JPH0619864Y2 - 自動調心型クラッチレリ−ズ軸受装置 - Google Patents
自動調心型クラッチレリ−ズ軸受装置Info
- Publication number
- JPH0619864Y2 JPH0619864Y2 JP1987129412U JP12941287U JPH0619864Y2 JP H0619864 Y2 JPH0619864 Y2 JP H0619864Y2 JP 1987129412 U JP1987129412 U JP 1987129412U JP 12941287 U JP12941287 U JP 12941287U JP H0619864 Y2 JPH0619864 Y2 JP H0619864Y2
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- Japan
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- clutch release
- release bearing
- bearing
- elastic member
- self
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Description
この考案は、自動車のエンジンとトランスミッションと
の間に設けられるクラッチを作動もしくは開放させるた
めの自動調心型クラッチレリーズ軸受装置に関するもの
である。
の間に設けられるクラッチを作動もしくは開放させるた
めの自動調心型クラッチレリーズ軸受装置に関するもの
である。
一般に、自動車のエンジンとトランスミッションとの間
に設けられるクラッチは、第12図に示すように、エン
ジン(図示せず)の駆動軸40に一体に連結されたフラ
イホイール41と、トランスミッション(図示せず)に
連結した出力軸42と、出力軸42にスプライン嵌合さ
れたクラッチ板43と、フライホイール41と一体結合
されたカバー44に揺動自在に取付けたダイヤフラムス
プリング45と、ダイヤフラムスプリング45に支持さ
れた圧力板46と、トランスミッションのカバー47か
ら突設され、出力軸42を覆うフロントカバー48上に
軸方向へ摺動自在に嵌合された自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置49とからなっている。 上記ダイヤフラムスプリング45の弾力により圧力板4
6を図中左側に押圧してクラッチ板43をフライホイー
ル41に圧接させ、クラッチ板43とフライホイール4
1及び圧力板46との圧接面に生ずる摩擦力により駆動
軸40の回転を出力軸42に伝達している。 また、クラッチペダル(図示せず)を踏むと、クラッチ
ペダルに連結されている2股状のレリーズフォーク50
によりクラッチレリーズ軸受装置49がフロントカバー
48上を摺動して、ダイヤフラムスプリング45を押圧
する。この押圧により、ダイヤフラムスプリング45が
揺動し、ダイヤフラムスプリング45に支持された圧力
板46が図中右側に移動し、クラッチ板43から離れ、
クラッチ板43の両側面に隙間ができて駆動軸40の回
転が出力軸42に伝達されないようになっている。 上記クラッチに組込まれている自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置49は、例えば、第13図及び第14図に
示すように、上記フロントカバー48上に摺動自在に嵌
合され、外周面フランジ部51を有する円筒状のスリー
ブ52と、フランジ部51に当接されたクラッチレリー
ズ軸受53と、軸受53の外周を覆うカバー54と、カ
バー54の前端部と軸受53との間に介在させた波形ば
ね55からなっている。 上記フランジ部51は外周縁に係合溝56が複数形成さ
れ、180°対称位置にはレリーズフォーク50を取付
けるための穴57、58が設けられている。 上記クラッチレリーズ軸受53は、内輪59、外輪6
0、内輪59と外輪60の間に配された複数個のボール
61と、ボール61を案内保持する保持器62及びシー
ル63、64からなっている。内輪59はダイヤフラム
スプリング45と接触する球状凸部65を有している。 上記軸受53はカバー54の後端部に設けられた複数の
爪66によりフランジ部51の係合溝56に加締められ
ている。 これにより、フランジ部51とカバー54は一体となる
と共に、カバー54の前端部に設けられた屈曲部67と
外輪60との間に介在された波形ばね55により、外輪
60がフランジ部51側へ押圧されている。 上記カバー54の内径と外輪60の外径及び内輪59の
内径とスリーブ52の外径との間にはそれぞれ所定の隙
間が設けられ、軸受53が半径方向に移動できるように
なっている。
