２１を
開閉し、上流室２２内の二次空気を、第２、第に次空気
通路３７．３８を通して排気ポート６内に導入する。

而して前記第２．第に次空気通路３７，３８は略等径に
形成される。

前記接続部材３９は鉄材にダクロ被膜等の耐熱、耐酸性
被膜を施してなる材料により基端に大径部４２を、先端
に小径部４５を有する段付の筒状に形成される。

接続部材３９の大径部４２は、シリンダヘッド２側の第
１二次空気通路３８の開口端の、前記大径の接続凹部４
３にＯリング４４を介して気密状に嵌合され、また接続
部材３９の小径部は、ヘッドカバー１７側の第２二次空
気通路３７の開口端の、前記小径の接続凹部４６にＯリ
ング４７を介して気密状に嵌合され、結局第１．第２空
気通路３８．３７は、シリンダヘッド２にヘッドカバー
１７を組付けた際に接続部材３９を介して気密に接続さ
れる。

そして接続部材３９は、シリンダヘッド２に対するヘッ
ドカバー１７の組付時の案内部材にもなる。

ところで第７図において大径のＯリング４４の大径の接
続凹部４３に対する摩擦抵抗力Ｆ工は、 １１２１ｍ °ｐ１′１ｔ１′′１１°°°°°°（１
）但し、μｍ ：０リング４４の大径の接続凹部４３に
対する摩擦係数 ｐ□：Ｏリング４４を潰した際の大径の接続凹部４３に
対する面圧 ｔｉ：０１Ｊング４４の断面上の接触幅 １１：Ｏリング４４の外径長さ、 一方小径の０１Ｊング４７の小径の接続凹部４６に対す
る摩擦抵抗力Ｆ２は、 Ｆ２＝μ２ °ｐ２ ” ｊ２°１２°−−−−−（２
＞但し、μｍ：０’Ｊング４７の小径の接続凹部４６に
対する摩擦係数 Ｆ２：０リング４７を潰した際の小径の接続凹部４６に
対する面圧 ｔ２二〇リング４７の断面上の接触幅 １゜：Ｏリング４７の外径長さ ところで二つのＯリング４４，４７は何れも同び材料で
、略同じ直径に形成されているので、 μｍ＝μ２ ？ ｐｔ”：ｐ２ｖ ｊ１＝：＝ｊ２とな
り、１□〉１□となるので、Ｆｌ＞Ｆ２となり接続部材
３９は、小径の接続凹部４６からよりも大径接続凹部４
３からの方が抜けにくくなる。

したがってヘッドカバー１７をシリンダヘッド２から分
離したとき、接続部材３９はシリンダヘッド２側に必ら
ず残存することになる。

前記へラドカバ−１７の、第２二次空気通路３７の背面
側には、その通路３７を囲むように空隙４８が形成され
、前記二次空気通路３７の外周壁の前部には第６図に示
すように冷却フィン４９が一体的突設されており、その
二次空気通路３７が有効に冷却されるようになっている
。

次に上記のように構成される本発明の１実施例の作用に
ついて説明する。

いま内燃機関が運転されると、排気ポート６に排気脈動
圧が発生し、この脈動圧は第に二次空気通路３８、接続
部材３９および第２二次空気通路３７を通って一対のリ
ード弁２１に達してそれらを開弁し、さらに機関Ｅの運
転による空気制御弁３６の開弁でエアクリーナ８内の清
浄空気の一部を、二次空気導入管３５を通して弁面１８
内の上流室２２に導き、さらに各リード弁２１の弁孔２
６を通って下流室２３内に流入させ、そこより各第２二
次空気通路３７、接続部材３９および第に二次空気通路
３８を通して各排気ポート６に導入する。

而して弁面１８の流入口３１と二次空気導入管３５とを
接続する接続管４０にはオリフィス５０が介在されて、
リード弁装置りよりも上流側で空気流量が調整され、ま
た第１．第２二次空気通路３８．３７は、その全長に亘
って略等径に形成されるので、リード弁装置りよりも下
流側では、略定流量の二次空気が流動し、排ガスの脈動
圧の減衰を最小限に止め、リード弁２１が確実に開弁さ
れる。

