JPS6033060Y2 - クラッチリリ−ズ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クララチリリーズ装置に関するものである。

□従来、クララチリリーズベアリングが円弧状の軌
跡を描きながら回動するリリニズフォークによって押圧
され、ミッションフロン”トカバーの軸受上部を摺動し
てクララ手の係脱養行うクララチリリーズ装置において
は、′クラ′／４−ペダルの踏み込みにより回動するリ
リーズフォークは、これと係合したクララチリリーズベ
アリングを、クラッチのダイヤフラムスプリングの弾発
力に抗して、円弧を描きながら押圧するため、該クララ
チリリーズベアリングに内装されたスリーブが、ミッシ
ョンフロントカバーの軸受部に対し、片当りしながら摺
動することになり、ミッションフロントカバーがアルミ
ニウム合金材で製造されていた場合ハ、該ミッションフ
ロントカバーの軸受部の摩耗が著しく多くなるとともに
、特にこの付近はクラッチ板の摩擦熱で高温になるため
、前記摩耗して形威された間隙部分にクラッチ板の摩耗
粉末が侵入して焼付き、クララチリリーズベアリングが
摺動できなくなるという欠点があった。

本考案は、かかる点に鑑みてなされたもので、リリーズ
フォークの円弧状の回動に伴ないクララチリリーズベア
リングに内装されたスリーブがミッションフロントカバ
ーに対し片当りしながら摺動することによるミッション
フロントカバーの軸受部の摩耗、焼付きを防止したクラ
ラチリリーズ装置を提供することを目的とする。

本考案は、上述した如きクララチリリーズ装置において
、ミッションフロントカバーの軸受部に、軸方向に対し
て傾斜した割り溝を設けたブツシュを回動自在に外嵌し
、°該ブツシュ上をクララチリリーズベアリングのスリ
ーブが摺動自在であることを特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第４図において、１はミッションフロントカ
バーで、円筒状の軸受部２が突設されている。

軸受部２の外周には環状凹部３が形威さ′れ、゛環状凹
部３内に可撓性のブツシュ４が、軸受部２の外周面と面
一になるように回動自在に嵌合されている。

ブツシュ４には軸方向に対し所定角度θだけ傾斜した割
り溝５が形成されている（第５図参照）。

ブツシュ４を環状凹部３の組付けるには、ブツシュ４の
割り溝５を若干量いて軸受部２に押入すればよい。

６は円弧状の軌跡を描きながら回動するリリーズフオー
クで、左右中心線上の所定位置に係合凹部が凹設されて
いる。

８はミッションフロントカバー１から突設された突出ピ
ンで、先端の半球状部分９が係合凹部７に係合し、リリ
ーズフォーク６が前後方向（第１図において左右方向）
に回動する際の回動の中心Ｏになっている。

１は線ばねで、突出ピン８を係合凹部７から離脱しない
ように付勢している。

リリーズフオーク６のフォーク部１２．１２は横断面Ｕ
字状で、その外側に沿うようにベアリングケース１３の
取付部１１が嵌着されている。

そのベアリングケース１３に固着されたスリーブ１５が
、ミッションフロントカバー１の軸受部２に摺動自在に
外嵌されている。

クララチリリーズベアリング１４の内輪１６は前方に若
干突出した環状の縁部１７が形成され、その前端縁が常
時ダイヤプラムスプリング１８に均等に当接している。

１９はクラッチペダル（図示省略）と連係するりリーズ
フォーク６の作用部、２０はダストカバー、２１はドラ
イブシャフトである。

次に、上記装置の動作について説明する。

先ず、クラッチペダルを踏み込むと、リリーズフォーク
６の作用部１９にＡ方向（第１図参照）に押圧力が作用
し、突出ピン８を中心Ｏとしてリリーズフォーク６はダ
イヤフラムスプリング１８の弾発力に抗して回動する。

すなわち、ベアリングケース１３に形成した取付部１１
と、リリーズフオーク６のフォーク部１２．１２との接
点は第６図ａ、 ｂにおいて、Ｐ２位置からＰ１位置に
円弧状に回動する。

このようにリリーズフォーク６がリリーズベアリング１
４を円弧状に押圧するため、その押圧力は、クララチリ
リーズベアリング１４を前方（左右方向）へ摺動させよ
うとする力Ｆ１と、リリーズベアリング１４のスリーブ
１５が片当りによってブツシュ４を押圧する力Ｆ２トニ
分散される。