に設けられるクラッチは、第12図に示すように、エン
ジン(図示せず)の駆動軸40に一体に連結されたフラ
イホイール41と、トランスミッション(図示せず)に
連結した出力軸42と、出力軸42にスプライン嵌合さ
れたクラッチ板43と、フライホイール41と一体結合
されたカバー44に揺動自在に取付けたダイヤフラムス
プリング45と、ダイヤフラムスプリング45に支持さ
れた圧力板46と、トランスミッションのカバー47か
ら突設され、出力軸42を覆うフロントカバー48上に
軸方向へ摺動自在に嵌合された自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置49とからなっている。 上記ダイヤフラムスプリング45の弾力により圧力板4
6を図中左側に押圧してクラッチ板43をフライホイー
ル41に圧接させ、クラッチ板43とフライホイール4
1及び圧力板46との圧接面に生ずる摩擦力により駆動
軸40の回転を出力軸42に伝達している。 また、クラッチペダル(図示せず)を踏むと、クラッチ
ペダルに連結されている2股状のレリーズフォーク50
によりクラッチレリーズ軸受装置49がフロントカバー
48上を摺動して、ダイヤフラムスプリング45を押圧
する。この押圧により、ダイヤフラムスプリング45が
揺動し、ダイヤフラムスプリング45に支持された圧力
板46が図中右側に移動し、クラッチ板43から離れ、
クラッチ板43の両側面に隙間ができて駆動軸40の回
転が出力軸42に伝達されないようになっている。 上記クラッチに組込まれている自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置49は、例えば、第13図及び第14図に
示すように、上記フロントカバー48上に摺動自在に嵌
合され、外周面フランジ部51を有する円筒状のスリー
ブ52と、フランジ部51に当接されたクラッチレリー
ズ軸受53と、軸受53の外周を覆うカバー54と、カ
バー54の前端部と軸受53との間に介在させた波形ば
ね55からなっている。 上記フランジ部51は外周縁に係合溝56が複数形成さ
れ、180°対称位置にはレリーズフォーク50を取付
けるための穴57、58が設けられている。 上記クラッチレリーズ軸受53は、内輪59、外輪6
0、内輪59と外輪60の間に配された複数個のボール
61と、ボール61を案内保持する保持器62及びシー
ル63、64からなっている。内輪59はダイヤフラム
スプリング45と接触する球状凸部65を有している。 上記軸受53はカバー54の後端部に設けられた複数の
爪66によりフランジ部51の係合溝56に加締められ
ている。 これにより、フランジ部51とカバー54は一体となる
と共に、カバー54の前端部に設けられた屈曲部67と
外輪60との間に介在された波形ばね55により、外輪
60がフランジ部51側へ押圧されている。 上記カバー54の内径と外輪60の外径及び内輪59の
内径とスリーブ52の外径との間にはそれぞれ所定の隙
間が設けられ、軸受53が半径方向に移動できるように
なっている。
上記クラッチレリーズ軸受装置は、クラッチの開放時、
クラッチレリーズ軸受の回転中心とダイヤフラムスプリ
ングの回転中心とに組込み上の偏心があっても、その偏
心量を半径方向に調心することができるが、上記回転中
心軸が相互に傾きを生じている場合には、その傾きに追
従することができず、クラッチレリーズ軸受とダイヤフ
ラムスプリングとの接触面ですべり運転を生じ、異常摩
耗やすべり異音を発生するという問題点がある。
クラッチレリーズ軸受の回転中心とダイヤフラムスプリ
ングの回転中心とに組込み上の偏心があっても、その偏
心量を半径方向に調心することができるが、上記回転中
心軸が相互に傾きを生じている場合には、その傾きに追
従することができず、クラッチレリーズ軸受とダイヤフ
ラムスプリングとの接触面ですべり運転を生じ、異常摩
耗やすべり異音を発生するという問題点がある。
本考案は、上記問題点を解決するために、トランスミッ
ション装置のフロントカバー上に摺動自在に嵌合された
スリーブと、このスリーブ上に半径方向に所要の隙間を
もって装着されたクラッチレリーズ軸受とからなる自動
調心型クラッチレリーズ軸受装置において、上記軸受の
外輪内端から内方へ延長形成した側壁部の内周寄りの部
分に、上記スリーブのフランジ部に装着した波形ばねで
なる弾性部材を当接せしめ、上記弾性部材の外周部分に
おいて、上記側壁部とフランジ部との間に所要の隙間を
設けた構成とした。
ション装置のフロントカバー上に摺動自在に嵌合された
スリーブと、このスリーブ上に半径方向に所要の隙間を
もって装着されたクラッチレリーズ軸受とからなる自動
調心型クラッチレリーズ軸受装置において、上記軸受の
外輪内端から内方へ延長形成した側壁部の内周寄りの部
