JPH0346445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は一本のシヤフトの軸方向変位および回
動により夫々２種以上のスイツチ動作を行う二動
作スイツチに関する。

（従来技術） 従来、リターンスプリングのスプリング力に抗
してノブを押し操作すると、このノブが取着され
たシヤフトの軸方向変位に連動して第１のスイツ
チがスイツチ動作を行い、ノブを押し操作した状
態でこのノブを回動させるとシヤフトが回転し、
この回転に連動して第２のスイツチがスイツチ動
作を行う二動作スイツチは周知である。この二動
作スイツチにおいて、第２のスイツチは、具体的
には図示しないが、上記シヤフトにその軸方向に
スライド自在に外嵌するロータを有し、このロー
タには案内手段により径方向に変位自在に支持さ
れたプツシユバーと、このプツシユバーをロータ
の径方向外向きに付勢するスプリングとを設け、
支点のまわりに傾転自在に設けられた第２のスイ
ツチの可動片に上記プツシユバーを圧接させ、シ
ヤフトの回転に応じてこの可動片を傾転させてオ
ン、オフ動作を行わせる構成を有していた。

ところで、上記二動作スイツチでは、プツシユ
バーを第２のスイツチの可動片に向つて付勢する
スプリングの反力がシヤフトに外嵌しているロー
タ作用している。この反力は上記シヤフトにその
軸方向に対して直角に作用し、ロータの内周面を
シヤフトの外周面に圧接させるとともにシヤフト
にモーメントを与える。このため、ノブを押し操
作するときの操作力が大きくなるうえ、プツシユ
バーのスプリングのスプリング力が強過ぎたり、
リターンスプリングのスプリング力が弱い場合に
は、ノブの押し操作を解除してもジヤフトがスム
ースに所定位置に戻らないといつた不具合があつ
た。

（考案の目的） 本考案は従来の二動作スイツチにおける上記不
具合を解消すべくなされたものであつて、シヤフ
トの戻り不良がなく、操作性の良好な二動作スイ
ツチを提供することを目的としている。

（考案の構成） このため、本考案は、リターンスプリングに付
勢されて軸方向変位するシヤフトに、その軸方向
にスライド自在に外嵌するとともにシヤフトと共
に回転するロータの外周部で、プツシユバーを付
勢するスプリングのスプリング力によりロータに
作用する反力を受け止める受け部をロータに対し
て備えたことを特徴としている。ロータに作用す
る反力は受け部に受け止められるので、シヤフト
にはその軸方向に対して直角な方向から力が作用
することがなくなる。

（考案の効果） 本考案によれば、シヤフトは先端側のみで軸受
けされているが、プツシユバーを付勢するスプリ
ングのスプリング力によりロータに作用する反力
はシヤフトに作用することがないので、シヤフト
にはその軸方向に対して直角な方向からの力が作
用せず、シヤフトはその軸方向にスムースに変位
することができ、ノブを押し操作するときの操作
力も小さくなり、ノブの押し操作解除時のシヤフ
トの戻りもスムースに行わせることができる。

また、激しい振動や衝撃によりロータを反転さ
せる方向へ力が作用しても、受け部がスプリング
反力を受け止めた状態でロータの上方部外周面に
当接しているため、その摩擦力が付加されるの
で、ロータが反転してスイツチが切り換わるおそ
れがなくなる。

さらに、シヤフトの軸受け部が先端側のみであ
るため、それだけ構造が簡単になるとともに、シ
ヤフトも短くすることができる。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本考案の実施例を
説明する。

第１図に本考案に係る二動作スイツチを示す。

上記二動作スイツチは、ケース１のカバー２と
先端にノブ３が取着されたシヤフト４の後端の孔
４ａとの間に縮装されたリターンスプリング５の
スプリング力に抗して、上記ノブ３を矢印A₁の
向きに押し操作すると、上記シヤフト４のカバー
２に向う軸方向変位に連動して、第１のスイツチ
６がスイツチ動作を行い、上記ノブ３を回動させ
ると、シヤフト４が回転して第２のスイツチ７が
スイツチ動作を行うものである。

