JPS603261Y2 - 収納装置を備えた窓枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は上枠又は無目などの横枠に小物収納装置を一
体に備えた新規な窓枠に関するものである。

地価の暴騰や建築費の高騰により、間取りに余裕のある
住宅の建築が困難になり、住宅内に充分な小物収納スペ
ースを有する住宅が少なくなってきた。

小物を必要なときに容易に取出しうるように収納するに
は従来は、押出しを用いたり、小物受皿を壁面に固着し
たりしているが住空間が狭くなったり、壁面が見苦しく
なるなどの欠点があった。

この考案は上記の事情に鑑みてなされたものであり、上
枠、又は無目などの横枠に小物収納空間を形威し、その
収納空間の開口部に戸を開閉自在に取付けることにより
、従来全く利用されていなかった空間を有効に利用し、
住空間を狭くすることも、壁面等を見苦しくすることも
なく、小物を容易に収納することができるようにした新
規有用な窓枠を提供することを目的とする。

次に図面に基いてこの考案の実施例を説明する。

第１図はこの考案による収納装置Ａを上枠に設けた窓枠
の斜視図である。

窓枠Ｆは従来と同様に、アルミニウム押出形材で作られ
た上枠１、下枠２、及び左右の縦枠３，４で方形に枠組
みされ、その内側に引戸５，６が引違い可能に建込まれ
ている。

上枠１を除くほかの窓枠構成部材２゜３．４及び引戸５
，６は既知の構造を有する。

前記上枠１は第２図に明示するように、上下のウェブ７
．８で接続された内外の縦壁９，１０を有し、上部ウェ
ブ７の屋内側端部から立上る取付縁１１をまぐさ２５の
屋外側面に当接して釘２６で固定される。

そして、下部ウェブ８の下側面には、前記引戸５，６の
上端部を摺動自在に嵌合案内する案内ｉ１２，１３、及
び必要に応じて建付けられる網戸ｎの上端部を摺動自在
に案内する案内溝１４が設けられている。

前記縦枠３，４は少なくとも両縦壁９，１０間距離と等
しい幅を有し、その縦壁９，１０の長手方向端部に縦枠
３゜４を当接して各縦枠の外側よりタッピングビス（図
示せず）を前記各ウェブ７．８に形威しであるビスホー
ル１５．１６にねじ込んで、上枠ど縦枠とが結合されて
いる。

そして、上枠１はその一側すなわち縦壁９，１０のいず
れか一方の縦壁（通常は屋内側縦壁１０）から上下方向
に間隔をもって上枠１のほぼ全長にわたって上枠の手前
方向（屋内方向）に延びる天板１７と地板１８が一体に
延出されて、天板１７と地板１８との間に収納空間１９
を形威している。

そして、天板と地板の前端部によって収納空間は前面に
開口しており、かつ、前端部に形威された対向する二対
の１２０ａ、２１ａ、２０ｂ、２１ｂに引戸２２，２３
が引違い可能に嵌合され、この引戸で収納空間を開閉す
ることができるようになっている。

この考案による収納装置を上枠１に設ける場合は、収納
装置の高さが高くなるため、引戸２２．２３に指をかけ
て容易に開閉できない場合がある。

これを防ぐため、図示のように地板１８の突出幅を天板
１７のそれよりも小さくすることにより引戸２２．２３
を下向きに傾斜させることが好ましい。

これにより、引戸を開閉するときに指先で力を加え易く
なり、円滑に開閉ができる。

なお、収納空間１９の側面部は天板１７と地板１８の長
手方向両端部に装着されたエンドキャップ２４により閉
塞されている。

エンドキャップ２４は例えば天板１７の下面に当接して
ねじ止め又はリベット止めされる上面部２４ａと、収納
空間１９の断面形状とほぼ同一の形状を有して閉塞する
側面部２４ｂと、地板１８の上面に当接してねじ止め、
又はリベット止めされる下面部２４ｃとからなるもでよ
い。

第２図に示された上枠は外付はタイプサツシ用に形威さ
れたものであり、ウェブ７は雨仕舞いを良くするため屋
外側に下り傾斜され、取付縁１１がウェブ７の屋内側端
部に設けてあり、また、天板１７はまぐさ２５の下側を
まぐさの屋内側面よりもわずかに屋内側に延出する突出
幅を有して、その延出する部分で内装材２７を受けてい
る。