分に、上記スリーブのフランジ部に装着した波形ばねで
なる弾性部材を当接せしめ、上記弾性部材の外周部分に
おいて、上記側壁部とフランジ部との間に所要の隙間を
設けた構成とした。
以下、この考案を第1図乃至第11図に示す実施例に基
づいて説明する。同一符号は同一部品であるので詳細な
説明を除くことにする。 第1図乃至第4図は、第1実施例であって、外周面に環
状溝1とフランジ部2を形成した円筒状のスリーブ3
と、クラッチレリーズ軸受53の外周に配置された鋼板
プレス製のカバー4と、フランジ部2の端面5に形成さ
れた凹溝6に装着された波形ばねでなる弾性部材7と、
スリーブ3の環状溝1に嵌入された止め輪8とからなっ
ている。 上記カバー4は、外周部9の前端を外輪60の前端面に
加締め、後端を内方に屈曲させた後端部10にて軸受5
3と一体に固定されている。そして、後端部10には、
内方に延長させた側壁部11と、この側壁部11から更
に軸方向に延びる内周部12が設けられている。前記の
弾性部材7は、上記側壁部11の内端寄りの部分、即ち
内周部12寄りの部分に当接される。 上記内周部12を止め輪8に当接させることにより、カ
バー4を弾性部材7と止め輪8により挟持し、カバー4
に一体固定された軸受53をスリーブ3に案内保持する
ようにしている。 上記環状溝1と内周部12、カバー4の後端部10とフ
ランジ部2の前端面13、及び側壁部11とフランジ部
2の端面5との間には、それぞれ所定の隙間A,B,C
が設けられている。 上記のような自動調心型クラッチレリーズ軸受装置にお
いて、クラッチレリーズ軸受53の回転中心とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心とに組込み上の偏心があ
っても、その偏心量を上記隙間Aにより半径方向に調心
することができる。これは、従来の軸受装置と同様の動
作でる。 つぎに、上記エンジンの駆動軸40とトランスミッショ
ンに連結した出力軸42またはフロントカバー48や、
ダイヤフラムスプリング45の周方向不揃い等によっ
て、上記軸受53とダイヤフラムスプリング45との回
転中心軸が相互に傾きを生じている場合について説明す
る。 ここでは、一例として、第3図及び第4図にダイヤフラ
ムスプリング45が周方向に揃っていない場合を示す。 第3図及び第12図に示すように、フォーク50を作動
して、フロントカバー48上の自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置を図中左側へ摺動させると、内輪59はダ
イヤフラムスプリング45と凸部65上の1点Xで接触
し、軸受53に偏荷重が作用する。この偏荷重により軸
受53は点Xと180°対称位置である止め輪8と内周
部12の接触点を中心として、図中上側の弾性部材7を
押圧しつつ、第2図に示す隙間Bに相当する角度αだけ
傾く。この角度αは軸受53とダイヤフラムスプリング
45との回転中心の傾きになるように設定されている。
軸受53が傾く際、弾性部材7が側壁部11の内周寄り
の部分に当接し、その部分が力の作用点となって弾性部
材7を変形させながら傾くので、弾性部材7の当接部分
が外周寄りの場合に比べて傾動しやすくなる。 従って、偏荷重が作用しても、弾性部材7の伸縮によ
り、追従性がよく上記回転中心軸の傾きを調心すること
ができる。 上記弾性部材7の弾力はダイヤフラムスプリング45の
弾力特性を考慮して適宜設定する。 更に、第4図に示すように、フォーク50を作動して、
上記軸受装置をダイヤフラムスプリング45側に押し付
けると、内輪59とダイヤフラムスプリング45は上記
接触点Xを含む内輪59の周方向にも完全に接触して、
軸受53の姿勢が戻される。このとき、側壁部11がダ
イヤフラムスプリング45からの荷重を受けて変形しな
いように、第2図に示す隙間Cを隙間Bより若干大きく
設定し、ダイヤフラムスプリング45から受ける荷重を
図中矢印で示すように内輪59→ボール61→外輪60
→カバー4の後端部10→フランジ部2へと伝達するよ
うにしている。 第5図乃至第10図は、第2実施例であって、外周面に
フランジ部14を形成した円筒状のスリーブ15と、ク
ラッチレリーズ軸受16の外周に配された鋼板プレス製
のカバー17と、フランジ部14に埋め込まれた側板1
8と、側板18の内側に嵌入された摩擦板19と、摩擦
板19の内側でフランジ部14とカバー17に当接する
ように装着された波形ばねでなる弾性部材20とからな
っている。 上記軸受16は、内輪21、外輪22、内輪21と外輪
22の間に配された複数個のボール23と、ボール23
を案内保持する保持器24及びシール25,26からな
っている。内輪21はダイヤフラムスプリング45と接
触する球状凸部27を有している。 上記カバー17は外周部28の前端部29を外輪22の