上記シヤフト４はその先端側がケース１の前面
に形成された軸受部１ａに軸方向変位可能に嵌合
しており、その回転量はノブ３に形成された円弧
状の凹溝３ａとケース１からこの凹溝３ａ内に突
出させた突起１ｂとにより規制される。上記シヤ
フト４のほゞ中央部には、他の部分よりも径が大
きくなつた抜止め突起４ｂが形成されており、こ
の抜止め突起４ｂのケース１の前面側の端面が上
記軸受部１ａに当接し、シヤフト４が抜止めされ
る。

シヤフト４の先端部がケース１の前部から突出
する向きに上記シヤフト４を矢印A₂で示す向き
に付勢するリターンスプリング５は、その一端が
シヤフト４の孔４ａ内に形成された段部４ｃに当
接する一方、他端はケース１の後面に固定された
カバー２の突起２ａに外嵌している。この突起２
ａはシヤフト４の穴４ａの開口に向つてケース１
内に突出し、リターンスプリング５の他端の中心
がシヤフト４の軸心に一致するように、リターン
スプリング５の他端の位置を規定している。

第１図において矢印A₁およびA₂で示す上記シ
ヤフト４の軸方向の変位に連動する第１のスイツ
チ６はターミナルベース１３上に配設され、スラ
イダ１１、このスライダ１１に外嵌するコンタク
トプレート１２、ターミナルベース１３に固定さ
れた固定接点１４，１５および上記コンタクトプ
レート１２を固定接点１４，１５に向つて付勢す
るスプリング１６からなつている。

上記スライダ１１は係合凹部１１ａを備えてお
り、この係合凹部１１ａには、シヤフト４の抜止
め突起４ｂから突出させた突片４ｄが嵌入してい
る。上記スライダ１１は、シヤフト４が矢印A₁
およびA₂の向きに軸方向に変位すると、ケース
１内に設けられたガイド１７に案内されてシヤフ
ト４とほゞ平行に移動する。

上記スライダ１１に形成された孔１１ｂの内部
には、スプリング１６が縮装されている。このス
プリング１６はそのスプリング力により、上記コ
ンタクトプレート１２をターミナルベース１３に
向つて付勢する。上記コンタクトプレート１２
は、常時、スプリング１６に付勢されて固定接点
１４に圧接しており、シヤフト４が矢印A₁の向
きに変位すると、固定接点１４上をスライドして
固定接点１５にも圧接し、固定接点１４と１５と
を相互に導通させる。

一方、シヤフト４の回転に連動する第２のスイ
ツチ７は、第２図に示すように、シヤフト４に外
嵌するロータ２１、プツシユバー２２、このプツ
シユバー２２をロータ２１の径方向外向きに付勢
するスプリング２３、可動片２４、ターミナルベ
ース１３に固定された金属端子２５および固定接
点２６からなつており、この第２スイツチも第１
スイツチと同様にターミナルベース１３上に配設
されている。

上記ロータ２１は大略四角形状の孔２１ａを有
し、この孔２１ａ内にシヤフト４が嵌入されてい
る。シヤフト４のロータ２１が嵌入される嵌入部
分４ｅの横断面形状は、ロータ２１の孔２１ａに
対応して大略四角形状に形成されている。従つ
て、ロータ２１はシヤフト４の第１図において矢
印A₁およびA₂で示す軸方向の変位を許容すると
ともに、シヤフト４の回転に伴つてロータ２１も
回動する。

上記ロータ２１はまた、その下方部に径方向外
向きに突出する突出部２１ｂを有し、この突出部
２１ｂに設けられた孔２１ｃにプツシユバー２２
が出没自在に嵌入されている。従つて、この突出
部２１ｂはプツシユバー２２のロータの径方向変
位の案内手段となつている。上記プツシユバー２
２は、スプリング２３により、常時、ほゞ一定巾
を有する金属板からなる可動片２４に向つて付勢
されている。