ところがブツシュ４には割り溝５が軸線方向に傾斜して
設けられているため、力Ｆ１とＦ２とにより、ブツシュ
４には捩り作用が働き、ブツシュ４は第５図に示したよ
うな回転方向Ｂに回転する。

クララチリリーズベアリング１４が前方へ摺動し、その
突縁部１７によりダイヤプラムスプリング１８が押圧さ
れると、クラッチ板（図示せず）の係合が外れ、クラッ
チは切れる。

続いて、シフトの切換えが終了してクラッチを入れるた
めに、クラッチペダル（図示せず）の踏み込みを解放す
ると、ダイヤプラムスプリング１８の弾発力により、ク
ララチリリーズベアリング１４が後方（第１図右方向）
に摺動し、その結果、リリーズフオーク６は第１図右方
向と反対の方向に回動してＰ□位置からＰ２位置に回動
する。

このとき、ダイヤプラムスプリング１８はクララチリリ
ーズベアリング１４の環状突縁部１７を均等な力で押圧
するとともに、クララチリリーズベアリング１４を前方
へ押圧ようとする力がほとんど作用しないため、クララ
チリリーズベアリング１４はブツシュ４に対して片当り
することがない。

すなわち、ブツシュ４には上述のような力Ｆ２が生じな
いため、ブツシュ４は上述の回転方向Ｂと反対方向に回
転することはない。

したがって、ブツシュ４は、クラッチが切られる作動を
するとき、すなわち、クララチリリーズベアリング１４
が前方へ移動するとのみ回転するから、スリーブ１５に
対して常に同一面で当接するということはなくなり、ブ
ツシュ４の同一部分の摩耗を低減できる。

上記ブツシュ４の材料として、含油プラスチック（例え
ば、住友電工製、ガンプラ）を使用すると、従来塗布さ
れていたグリースが不要になり、その可撓性のために軸
受部２に形成した環状凹部３への組付けが容易になる。

また、ブツシュ４は金属製であっても良いのは言うまで
もなく、この場合肉厚が薄く弾性を有する金属材料であ
れば、上記実施例と同様、９組付けが容易であるが、肉
厚が厚く弾性を有しない材料であれば、第７図に示すよ
うな構造にする必要がある。

すなわち、ミッションフロントカバー１の軸受部３１の
外周ニプッシュ３２を回動自在に外嵌し、スナップリン
グ３３を軸受部３１に嵌め込んでブツシュ４の離脱を防
止するストッパーとして作用させるものである。

本考案は、上記のように、ミッションのフロントカバー
の軸受部に回動自在に外嵌したブツシュに軸方向に対し
て傾斜する割り溝を設け、該ブツシュを、クララチリリ
ーズベアリングの摺動時（往動時）に一方向に回動する
ようにしたため、前記ブツシュはスリーブに対して常時
同一面で当たらず、同一部分の摩耗量を低減でき、その
結果クララチリリーズベアリングの焼付きによるクラッ
チの作動不良を防止するという実用上優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第１図はク
ラッチ操作系の要部縦断面図、第２図は第１図の同要部
横断面図、第３図はブツシュとスリーブとの関係を示す
要部拡大断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線に沿う
断面図、第５図はブツシュの側面図、第６図ａはブツシ
ュに作用する押圧力の関係を示すベクトル図、第６図す
はリリーズフォークの回動状態を示す説明図、第７図は
ブツシュをミッションのフロントカバーに外嵌スる構造
の変形例を示す要部拡大断面図である。 １・・・・・・ミッションフロントカバー、２・・・・
・・軸受部、４・・・・・・ブツシュ、５・・・・・・
割り溝、１４・・・・・・クララチリリーズベアリング
、３１・・・・・・軸受部、３２・・・・・・ブツシュ
。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）クララチリリーズベアリングが円弧状の軌跡を描
   きながら回動するリリーズフォークによつ上押圧さｈ□
   、ミッションフロントカバーの軸受上部を摺動してクラ
   ッチの係脱を行うクララチリリーズ装置において、前記
   ミッションフロント・カバーの軸受部に、軸方向に対し
   傾斜した割り溝を設けたブツシュを回動自在に外嵌し、
   該ブツシュ上をクララチリリーズベアリングのスリニブ
   が摺動自在であることを特徴とするクララチリリーズ装
   置二
2. （２）ブツシュは、含油プラスチック材で形威されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のクララチリリー
   ズ装置。