前端面に加締め、外周部28の後端を内方に屈曲延長さ
せた側壁部30にて軸受16と一体に固定されている。 上記側板18は、内方に延びる円板部31と、円板部3
1の上部を軸方向屈曲させた円筒部32と、円筒部32
上の2箇所が外方に突出している受部33からなってい
る。34,35はそれぞれ円筒部32と受部33の平面
であり、平面35はレリーズフォーク50と当接する。
また、受部33,33の間の円筒部32の前端部36は
内方に屈曲され、カバー17の前端部29に当接してい
る。側板18に受部33と前端部36を形成するため、
前端部36と36の間には、空所37,37が設けられ
ている。 上記軸受16を弾性部材20とカバー17により挟持
し、スリーブ15に案内保持している。弾性部材20は
側壁部30の内周寄りの部分に当接される。 上記カバー17の外周部28と円筒部32、カバー17
の側壁部30と摩擦板19及びフランジ部14と側壁部
30の間には、それぞれ所定の隙間D,E,Fが設けら
れている。 上記のような自動調心型クラッチレリーズ軸受装置にお
いて、クラッチレリーズ軸受16の回転中心とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心とに組込み上の偏心があ
っても、従来の軸受装置と同様に、その偏心量を上記隙
間Dにより半径方向に調心することができる。 つぎに、第1実施例と同様に、ダイヤフラムスプリング
45が周方向に揃っていないため、軸受16とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心軸が相互に傾きを生じて
いる場合について説明する。 まず、第7図に示すように、上記軸受装置を摺動させ
て、側板18の前端部36側の内輪27がダイヤフラム
スプリング45と凸部21上の1点Yで接触し、偏荷重
を受けるとする。この偏荷重により軸受16は点Yと1
80°対称位置であるカバー17の前端部29と側板1
8の前端部36の接触点を中心として、弾性部材20を
押圧しつつ、第6図に示す隙間Eに相当する角度αだけ
傾く。これにより、上記回転中心軸の傾きを調心しう
る。軸受16が傾く際、前記の第1実施例と同様に、弾
性部材20が側壁部30の内周寄りの部分に当接し、そ
の部分が力の作用点となって弾性部材7を変形させなが
ら傾くので、弾性部材7の当接部分が外周寄りの場合に
比べ傾動しやすくなる。 更に、第8図に示すように、上記軸受装置を摺動させる
と、ダイヤフラムスプリング45と内輪21が完全に接
触して、軸受16の姿勢が戻される。 そして、このとき、隙間Fを隙間Eより若干大きく設定
して、ダイヤフラムスプリング45から受ける荷重を内
輪21→ボール23→外輪22→側壁部30の上部→摩
擦板19→側板18の円板部31へと伝達するようにし
たので、側壁部30が変形する心配はない。 一方、第9図に示すように、側板18の空所37側の内
輪21が凸部27上の1点Zで接触し、偏荷重を受ける
場合、軸受16は第10図に示すように上記空所37と
は反対側の空所37で前端部29,36の接触点P1,
P2を支点として、角度βだけ傾く。この角度βは上記
角度αより若干大きい程度なので、調心作用に問題はな
い。 更に、上記軸受装置を摺動させると、第11図に示すよ
うに、軸受16の姿勢が戻されて、ダイヤフラムスプリ
ング45を押圧することにより、クラッチを完全に開放
する。尚、図中の矢印は前述の荷重経路を示している。 以上において、ダイヤフラムスプリング45と軸受回転
中心軸の偏心並びに傾きの調心作用を別々に説明した
が、偏心並びに傾きを同時に調心できることは言うまで
もない。 また、本実施例ではカバー4,17を軸受55,16に
固定するようにしたものを示したが、これらを一体もの
として形成してもよい。
づいて説明する。同一符号は同一部品であるので詳細な
説明を除くことにする。 第1図乃至第4図は、第1実施例であって、外周面に環
状溝1とフランジ部2を形成した円筒状のスリーブ3
と、クラッチレリーズ軸受53の外周に配置された鋼板
プレス製のカバー4と、フランジ部2の端面5に形成さ
れた凹溝6に装着された波形ばねでなる弾性部材7と、
スリーブ3の環状溝1に嵌入された止め輪8とからなっ
ている。 上記カバー4は、外周部9の前端を外輪60の前端面に
加締め、後端を内方に屈曲させた後端部10にて軸受5
3と一体に固定されている。そして、後端部10には、
内方に延長させた側壁部11と、この側壁部11から更
に軸方向に延びる内周部12が設けられている。前記の
弾性部材7は、上記側壁部11の内端寄りの部分、即ち
内周部12寄りの部分に当接される。 上記内周部12を止め輪8に当接させることにより、カ
バー4を弾性部材7と止め輪8により挟持し、カバー4