しかし、この考案を実施する上枠はサツシの窓開口部に
対する取付は態様が制限されるものではない。

２８は外装材、２９はコーキング材である。上述のよう
に、この実施例による窓枠を取付ければ、屋内側におい
て上枠の引戸２２．２３を開いて収納空間１９に小物を
収納することができ、引戸を再び閉めておけば、小物は
部屋から見えないので窓枠の屋内側外観が見苦しいこと
もない。

また、必要なときは、引戸を開けて容易に取出すことが
できる。

第３図はこの考案を窓枠の横枠の一つである無目３０に
適用した実施例を示す。

すなわち、欄間付き窓枠においては収納・取出しが容易
にできる高さに存する無目３０に収納装置Ａを設けるこ
とがよい。

この実施例では無目の屋内側面から屋内方向に延びる天
板３１と地板３２とを一体に設けて前述と同様に収納空
間３３を形成するとともに、両板の前端部の間に引戸３
４．３５を引違い可能に嵌合し、その収納空間３３を長
手方向両端部においてエンドキャップ（図示省略）で閉
塞することにより、無目３０に収納装置Ａが設けである
。

前記天板３１は屋内側縦壁３６の雨返しを兼ねる上端部
から、地板３２は屋内側縦壁３６の引戸案内溝３７′を
形成する垂下壁を兼ねる下端部からそれぞれ屋内方向に
延出させることにより、収納空間３３の容積ができるだ
け大きくされている。

屋内側縦壁３６よりも屋外側の構造は既知の無目と同様
であり、上部ウェブ３８は上面に欄間用引戸を支持する
レール３９．３９’を有し、下部ウェブ４０は下面に窓
用引戸及び網戸用の案内溝３７，３７’、４１を有して
いる。

上記いずれの実施例においても、収納装置は横枠すなわ
ち、上枠又は無目の屋内側壁１０．３６から屋内方向に
延出する天板１７，３１及び地板１Ｂ、３２により収納
空間１９．３３を形威している。

上述したいずれの実施例も、収納装置に換気機能を付加
することが容易にできる利点を有する。

すなわち、第２図に例示したように、屋内側縦壁１０に
その強度を損わない程度の任意形状の換気孔４７を設け
、屋外側縦壁９にも下方間ロコ字形の切線を入れて舌片
４８を形威しその舌片を屋外側に斜めに突出させて換気
孔４９を形成することにより、引戸２２．２３を任意量
だけ開放すれば自然換気が行なわれる。

舌片４８は斜め下方に突出しているから、雨の吹込みを
防止し、水切り作用をする。

以上のように、この考案による窓枠は、横枠に室内方向
に開口する収納空間を形成するとともに、その収納空間
の開口部にこれを開閉する戸を装着してなる収納装置を
一体に備えているので、窓枠を従来と同様にして建物が
取付けるだけで、収納装置を備えることができ、従来の
ように、窓枠の取付けとは別途に収納装置を取付けるこ
となく、従来全く利用されていなかった空間を積極的に
かつ有効に利用して、小物の収納・取出しができる。

そして、窓枠の構成部材である横枠自体で、収納装置を
構成しているから、従来のように、窓枠構成部材以外の
部材で形成された引出し、戸棚などを取付ける必要がな
いため、構成が簡単で、容易かつ安価に製作できる収納
装置付き窓枠を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第２図は上
枠の拡大断面図、第３図はこの考案の他の実施例の無目
の断面図である。 Ｆ・・・・・・窓枠、Ａ・・・・・・収納装置、１・・
・・・・上枠、２・・・・・・下枠、３，４・・・・・
・縦枠、５，６・・・・・・引戸、９．１０・・・・・
・縦壁、１７・・・・・・天板、１８・・・・・・地板
、１９・・・・・・収納空間、２２，２３・・・・・・
引戸、２４・・・・・・エンドキャップ、３０・・・・
・・無目、３１・曲・天板、３２・・・・・・地板、３
３・・・・・・収納空間、３４゜３５・・・・・・引戸
、３６・・・・・・縦壁、４５，４６・・曲引戸、４７
，４９・・・・・・換気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上枠又は無目などの屋内側縦壁に、屋内方向に延出する
   天板と地板とを設けて、前記縦壁、天板及び地板により
   室内方向に開口する収納空間を形威するとともに、前記
   天板と地板の室内側端部に戸保持部を設け、その戸保持
   部に前記収納空間を開閉する戸を装着してなる収納装置
   を一体に備えたことを特徴とする窓枠。