上記可動片２４は、ターミナルベース１３に形
成された溝１３ａ内に突出させた金属端子２５の
端部を支点２５ａとして上記溝１３ａ内で傾転
し、一端に設けられた可動接点２４ａがターミナ
ルベース１３に固定された固定接点２６に対して
離接する。上記可動片２４は、プツシユバー２２
が支点２５ａを越えて固定接点２６側に移行する
と、矢印A₃で示す向きに傾転し、可動接点２４
ａを固定接点２６に圧接させる。上記とは逆に、
プツシユバー２２が支点２５ａを越えて固定接点
２６と反対側に移動すると、可動片２４は矢印
A₄で示す向きに傾転し、可動接点２４ａは固定
接点２６から離れる。

ところで、上記二動作スイツチでは、ロータ２
１には、プツシユバー２２を可動片２４に向つて
付勢するスプリング２３の反力が作用している。
この反力の方向は、シヤフト４の軸方向に対して
ほゞ直角となつているので、この反力がシヤフト
４のロータ２１が嵌入される嵌入部分４ｅに作用
すると、シヤフト４にはその軸受部１ａを支点と
するモーメントが生じ、上記反力が大きい場合、
ノブ３によるシヤフト４の矢印A₁（第１図参照）
の向きへの押し込み操作に力を必要としたり、リ
ターンスプリング５によるシヤフト４の矢印A₂
（第１図参照）の向きへの戻りがスムースに行わ
れなくなる。

そこで、本考案では、ロータ２１の外周部でロ
ータ２１に作用し、上記反力を受止める受け部２
７をカバー２に一体的に設けている。この受け部
２７は第１図に示すように、カバー２からロータ
２１の外周面に沿つてシヤフト４にはほゞ平行に
突出し上方部外周面に当接している。

上記のように、プツシユバー２２を可動片２４
に向つて付勢するスプリング２３の反力をロータ
２１の受け部２７で受け止めるようにすれば、シ
ヤフト４のロータ２１が嵌入される嵌入部分４ｅ
に上記反力が作用することはない。従つて、ノブ
３の矢印A₁の向きの押し操作により、シヤフト
４はスムースに軸方向に変位させることができ
る。また、ノブ３の押し操作を解除すれば、シヤ
フト４は、リターンスプリング５のスプリング力
により、速やかに、その抜止め突起４ｂが軸受部
１ａに当接する位置まで押し戻される。

なお、ロータ２１の外周面と受け部２７に摩擦
力が発生し、ノブ３の回転方向の操作力が少し速
くなっても、手動操作のため機能を損うことはな
い。

このように、ロータ２１に受け部２７を設ける
ことにより、二動作スイツチの操作感を非常に良
好なものとすることができる。

なお、上記実施例において、ロータ２１の受け
部２７は、カバー２から突出させているが、ケー
ス１の一部に設けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る二動作スイツチの一実施
例の縦断面図、第２図は第１図の二動作スイツチ
の第２のスイツチの詳細を示す断面図である。 ４……シヤフト、５……リターンスプリング、
６……第１のスイツチ、７……第２のスイツチ、
２１……ロータ、２２……プツシユバー、２３…
…スプリング、２４……可動片、２７……受け
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端にノブが取着され、その先端側がケースに
   回動かつ軸方向に摺動可能に軸受けされたシヤフ
   トと、このシヤフトを軸方向先端側に付勢するリ
   ターンスプリングと、シヤフトの軸方向変位に連
   動する第１のスイツチと、シヤフトの回転に連動
   する第２のスイツチとを備え、第１のスイツチと
   第２のスイツチは同一のターミナルベース面上に
   配設されているとともに、ノブの非操作時にはシ
   ヤフトがリターンスプリングの付勢力により自動
   的に先端側に戻るようにした二動作スイツチにお
   いて、 第２のスイツチは、上記シヤフトの後端側に外
   嵌されシヤフトの軸方向のスライド移動を許容す
   ると共にシヤフトの回転に伴つて回動するロータ
   と、このロータの下方部に径方向外向きに設けた
   案内手段に変位自在に支持されるプツシユレバー
   と、このプツシユレバーを可動接点側に付勢する
   スプリングとを設け、ロータの回転に伴つてプツ
   シユレバーにより可動接点を傾転させるようにす
   るとともに、ロータの上方部外周面に当接してロ
   ータに作用するスプリング反力を受け止める受け
   部をカバー又はケースに形成したことを特徴とす
   る二動作スイツチ。