に一体固定された軸受53をスリーブ3に案内保持する
ようにしている。 上記環状溝1と内周部12、カバー4の後端部10とフ
ランジ部2の前端面13、及び側壁部11とフランジ部
2の端面5との間には、それぞれ所定の隙間A,B,C
が設けられている。 上記のような自動調心型クラッチレリーズ軸受装置にお
いて、クラッチレリーズ軸受53の回転中心とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心とに組込み上の偏心があ
っても、その偏心量を上記隙間Aにより半径方向に調心
することができる。これは、従来の軸受装置と同様の動
作でる。 つぎに、上記エンジンの駆動軸40とトランスミッショ
ンに連結した出力軸42またはフロントカバー48や、
ダイヤフラムスプリング45の周方向不揃い等によっ
て、上記軸受53とダイヤフラムスプリング45との回
転中心軸が相互に傾きを生じている場合について説明す
る。 ここでは、一例として、第3図及び第4図にダイヤフラ
ムスプリング45が周方向に揃っていない場合を示す。 第3図及び第12図に示すように、フォーク50を作動
して、フロントカバー48上の自動調心型クラッチレリ
ーズ軸受装置を図中左側へ摺動させると、内輪59はダ
イヤフラムスプリング45と凸部65上の1点Xで接触
し、軸受53に偏荷重が作用する。この偏荷重により軸
受53は点Xと180°対称位置である止め輪8と内周
部12の接触点を中心として、図中上側の弾性部材7を
押圧しつつ、第2図に示す隙間Bに相当する角度αだけ
傾く。この角度αは軸受53とダイヤフラムスプリング
45との回転中心の傾きになるように設定されている。
軸受53が傾く際、弾性部材7が側壁部11の内周寄り
の部分に当接し、その部分が力の作用点となって弾性部
材7を変形させながら傾くので、弾性部材7の当接部分
が外周寄りの場合に比べて傾動しやすくなる。 従って、偏荷重が作用しても、弾性部材7の伸縮によ
り、追従性がよく上記回転中心軸の傾きを調心すること
ができる。 上記弾性部材7の弾力はダイヤフラムスプリング45の
弾力特性を考慮して適宜設定する。 更に、第4図に示すように、フォーク50を作動して、
上記軸受装置をダイヤフラムスプリング45側に押し付
けると、内輪59とダイヤフラムスプリング45は上記
接触点Xを含む内輪59の周方向にも完全に接触して、
軸受53の姿勢が戻される。このとき、側壁部11がダ
イヤフラムスプリング45からの荷重を受けて変形しな
いように、第2図に示す隙間Cを隙間Bより若干大きく
設定し、ダイヤフラムスプリング45から受ける荷重を
図中矢印で示すように内輪59→ボール61→外輪60
→カバー4の後端部10→フランジ部2へと伝達するよ
うにしている。 第5図乃至第10図は、第2実施例であって、外周面に
フランジ部14を形成した円筒状のスリーブ15と、ク
ラッチレリーズ軸受16の外周に配された鋼板プレス製
のカバー17と、フランジ部14に埋め込まれた側板1
8と、側板18の内側に嵌入された摩擦板19と、摩擦
板19の内側でフランジ部14とカバー17に当接する
ように装着された波形ばねでなる弾性部材20とからな
っている。 上記軸受16は、内輪21、外輪22、内輪21と外輪
22の間に配された複数個のボール23と、ボール23
を案内保持する保持器24及びシール25,26からな
っている。内輪21はダイヤフラムスプリング45と接
触する球状凸部27を有している。 上記カバー17は外周部28の前端部29を外輪22の
前端面に加締め、外周部28の後端を内方に屈曲延長さ
せた側壁部30にて軸受16と一体に固定されている。 上記側板18は、内方に延びる円板部31と、円板部3
1の上部を軸方向屈曲させた円筒部32と、円筒部32
上の2箇所が外方に突出している受部33からなってい
る。34,35はそれぞれ円筒部32と受部33の平面
であり、平面35はレリーズフォーク50と当接する。
また、受部33,33の間の円筒部32の前端部36は
内方に屈曲され、カバー17の前端部29に当接してい
る。側板18に受部33と前端部36を形成するため、
前端部36と36の間には、空所37,37が設けられ
ている。 上記軸受16を弾性部材20とカバー17により挟持
し、スリーブ15に案内保持している。弾性部材20は
側壁部30の内周寄りの部分に当接される。 上記カバー17の外周部28と円筒部32、カバー17
の側壁部30と摩擦板19及びフランジ部14と側壁部
30の間には、それぞれ所定の隙間D,E,Fが設けら
れている。 上記のような自動調心型クラッチレリーズ軸受装置にお
いて、クラッチレリーズ軸受16の回転中心とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心とに組込み上の偏心があ
っても、従来の軸受装置と同様に、その偏心量を上記隙