各排気ポート６内の導入二次空気は排ガス内に混入し、
排気ポート６および排気管９内において排ガス中に混在
するＨＣ，ＣＯ等の未燃有害成分を酸化させる。

さらに二次空気の混入した排ガスはマフラー１０内に流
入し、そこに内蔵される触媒コンバータ１１の反応を促
進し、その中の未燃有害成分を最終的に浄化した後大気
に放出される。

Ｃ考案の効果 以上のように本考案によれば、シリンダヘッド２側の二
次空気通路３８の開口端には第１の接続凹部４３が、ま
たへラドカバー１フ側の二次空気通路３７の開口端には
前記第１の接続凹部４３よりも小径の第２の接続凹部４
６がそれぞれ形成され、接続部材３９は、前記第１の接
続凹部４３にＯリング４４を介して嵌合する大径部４２
と、前記第２の接続凹部４６にＯリング４７を介して嵌
合する小径部４５とを両端に有する、段付の中空円筒状
に形成されるので、接続部材３９の大径部４２とシリン
ダヘッド２側の大径の第１接続凹部４３との間に作用す
る、大径のＯリング４４による摩擦抵抗力を、同接続部
材３９の小径部４５とへラドカバー１フ側の小径の第２
接続凹部４６との間に作用する。

小径のＯリング４７による摩擦抵抗力よりも大きくする
ことができ、従って接続部材３９をシリンダヘッド２に
圧入その他の固着手段により特別に固着せずとも、前記
大径のＯリング４４による摩擦抵抗力をそのまま利用し
て、；ヘッドカバー１７分離時には接続部材３９を常に
シリンダヘッド２側に残存させることができ、接続部材
３９の取付構造が著しく簡素化されると共にその取付作
業能率が向上し、しかも接続部材３９のシリンダヘッド
２からの取外しも容易である１からＯＩＪング４４の点
検、交換作業も簡単迅速に行い得る。

またヘッドカバー１７の分離時において、シリンダヘッ
ド２上に突出する接続部材３９の小径部４５に万一外力
が作用しても、その外力を、接続部材３９の大径部４２
と第１接続凹部４３との広い嵌合面で無理なく受止める
ことができるから、接続部材３９に対する支持が安定す
る。

さらに前記接続部材３９の小径部４５及び大径部４２は
両二次空気通路３７．３８の開口端に直接嵌合するので
はなく、それら開口端に設けた前記接続凹部４６，４３
に嵌合するから、その嵌合に起因した前記開口端の有効
通路面積の減少を最少限に抑えることができ、二次空気
通路３７，３８を通過する二次空気の円滑な流動を該接
続部材３９が阻害する心配はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えた自動二輪車の側面図、第２
図はその走行用内燃機関の頭部の拡大縦断側面図、第３
図は第２図の一部破断平面図、第４図はリード弁装置の
横断平面図、第５図は第４図■−■線に沿う断面図、第
６図は第２図ＶＩ−ＶＩ線に沿う断面図、第７図は第２
図の一部の拡大図である。 ２・・・・・・シリンダヘッド、１７・・・・・・ヘッ
ドカバー、３７・・・・・・第２二次空気通路、３８・
・間第に二次空気通路、３９・・・・・・接続部材、４
２・・・・・・大径部、４３・・・・・・大径の接続凹
部、４４・・・・・・０１Ｊング、４５・・・・・・小
径部、４６・・・・・・小径の接続凹部、４７・・・・
・・Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関のシリンダヘッド２と、そのシリンダヘッド２
   上に着脱可能に結合されるヘッドカバー１７とにそれぞ
   れ排気浄化用等の二次空気通路３８．３７を形成し、そ
   れらの二次空気通路３８゜３７の相対向する開口端間を
   接続部材３９を介して接続してなる、内燃機関における
   排気浄化用等の二次空気通路の接続装置において、前記
   シリンダヘッド２例の二次空気通路３８の開口端には第
   １の接続凹部４３が、また前記へラドカバー１フ側の二
   次空気通路３７の開口端には前記第１の接続凹部４３よ
   りも小径の第２の接続凹部４６がそれぞれ形成され、前
   記接続部材３９は、前記第１の接続凹部４３にＯリング
   ４４を介して嵌合する大径部４２と、前記第２の接続凹
   部４６にＯＩＪソング７を介して嵌合する小径部４５と
   を両端に有する、段付の中空円筒状に形成されることを
   特徴とする、内燃機関における排気浄化用等の二次空気
   通路の接続装置。