間Dにより半径方向に調心することができる。 つぎに、第1実施例と同様に、ダイヤフラムスプリング
45が周方向に揃っていないため、軸受16とダイヤフ
ラムスプリング45の回転中心軸が相互に傾きを生じて
いる場合について説明する。 まず、第7図に示すように、上記軸受装置を摺動させ
て、側板18の前端部36側の内輪27がダイヤフラム
スプリング45と凸部21上の1点Yで接触し、偏荷重
を受けるとする。この偏荷重により軸受16は点Yと1
80°対称位置であるカバー17の前端部29と側板1
8の前端部36の接触点を中心として、弾性部材20を
押圧しつつ、第6図に示す隙間Eに相当する角度αだけ
傾く。これにより、上記回転中心軸の傾きを調心しう
る。軸受16が傾く際、前記の第1実施例と同様に、弾
性部材20が側壁部30の内周寄りの部分に当接し、そ
の部分が力の作用点となって弾性部材7を変形させなが
ら傾くので、弾性部材7の当接部分が外周寄りの場合に
比べ傾動しやすくなる。 更に、第8図に示すように、上記軸受装置を摺動させる
と、ダイヤフラムスプリング45と内輪21が完全に接
触して、軸受16の姿勢が戻される。 そして、このとき、隙間Fを隙間Eより若干大きく設定
して、ダイヤフラムスプリング45から受ける荷重を内
輪21→ボール23→外輪22→側壁部30の上部→摩
擦板19→側板18の円板部31へと伝達するようにし
たので、側壁部30が変形する心配はない。 一方、第9図に示すように、側板18の空所37側の内
輪21が凸部27上の1点Zで接触し、偏荷重を受ける
場合、軸受16は第10図に示すように上記空所37と
は反対側の空所37で前端部29,36の接触点P1,
P2を支点として、角度βだけ傾く。この角度βは上記
角度αより若干大きい程度なので、調心作用に問題はな
い。 更に、上記軸受装置を摺動させると、第11図に示すよ
うに、軸受16の姿勢が戻されて、ダイヤフラムスプリ
ング45を押圧することにより、クラッチを完全に開放
する。尚、図中の矢印は前述の荷重経路を示している。 以上において、ダイヤフラムスプリング45と軸受回転
中心軸の偏心並びに傾きの調心作用を別々に説明した
が、偏心並びに傾きを同時に調心できることは言うまで
もない。 また、本実施例ではカバー4,17を軸受55,16に
固定するようにしたものを示したが、これらを一体もの
として形成してもよい。
以上のように、本考案は、軸受の外輪内端から内方へ延
長形成した側壁部の内周寄りの部分に、スリーブのフラ
ンジ部に装着した波形ばねでなる弾性部材を当接せし
め、上記弾性部材の外周部分において上記側壁部とフラ
ンジ部との間に所要の隙間を設けたことにより、軸受の
回転中心とダイヤフラムスプリングの回転中心とに偏心
並びに傾きがあっても、クラッチ開放作動時に、素早く
偏心並びに傾きに追従して、調心することができる。 従って、軸受とダイヤフラムスプリングとの接触面で、
異常摩耗やすべり異音が発生しない。
長形成した側壁部の内周寄りの部分に、スリーブのフラ
ンジ部に装着した波形ばねでなる弾性部材を当接せし
め、上記弾性部材の外周部分において上記側壁部とフラ
ンジ部との間に所要の隙間を設けたことにより、軸受の
回転中心とダイヤフラムスプリングの回転中心とに偏心
並びに傾きがあっても、クラッチ開放作動時に、素早く
偏心並びに傾きに追従して、調心することができる。 従って、軸受とダイヤフラムスプリングとの接触面で、
異常摩耗やすべり異音が発生しない。
第1図は本考案に係る自動調心型クラッチレリーズ軸受
装置の第1実施例を示す正面図、第2図は第1図のII-I
I線に沿う側断面図、第3図及び第4図は第1図のIII-I
II線に沿う断側面図であり、かつ本考案の動作説明図、
第5図は本考案に係る自動調心型クラッチレリーズ軸受
装置の第2実施例を示す正面図、第6図は第5図のIV-I
V線に沿う断側面図、第7図、第8図及び第9図、第1
0図はそれぞれ第5図のV−V線及びVI-VI線に沿う断
側面図であり、かつ本考案の作動説明図、第11図は第
9図の下面図、第12図は自動車のエンジンとトランス
ミッションとの間に設けられるクラッチの正面図、第1
3図は、従来の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置の
正面図、第14図は第13図のVII-VII線に沿う断側面
図。 2,14……フランジ部 3,15……スリーブ 4,17……カバー 7,20……弾性部材 11,30……側壁部 16,53……クラッチレリーズ軸受
装置の第1実施例を示す正面図、第2図は第1図のII-I
I線に沿う側断面図、第3図及び第4図は第1図のIII-I
II線に沿う断側面図であり、かつ本考案の動作説明図、
第5図は本考案に係る自動調心型クラッチレリーズ軸受
装置の第2実施例を示す正面図、第6図は第5図のIV-I
V線に沿う断側面図、第7図、第8図及び第9図、第1
0図はそれぞれ第5図のV−V線及びVI-VI線に沿う断
側面図であり、かつ本考案の作動説明図、第11図は第
9図の下面図、第12図は自動車のエンジンとトランス
ミッションとの間に設けられるクラッチの正面図、第1
3図は、従来の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置の
正面図、第14図は第13図のVII-VII線に沿う断側面
図。 2,14……フランジ部 3,15……スリーブ 4,17……カバー 7,20……弾性部材 11,30……側壁部 16,53……クラッチレリーズ軸受
Claims (1)
- 【請求項1】トランスミッション装置のフロントカバー
上に摺動自在に嵌合されたスリーブと、このスリーブ上
に半径方向に所要の隙間をもって装着されたクラッチレ
リーズ軸受とからなる自動調心型クラッチレリーズ軸受
装置において、上記軸受の外輪内端から内方へ延長形成
した側壁部の内周寄りの部分に、上記スリーブのフラン
ジ部に装着した波形ばねでなる弾性部材を当接せしめ、
上記弾性部材の外周部分において、上記側壁部とフラン
ジ部との間に所要の隙間を設けたことを特徴とする自動
調心型クラッチレリーズ軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987129412U JPH0619864Y2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 自動調心型クラッチレリ−ズ軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987129412U JPH0619864Y2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 自動調心型クラッチレリ−ズ軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6435225U JPS6435225U (ja) | 1989-03-03 |
JPH0619864Y2 true JPH0619864Y2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=31383663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987129412U Expired - Lifetime JPH0619864Y2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 自動調心型クラッチレリ−ズ軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0619864Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5601062B2 (ja) * | 2010-07-20 | 2014-10-08 | 日本精工株式会社 | クラッチレリーズ軸受装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2514447B3 (ja) | 1981-10-09 | 1983-08-05 | Riv Officine Di Villar Perosa | |
US4566578A (en) | 1984-06-04 | 1986-01-28 | Automotive Products Plc | Clutch throw-out bearing and bearing carrier assembly |
-
1987
- 1987-08-25 JP JP1987129412U patent/JPH0619864Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2514447B3 (ja) | 1981-10-09 | 1983-08-05 | Riv Officine Di Villar Perosa | |
US4566578A (en) | 1984-06-04 | 1986-01-28 | Automotive Products Plc | Clutch throw-out bearing and bearing carrier assembly |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6435225U (ja) | 1989-03-03 |
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